公務員数の国際比較

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日本は公的部門の職員数が国際的に少ないと聞いたので
ネットで調べてみました。

総務省の「人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較」では、
フランス(2008年)の86.6人、アメリカ(2009年)の77.5人、
イギリス(2008年)の77.2人、ドイツ(54.3人)に対し、
日本(2009年)はわずか31.6人です。
総務省HPへ

他にも、少し古い(2005年)ですが、野村総研のレポートがありました。
人口千人当たりの公務員数は、フランスやイギリスが100人近く、
米国74人、ドイツ70人に対し、日本は42人です。

このように日本の公務員数は相対的に少ないと言えそうですが、
なぜ公務員を見る目は非常に厳しいのでしょうか。
ほとんど「国民の敵」のような扱いは異常です。

ミクロで見れば確かにいろいろありますし、
マクロ的にもいろいろ考えられます
(批判しやすいという理由もありそうです)。

ある先生は次のようにコメントしていました。

「『所轄のために働く』が徹底していた(=所轄外からの反発)」
「統合・調整する機能が弱い(=主に政治の役割)」

確かに納得感があります。

※いつもの通り、個人的なコメントということでご理解下さいね。

※写真は小石川にある「こんにゃくえんま」源覚寺。
 目の病気にご利益のあるえんまさまだそうです。

 

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終身年金の憂鬱

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ニッセイ基礎研究所の明田裕さんが
「終身保険の憂鬱」というレポートを発表しました。
A42枚の短編ですが、なかなかショッキングな内容を含んでいます。
ニッセイ基礎研HPへ

厚生年金の支給開始年齢が2000年から、60歳から65歳へ
徐々に繰り下げられていますよね。
しかし、他方で60歳や65歳時点の平均余命が着実に伸びており、
5年間の繰り下げ効果を上回りかねないというのです。

平均寿命の長さは世界に誇るべき話かと思いますが、
年金財政を確実に圧迫する話でもあります。
もし今のトレンドが続くと年金財政が持たないので、
保険料や国庫負担の引き上げ、年金支給額の引き下げ、
あるいは支給開始年齢のさらなる繰り下げなどが想定されます。

終身年金のリスク、つまり、集団全体の長寿化が進み、
支給額が増えてしまうリスクは、確かに民間で引き受けるのは難しく、
引き続き政府を中心に提供していく分野なのかもしれません。
ただ、民間が挑戦しなければならない分野という見方もできるでしょう。

なお、明田さんの主張は、公的年金の支給開始年齢を
75歳前後まで引き上げ、それまでの生活資金は私的年金
(=自助努力だが政府支援あり)でつなぐ、
すなわち、政府は長生きリスクに集中し、75歳までは民間に委ねよ、
というものでした。

※最近売り出し中の「豊橋カレーうどん」を食べてきました。
 一見ふつうのカレーうどんなのですが、食べ進めるとご飯が出てきます。
 カレーうどんの写真は...食欲に負けて撮り忘れてしまいました^^

 

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東洋経済の「生保・損保特集」

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2010年版の「生保・損保特集」が出ました。
週刊東洋経済の臨時増刊として毎年出ているもので、
最近の保険業界の動向を手軽につかむことができます。

今回のテーマは「顧客接点強化」でした。

巻頭特集の「『顧客接点』強化へ大改革」では、
日本生命の取り組みを中心に紹介。

続いて、「チャネル改革で主力商品にも変化」
「銀行窓販は拡大期」「女性向け新商品の販売戦略」
「販売チャネルの新潮流」「コールセンターは重要拠点」
「損保代理店の『新常識』」「損害サービス大改革」
と顧客接点に関する記事のオンパレード。

記事と記事の間には社長インタビューが入ります。

ただ、このような構成の場合、記事が単に保険会社の取り組みを
紹介するだけでは業界の広報誌みたいになってしまいます。
きちんとした現状分析(=どこに問題があるのか)や、
各社の取り組みに対する評価がほしいところです。

私の要求が厳しすぎるのかもしれませんが、
全体的にもう少し深い突っ込みがほしかったですね。

読者の中心が業界関係者だとすると、読者の多くは
この10年間の保険市場(特に生保)の縮小を実感しています。

各社が現在取り組んでいる顧客接点強化によって、
本当に将来展望が開けるのか、それとも流れを変えるには
もっと大規模なビジネスモデルの見直しが必要なのか。

どうも読者の知りたいことと、実際の記事に乖離があるように感じました。

保険会社の広告が掲載されるうえ、近年は就職特集も見られるなど、
様々な制約や苦労があるのは想像できます。
しかし、ここ数年、読みごたえのある記事が減っているように
感じるのは私だけでしょうか。

アナリストやアクチュアリーなどの専門家ではなく、
普通の業界人が読んで、「へぇ、そうなんだ!」と感じるような記事が
何本も載っている特集号が理想なのでしょうね。

私は転職するまで10年連続で執筆していたので
(今回は執筆していません)、特集号の刊行を楽しみにしていました。
そんな事情もあり、ちょっと辛口コメントになってしまいました。

(おまけ)
損保各社の社長が代理店について大いに語った後に、
「保険会社は口出しすぎ 本当の差別化とは何か」
という損保代理店による「ホンネ匿名座談会」があって、
これは面白かったです。

 

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金融システムレポート

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先日(9/28)日本銀行が「金融システムレポート」を発表しました。

ここ数年、日銀は半年に1度のペースで同レポートを出しています。
足元の金融システムについて様々な分析があり、参考になります。
日銀HPへ

今回のレポートに、「蓄積が進む金利リスク」という分析がありました。
銀行による国債保有残高はすでに100兆円を超え、
金利リスク量(ここでは100bpv)も増えているというものです。

特に地域銀行での増加が顕著で、
100bpvは自己資本(TierⅠ)の30%に達しています。
平均残存期間をみると、大手行が2年程度まで短期化する一方、
地域銀行はむしろ残存期間を伸ばしています(3.5年超)。

もちろん、流動性預金の残存期間をどう見るか、
つまり、平均残存期間を1、2カ月とみるか、あるいは、
コア預金を踏まえ、例えば5年程度とみるかによって、
金利リスクの評価は全く異なります。

しかし、残存期間を5年程度とみる前提は、
「低金利が続き、資金移動が低調」というものです。
この前提が崩れることはないのでしょうか。
生保の負債とはかなり特性が異なるように思うのですが。

そうだとすると、やはり地域銀行の金利リスクは
もはや無視できる状況ではないのかもしれません。

※いつもの通り、個人的なコメントということでご理解下さい。

※この週末は地元のお祭りでした。
 ただ、残念ながら今回は所用につき不参加でした。
 数年前に雨の中おみこしを延々と担いだのを思い出します。

 

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交通系電子マネー

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JR東日本の「スイカ」と関東私鉄の「パスモ」による
決済が伸びているという報道がありました(28日の日経)。
8月の総決済件数は「スイカ」が前年比で40%増、
「パスモ」が37%増です。
猛暑の影響で、駅で飲料を購入する人が増えたとか。

もう少し調べてみると、7月のデータですが、
「スイカ」「パスモ」合計の月間利用件数は5565万件と、
1年前から30%増えています。

ただし、発行枚数が4655万枚なので、
1枚当りの利用件数は月1.2件となります(1年前は1.1件)。

依然として「スイカ」「パスモ」を乗車券(定期券など)としてのみ
使っている人が大部分を占めているのだとは思いますが、
他方で、日常的に電子マネーを小口決済の中心としている
ユーザーも一定程度存在するということなのでしょう。
利用者の裾野も広がってきているように感じます。

おそらく、小銭を持ち歩かない人はまだまだ少数派でしょう。
ただ、コンビニや自販機を中心に、利用できるところがかなり増えたので、
1枚当りの利用件数は今後もしばらく伸び続けるのではないでしょうか。

かく言う私はまだ小銭派です。
コンビニや自販機ではたまにしか買い物をしない
(近所のスーパーでは「パスモ」が使えません)
ということもありますが、古い人なのかもしれません^^

※写真は大黒埠頭側から見た横浜ベイブリッジです。

 

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自転車対人事故の高額賠償

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各紙の報道によると、2007年以降、自転車と歩行者の事故で
自転車側に高額賠償を命じる判決が相次いでいるそうです。
賠償額は数千万円に上ります。
特に歩道上の事故では過失相殺を認めない流れだとか。

自転車乗りとしては、個人賠償保険などで身を守ろうとは思うものの、
どこかすっきりしません。

まず、加害者の資力が担保されていません。

自動車による対人事故であれば自賠責保険が使えますが、
自転車の対人事故への公的な備えはありません。
高額賠償を命じられた加害者に支払い能力がなければ
結局のところ被害者は救済されません。

自転車が安全に走れる交通システムが確保されないなかで
加害責任を自転車の運転者に一方的に負わせることにも
疑問があります。

普段から自転車に乗っていればわかります。
自転車は車道を走れと言われても(実際に走っていますが)、
車道は相変わらず自動車のもので、自転車への配慮など
ほとんどありません。

しかも、自転車は日本の交通システムのなかで
中途半端な状態に置かれてきたためか、
運転者のルールが徹底されていません。
街を走っていると、逆走する自転車に何回遭遇することか。

自転車に加害責任を全面的に負わせるのであれば、
自転車が安全に走れる環境の整備もセットではないでしょうか。

※写真は白川郷の民宿の朝ごはん。
 ホテルと違い、同宿者みんなでいただきます。

 

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ホテルのサービス

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写真を見ていたら、金沢のホテルに泊まった時のことを思い出しました。

近江町市場で黄桃を買い、部屋で食べようとしたところ、
部屋にはナイフもフォークもありませんでした。

そこでルームサービスにナイフを借りようとしたら、
「防犯上の関係でお貸しできません」という返事。
ナイフがだめなのは飛行機の中だけではなく、
今やホテルでもナイフを貸してくれない時代なのですね。

ただ、「代わりにカットしてお持ちしましょうか」という
ありがたい申し出があったので、お願いすることにしました。

数分後にホテルマンが持ってきてくれたのが右の写真です。
これには感動しました。ここまできれいに盛り付けてくれるなんて。
しかも、彼は何も受け取らず帰っていきました
(想定外のサービスだったので、チップを渡そうとしたのです)。

マニュアル通りだったとしても、料金にサービス料が含まれているとしても
(割安宿泊プランでしたが...)、ちょっとうれしい話でした。
日本のサービス業はすごいですね。

 

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1社専属と乗合

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金融庁が先月公表した「平成22 検査事務年度検査基本方針」では、
検査重点事項として次のような記述があり、大きな反響を呼んでいるようです。

「最近では、経営の大規模化及び取扱保険商品の広範化が認められる
 保険代理店(生命保険募集代理店及び損害保険代理店をいう。)が
 増加していることを踏まえ、当該保険代理店については、所属保険会社に
 おける保険代理店に対する管理態勢を検証するのみならず、必要に応じて
 当該保険代理店に対する金融検査を実施し、適切な保険募集管理態勢が
 整備されているか検証する。」

金融庁HPへ

立場上、さすがにこれ以上のコメントはできませんが、
保険流通の変化がこんなところにも表れているのだと感じます。

ただ、個人的には「1社専属はだめで、中立的な乗合代理店がいい」
という保険マスコミによく見られる論調にはやや疑問を持っています
(そんなに単純な話ではないだろうという意味で)。

生保営業職員のような1社専属の募集人は、もちろん所属する
保険会社の商品・サービスしか提供できません。
これに対し、保険ショップのような何十社の保険会社の商品を
提供する代理店では、顧客が複数の保険会社の商品を比較検討し、
購入することができます。

一見すれば、後者のほうが消費者利益にかなっているように見えますが、
本当にそうなっているのか。

例えば、顧客は保険ショップ等で商品をきちんと比較検討できて
いるのでしょうか。
この点について、これまでブログでも何回か書いてきましたが、
私はかなり疑問を持っています。

また、募集人が特定の会社の商品を薦めることはないのでしょうか。
現場で耳を傾ければ、「1社に集中させないと手数料ランクが下がってしまう」
「ある会社から『○億円売ってくれたらボーナスとして×億円出す』と言われた」
といった話がしばしば聞こえてきます。

乗合代理店が中立的という保証は、残念ながらどこにもありません
(大半が顧客本位だと信じたいところですが...)。
だからといって、複数の1社専属チャネルに接触し、比較検討するのは
消費者にとって大きな負担でしょう。

やはり「比較情報の充実」がキーとなりそうですが
引き続きいろいろ考えてみたいです。

※いつものようにコメントはあくまで個人的なものですので、
 よろしくお願いします。

※写真は金沢・近江町市場で見つけた野菜たち。
 市場で見た食材が翌日の朝食に出ると、とてもうれしくなりますね。

 

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低金利貸出の増加

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バーゼル銀行委員会による新たな自己資本規制は
2013年から2019年にかけて段階的に実施される方向となりました。
銀行は大規模な増資や資産圧縮に動く必要はなくなりましたが、
毎期の利益から内部留保を積み上げていかなければなりません。

しかし、長引く低金利の影響に加え、低迷する資金需要、
激しい金利競争などの結果、銀行の低金利貸出が増えています。
日本銀行の統計をみると、国内銀行の貸出に占める
金利1%未満の貸出は全体の25%に達しています。

10年前であれば、金利3%以上の貸出は全体の15%、
5年前でも全体の10%はありました。
それが、直近では全体の7%まで下がっています。

すでに調達金利はほとんど下がる余地はないでしょうし、
クレジットコストも無視できません。
日本の銀行はどうやって利益を上げていくのでしょうか。

※写真は金沢の歴史的町並みです。

 

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初のペイオフ発動

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日本振興銀行が経営破綻し、一定額(元本1000万円とその利息)
を超える預金者に影響が生じることとなりました。
保護されない預金者が出るのは現行制度になって初めてことです。

すべての破綻処理でペイオフが発動されるわけではないにせよ、
預金削減が現実に起こりうる世の中になったことが示されました。

もっとも、保険会社の破綻処理では銀行等と違い、
以前から契約者負担が基本となっています。

生命保険契約者保護機構の補償対象は保険金額ではなく、
破綻時の責任準備金(正確には全期チルメル式ベース)の
9割ですし、高予定利率契約ではさらに低い水準となります。

加えて、生保は満期や終期までの期間が長いことが多いため、
予定利率引き下げの影響を強く受けます。
特に高予定利率契約の場合、将来受け取る保険金や年金が
大幅に減ってしまいます。

損保も契約者負担がセットです。
自動車保険や個人向け火災保険など、当初3ヶ月間だけは
保険金額が100%補償される種目もあります(詳しくはこちら → 保護機構HPへ)。
しかし、100%補償の対象ではない種目も多いので要注意です。

もちろん、早期発見、早期対応の仕組みが機能することが
重要なのは言うまでもありません。

※写真は金沢です。こんなモダンな駅に生まれ変わっていたのですね。

 

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