メソポタミア文明の保険類似制度

まずはセミナーのご案内です。
今年も損保総研でセミナー講師を務めます。演題は「保険会社経営の今後を探る~新たな健全性規制の導入を見据えて~」で、7月9日(水)18時から。Zoomライブ配信です。
損保総研では2000年以降、ほぼ毎年講師を務めていて、決算データを踏まえた保険会社の経営内容や健全性規制の動向など「定点観測」をお伝えする機会となっています。うっかりしていて、締切直前のご案内となってしまいました。7月2日(水)締切とのことですので、ご関心のあるかたはどうぞお越しください。

この週末(6月28日)は福岡大学で日本保険学会・九州部会の例会がありました。
私が司会を務めたのは、西南学院大学・小川浩昭先生の「カタストロフィ・ボンドの起源」という報告で、なんとメソポタミア文明の保険類似制度に関するものでした。
小川先生は近年、保険史の考察に没頭しているとのことで、メソポタミア文明が栄えた紀元前のこの地域に、条件付き債務免除という保険類似制度が登場し、それが古代ギリシャの冒険貸借制度につながったとのこと。「目には目を、歯には歯を」の復讐法で有名なハンムラビ法典には、「嵐や洪水で作物が流されたり、水不足で大麦が実らなかった場合、債権者に大麦を返済しなくてよい。また、その年の利息を支払わなくてよい」という条文があるそうです(48条)。
もちろん、法典としての効果がどの程度あったのかという話もあるのですが、紀元前18世紀のことですので、驚きました。

もう1つの報告「メタバース向け生命保険の法的可能性」(住友生命保険の泉裕章氏による)も興味深い内容でした。

※写真は美々津(宮崎県)の町並みです。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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