大手損保3グループの決算発表がありました(19日)。
朝日新聞では決算発表に絡め、
「保険金支払い2.3兆円 震災で損保・共済」
という記事を掲載し、他のメディアも、
「大手損保 震災で赤字や減益に」(NHK)
「東京海上など2社減益 NKSJ赤字転落」(毎日)
「地震保険 重い負担」(産経)
と大震災の影響を報じています。
確かに国内の自然災害による保険金支払額は
過去最大級の見通しですが、大手損保の経営体力には
大きな影響を与えなかったと総括できそうです。
まず、業界全体で9700億円とされる「地震保険」の支払いは
危険準備金を事前に積んでおり、決算へはニュートラルです。
企業向け地震特約など「地震保険」以外の発生保険金は
大手3グループで約2000億円でした。
小さい数字ではないにせよ、過去最大ではありません。
台風災害が頻発した2004年度の発生保険金は
正味ベースで5000億円を超えています。
大震災の発生後、一時的に暴落した株価が戻ったのも
ラッキーでした。
有価証券含み損益への影響はざっと見て▲8500億円程度。
リーマンショックの2008年度は3兆円以上の減少でした。
むしろ心配なのは、自動車保険の収支悪化に
全く歯止めがかからないことです。
自動車保険のコンバインドレシオが100%を下回った
大手損保は1社もなく、軒並み悪化しました。
正味収入保険料(除く自賠責)の5割以上を占める
最大種目である自動車保険の赤字構造が
定着してしまった感があります。
※写真は松崎の旧家です。
「内国生命病災保険」という会社があったのですね。