GWの読書から。
邦題は「なぜリーダーは『失敗』を認められないか」。
ハーバード・ビジネススクールのリチャード・テドロー教授が、
「否認」が原因で経営危機に陥った有名企業の事例を
紹介しています。
否認とは、ある不愉快な現実に対し、本当ならひどすぎる、
だから本当のはずはない、と考える無意識の心の動き。
しかし、否認しても不都合な現実は消えません。
制御不能なまでに増殖し、企業を根底から覆すことになります。
「目の前の現実を認めない」という態度。
この「否認」は人間の本能の一部であり、
あらゆる個人、あらゆる組織に起こりうる現象です。
本書でテドロー教授は、否認を避けるための
8つの教訓を示しています。
当たり前のことばかりに見えるかもしれませんが、
実際の事例からの分析なので説得力があります。
1.危機を待ってはいけない
2.無視したり、否定したり、理屈をこねたり、ねじ曲げたりしても
現実は変わらない
3.権力は人を狂わせる
4.最高意思決定者が聞く耳を持つこと
5.長期的な視野に立つ
6.相手をバカにしたり、呼び名をかえたりする傾向には要注意
7.真実を語る
8.たいていの人間は、たとえ間違っていようと
過去の常識にしがみつこうとする
各章の事例は米国企業とはいえ、フォードやコカコーラ、
IBMなど、有名企業ばかりなので興味深く読めました。
※写真は前回ご紹介した松崎の岩科学校です。