RINGオープンセミナー2014

 

土曜日はRINGの会オープンセミナーでした。
今年は出番がなかったので、3つのパネルディスカッションを
じっくり聞くことができました。
プログラムはこちら

10年後の保険代理店経営が今回のテーマとはいえ、
いま保険流通の世界では、やはり新たな保険募集ルールが
大きな関心事項となっているのですね。

第一部の参加者が例年より多かったように感じましたが、
皆さんの関心の大きさを示しているのでしょう。

このあたりの雰囲気は、同じ保険会社でも本社と現場では、
実のところ、かなりギャップがあるかもしれません。

今回私の印象に残ったのは、第二部の「オヤノコトネット」。

高齢の親を持つ35歳から59歳の子ども世代(=オヤノコト世代)
に対し、親のことを考える機会を提供し、この世代に必要な
商品やサービスを紹介する会社なのだそうです。

つまり、この会社が提供するのはプラットフォームであり、
商品やサービスを提供するのではありません。

潜在的な需要は大きいものの、ニーズの掘り起こしが難しい
「オヤノコト世代」向け商品・サービスに対するニーズ喚起を、
セミナーやイベントの開催等を通じ、商品・サービスの提供者に
代わって行うという仕組みです。

詳しくはHPに譲りますが、商品やサービスの提供者からすると、
いわば「ニーズ喚起のアウトソーシング」となりますね。
オヤノコトネットのHPへ

 

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第一生命のM&A

 

5/23のIR説明会で渡邉社長が米国市場の魅力を
やけに強調していたので、あれっと思っていたら、
さっそく大型買収のニュースがありました。

今回の米プロテクティブ買収により、第一生命の
連結修正純利益に対する海外事業の利益貢献度は
30%を超える見込みとのことです
(EVベースではどの程度なのでしょうね)。

買収金額の約5800億円は、時価総額に約35%の
プレミアムを加えた金額です。
買収コストを上回るシナジー効果をえるには
更なる利益成長を達成しなければなりません。

プロテクティブ社がなぜ第一生命の傘下に入ったのか。
S&P格付はAA-ですから、信用補完ということではなさそうです。

同社の発表資料によると、
「Dai-ichi Life’s financial resources and global presence
 will position Protective positively for the future.」
とあります。

同社は買収による事業規模の拡大を特徴としており、
これまではリテール事業の保有契約と既存の買収事業から
創出した資本を新規買収に投下するという事業サイクルでした。

第一生命のサポートを受け、これまで以上に買収事業に
力を入れるということなのでしょう。

第一生命も同社を「北米の成長プラットフォーム」と位置付け、
今の経営陣に引き続き現地の事業運営を委ね、
買収事業の取組規模の拡大を推進する方針です。

シナジー効果をえるには、PMI(買収後の経営統合プロセス)
がカギになるのだと思います。

保険事業はローカル色が強いとはいえ、グループの経営理念や
戦略、ERM態勢などを買収先にも浸透させる必要がありますし、
現地に委ねるだけではなく、言うべき時には言うという姿勢が
求められるのでしょう。

経営の執行はしないけど、統治を行う。
これって、欧米型ガバナンス(?)における取締役会の役割
(=経営の執行機関ではなく、監督機関)に通じるところがありますね。

とはいえ、東京海上に続き、グローバル保険グループへと
本格的に舵を切った第一生命に、注目したいと思います。

※写真は...どこでしょう?

RINGの会 オープンセミナー
 ↑申込締切日は6/9(月)だそうです。お早めに!

 

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主要生保の決算から

 

3メガ損保に続き、こんどは主要生保の決算について。

今回は「保険料等収入の減少」「逆ざや解消」のほか、
個人契約者への配当に注目が集まりました。

「大手増配、1000万人対象」(日経)
「大手生保 好業績で増配相次ぐ」(NHK)

とはいえ、主要生保9社の基礎利益が約2兆円で、
前期に比べて2000億円増えたのに対し、
個人契約者への配当は多くみても合計1000億円程度。
増配分はせいぜい数十億円です。
報道の大きさの割に、実額は限られていることがわかります。

その一方で、各社が内部留保にまわした金額は、
追加責任準備金を含めると1兆円を超えています。

このような動きをどう見るか。

一つは基礎利益が示すほど、生保経営は改善していない
(少なくとも当事者である生保の経営者はそう考えている)
ということかと思います。

例えば、日本生命の児島一裕常務執行役員は、

「金利水準が一定程度上昇することが確認できるまで
 増配の判断は難しいと考えている」

とコメントしています。

平均予定利率は徐々に下がってきたとはいえ、
過去の高利率契約は依然残っています。

基礎利益の増加を支えているのは利息配当金収入
(外貨建資産の増加などが主因)であり、
保険関係ではありません。
むしろ危険差益・費差益は減少気味です。

また、控えめな配当還元と内部留保の強化を踏まえると、
自分たちが確保したいと考える健全性にはまだ至っていない
ということがうかがえます。

「規制強化が予想されるから」という理由ばかりではなく、
そもそも生保の2大リスクである「株式」「金利」などに対し、
自社が考える十分な健全性を確保できていないのでしょう。

もっとも、第一生命やT&Dのように、リスクと資本の関係を
公表してくれなければ、本当のところはわかりません。

「貯めこんでいないで契約者に還元しろ」と批判される前に、
非上場会社も何らかの手掛かりを示したほうがいいのではないでしょうか。

※昨年9月に収穫したブドウでできたワインで乾杯しました!
 千曲川ワインバレーの記事へ

 

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損保の決算発表から

生損保の2014年3月期決算の発表が続いています。
3メガ損保グループは先週20日に発表がありました。

生保でもすでに上場会社と日本生命が発表しており、
来週初に主要会社の決算が出そろいそうです。

好調といわれる3メガ損保グループの決算を
ざっと眺めてみました。

料率引き上げによる保険料単価の上昇を主因に
自動車保険の損害率が大きく下がっています。

ところが、国内損保事業全体でみると、
リトンベースの損害率低下に目を奪われがちですが、
E/Iベースの損害率はたいして下がっていません
(NKSJ合算ではむしろ上昇していますね)。
やはり2月の大雪の影響が大きかったようです。

日本損害保険協会によると、2月の雪害による
保険金支払見込額は2536億円に達したそうです。
なかでも埼玉県と群馬県、それに東京都の金額が
膨らみました。
損保協会のHPへ

3メガ損保はいずれも25%超の市場シェアですが、
強い地域、弱い地域があるということなのでしょう。

グループ企業価値の拡大という点では、
国内損保事業の貢献はまだそれほど大きくありません。

株価上昇による影響が最も大きく、これに続くのが
国内生保事業の増加で、この二つが大半を占めています
(東京海上は海外保険事業も相当貢献しています)。

NKSJでは修正利益の8割を生保事業が占め、
MS&ADでも生保EVの増加が1600億円と、
グループコア利益(948億円)を大きく上回っています。
メガ損保は生保事業に支えられているのですね。

※写真は都電荒川線です。

 

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2024年の保険ビジネス

 

先日、ある会合で金融庁幹部のかたが、
「10年後に大きく変わっている保険ビジネスは?」
という問いかけをしていました。

なんだかRINGの会のオープンセミナーみたいですが
(「2024年、進化した保険代理店が業界を変える」が
 今回のテーマですね^^ → オープンセミナーのHPへ
彼の答えは自動車保険でした。

今後10年間で自動車は大きく変わることが予想されます。

すでに「自動ブレーキ」は小型車でも普及しつつあります。
人間を障害物として見分けるのはまだ難しいようですが、
ブレーキ技術は日進月歩のようです。

「走行ビッグデータの活用」も影響が大きいと言います。
自動車の走行データに基づき保険料が決まる
「Pay As You Drive」はすでに一部で始まっていますね。

車両に関するデータをうまく収集・分析すれば、
省燃費や安全性の向上などにもつながりそうです。

さらに、「自動運転」も、もはや夢の技術ではありません。
すでに高速道路の自動運転くらいなら可能になっているとか。

そんな時代の自動車保険ビジネスはどうなっているのでしょうか。

「事故が起こりにくければ保険料率が下がる」
「ハイテク化が一段と進み、支払単価が上がる」

こういった変化にとどまらず、そもそも誰が保険に入るのか。
自動車オーナーなのか、あるいは自動車メーカーなのかも。

今の自動車保険は「ヒト(=人身傷害など)」「モノ(=車両保険など)」
「賠償責任(=対人、対物など)」の組み合わせです。

しかし、車が自動運転となった時代の保険とは、もしかしたら、
今の延長線上ではないのかもしれません。

※写真は台湾の保安駅です。日本国有鉄道の香りがしました。
 縁起切符でも有名だとか。

 

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最近の読書から

 

GW直後ということで、最近読んだ本のご紹介です。

1.「世界の経営学者はいま何を考えているのか」

世界のビジネススクールの最前線にいる「経営学者」たちが
どんな研究に取り組んでいるのか、わかりやすく紹介した本です。

 ・アメリカの経営学者はドラッカーを読まない
 ・ハーバード・ビジネス・レビューは学術誌ではない
 ・経営学には教科書がない

これだけでも「目からうろこ」ですが、私がなるほどと思ったのは
「日本の経営学と海外の経営学」のところです。

日本の経営学がケース・スタディーを重視する風潮が強いのに対し、
米国を中心とした世界の経営学の主流は、理論仮説を立て、
それを統計的な手法で検証するアプローチなのだそうです。

著者の入山さんは、両者が互いの長所短所を補い合うことが重要
と述べているものの、

「現在欧米を中心としたトップスクールにいる経営学者の多くは
 (彼らが考える意味での)科学性を重視しており、そのために
 『理論→統計分析』の演繹的アプローチが支配的である」

と説明しており、どこかで聞いた話だなあと。

ただ、入山さんもどこかで書いていましたが、企業の経営は
自然現象ではなく、人間や人間の集団が行うものですよね。

仮定に基づいた統計分析でどこまで本質に迫れるのか、
各章で紹介された世界の経営学のフロンティアをみると、
まだまだ発展途上の分野であることもわかりました。

2.「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です」

副題は「コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」。

職業柄ドキドキするタイトルですが、単なるコンサル批判ではなく、
従来の経営コンサルティングの問題点を指摘したうえで、
コンサルティング業務の望ましいあり方や、クライアントと
コンサルタントの正しい付き合い方を提唱したものです。

本書にも様々な経営理論が出てくるのですが、
著者のカレン・フェラン氏は自身の長年の経験等から、
過去を懺悔しつつ、これらを一刀両断しています。

本書には、

「コンサルティングが役に立つとき、役に立たないとき」
「危険なコンサルタントの見抜き方」

なんて表も付いていて、これだけでも参考になりそうです。

3.「アクチュアリー・桑山啓介の転職」

このところ専門職として人気が高まりつつあるアクチュアリー。
本書は「損害保険アクチュアリー」の世界を描いた珍しい本です
(初版は2008年)。

「筆者のこれまでの経験や見聞を踏まえたフィクション」とはいえ、
私も20年以上、保険業界とお付き合いしていますので、
本書で描かれた中堅損保や外資系損保の社内の状況は
ものすごくリアルに感じました。

中堅損保から外資に移った本書の主人公は、
再び日本社に転職するところで終わっています。
その後どうなったのか、続編が気になるところですね。

なお、筆者のHPがあり、そこで補足情報が得られます。
鷹巣怜のホームページ

<番外編> 「親台論-日本と台湾の心の絆」

台湾に行く前に勉強しようと思い、関連書籍を探してみると、
圧倒的に多いのは「グルメ関連」でした^^

次に目立つのは、台湾を題材にしつつ、日本のありかた
(特に対中、対韓関係)を論じているものでしょうか。

本書もタイトルからして後者のジャンルに入るとはいえ、
イデオロギー色が薄く、日台関係について勉強するには
いい本だと思います。

確かに私の経験からしても、台湾の皆さんは日本や日本人に
好意的だという印象がありますし、台湾の町を歩いていると
あちこちに「日本」が見つかります。大事にしたいお隣さんですね。

※台湾といえばマンゴー氷です♪

 

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台南の旅

 

連休中に台湾の古都、台南に行ってきました。

羽田から台北までは飛行機で約3時間。
そこから新幹線に乗れば、2時間弱で台南に到着です。

台湾は古来から中国の一部というイメージがありますが、
中国(清)に組み込まれたのは17世紀後半のこと。
日本は江戸時代です。

最初に台湾を統治(占有?)したのはオランダで、
東インド会社が17世紀前半に台南に城を築き、
商業・行政の中心としました。

そのオランダを破ったのが明の遺臣・鄭成功です。
大陸で明が滅び、清の勢力が拡大するなかで、
鄭成功は「反清復明」を掲げて抵抗したものの、
1661年に拠点を大陸から台湾に移しました
(近松の国性爺合戦ですね)。

しかし、鄭氏政権は1683年に清に敗れ、
以降、清が台湾を統治することになります。

このような歴史とは、今回、台南に行くことになるまで、
恥ずかしながら知りませんでした。

その後、19世紀になると、再び列強が進出するようになり、
明治維新後の日本も登場します。

清は台湾の重要性を踏まえ、統治を強化するのですが、
日清戦争で敗れ、日本の統治が50年間続きます。

1945年の日本の敗戦で、台湾は中華民国に編入され、
今度は大陸から移ってきた、いわゆる「外省人」が
行政の中核を占めることになります。

1949年には大陸で共産党に敗れた蒋介石が台湾に移り、
国民党による独裁体制が長く続きます。
民主化が進んだのはごく最近のことです。

ざっと台湾の歴史を眺めてみましたが、17世紀以降、
常に外部からの圧力や支配にさらされてきたことがわかります。

それにしても、台南の観光地はすごい人出でした。
この時期、中国も連休なので、おそらく大陸からの観光客が
多かったのではないでしょうか。

中国人観光客が増えたのは、2008年に国民党が政権に復帰し、
中台間の交流に力を入れてからのことです。
2010年以降、中国からの訪問者数は日本人を上回っています。

他方、この3月には中国と台湾のサービス貿易協定をめぐり
学生を中心とした大規模なデモが起きています。
日本ではあまり大きくは報道されなかったような気がしますが...

※左の写真はオランダが築いた安平古堡(ゼーランディア城)、
 右は大勢の人でにぎわう花園夜市です。

 

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「公的年金運用を考える」

 

先週の日経「経済教室」(4/24、25)をご覧になったでしょうか。

テーマは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産運用。
24日は伊藤隆敏先生による「債券減らし 分散投資急げ」、
25日は玉木伸介先生による「リスク投資 国民の理解を」でした。

どちらの論文も、昨年11月に公表された有識者会議の報告書
(伊藤先生はこの会議の座長ですね)を踏まえたものだったので、
この分野にはあまり明るくないものの、改めてこの報告書を読んでみました。
有識者会議報告書(PDF)へ

有識者会議の主な提言は次のようなものです。
 ・国内債券を中心とする現在のポートフォリオを見直す
 ・運用対象の多様化を図り、分散投資を進める
 ・ガバナンスやリスク管理の見直し

最初に「国内債券を中心とするポートフォリオの見直し」、
つまり、国内債券の比率を引き下げろということなのですが、
報告書にはその理由として、次のようにあります。

「デフレからの脱却を図り、適度なインフレ環境へと移行しつつある
 我が国経済の状況を踏まえれば、収益率を向上させ、金利リスクを
 抑制する観点から、見直しが必要」

これって、要は相場観ですよね。

私が最も気になるのは、有識者会議の報告書を見ても、
経済教室の両論文でも、公的年金の財政や負債特性について
あまり考慮されていないように思えることです。

例えば、経済教室の伊藤論文には、次のようにあります。

「毎年5%の利回りを確保すれば、元本を減らすことなく
 毎年6兆円の取り崩し要請に応えていけるが、利回り0.6%台の
 国債の大量保有に固執していれば、6兆円の取り崩しの継続で
 元本はどんどん減少していく」

今の年金財政の検証では積立金を取り崩さないどころか、
後述する「マクロ経済スライド」まで見込んでいるのですが...

それはそうとして、現役人口が減っていくため、保険料収入と
年金給付のバランスが悪化していくのはほぼ間違いありません。

しかし、その際の選択肢は「リスクをとった運用」だけなのでしょうか。

確かに資産ポートフォリオのリスクを高めれば、高いリターンが
期待できるものの、大きな損失が出る可能性も高まります。
リスクをとらず、保険料をさらに上げるという方法もあるでしょう。

選択肢を示さないということはく、初めから運用リスクの拡大
(というか債券から株式へのシフト)ありきに見えてしまうのですね。

先に触れたとおり、今の公的年金には「マクロ経済スライド」、
すなわち、給付削減の仕組みが採り入れられています。

例えば前回の財政検証結果をみると、100年間のシミュレーションを行い、
約20年間のマクロ経済スライドの実施により、財政均衡を図っています。
H21年の財政検証要旨(PDF)

つまり、制度としてはすでに給付削減を組み込んでいる中で、
財政バランスをどのようにしてとるべきかという話をすべきであって、
単に「国債を減らせ」「運用の専門家を置け」という議論ではないはず。

ちなみに、伊藤先生が挙げている「海外の先進的な年金基金」
の代表例が新聞掲載の「ノルウェー」「オランダ」等だとすると、
「ノルウェー政府年金基金グローバル」をネットで調べてみたところ、
これはノルウェーの石油・ガス収入を積み立てているものなのですね。
「オランダ公務員総合年金基金」は文字通り公務員のための年金です。

GPIFが運用する資金は基本的に国民からの保険料と税金ですし、
給付を受けるのも公務員ではなく一般の国民です。
資金の性格はかなり異なると思います。

なお、公的年金には定額部分と報酬比例部分があり、
負債特性が異なるはずですが、今回はスルーさせて下さい。

※お花がきれいな時期になりましたね。ハナミズキとチューリップです。
RINGの会 オープンセミナー

 

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今年もオープンセミナー

 

今年も国内最大規模の保険(流通)業界向けセミナー
「RINGの会オープンセミナー」の季節が近づいてきました。
6/14(土)に横浜で開催されます。
詳しくはこちら → RINGの会オープンセミナーのHPへ

私が関わるようになったのは2007年以降のことです。
セミナーはもう16回目にもなるのですね。

ちなみに毎年のテーマはご覧の通り(2007年以降)。

 第 9回(2007年) 代理店経営の近未来戦略 ―最新保険業界事情―

 第10回(2008年) これからの代理店経営を語る
             ・・・あなたの未来戦略に一石を投じる・・・

 第11回(2009年) 保険大再編!! 「顧客・代理店はどうなる」

 第12回(2010年) プロ代理店は死滅の道を辿るのか?

 第13回(2011年) 期待と課題(今私達に求められる事・出来る事)

 第14回(2012年) 代理店価値の再認識

 第15回(2013年) 主役交代 ~その最前線を知れば、変化の道筋が読める~

 第16回(2014年) 2024年、進化した保険代理店が業界を変える!
             ~RINGの会が分析する近未来の保険代理店像とは~

その時その時の保険流通を取り巻く外部環境を踏まえつつ、
代理店経営を考えていこうという内容になっています。

当日は朝から夜まで保険漬け。会場での情報交換を含め、
普段はなかなか得られない情報や気づきがあるはず。

特に今回は保険業法が改正され、保険流通の規制環境が
抜本的に変わるなかでの開催です。
ご参考 → 保険業法等の改正案(PDF)

そのような状況で、午前中のパネルには、金融庁時代の同僚で
この分野に非常に明るい増島弁護士が昨年に続き登場します。
さらに午後のパネルには、「イノベーション」というキーワードで
ライフネット生命保険社長の岩瀬大輔さんも登壇します。

今回はこの二人の話を聞くだけでも、セミナーに参加する価値が
あると思いますよ。
(RINGのHPではあまりアピールしていないようですが...)

それでは皆さん、6/14に横浜でお会いしましょう。

※神戸・北野の洋館です。2年半ぶりに行きました。

RINGの会 オープンセミナー

 

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標準利率の見直し

 

少し前になりますが、金融庁が1日に改正案を公表し、
5月1日まで意見募集をしています。
金融庁のHPへ

生保の保険料は保険会社がそれぞれ設定できます
(ただし、金融庁の認可が必要です)。
他方、将来の保険金等の支払いに備え、保険会社が
用意しておく「責任準備金」の計算基礎となる利率は
法令で決まっているので、保険会社はこの利率から
かけ離れた保険料を設定することはできません。

今回の見直しは、一時払終身など貯蓄性の高い商品には
平準払いとは異なる利率を適用しようというものです。

「10年国債利回りの3年平均と10年平均のいずれか低い方」
を参照し、年1回だけ見直すという現行の枠組みのままでは、
金利が上昇に転じても利率がなかなか反映しないので、

・超長期国債の流通量が増えた
・ALMの高度化が進んだ

などを背景に、貯蓄性の高い商品の利率決定方式を

「10年国債利回りと20年国債利回りの和半」
「過去3か月平均と過去12か月平均の低いほう」
「年4回判定」

といった仕組みに見直そうというものです。

確かに反映が現行よりも早くなるとはいえ、金利が上がるにつれ、
「安全率係数(=掛目)」が小さくなる点はそのままなので、
例えば10年国債や20年国債の利回りが4%水準だった場合、
一時払終身保険の標準利率は2.65%にとどまります。

しかも、安全率係数の対象レンジが見直されているため、
例えば5%水準では標準利率が2.9%と、さらに差が広がります。
高金利になるとALMが難しくなると考えているのでしょうか?

「10年国債利回りと20年国債利回りの和半」というのも不思議です。
対象は一時払終身保険ですよね。
いくら銀行窓販で高齢者が多いといっても、どうしてなんでしょう。
「超長期国債の流通量が増えた」「ALMの高度化が進んだ」のに。

なお、今回の見直し案について、s_iwkのブログ
s_iwkさんが詳細な解説とコメントを記しているのを見つけました。
4回にわたる大作ですので、勝手ながらご紹介させていただきます
(私も大変参考になりました)。

※写真は阪堺電車です。初めて乗りました。

 

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