日銀の追加緩和に驚いていたら、今度は衆院解散とか。
今回のバズーカ砲は消費税の再引き上げをサポートする
のだと思っていましたが、どうも違うみたいです。
仮に解散・総選挙となった場合、消費税を予定通り
引き上げるべきと主張する政党はあるのでしょうか。
しかも、出口どころか、さらなる日銀バズーカ砲の可能性も
高まったように思います。
保険会社にとっても、悩ましい日々が続きそうです。
ところで、日銀のホームページで、追加緩和を決めた
10月末の金融政策決定会合で反対した佐藤健裕委員の
講演(ロンドンでの講演の邦訳)を見つけたので紹介します。
日銀HPへ
「マクロプルーデンス政策と日本銀行の取り組み」なので、
主にマクロプルーデンス政策について述べたものですが、
今回の追加緩和についても簡単に触れられています。
「私自身はこの決定に反対票を投じたことから、
この政策変更について話すには微妙な立場にある」
としたうえで、
「短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、
これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延する
リスクがある」
「日本銀行としては、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、
好転している期待形成のモメンタムを維持するため、
ある種の保険をかける意味で、ここで『量的・質的金融緩和』を
拡大することが適当と判断した」
という政策変更の説明がありました。「ある種の保険」ですか…
ちなみに黒田総裁は、「デフレという慢性疾患を完全に克服する
ためには、薬は最後までしっかりと飲み切る必要があるのです」
と病気の治療にたとえた説明もしています
(11/5のきさらぎ会における講演より引用)。
保険にしても薬にしても、わかったようなわからないような。
無視できないリスクがあるから保険に入るのでしょうし、
いくら薬を飲んでも、安静にして体力をつけなければ、
なかなか治らないと思います。
佐藤さんの講演に戻ると、それではなぜ反対したのか、
そこまでは書いてありませんが、次のような記述がありました。
「私としては、消費者物価指数が前年比2%に達すれば、
この政策はその使命を果たしたことになると単純に考えている
わけではない」
「日本銀行が目指す『物価の安定』とは、本来、全般的な経済状況
が実体経済・資産市場ともに良好に推移するなかで、賃金の改善
とともにバランスよく物価が上がっていく姿である筈」
「人々の中長期的な予想物価上昇率のリアルタイムでの計測手法
に決め手がない以上、政策の継続の必要性については、
毎回の金融政策決定会合で政策委員会が改めて『判断』」して
いくべきものと考えている」
予想や期待に働きかける政策というのは、実施の判断基準にしても、
政策効果の測定にしても、極めてアートの色彩が強いということが
うかがえますね。
※いつものように個人的なコメントということでお願いします
※写真は11月限定の「築地丼 特別弁当」。
築地市場の老舗の食材を使った楽しい弁当でした。