今年の生保・損保特集号

 

先週発売された2014年版の生保・損保特集号
(週刊東洋経済の臨時増刊)を読みました。

昨年に続き、今年もレポートを書いています。
タイトルは「主要生損保のリスク戦略」。
決算データからリスク戦略の違いを探ったものです。
機会がありましたら、どうぞご覧下さい。

さて、今回の特集号ですが、昨年版とは違い、
「保険グローバル競争」「保険販売大激震」
「女性活躍推進」と、テーマを明確にしたことで、
読みやすくなったと感じました。

グルーバル競争のところでは、ニッセイ基礎研・松岡さんが、

「ASEAN各国は決して遅れた保険市場ではない」

「近年のASEAN諸国への外資参入は、出遅れていた
 米国や日本の保険会社がM&Aを通じて参入している
 という側面が強い」

という分析をしています。

本号の目玉とも言える保険販売の特集では、

「当面、損保専業代理店は、地域密着型のスモールビジネス
 モデル、保険会社の販社機能を持つ直資型代理店モデル、
 独立系で全国展開するグループモデルに3分化されていく」

という保険ジャーナリスト・石井さんの記事が印象的でした。
保険流通のレポートは事例や取り組みの紹介記事が多く、
全体としてどうなっているのかを示したこの記事は貴重です。

恒例の生保レディ覆面座談会では、新人の育成や推奨商品
への取り組み姿勢が、もしかしたら、早くも会社によって
違ってきているのかなあと、興味深く読みました
(「A子」「B子」という表現にはちょっと抵抗がありますね…)。

ということで、前向きなコメントで終わりたいところですが、
今回は巻末のデータ集をやめ、「保険会社四季報」と
なってしまいました。これには困りました。

これまでのデータ集には、記者クラブにだけ公表され、
ディスクロ誌には掲載されないデータが載っていたのです
(例えば「平均予定利率」「銀行窓販額」など)。
それ以外のデータも、統計号のように使えて、結構便利です。

保険会社四季報もいいですが、長年の読者としては、
次回からはぜひデータ集を復活していただきたいですね。

※写真は築地市場(青果部)です。季節を感じます。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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来店型保険ショップの現状

 

先週、早稲田大学で保険規制に関するシンポジウムがあり、
そこで聞いた、ほけんの窓口グループ・窪田社長の話が
私には非常に興味深く感じました。

窪田さんは損保出身で、生保会社の社長も経験しています。
保険ショップの経営者になるとは、ご本人も想像していなかった
ようですが、「メーカー主導の販売に限界を感じていた」とのこと。

先の保険業法改正で、比較推奨販売を行う保険ショップには
追加的な体制整備義務が課せられることになります
(=同じく登壇した栗山さんの資料を参考にしました)。

しかし、スピーチを聞く限りでは、規制対応は足かせではなく、
「完璧な募集態勢の構築は生きていくうえで絶対条件」
「『入口』『中間』『出口』業務の適正化による顧客満足度の
 向上が生き残りの絶対条件」
というコメントでした。

それにしても、保有契約は100万件を超え、店舗数は約500。
しかも、成約率は5割以上、3年継続率も9割を上回るとのこと。
意外だったのは、東日本大震災以降、予約なしの来店客が増え、
いまや相談会予約と直接来店が半々なのだそうです。

新たな規制環境の中で保険流通がどうなっていくのかに
注目が集まりがちですが、供給者サイドの動きだけではなく、
需要サイド(=消費者)の動きも重要です。
今後の保険会社経営を見るうえで注目すべき存在だと思います。

 

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モニタリング方針(続き)

 

母校の統合に驚いて、ブログがそちらに行ってしまいましたが、
書こうと思っていた「金融モニタリング基本方針」の続きです。

今年度の重点施策には「統合的リスク管理」も挙がっています。

・立入検査における個別の資産査定を中心とした検証から、
 重要なリスクを把握し、その脆弱性を分析する

・金利リスク、与信集中リスク等の管理態勢や統合的リスク管理態勢
 (ストレステストの実施・活用等を含む)を検証する

という基本コンセプトなので、主に銀行を意識しているようですが、
保険会社等のところには次のような記述があり、目を引きました。

「リスク管理を予防的・防衛的な観点からのみ捉えるのではなく、
 保険会社等の収益機会の拡大に向けた取組みを実質的に下支えし、
 後押しするものとして、収益の管理と一体的に検討していくことが重要」

同じ記述が主要行等にないのは不思議ですが、少なくとも保険では
ERMを引き続き重視していくと読めますね。さらに、

「これらに適切に対応できる人材の育成・確保並びに適材適所の
 人材配置も重要」

「経済価値ベースのソルベンシー規制の枠組みを検討するに当たって、
 保険会社が抱えるリスクの計量化に用いる内部モデルについて
 実態把握するとともに、監督手法等について検討を開始する」

とも書いてあります。

ただし、具体的な検証内容は、今一つよくわからないという印象。
むしろ大手には次の主要行等の記述が参考になるかもしれません。

・ストレステストの実施に当たって、PDCAの観点から、グループ内で
 ストレステストの結果を分析し、継続的・持続的にモデルや統計的手法等
 の改善を行うための態勢が整備されているか、検証する 【G-SIBs等向け】

・リスクアペタイトフレームワーク(経営陣等がグループの経営戦略等を
 踏まえて進んで受け入れるリスクの水準について対話・理解・評価する
 ためのグループ内共通の枠組み)を構築し、経営方針の策定や収益管理
 等の決定にも活用しているか、検証する 【G-SIBs等向け】

・海外・クロスボーダー業務の拡大や、その中で金融機関が外国当局から
 多額の罰金を科される事例が国際的に発生していること等を踏まえ、
 オペレーショナル・リスク、コンプライアンス・リスクの管理態勢の向上に
 向けた取組みが適切に行われているか、検証する 【主要行等全般】

・MIS(経営情報システム)の高度化に向けた取組みについても検証。
 MIS等を含むデータガバナンス態勢の構築・活用は、グループ全体の
 リスクをより実効的かつ効率的に管理するとともに、顧客ニーズにあった
 商品・サービスをタイムリーに展開するため、喫緊の経営課題
 【3メガバンクグループやG-SIFIs】

・アジアを中心とするグローバルビジネスを重視しており、ITインフラ整備の
 方針や対応状況についてモニタリング 【3メガバンクグループ】

規制対応、あるいは金融当局のモニタリングにかかわらず、
グループベースのERMを進める際に、重要なテーマだと思います。

※写真は中野です。面白いところですね。

 

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今年度のモニタリング方針

 

金融庁が平成26事務年度の金融モニタリング基本方針
(監督・検査基本方針)を公表しました。
金融庁HPへ

今回は、監督局・検査局の連携がさらに進むようにと、
従来は両局がそれぞれ作成していた監督方針・
金融モニタリング基本方針を統合しています。
このため、47ページもの大作となりました。

肝心の中身ですが、重点施策は次の9つとのこと。

 1.顧客ニーズに応える経営
 2.事業性評価に基づく融資等
 3.資産運用の高度化
 4.マクロ・プルーデンス
 5.統合的リスク管理
 6.ビジネスモデルの持続可能性と経営管理
 7.顧客の信頼・安心感の確保等
 8.東日本大震災からの復興の加速化
 9.公的金融と民間金融

このうち、「3.資産運用の高度化」という項目があり、
資産運用における金融機関の役割を検証するそうです。
「1.顧客ニーズに応える経営」と重なる面もありそうですが、
最後にこのような文章も付いています。

「金融機関自身による有価証券運用についても、
 業態等により異なる資産運用の性格を踏まえつつ、
 資産規模等に見合った運用やリスク管理の態勢が
 整備されているかについて検証する」

そこで、主要行等と保険会社等に対する監督・検査で
どのようなことが書かれているかを探してみました。

まず、主要行等では、

「主要行等においては、多額の有価証券運用を行っているが、
 政府におけるデフレ脱却に向けた取組み等も見据えつつ、
 各種情報収集や適切なリスク・リターンの管理のための
 態勢の整備等、有価証券運用のより一層の高度化に向けた
 取組みが求められる」

とあり、着眼点として、運用態勢やリスク管理態勢について
検証すると書かれています。

「政府におけるデフレ脱却に向けた取組み等も見据えつつ」

の意味するところは何でしょうか。融資の話ではありません。

一方、保険会社等では、

「保険会社等は(中略)機関投資家としての運用業務を通じ、
 金融仲介機能を発揮するとともに、市場における重要な
 プレイヤーとなっている」

「保険会社が機関投資家として資産運用に努めることは、
 国民の安定的な資産形成に資するものであることから、
 各社が資産規模等に見合った資産運用能力の向上に
 務め、リスク管理の態勢を整備することが重要である」

としたうえで、多様なリスク計量手法やストレステストの活用、
市場動向の分析等により、適切にリスクとリターンを把握して、
運用方針等を作成の上、当該方針に沿って資産運用を実施し、
そのモニタリングを行っているかを検証するのだそうです。

主要行等と違い、重点施策の記述と同じ内容、すなわち、
「資産規模等に見合った運用」「リスク管理態勢の整備」
と書いてあるのが目を引きます。しかも、

「機関投資家としての運用業務を通じ、金融仲介機能を発揮」
「国民の安定的な資産形成に資するもの」

という記述です。
他方で、昨年度の監督方針に書かれていた、

「国債市場等の金融市場のボラティリティが拡大し、
 市場リスクの管理態勢と収益性を考慮した運用方針の
 重要性が一段と増している」

「各社が支払余力と経営基盤を向上させるため」

といった文言は全てなくなりました。

これらを踏まえると、「アベノミクスで金融市場は安定し、
支払余力も向上したのだから、保険会社は機関投資家として
国民の資産形成に努めろ」というメッセージなのでしょうか。
もしかしたら、ポートフォリオ・リバランスを促そうという話に
つながってくるのでしょうか。

まあ、着眼点のなかには、引き続き統合的リスク管理に着目し、
負債特性に応じたALMの取組みを促していくとありますし、
加えて、経営管理態勢についても深度あるモニタリングを行う
ということなので、保険会社の保有する資産だけに着目したような
おかしな動きにはならないことを期待しています。

※上諏訪駅のホームに足湯がありました。これはいいですね。

 

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「日本一小さな村」のその後

 

息子から余った青春18きっぷを譲り受け(奪い取り?)、
飯田線の旅を楽しんできました。

飯田線は愛知県の豊橋と長野県の辰野を結ぶ
全長195キロのローカル線です。
駅の数が多いこともあり、全線を一気に走破しようとすると、
各駅停車で6時間くらいかかります。

さすがにそれは厳しいというか、もったいないので、
大嵐(「おおぞれ」と読みます)駅で途中下車。

この駅を選んだのは、歩いて15分ほどのところに、
日本一小さな村として知られていた旧・富山(とみやま)村
(合併により、今は豊根村の一部)があるのを知ったからです。

8時過ぎに豊橋駅を出発した2両編成の各駅停車は、
途中の中部天竜駅で27分も停車したりしながら、
3時間後の11時15分に大嵐駅に着きました。
次は13時14分発まで電車がありません。

大嵐駅は静岡県浜松市にありますが、駅を出てすぐの、
天竜川にかかる立派なつり橋を渡ると愛知県です。
しばらく佐久間ダム湖に沿った道を歩くと、旧富山村の
集落が見えてきました。

戦前には1500人近い住民がいた時代もあったそうですが、
過疎化が進んだうえ、1955年に佐久間ダムができたことで
村の中心が水没し、1983年には日本最小の村となりました。

富山地区の中心部には、村役場(今は豊根村富山支所)や
郵便局、警察や消防の駐在所、旅館などがあり、
村として独立していた時代を彷彿させます。

階段を上がり、集落の中に入ると、立派な建物がありました。
人の気配がしたので話を聞いたところ、この「清山荘」は、
旧富山村が地域活性化のため30年前から取り組んできた
長期山村留学の拠点でした。

留学生は親元を離れ、清山荘で寝起きをともにし、
平日は地元の富山小中学校に通います。
山村留学の体験者は100人を超えるとのこと。
地元の子どもたちの刺激にもなったことでしょう。

しかし、残念な話を聞きました。
今年度いっぱいで富山小中学校が閉校してしまうため、
山村留学も3月で休止となるのだそうです。

富山地区の人口は「日本一小さな村」と呼ばれた時代
(約200人)から一段と減ってしまい、今や100人強です。
小中学校の児童・生徒数は18人(児童13人、生徒5人)で、
このうち山村留学の児童・生徒が11人を占めています。

丘の上にある小中学校に行くと、屋根のある運動場で、
7、8人の子どもたちが体操の練習をしていました。
学年を超えた活動のようです。

ただ、校舎の老朽化が進み、耐震工事が必要とのこと。
豊根村にも余裕はなく、廃校という道を選んだのでしょう。

中心部に戻り、富山地区でただ一つの商店へ。
何か食べるものはないか尋ねたところ、
「うーん、お菓子しかないなあ。誰も買わないからねぇ」
という返事でした。

ローカル線の旅は、どこかほろ苦いですね。

 

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生保の四半期開示より(続)

 

前々回に続き、生保の四半期開示から。

大手生保の新契約業績の推移を見ると、
第一生命の新契約高(保険金額ベース)が
2014年1-3月期から急減していることがわかります。

調べてみると、昨年12月から主力商品が変わり、
特約から定期保険(=死亡保障)がなくなる一方、
7大リスク(がん、脳卒中、死亡など)をカバーする
「アシストセブン」を付加する形になっていました。

新契約高は基本的に死亡保険金額なので、
おそらく新商品は新契約高に反映されにくいのでしょう。
他方で第三分野の年換算保険料が前年同期よりも
伸びているので、第三分野・生前給付シフトが
強まったと言えそうです。

新商品といえば、明治安田生命もこの5月から
主力商品を切り替えています。
主契約のアカウント部分をなくし、更新型の各種特約を
組み合わせるタイプにしました。

同社は2000年にアカウント型保険を発売しました。
自在性が売りだったのですが、結果的に保険契約が
小粒となり、平均保険料の水準が下がったようです
(商品特性によるのか、販売戦略なのかは不明です)。
新商品も自在性を訴求しているようですが、
特約の組み合わせだけで構成されています。

第一生命とは違い、こちらは定期保険特約がありますが、
特約の一つに死亡保障があるという感じなので、
やはり第三分野・生前給付シフトが進むのかもしれません。

他の大手2社の四半期開示も主力商品と合わせて見ると
なかなか味わい深いので、機会がありましたらぜひご覧下さい。
累積ベースから四半期ベースにするのが面倒ですけど、
せっかくの開示ですので、大いに活用しましょう。

※写真は台北MRTの温泉仕様と、台鉄の貨物列車です。

 

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特別講座のご案内

 

今回もご案内が締切ギリギリとなってしまいました。
来週の9/4(木)に損保総研でスピーチをします。
損保総研のHPへ

タイトルは「わが国保険業界のERM態勢の整備に向けて」。
ただし、「最近の健全性規制の動向を踏まえて」の副題があり、
金融庁が公表した「金融モニタリングレポート」の分析など、
ERMに関連する内外規制動向についてもコメントする予定です。

最後の「わが国保険会社のERM経営の方向性」では、
損保総研の研究会で取り組んできた成果の一部を
可能な範囲でご紹介したいと考えています。

単なる規制動向の紹介にはならない予定ですので、
ご関心のあるかたは、どうぞお越し下さい。

※台北から電車で九?へ。週末だったので大賑わいでした。

 

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生保の四半期開示より

 

四半期決算をもとに、最近の生保の収支動向を確認しました。
まずは、注目の解約返戻金の動向です。

2012年秋からの株高や円安を受けて、2013年以降、
変額年金や外貨建年金を積極販売していた会社では、
解約返戻金が高水準で推移していました。

会社によってはだいぶ落ち着いてきたようですが、
引き続き高い水準の解約が続いていると言えそうです。
特に、ランオフ会社の資金流出は止まっていない模様。

保険料収入も確認してみました。

全体としては横ばいで推移しているなかで、明治安田と
第一フロンティア、三井住友海上プライマリーの好調さが
目を引きます。アフラックとメットライフも高水準です。
おそらく銀行窓販によるものなのでしょう。

ちなみに、総資産が10兆円を超えるグループは、
かんぽと大手4社のほか、T&D、プルデンシャル、
アフラックとなっています。
ここ数年のアフラックの拡大ペースはかなり速いですね。

もう一つ、データを眺めていて気になった数字が、
保険金等支払金のうちの「年金」です。
このところ増加傾向が鮮明なのですが、どう考えたらいいか。
バブル期前後の契約が徐々に支払い開始となっているのか、
あるいは、銀行窓販によるものなのか。

四半期開示もこうして数字を眺めてみると、
いろいろと考えるきっかけにはなりますね。

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※この夜市は観光客が少なく、地元密着という感じでした。

 

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家族で台北へ

 

今年の夏休みは家族で台北に行きました。
家族旅行としては3年ぶりの台北です。

ところで、日本を訪れる外国人旅行者数が
昨年初めて年間1000万人を超えました。
職場が人気観光地「築地」にあり、確かに
海外からの旅行者が増えたと感じます。

それでは、どこから来た人が多いのでしょうか。
中国人が増えたなあと思っていたのですが、
統計を見ると、最近のトップは台湾でした。

この半年間のトップ3を見ると、台湾(139万人)、
韓国(127万人)、中国(100万人)となっています。
韓国が前年をやや割り込む一方、台湾をはじめ、
アジア各国からの訪日数が急激に伸びている
というのが最近の傾向です。

ですから、中国人観光客が増えたなあと思っても、
実は台湾人である可能性も結構高いのですね。

今回、台北で感じたのですが、中国人と台湾人
ばかりでなく、日本人との区別も難しくなっています。
特に若い女性は外見だけではわからないですね。

反対に、日本からどこに出かけているかというと、
米国(ハワイを含む)、中国、韓国がトップ3です。
ただし、2014年の傾向としては、中国と韓国が減り、
台湾が大きく伸びています。

我が家がまさにそうですが、韓流ブームのころ
ソウルを訪れた層が、台湾に向かっているとか。
最近の日韓関係が影響しているのでしょう。

いずれにせよ、日本と台湾はかつてないほどの
大交流時代を迎えているようです。

※台湾に行ったら、小籠包とマンゴー氷です!
 (食べ物だけではなく、今回は故宮にも行きました)

 

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登米市登米町

 

タイトルを正しく読むことができるでしょうか?

正解は「とめし とよままち」です。
同じ漢字なのに、市と町で読み方が違います。

ちなみに、登米小学校は「とよま」、登米高校は「とめ」、
登米警察署は「とめ」、観光物産センターは「とよま」です。

しかも、市役所は登米町とは全く別の場所にあります。
地図では「登米」が2か所表示されていることもあり、
仙台からの高速バスも2系統あります。
乗り間違えそうですね。

どうしてこんなややこしいことになっているのかと言うと、
歴史的には「とよま」だったこの地を、明治政府の役人が
「登米」を「とよま」と読めず、間違えて「とめ」と読んでしまい、
そのまま修正しなかったのだそうです。

さらに、2005年に旧登米(とめ)郡の8町などが合併した際、
歴史の長い登米(とよま)町ではなく、最も人口の多い迫町に
市役所を置いたため、一段とややこしくなってしまいました。

私が訪れたのは登米(とよま)町です。
「みやぎの明治村」と呼ばれ、かつては北上川の水運で
大いに栄えたそうです。

写真のような立派な小学校(今は教育資料館)があり、
町のあちこちには立派な蔵が残っています。
明治初期にはなんと県庁も置かれていました。

ところが、明治23年に現在の東北本線が開通すると、
北上川の水運は急速に衰退してしまいます。
もちろん、だから昔の町並みが残ったとも言えるのですが…

ピーク時には1万人を超えていた登米町の人口は
今では5000人程度に減ってしまいました
(市役所のある迫町の人口は2万人を超えています)。
高齢化も進み、65歳以上が3割を上回っているとのこと。
これでは単独での生き残りは難しいと判断したのでしょう。

食堂で同席した地元のおじいさん曰く、

「古くなった昔の駅舎(=かつて軽便鉄道が走っていた)が
 最近まであったんだけど、市は財政が厳しいからといって
 壊しちゃったんだよね。今は○○っていう薬屋になってるよ。
 とよまに役所があったなら、保存したと思うんだけどねぇ」

と嘆いていました。
その裏には、歴史ある町が他所に吸収されてしまったという
寂しさがあるのかもしれません。

 

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