保険料収入は売上高か?

 

主要生保の2014年4-9月期決算が出そろいました。
今回は保険料等収入で第一生命(連結ベース)が
日本生命を上回ったことに注目が集まっています。

ただ、生保の保険料収入を売上高とみなし、
競争を煽るような報道は、百害あって一利なしだと
私は考えています。

以前のブログで、「売上高」は非常に曖昧な概念であり、
保険料収入は生保の経営陣が最重要と考える指標ではない
と書きました。
保険会社の売上高

今回は別の切り口で見てみましょう。

保険料収入は、初年度保険料と次年度以降の保険料に
大別できます(ディスクロージャー誌に開示あり)。
次年度以降の保険料とは、保険料が月払いや年払いの
保有契約、つまり過去にとった契約から発生する保険料です。

第一生命の保険料等収入(単体)は約2.9兆円でした。
このうち、初年度保険料は0.6兆円で、あとは次年度以降の
保険料収入となっています(データは2013年度です)。

日本生命でも、2013年度の保険料等収入4.8兆円のうち、
3.7兆円が次年度以降の保険料です。

売上高というと、当期の営業活動によるイメージですが、
この保険料収入は売上高のイメージに合うでしょうか?

ディスクロ誌には、支払方法別の保険料明細も載っています
(個人保険、個人年金保険)。

第一生命の場合、2013年度の個人保険・個人年金保険の
保険料収入は約1.9兆円。このうち一時払は0.4兆円でした。

他方、本体で銀行窓販向けの一時払商品を提供している
明治安田生命の場合、個人分野の保険料収入2.4兆円のうち、
一時払いが1.2兆円を占めています。

2011年度はもっとすごくて、同分野の収入4.1兆円のうち、
一時払いが2.9兆円でした。
このように、保険料収入は一時払商品の販売により
大きく左右されてしまいます。

生保が一時払商品しか扱っていないのであればともかく、
主力は分割払いなので、やはりこれを売上高と呼ぶのは
無理がありそうです。

売上高のイメージにうまく合う指標が見当たらない
(あえて言えば新契約年換算保険料でしょうか?)
のも確かですが、報道が保険料収入に偏ってしまうと、
収益やリスクを軽視し、収入規模を追いかける会社が
出てきてしまうのではないかと、心配になります。

別件ですが、今週の週刊金融財政事情に、5月に紹介した
「世界の経営学者はいま何を考えているのか」
の書評が掲載されました。機会がありましたらご高覧下さい。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします

※写真は南房総・館山の海岸です。遠くに富士山が見えました。

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