出張で台北に来ています。
上着がいらないほど暖かいのに、厚着の人が多いです。
こちらに住んでいると、きっと寒く感じるのでしょう。
さて、前回に続き、主要生保の4-9月期決算から。
歴史の長い国内系生保の資産構成を見ると、
一般勘定に占める外貨建資産の比率が高まっており、
2014年9月末には9社合計で20%に達しました。
過去の推移をみると、比率の上昇が顕著となったのは
2012年度以降のことです。
特にこの上半期は外貨建資産が4.8兆円増えており、
増加資産(5.6兆円)の9割近くに達しました。
日銀の異次元緩和(と金利低下)・アベノミクスを受け、
国内長期債への投資にややブレーキがかかる一方、
生保資金は外貨建資産に向かっているようです。
外貨建資産への投資といっても、為替リスクを取った
資産運用には総じて慎重な姿勢を維持している模様。
(=ヘッジ付きが多いということ)。
国内債券の代替という意味合いがあるのでしょうか。
ただし、両者は同じ「円金利資産」とはいえ、
「負債を意識」という点では異なっていると思います。
ヘッジ外債は負債の金利リスクを減らそうとする
資産運用ではないからです。
それに、為替リスクを取っていないとしても、
現物と為替ヘッジの期間ミスマッチがあるとすれば、
イールドカーブの変化で勝ち負けがあるはず
(もちろん、ヘッジコストも変動します)。
ヘッジ外債にとって状況が悪くなりそうになった際、
果たして、ここまで積みあがった外債のポジションを
大きく減らすことができるかどうか。
市場流動性を心配しているのではありません。
外債のポジションが急減すると、おそらく各社の
利息配当金収入が大きく減ってしまうはずだからです。
まあ、そこまで考えてリスクテイクしているとは思いますが…