教養としての「世界史」

 

旅行中にライフネット生命・出口治明さんの近著
「仕事に効く 教養としての『世界史』」を楽しく読みました。

本書は出口さんも書いているように「歴史書」ではなく、
歴史を学ぶことの大切さや楽しさを教えてくれる本です。

ペリーが日本に来た本当の目的を考えるところから始まり、
中国の文書行政、キリスト教と仏教の誕生、ローマ教会、
東西交易、遊牧民の活躍、アヘン戦争などが取り上げられ、
最後にまた日本に戻ってきます。

あくまで私の感想ですが、本書のメッセージは、
次の記述に凝縮されているように思いました。

「世界のこと、過去のこと、今日のことなど、いろいろなことを
 知れば、一つの地域や国の歴史に引っ張られずに、
 ものの見方や考え方が多面的になります」(P328)

タイトルにある「仕事に効く」とは、「歴史を知っていると、
コミュニケーションをとりやすい」という狭い意味だけではなく、
地理的、歴史的背景を知り、いろいろと考えていくうちに、
多面的かつ論理的に物事を考えることができるようになる、
ということではないでしょうか。

それにしても、「歴史が好きなアマチュアの一市民」(はじめに)
である出口さんの博覧強記ぶりには驚かされます。

私は山川の世界史だけではなく、大学でも西洋史学科というところで
歴史を学んだはずなのですが、ローマ教皇の名前など、
すっかり忘れていました^^

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

大阪で「プチ発見」

 

週末に家族で大阪・神戸へ行ってきました。
二泊三日の家族旅行でも、それなりに発見があるものです。

妻が気に入ったのは法善寺横丁で食べた「おでん」。
関東でおでんと言うと、鍋に大根や竹輪、はんぺんなどを
入れて煮込む鍋料理のことを指しますよね。

大阪で食べた「おでん」はあの料理ではありません。
汁気が少なく、田楽味噌がたくさんついたものでした。
こちらがおでんのルーツなのだそうです。

たこ焼き屋も面白かったです。ホテルが心斎橋だったので、
近くのアメリカ村にたこ焼き屋が何店もありました。

たこ焼きがとろっとして美味しかったのもさることながら、
見ていると、若い女性が夜一人でたこ焼きを買いにくるのですね。
家族へのお土産なのか、遅い晩ご飯なのかわかりませんが、
たこ焼きが身近な存在なんだなあと、妙に関心してしまいました。

最後は阪急電車の話。

阪急は梅田がターミナル駅で、ここから京都方面、宝塚方面、
神戸方面に電車が向かいます。
ヨーロッパのターミナル駅(あるいは上野駅)を彷彿させます。

これら3方面の特急や急行はなんと同時に発車するのです。
噂には聞いていましたが、3つの列車が同じ方向に走る姿は
なかなか見られるものではありません。
しかも、しばらく並んで走るので、なんだかワクワクしました。

いずれも関西人にとっては当たり前のことかもしれませんが、
関東人の私たちには発見の連続でした^^

※左の写真は地下鉄心斎橋駅です。
 NHKの朝ドラ「ごちそうさん」でこの駅の話がありましたね。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

損保関連ニュース2題

 

まず、2月の大雪に伴う保険金の支払見込額のニュースから。

発表によると、東京海上が550億円程度(3/18時点の速報値)、
MS&ADが750億円規模(3/20時点)の支払いを予想しているそうです。
NKSJも、公表した事故受付件数などからすると、数百億円規模でしょう。
損保による自然災害の支払額としては、おそらくワースト5に入るのでは。

各社とも火災保険が支払見込額の大半を占めているようですが、
モノ保険だけではなく、物流が止まったことによる損害などもあり、
台風による風水災とは請求の特徴が異なるかもしれません。

この時期なので保険金の支払いが次年度にずれ込み、
支払備金の繰入が会計上の損益を圧迫することになりそうです
(支払いがなければ異常危険準備金が取り崩されないため)。
東日本大震災のときもそうでしたね。時期の問題だけなのですが。

他方、24日の日経に「再保険コスト下げ局面」という、
比較的大きめの記事が掲載されました。

日米欧などで金融緩和が長引き、再保険市場に年金基金などの
資金が流入しているため、来年度の国内損保の再保険コストが
約15年ぶりに減少する見込みというものです。

「緩和マネーの流入が、損保の採算改善にもつながってきた」
「海外の再保険会社は日本の再保険引き受けを敬遠していた」
かはともかく、確かにこの分野への資金流入は見られるようです。

一つは記事にあるような、大災害債券(キャットボンド)など、
保険リスクを対象とした証券への投資があります。
もう一つはバミューダ勢など再保険会社への出資です。

このような資金流入もあり、近年の再保険市場では
キャパシティの拡大が続き、多少の自然災害が発生しても、
そう簡単には市場がハード化しない構造となっているとか。

記事には次のような気になる記述もありました。

「(損保各社は)リスクに見合った保険料を徴収できていない」
「企業向けの火災保険や地震保険が実質的に赤字の損保も多い」

事実であれば「逆ざや」が恒常化しているということですが、
真相はどうなのでしょう。

※井の頭公園の池に水が戻っていました。
 桜は三分咲きといったところでしょうか。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

大学生が狙われる50の危険

 

三菱総研と大学生協・共済連による書籍です。
2011年2月に出た「大学生がダマされる50の危険」に
最新の情報を加えたパワーアップ版とのことで、
大学生の息子がいることもあり、目を通してみました。

第1章「大学生が狙われる、いまどきの危険」には、
次の9項目が取り上げられています。

 ①新入生勧誘に見せかけた罠
 ②SNSのトラブル
 ③ネット炎上
 ④ストーカー
 ⑤校則違反
 ⑥飲酒・アルコール中毒
 ⑦自転車事故
 ⑧新手のキャッチセールス
 ⑨迷惑行為

私の学生時代はいわゆるバブル期なので、
もう四半世紀も前のことですが、①の宗教勧誘や、
⑥の飲酒、⑨の迷惑行為などは、当時も同じですね。

他方、SNSのトラブルやネット炎上といった、
携帯やスマホの普及に伴う危険が挙げられています。
ストーカー被害や自転車事故(=加害者になる危険)
などもあり、時代の流れを感じます。

2011年版と比べても、「アカウント乗っ取り」
「ネットゲーム」「スマホ(のアプリ)」「ネット依存症」
といった危険が新たにリストアップされていて、
ここ数年のスマホやタブレットの普及を反映しているのでしょう。

ちなみに、本書で取り上げられた50の危険は
どのような基準で選ばれたのでしょうね。

「就職活動」「社会に出る前に」といったものもあるので、
50の危険はあくまで例示なのだとは思います。

ただ、次に改訂版が出るときは、危険を防ぐポイントに加え、
発生する頻度と、発生した時の損失をイメージできる
手掛かりがあるといいですね...なかなか難しそうですが。

※写真は御茶ノ水を代表する二つの橋です。
 電車の写真にしか見えないかもしれませんね^^

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

関東部会でスピーチ

 

3/14(金)に日本保険学会・関東部会でスピーチをしました。
演題は「保険会社ERMの現状と金融行政の動向」です。
日本保険学会のHPへ

質疑応答の際、「行政がERMを促すのは不可解」という質問がありました。
ERMが会社価値の拡大を目的とするのであれば、行政がそれを促すのは
理解できない。最低資本要件だけ設定すれば十分ではないか、という
ご質問だったと思います。

確かに、保険会社にしてみれば、株主から言われるならともかく、
もし行政から「会社価値を高める経営をせよ」と言われるのは、
余計なお世話という気持ちになるのもわかります。

ERMはあくまで保険会社自身のために推進するものですし、
誰かに言われて取り組むものではないと思います。

他方、行政の立場になって考えてみましょう。

保険契約者を保護するには、もちろんコンプラ面も重要ですが、
何より保険会社が潰れてしまっては困るわけです。
そこで行政は保険会社の健全性を確保するため、規制を設けます。

一番簡単なのは、万一に備え、バッファーを持たせることです。
最低限保有すべき資本を設定し、保険会社に守らせます。

しかし、設定すべきバッファーの水準はなかなか難しいものです。
バッファーが小さければ、万一の際に役立ちません。

求めるバッファーを大きくすると、潰れる確率は減るものの、
契約者や株主への還元は犠牲になります。
極論すれば、あまりに要求されるバッファーが大きいと、
保険会社に投資する株主はいなくなってしまいますし、
保険会社を経営しようという人がいなくなってしまいます。

しかも、バッファーが大きくなると、経営者が安心してしまい、
リスク管理が疎かになりがちです。

そこで行政が目を付けたのがERMです。

保険行政として「リターンを挙げて下さい」とは言わないまでも、
「健全性を確保しつつ、会社価値の持続的向上を図る」ための
ERMであれば、健全性の確保という点で契約者保護が図れますし、
「会社価値の向上」ということで経営者の関与も期待できます。

---------------------------
政府が財宝を泥棒から守るため、ガードマンを雇うことにしました。
まず、ガードマンを雇う基準を決めなければなりません。

そこで、強いガードマンを雇うべきという考えから、明確な基準として
「100㎏のウエートを持ち上げられること」としました。
100人の応募があり、政府はこのうち10人を採用しました。

ところがある日、財宝の一部が泥棒に奪われてしまいました。
政府が残る財宝を守るためには、どうしたらいいでしょうか。

ガードマンを雇う基準を厳しくして、100㎏のところを200kgにする。
それも一案かもしれませんが、応募者は減るでしょうし、
そもそもこの基準がリスクに見合っていないのかもしれません
(まあ、そうでしょうね)。

ある警備会社に聞くと、「うちでは、単なる力持ちではなく、
A、B、Cの条件を満たしたガードマンを派遣している」とのこと。
その結果、この会社は業界で優良企業と言われています。

もう一つの警備会社にも聞いてみました。すると、
「A、C、Dの条件を満たしたガードマンを育て、事業を拡大している」
とのことでした。

どうやら警備業界では、強いガードマンをそろえるのではなく、
A、B、C、Dなどの条件を満たしたガードマンを派遣している会社が
顧客の支持を得ているようです。

そこで政府はガードマンの採用基準を見直すことにしました。
ウエートを150kgに上げるとともに、A、B、C、Dの条件を満たす
ガードマンを雇うと発表し、10人を採用しました。
----------------------------

やや無理がある例えかもしれませんが、このような政府の行動は
不可解でしょうか?

※写真はオランダの市場です。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

自動車保険100周年

 

今年(2014年)は日本で自動車保険が発売されてから
100年の節目の年なのだそうです。

保険毎日新聞の特集によると、100年前(大正3年)の
国内での自動車保有台数は1000台余りだったそうで、
自動車保険は事故の際の賠償責任への備えというよりも、
自動車という当時はまだ珍しかった財産に掛ける財物保険
としての意味合いが強かったとか。

海外からの輸入品だった当時の自動車は、
今の価値で少なくとも1000万円以上したと思われます。

その後、戦後の高度成長とともにモータリゼーションが進み、
自動車が急速に普及するにつれ、自動車保険は
損保の主力商品に成長していきます。

しかし、1990年代からの20年間をみると、保険自由化や
リスク細分型保険、通販といった新たな動きの半面、
成長が止まり、各社は収支確保に苦労するようになりました。

同じ特集のなかで、損保協会の深田一政常務理事は、
インタビュー記事の中で次のようなコメントをしています。

「自動車保険自体が利益率の高い商品ではなく、
 世界中の保険マーケットを見ても各保険会社はぎりぎりの
 経営努力の中で競争に生き残っているのが現状」

「どういったマーケットにフォーカスし、どういったチャネルを活用して、
 どのような付加価値をつけて自動車保険を販売するのか」

「そもそも自動車保険を引き続き経営の柱にするのか、
 それとも新たな基幹商品を模索するのか、各社ごとに
 自動車保険に対する位置付けが大きく変わる可能性もある」

まさに、10年先、20年先を見据えたビジネスモデルの構築が
求められているように私も思います。

※写真は渋谷駅です。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

損保総研でスピーチします

 

前回更新の際、うっかりご案内を忘れてしまいました。

来週の水曜日(3/12)の夜、前回のブログで取り上げた
監督指針や保険検査マニュアル等の見直しをテーマに
損保総研で講演する予定です。
損保総研のHPへ

演題は、「最近の『保険会社向けの総合的な監督指針』及び
『保険検査マニュアル』等の改正(案)について」です
(そのものズバリですね^^)。

保険募集・販売ルールの話にも触れるつもりですが、
やはりORSAなど統合的リスク管理(ERM)に関するものが中心です。
ちょうどパブコメの結果が出て、ラッキーでした(笑)。

ご関心とお時間のあるかたは、どうぞお越し下さい。

それにしても、改めてパブコメを読んでみると、なんというか、
「金融庁に教えてあげよう」的な、親切な(?)コメントが多いですね。

「我が国の組織文化においては、残念ながら、取締役会メンバー自身が、
 取締役会の場では特に発言をせず、発言しやすい(自分より下のメンバー
 しかいないような)非公式な場において、取締役会の決定内容を否定したり、
 あるいは覆したりするような発言をし、取締役会の指示・決定が一部の
 取締役メンバーによって実体的に覆される等、取締役としての自覚に欠ける
 発言・行動がとられることも想定される」

なんてコメントも寄せられていて、勉強になります。

※写真は東急世田谷線です。外国のトラムみたいですね。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

保険行政と内部監査

 

先週、日本内部監査協会のCIAフォーラム研究会で
「保険行政と内部監査--リスク管理面を中心に」
というテーマでスピーチする機会がありました(2/27)。

 ↓こちらのサイトの下のほうに載っています
 GoodWayのサイトへ

講演では、保険市場や保険行政の変化に触れたうえで、
保険会社や行政がERMを重視していることとその背景、
内部監査部門に求められる役割などについて話しました。

ところで、昨年12/15のブログで取り上げた監督指針等の改正案
に対するパブリックコメントとその回答を金融庁が公表しました。
パブリックコメントの結果等について(金融庁HP)

「80の個人及び団体から延べ156件のコメント」とのことで、
全61ページの大半が統合的リスク管理態勢に関するものでした。
2011年の保険検査マニュアル見直しの時よりもずっと多いです。

詳しくはご覧いただければと思いますが、明らかになった点も。

まず、「統合リスク管理」と「統合的リスク管理」を使い分けていること。

 「統合リスク管理とは、統合的リスク管理手法のうち各種リスクを
  VaR等の統一的な尺度で計り、各種リスクを統合(合算)して、
  保険会社の自己資本等と対比することによって管理するもの」

なのだそうです。

 ERM ≒ 統合的リスク管理 > 統合リスク管理

という式になるのだと思います。

監督当局へのORSA 報告の義務化は、「検討中」ということも
確認されました。

今回のテーマである内部監査部門に関しても、
興味深い回答がいくつかありました。

 「リスクとソルベンシーの自己評価をリスク管理部門中心に実施している
  場合でも、有効性の全般的な評価をリスク管理担当役員が行うという
  ことでよろしいのでしょうか」(Ⅱ-3-5-2)

という質問に対し、

 「例えば、リスク管理担当役員が全般的な評価や確認を行い、
  内部監査部門が独立した立場から評価結果を検証すること等が
  考えられます」

との回答が。他にも、

 「『リスクとソルベンシーの自己評価』は、『統合的リスク管理』に包含
  されますが、監督指針『Ⅱ-3-5-2(5)』では、『統合的リスク管理』が
  内部監査の対象外といった誤解を回避するため、『統合的リスク管理
  及びリスクとソルベンシーの自己評価』と記載しております」
  (Ⅱ-3-5-2等)

という回答があり、保険行政(金融庁)は内部監査部門に対し、
統合的リスク管理の有効性検証や、経営陣への提言(必要に応じ)を
求めていることが明らかになりました。

なお、改正された監督指針案等は「本日(=2/28)より適用を開始」
だそうです。つまり、もう適用されているということですね。

※写真は「かいぼり(=日干し)」中の井の頭公園です。
 約30年ぶりとのことで、そろそろ再び水が入るのではないでしょうか。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

ア会の年次大会報告集

 

昨年11月のブログに、日本アクチュアリー会の年次大会で
2日続けてMCに挑戦したことを書きました。
「MCを務めました」へ

その報告集が先週ア会HPにアップされ、一般公開されています。
会員外への公表は従来にない取り組みです。
日本アクチュアリー会「年次大会報告集」HPへ

先述のとおり、私は「金融機関のガバナンス」(特別講演)と、
ERM委員会のパネルディスカッションで司会を務めました。

HPにアクセスしていただくと、当日のスライドだけではなく、
講演内容やパネリストどうしのやり取りを見ることができますし、
私が冷や汗をかきながら鼎談を進めているところもわかります^^
(やや大きめのPDFファイルなのでご注意下さい)。

もちろん、報告集には私がMCを務めたものだけではなく、
興味深いプレゼンテーションがいくつもありますのでご覧下さい。

※写真は新潟の弥彦神社と弥彦駅です。
 駅のほうもなかなか立派な造りでした。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

酒蔵見学に行きました

 

新潟での保険合宿(!)の際、「久保田」で有名な
朝日酒造の酒蔵見学をする機会がありました。

1830年創業の老舗ながら、徹底した品質管理と、
「久保田方式」と言われる限定販売戦略で、
淡麗辛口ブームの立役者となった蔵元です。

現地に着いて、まずその外観にびっくり(写真左)。
これまで見学した酒蔵のなかで最も近代的でした。
酒蔵というよりは工場といった趣です。

白衣と帽子、マスクを着用し、いざ蔵のなかへ。
精米から麹造り、酒母、もろみ、発酵、しぼりと、
製造工程に沿ってご案内いただきました。

最初の精米のところでは、削ったコメを見せてもらいました。
朝日酒造では、「酒づくりはコメ作りから」という考えのもとで、
原料の米の多くを地元の契約栽培農家から「無理を言って」
確保しているとのこと。
先日の「千曲川ワイナリー」と通じるところがありますね。

仕込みに使うタンクも、昔ながらの木桶ではありません。
ただ、考えてみれば、昔のやり方が何でもいいわけではなく、
高い品質を求めた結果、今のやり方にたどりついたようです。
最新の設備であれば、正確な温度管理も可能です。

とはいえ、杜氏の経験や勘は完全にマニュアル化できる
ものではないそうで、最新の設備と伝統技術の融合が
高品質の日本酒を生み出すのでしょう。

品質重視の考えは、2004年の中越地震でも発揮されています。
震災により、求められる酒質を得られないというトップの判断から、
仕込中の酒をすべて捨てるという決断をしたそうです。

いろいろと勉強になる酒蔵見学でした。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。