ア会の年次大会

 

日本アクチュアリー会の年次大会がありました(8&9日)。

プログラムを見ると、「ERM」や「経済価値ベース」に関する
テーマが例年以上に多かったように思います。
ただ、今年は直前に想定外の仕事が入ってしまったため、
実のところほとんど顔を出すことができず、残念でした。

唯一きちんと聞けたのが、最後の時間帯に行われた
「ECを計算すればERMとして充分か?」でして、
これが非常に興味深い講演でした。

講演者の住谷貢さんはアクサ生命のCFOです。
実際にERMを行っている立場からのスピーチということもあり、
説明が具体的、かつ、説得力がありましたね。

話を伺うと、保険会社のリスク管理には保険数理よりも
むしろファイナンスの知識が必要なように思えました。
リスク管理のツールとしてデリバティブの知識は必須とのことです。

「リスク・ポリシー」の話も納得でした。
「取るリスクと取らないリスクを選別」を突き進めると、
結局のところ「コアビジネスは何か」という話になります。
ERMが経営そのものであることがよくわかりますね。

※写真のトンネルは東横線の横浜と反町の間にあったもの。
 右の写真はかつて反町駅があった場所です。
 

 

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保険をめぐる二つの世界

 

昨日(5日)明治大学で、日本保険・年金リスク学会(JARIP)の
研究発表大会がありました。

保険や年金に関する様々な研究発表がありましたが、
最も刺激的だったのは、一橋大学・米山高生教授の
特別講演ではなかったでしょうか。

タイトルとなっている「保険をめぐる二つの世界」とは、
「伝統的な保険論」と「リスクマネジメント&保険」です。

「伝統的な保険論」は供給者の視点に立っており、
収支相等の原則からはじまる保険論です。
予定調和的な世界を前提にしており、
価格は保険数理による決定論的な世界で決まります。

これに対し、「リスクマネジメント&保険」は需要側から
マーケット(=自由競争)を前提に考えるものです。
予定調和ではなく不確実な世界であり、
価格は確率論的な世界で決まります。

そして、
「伝統的な保険論では解決できない問題や苦手とするテーマも
 需要側からマーケットを前提に考えると解決できる」

「今後の保険教育は伝統的な保険論(保険数理を含む)に加え
 リスクマネジメント&保険、金融工学、コーポレートファイナンス
 の4領域が主軸になる」

というのが先生の結論だったようです。

保険数理の専門家がリスクの専門家になれるかどうか。
アクチュアリー会でも話していただいたらいいかもしれませんね。

※写真は第三京浜の高架橋なのですが、格付けに見えてしまいます^^

 

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ギリシャ危機と逆イールド

 

ギリシャ政府の国民投票実施表明には驚きました。
国民の痛みを伴う財政再建案を進めるには、
もはやこのようなプロセスしかないと判断したのでしょうか。

財政危機が顕在化すると国債価格が下落し、金利が上がります。
日銀が10月18日に発表した金融システムレポートを見ると、
欧州周縁国における国債利回りの対ドイツ国債スプレッドは
2010年以降大きく広がっているのがわかります(P6の図表)。

もっとも、私の目を引いたのは、隣に掲載されていた
「国債の長短スプレッド」という図表のほうでした。
欧州周縁国の2年国債と10年国債のスプレッドを見たものです。

これによると、ギリシャやアイルランド、ポルトガルなど、
財政健全化を巡って市場が強い懸念を示している国では、
短期金利が長期金利を上回る傾向が続いています。

Bloombergニュースからデータを拾ってみると、
ギリシャ2年債利回りは96.70%、10年債は25.47%、
30年債は17.21%で、確かに逆イールド状態です(2日)。

通常ですと、累積デフォルト確率は時間がたつほど大きくなる、
つまり、「年末までの約束だったら返ってきそうだけど、
10年後だったら返ってこない可能性が高まるよなあ」と考え、
信用スプレッドは長期のほうが大きくなるのが一般的です。

しかし、事態がここまで進むと話は別なのですね。
市場は年限に関わらずギリシャ国債の約7割カットを
すでに織り込んでいる(2日時点)ため、このような利回りに
なっているということなのでしょうか。

ここまで考えると、保有債券を長期債から短期債にシフトしても
金利リスクは小さくなるかもしれませんが、ソブリンリスクへの
対策にはなっていないのかもしれません。
いかがでしょうか?

※神戸で2年ごとに開かれる美術展なので「神戸ビエンナーレ」
 横浜でも3年ぶりに「横浜トリエンナーレ」が開かれているようです。

 

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生保の下期運用計画

 

もしあなたが新聞社の「デスク」だったとします。
配下の記者から次の原稿が上がってきたら、
どう修正しますか?
————————————
生保マネー、国債に集中 逆ざやリスクも

大手生命保険8社の20011年度下期の運用計画が出そろった。
利息や配当から生じる新規資金の大半を日本国債を中心とする
国内債券に投じる。金額は1兆5千億円。上期実績と合わせれば
約4兆6千億円となり、年度当初計画を54%上回るが、低金利下
での過度の債券買いは逆ざやリスクを高めかねない。
(29日日経より)
————————————

まず引っかかるのが、「国債に集中 逆ざやリスクも」です。
「過度の債券買いは逆ざやリスクを高めかねない」ともあります。

ここでいう「逆ざやリスク」とは、常識的に考えると
「逆ざやが将来発生する可能性」のことを指すと思います。

おそらく記者さんは、
「高い運用収益が期待できる株式や外国証券への投資を行わず、
 低金利の債券ばかり購入すると、全体の利回りが下がり、
 逆ざやになる可能性を高める」
と考えたのでしょう。
資産サイドだけで考えると、そうなってしまうのかもしれません。

しかし、低利回りの長期債を買っても、予定利率が固定されているので、
逆ざやが将来発生しようがありません。
国債への集中リスク(=ソブリンリスク)を指摘するのであれば
まだわかるのですが、これは直さないといけません。

砂漠に水をまく思いですが、しつこく説明していくしかないのでしょうね、

ついでながら「国債に集中」というのも大丈夫でしょうか。
各社は「国内債券を積み増す」と回答しているようです
ロイターの記事
まあ、独自情報かもしれませんし、おそらく国債が多いとは思いますが。

「利息や配当から生じる新規資金」というのも、私なら確認を求めます。
保険料収入よりも保険金等の支払いのほうが多いのか、と。
銀行窓販もありますし、大手計でそんなことはないと思うのですが。

※いつものように個人的なコメントとということでお願いします。

 

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日本保険学会の年次大会

 

前回のブログでご紹介したとおり、先週末に神戸で
日本保険学会のH23年度全国大会(年次大会)がありました。
日本保険学会のHPへ

発表を聞いていて時々感じるのは、研究を進めるにあたり、
データの入手や解釈に苦労されているなあという点です。

現理事長の江澤雅彦先生教授(早稲田大学)も、
先日ご紹介した私の翻訳本に寄せていただいたなかで、

「われわれ学界に身をおくものは、研究を進める際、
 保険会社の経営に関するデータや資料へのアクセス
 の面で多くの困難を経験する」

と書かれています。

今回もある発表のなかで、1989年~2009年において、
 ・保険料収入に占める事業費の割合はやや低下傾向
 ・事業費に占める営業経費の割合は低下傾向
となっていることから、
「相互会社は事業費、販売促進費を抑えてきた」
という解釈がありました。

しかし、これはかなり無理があるように思います。

この期間はバブル経済のピークから崩壊、停滞の時期で、
生保の主力商品が貯蓄性から保障性へと移り、
同時に新契約の減少傾向が続いた時期ですよね。

保障性商品のウエートが高くなれば、保険料に占める
事業費の割合が下がっていくのが自然ですし、
新契約が減っていけば、コスト削減とは関係なく、
事業費に占める営業経費の割合は下がっていきます。

そうかといって、他にいい公表データが見当たらないのが
困ったところです。

また、基礎利益を使った効率性分析の結果、
「相互会社は株式会社よりも効率性が高い」
という分析結果にも違和感がありました。

商品構成や平均予定利率に大きな違いがない場合、
基礎利益は事業規模が大きく、保有契約と比べた
新契約の割合が小さい会社ほど大きくなる傾向があります。

分析期間(1989年~2009年)の最後の数年間を除けば、
主要生保の多くが相互会社であり、株式会社は
中堅2社と歴史の浅い外資系・損保系生保が中心でした。

当然ながら株式会社の基礎利益は小さくなるはずなのですが、
この点を踏まえた効率性分析だったのか、知りたいところです。

※地元で有名な「にしむら珈琲店」で朝食をとりました。

 

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「保険会社と金融システム」

 

先のIAIS(保険監督者国際機構)ソウル年次総会で
日銀総裁が「保険会社と金融システム:中央銀行の視点」
というスピーチをしています
(恥ずかしながら知人に教えてもらいました^^;)
日本銀行のHPへ

講演録(の邦訳)を見ると、いくつか気になるところがありました。

現在のグローバル金融市場の動きを踏まえ、

①現在の低金利をごく例外的な事例と位置づけてよいものか、
 保険会社の経営者も規制・監督当局もよく考えなければならない

②ソブリン・リスクの高まりは、保険会社が推進してきたリスク管理の
 高度化(=超長期国債の購入によるミスマッチのリスクの削減)の
 見直しを迫ることになるかもしれない

③長期的な視点から投資ができる保険会社にとって、
 市場のゆがみをとらえて投資に踏み切ることが期待されるが、
 仮にそうした行動をとりにくくなっているとしたら、その原因は何なのか、
 当局はどのように対応すべきなのか、よく考えなければならない

と話しています。

①はそうだと思いますし、②もわからなくはない(日本のこと?)ですが、
③の「市場のゆがみをとらえて投資に踏み切る」とはどういうことでしょう。
「ファンダメンタルズから乖離していると判断したら投資しろ」
(株式?為替?)ということなのでしょうか。

低金利が続くかもしれないなか、ソブリン・リスクの高まりによって
超長期債購入による金利リスクの削減もままならない、
そんな状況で、保険会社に「市場のゆがみをとらえた投資」
(=リスクをとることですよね)を期待するのが本当にいいのか
「よく考えてみなければなりません」。

もうひとつ、「規制・監督の設計:必要なバランス」のところでは、

「長期調達のウェイトの高い保険会社は、銀行に比べ
 金利リスクや流動性リスクにさらされにくい」

という指摘があります。日本では「金利リスク」が顕在化して
「逆鞘問題」が発生しているはずなのですが...

どうも銀行からみた生命保険会社への理解は、
「すぐに返さなくてもいい負債を持つ長期投資家」
「(時価評価しなければ)金利上昇でも大丈夫」
といったもののように感じてしまいます。

※写真は神戸・ポートアイランドです。
 日本保険学会の年次大会に参加しています。

 

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わかってもらうには?

 

「アゴラ」というオピニオンサイトのなかに、
比較的最近書かれたこんな記事を見つけました。
あなたの生命保険は大丈夫 -超長期国債依存が進む生命保険会社-

ご覧いただければわかりますが、生保のリスク特性を
全く理解していない内容となっています。

・地方銀行と同様に、生保も国債価格が下落すると、
 多額の損失が発生し、経営危機となる会社も出てくるはず。
・万が一のリスクに備えてと保険を売っておきながら、
 保険会社自らは国債の下落リスクに無頓着。

言うまでもなく、短い預金を長期国債で運用する地方銀行と
超長期の保障を提供する生保では、金利上昇による影響は
全く異なります。
これまでブログで何度も書いてきた通りです。

ただ、少し視点を変えて、相手の土俵で考えてみましょう。
すなわち、「経済価値ベース」という言葉を使わずに
相手を説得できるかどうかです。

相手が銀行についてはそれなりに理解している前提で、
例えばこんなのはどうでしょうか。

———————-
Q: 銀行のように生保も国債を大量に保有しているので
 国債価格が下がる(つまり金利が上がる)と大変なのでは?

A :銀行と生保では資産と負債、つまり調達と運用の構造が
 全く違います。
 銀行のように調達よりも運用のほうが長いと、金利が上がると
 調達金利が先に上がるので苦しくなります。
 ところが生保は運用よりも調達のほうがはるかに長いので、
 運用金利が上がって楽になるのです。

 考えてみて下さい。この20年、生保は金利が下がり、
 逆ざやで苦しんでいたのですよね。
 だから、金利が上がったら当然楽になるのです。
 金利が上がっても下がっても厳しい、なんてことはありません。

Q: その前に国債価格の暴落で大変なことになるのでは?

A: もちろん、欧州某国のように、元本が毀損するような事態
 にでもなれば話は別ですが、そうでなければ大丈夫そうです。

 生保の超長期国債は「責任準備金対応債券」といった
 時価評価しなくてもいい区分で持っていることが多いので、
 損失計上は解約が殺到し、資産売却を迫られたときだけです。
 売らなければ基本的に損失は表面化しません。

Q: 損失が表面に出ないだけで、資産は劣化してるのでは?

A: 確かに資産の価格は下がりますが、資産だけを見るのは
 片手落ちではないでしょうか。
 金利が上がると将来支払う保険金も実質的に小さくなりますよね。
 つまり保険会社の負債が小さくなるということです。

Q: 金利が上がったら、解約して金利の高い保険に流れるのでは?

A: 貯蓄目的の保険ではそのようなことがあるかもしれません。
 ただ、保障を目的とした商品が中心で、他の金融商品と比べ、
 これらは金利感応度があまり高くはなさそうです。
 それに生保に加入するには健康状態も影響しますよね。
———————

いかがでしょうか。なかなか難しいものですね。
「金利上昇リスク」への説得はなんとかなりそうですが、
「日本国債への集中リスク」についてはどうでしょうか。

「経済価値ベース」のいい説明方法とともに、
皆さんのお知恵をぜひお貸し下さい^^

※秋の大運動会がありました。
 初めて開門直前に行ったところ、開門と同時に先頭集団が猛ダッシュ。
 まさに早朝の大運動会でした。

 

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オリンパスの社長解任

 

保険関連ではありませんが、気になるニュースから。

光学機器メーカーのオリンパスが、4月に就任したばかりの
マイケル・ウッドフォード社長を解任すると発表しました(14日)。

ウッドフォード氏は英国出身ですが、外部招へいではなく、
オリンパスでの勤務歴が30年にわたる「生え抜き人事」でした。
前社長だった菊川剛会長による抜擢人事です。

しかし、
「他の経営陣の間にて、経営の方向性・手法に関して大きな乖離が生じ、
 経営の意思決定に支障をきたす状況」(発表資料より引用)
となり、出席取締役の全員一致で解任を決議したとか。
後任の社長は菊川会長が兼任するそうです。

発表資料には次のような記載もありました。

「当社の目指すグローバル経営とは、人と技術とものづくりの誇りを
 大切にする日本型経営の良さを生かしつつ、世界共通の経営ルール、
 情報管理、オペレーションを実施し、より機動的で効率的な事業基盤の
 構築を目指すものです。」

外国人ならではのリーダーシップの発揮を期待したのに、
リーダーシップを発揮しようとしたら解任されたのだろうか、
という個人的な感想はさておき、少し調べてみると、
オリンパスの持つ「ハイテク」「グローバル」というイメージとは裏腹に、
いろいろと問題含みの会社なのですね。

例えば、上司による取引先社員の引き抜き行為を
「信頼失墜を招く」として社内のコンプラ窓口に通報した社員が、
報復人事や嫌がらせにあってしまい、裁判を起こしています
(一審はオリンパスが勝訴、控訴審で社員が勝訴)。

また、財務諸表を見ると、2008/3期までの拡大戦略に
無理があったのか、2009/3期には売上高の急減や
支払利息の負担増に加え、多額ののれん償却などがあり、
1148億円の赤字決算となりました。純資産は半減しています。

それでも菊川社長をはじめ、経営体制はそのままだったようです
(関係があるかどうかはわかりませんが、会計監査人は変更)。

その「のれん代」ですが、2008/3期末に比べれば減ったとはいえ、
2011/3期末でも1754億円もあるのですね。
この中身が気になるところです。

参考までにオリンパスの連結総資産はほぼ1兆円、
純資産は1668億円、有利子負債が約6500億円、
営業キャッシュフローが329億円です。
表面的に見ただけでも、財務面が盤石ではなさそうです。

※写真はザクロの屋台とランブータンです。
 あいにくどちらも試す機会がありませんでした。残念!

 

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東洋経済の「生保・損保特集」

 

2011年版の週刊東洋経済「生保・損保特集」
(臨時増刊)が出たので一読しました。

「震災と保険業界」という今年ならではの特集があるものの、
保険会社のPR記事が目立つ傾向は昨年度と変わらず、
読ませる記事が少なかったのが残念です。

業界関係者をはじめ、この特集の読者が知りたいのは、
トップインタビューで語られる「顧客満足度向上への取り組み」
なのでしょうか?
あるいは「被災地で野球教室を開催」「がん検診受診を促進」
「環境保全活動を支援」といったAnother Storyなのでしょうか?

例えば、昨年度決算でも、大手生保の初年度保険料のうち
平準払いは減少傾向が続いています。
第三分野の新契約も全体としては伸びていません。
「いや、新契約価値は回復した!」という反論はありえますが、
営業職員チャネルは総じて低調なようです。

大手生保は数年前から販売チャネル改革を進め、
「対面営業の中身をさらに充実」
「個人営業改革の効果は確実に上がってきた」
(ともに2009年版特集号のトップインタビューから引用)
というはずなのに、どうしてこのような結果なのでしょうか。

損保でも同じような疑問があります。

損保プロ代理店の覆面座談会を見ると、
驚くべきことに(?)4人が4人とも、
「法人向けしか生きる道はない」
「中小企業向けマーケットに活路を見出すべき」
という趣旨のコメントをしています。

しかし、トップインタビューを読んでも、
「代理店の品質向上が重要」といった話しか出てきません。
このギャップはいったい何なのでしょうか。

業界に辛口な記事を求めているのではありません。
せっかくの特集号なのですから、もう少し深掘りしてほしい、
と言っているだけなのですが...

※写真はバンコクを流れるチャオプラヤ川です。
 この時もずいぶん水かさが多いなあと感じました。

 

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「経営なき破綻」の英訳版

 

1990年代後半から2000年代初頭にかけて起きた
中堅生保の相次ぐ経営破綻を扱った拙著
「経営なき破綻 平成生保危機の真実」
の英訳版が誕生しました。

海外で自分の研究内容について紹介した際などに、
しばしば「論文の英語版はないの?」という問い合わせを
いただいていたこともあり、大変ありがたく思っています。

中堅生保の相次ぐ経営破綻には、バブル崩壊後の
日本の厳しい経済環境が影響したことは否定できません。

しかし、個別事例を詳細に検証した結果、破綻に至るには
ビジネスモデルや経営者、経営組織といった会社固有の
内的要因が重要な意味を持っていたことが浮き彫りになりました。

おそらくこれは日本の生保業界に特有の話ではなく、
海外でも参考になる普遍的なものを含んでいると思います。

ご関心のあるかたは、公益財団法人アジア生命保険振興センター
までお問い合わせ下さい。

※写真の水上マーケットはAmphawa(アムパワー)です。
 運河に面して発達した町で、いまは地元で人気の観光地とか。
 バンコクから車で2時間くらいでした。

 

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