
8月4日のブログでご案内したとおり、日本保険学会の全国大会で「共通論題・新たなソルベンシー規制への期待と今後の展望」の座長(兼報告者)を無事努めることができました。全国大会での座長は初めてでしたが、いかがでしたでしょうか?
当日は、まず金融庁の伊藤さんが「新たなソルベンシー規制導入のねらい」、次に会計学者の上野先生が「ESR規制とディスクロージャー:保険規制と企業会計の整合性」、金融庁OBで金融規制に詳しい湯山先生が「保険セクターとプロシクリカリティ」を、最後に私が「新規制は保険会社の経営危機を回避できるのか」をそれぞれ20分間報告したうえで、登壇者どうしのパネルディスカッションを行いました。
詳しくは後日の『保険学雑誌』をご覧いただくとして、パネルディスカッションでは私から報告内容を確認させていただいたうえで、学識者から伊藤さんへの質問、私の報告(経営危機を回避できるのか)をたたき台にした議論、残された課題についての議論という流れで進めました。
実務の皆さんはおそらく半年後の規制導入が迫っているなかで、現実的な準備を進めていることかと思います。そのような時期に、「規制上のESRは万能ではない(=第2の柱、第3の柱が重要)」「新規制導入がゴールではない」「銀行規制では流動性リスク対応は第2の柱」「金融庁のリソース不足は大きな課題」「監督会計の見直しを検討すべき」といった大きな議論を学会メンバーだけではなく、金融庁の伊藤さんとともにできたのは、意義があったのではないかと自負しています。
登壇していただいた皆さま、ありがとうございました。

【おまけ】
拙著『保険ビジネス』の一部がこちら(地震、台風…自然災害で多額の保険金を支払っても、保険会社が破綻しない理由)に掲載されています。ご参考まで。