海外でワークショップなどに参加すると、
報告者が率先して説明中に質問を受け付け、
実際に参加者から多くの質問が出ます。
今回のスイスでの会合もそうでした。
日本では、報告者の話をすべて聞いてから、
最後にまとめて質疑応答を受け付けるというのが
一般的なワークショップや研究会の「作法」だと思います。
この「作法」の悪いところは、議論が深まりにくいことでしょう。
単なる発表会になってしまいがちです。
それでは海外の「作法」が優れているのかといえば、
これもケースバイケースだと思います。
例えば発表内容について一定の知識があり、
発表の全体像を踏まえたうえでの質問があれば、
質疑応答を通じて議論が深まるかもしれません。
ただ、これまでの経験からすると、
途中で「どうしてそれを今聞くの?」という質問が入り、
その結果、時間が足りなくなり、最後は駆け足で終わる、
というパターンも結構多いような気がします。
最後に質問しようとのんびり構えていると、
下手をすると時間切れです。それでは困るので、
仕方なく質疑応答に参戦することになりますが、
このタイミングが結構難しいんですよね。
こうなってくると、議論が深まるというよりは、
むしろ議論が拡散してしまうかもしれません。
表面的に「活発な質疑応答が交わされた」というだけでは、
そのワークショップは成功したとは言えないでしょう。
ということで、どこで質疑応答をするかが本質ではなく、
議論を深めるために報告者がどのような工夫をするか、
なのでしょうね。
※7年ぶりのロンドンです。