「12生保が増益」(日経) 「生保大手、全社増益」(朝日)
「生保決算 8社すべてで増益確保」(NHK)
25日(金)に出そろった生保の2011年度決算について、
メディアは基礎利益が増えたことに注目したようです。
基礎利益が増えた説明として、
「3月末にかけて株価が上昇し、運用成績が好転したためだ」(日経)
というのはややミスリードのように感じます。
大手4社の基礎利益は約1800億円増えていますが、
変額年金等の最低保証に係る影響は約400億円だけです。
それに基礎利益には株式の売買損益や評価損は入りません。
「全社とも増益となった理由の一つは、東日本大震災の
保険金支払いが震災直後の見込みより少なかったため、
多めに用意しておいたお金が戻ってきたことだ」(朝日)
2010年度には東日本大震災に係る支払備金の計上があり、
2011年度にはその影響がなくなったうえ、上記の理由から
全社増益になったという説明をするべきなのでしょうね。
Bloombergには、日本生命は「実質減益の厳しい内容だった」
というコメントが載っていました。BloombergのHPへ
保有契約高の減少が続き、第三分野の年換算保険料が
あまり増えていない現状を考えると、他社も胸を張って増益
という感じではなさそうです。
ただ、同じBloombergの記事によると、明治安田生命は
「それを除いても増益」だったそうです。
同社の場合、銀行窓販を中心に保険料収入が急増し、
資産平残が2兆円以上増えたことが影響しているのかもしれません。
ところで、以前このブログで大手生保の債券運用に関して、
「同社が『その他有価証券』の公社債をどんどん増やしている」
と書きました。生保の4-12月期決算から
今回も気になったので、さっそく12月末と比べてみると、
「その他有価証券」が急減し、「満期保有目的債券」が急増していました。
四半期決算もなかなか役に立ちますね。
※写真は旧東海道です(左が台町、右が軽井沢)