日本銀行の全国企業短期経済観測調査、いわゆる日銀短観の業況判断DIは、日本の景気動向をつかむうえで最も注目されている指標の1つです。調査は四半期ごとに行われ、10月1日に直近(2025年9月)の調査結果が公表されています。
ニュースでも大きく取り上げられるのですが、たまたま目にしたNHK夜7時のニュースでは、このようなグラフを使って説明していました。
このグラフを見ると、先行きの悪化が心配になりますよね(特に非製造業)。景気後退が近いのではないかと思ってしまいます。
しかし、グラフをよくよく見ると、非製造業の縦軸は25~35ポイントなので、下がるといっても製造業をはるかに上回る水準です。製造業のものを含め、こういうグラフは作ってはいけない典型的な例ではないでしょうか。
参考までに、日刊工業新聞の日銀短観の記事では、次のようなグラフを掲載していました。多少スケールを修正しているとはいえ、これならミスリードはないでしょう。
企業は先行きを警戒しているものの、景気の基調は底堅いと読むのが妥当と言えそうです。
「こういうグラフは作ってはいけない」という事例は残念ながらメディアで時々見かけます。
作り手に何らかの意図があるのかどうかはわかりませんが、私たちはだまされないように気をつけなければなりませんね。
※この週末は横浜・大倉山のお祭りでした。