3メガ損保の2014年度決算が発表されました。
ざっと眺めた段階ですが、2点ほどご紹介しましょう。
主力の自動車保険は収支改善となりました。
ただ、おやっと思ったのは収入面です。
3メガ損保(主要4社)とも増収ではあるものの、
単価上昇が主因で、契約台数は伸び悩みが顕著です。
東京海上は前期比1.4%増(ノンフリート)ですが、
あとの会社は横ばいから微減といったところ。
2014年度は自動車保険の収支改善のほか、
久しぶりに大きな自然災害がなかったので
(2011、2012、2013と自然災害が続きました)、
国内損保事業が完全復活したかに見えます。
でも、自動車保険の台数が増えないとなると、
あまり安心はできません。
株高、円安の恩恵を大きく受けたのが、ある意味
今回の損保決算の特徴と言えるでしょう。
各社は来期の会計利益を1600~2400億円と
見込んでいるのですが、保有する有価証券は
2014年度にその数倍も増えているのですから。
損保の会社価値にとって、最も大きな要素は
保有する株式の時価動向という構図は
あまり変わっていないようです
(=すなわちリスクが大きいということ)。
そこで、政策保有株式の売却について見ると、
2014年度は3メガ損保で動きがやや異なりました。
東京海上は簿価ベースで300億円程度の売却を
2014年度も続けた模様です。
SOMPOは前年度ほどではないものの、売却を継続。
他方、MA&ADは数字を見るかぎり、売却は足踏みです。
コーポレートガバナンス・コードも策定されたことですし、
損保の政策保有株式に対するスタンスがどうなるか。
今後の動向に注目したいと思います。
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「保険会社ERM経営の現状と今後の方向性」という題で、
日本版ORSAをはじめ、保険ERM経営に関する話をします。
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