日銀の異次元緩和(2013年4月)から2年。
生保の資産構成はどう変化したのでしょうか。
まず、大手生保4社の一般勘定資産に占める
国内株式のウエートは、この2年で2ポイントほど
上昇しました。
しかし、その大半は時価上昇によるものです。
株式を実質的に減らしたかどうかは微妙ですが、
生保資金が株式に向かったようには見えません。
他方、外貨建資産のウエートは年々高まり、
一般勘定資産の2割前後に達しました。
もっとも、異次元緩和を受けたものというよりは、
その数年前からの動きです。
同時に、為替ヘッジのないオープン部分も
徐々に増えているようです。
住友を除く3社の為替エクスポージャーは
一般勘定資産の1割強となりました
(2年前は3社とも8%程度でした)。
国債など国内公社債はどうなったかというと、
一部に残高を減らした会社が見られるとはいえ、
責任準備金対応債券を増やす動きが続いており、
かつ、第一と住友は残存期間を伸ばした模様です。
その他有価証券区分の国内公社債が多かった
第一と明治安田は責準対応債券への移行を進め、
その他有価証券区分の公社債が全体の2割程度
となりました(4年前には5割前後でした)。
ということで、2014年度決算をざっと見るかぎりでは、
異次元緩和後の生保資金は外貨建資産への投資が
やや目立つものの、大きな変化は見られないようです。
※今年も慶大で講師を務めました。