14. 書評

「日銀、『出口』なし!」

 

日銀ウォッチャー加藤出さんの近著です。
副題は「異次元緩和の次に来る危機」。

日本銀行が現在行っている量的質的緩和策は、
終わるに終われない状況に陥るのではないか。
これを「ホテルカリフォルニア化」と言うのだそうです。

日銀は出口政策についての議論を封印していますし、
筆者によると、国債市場の多くのプレーヤーは、
「インフレ率は日銀が言うペースでは上昇しない」
と思っているなかで、出口論は早いのかもしれません。

しかし、そもそも異次元緩和策は時間稼ぎ策であって、
どこかで終わらせなければなりません。
財政危機と通貨の信認凋落を招かないためにも。

加藤さんは、日本の国債市場の自律的な機能は
日銀の買いオペによってかなり失われており、実態は
国債直接引き受けに限りなく近くなっていると述べています。

そして現在、多くの国債市場関係者は、

「インフレ予想が上がって国債の金利が急騰を始めたら、
 日銀は今以上の巨大な規模で国債を買い支えるに違いない」

と予想し始めているそうです。
これでは、日銀が本来、出口政策に向かうべき時に、
さらに大規模な金融緩和策を行うということになってしまいます。

アベノミクスがモデルにしたという高橋是清の政策。
出口政策として日銀国債引き受けの縮小と軍事費削減を
打ち出した高橋是清は、2・26事件で殺されてしまいました。
その後、財政の拡張に歯止めがかからなくなります。

本書を読んで、改めて出口政策の難しさを感じました。

※山下公園の前でワッショイワッショイ。
 市内各地からお神輿が集まっていたようです。

 

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最近の読書から

 

GW直後ということで、最近読んだ本のご紹介です。

1.「世界の経営学者はいま何を考えているのか」

世界のビジネススクールの最前線にいる「経営学者」たちが
どんな研究に取り組んでいるのか、わかりやすく紹介した本です。

 ・アメリカの経営学者はドラッカーを読まない
 ・ハーバード・ビジネス・レビューは学術誌ではない
 ・経営学には教科書がない

これだけでも「目からうろこ」ですが、私がなるほどと思ったのは
「日本の経営学と海外の経営学」のところです。

日本の経営学がケース・スタディーを重視する風潮が強いのに対し、
米国を中心とした世界の経営学の主流は、理論仮説を立て、
それを統計的な手法で検証するアプローチなのだそうです。

著者の入山さんは、両者が互いの長所短所を補い合うことが重要
と述べているものの、

「現在欧米を中心としたトップスクールにいる経営学者の多くは
 (彼らが考える意味での)科学性を重視しており、そのために
 『理論→統計分析』の演繹的アプローチが支配的である」

と説明しており、どこかで聞いた話だなあと。

ただ、入山さんもどこかで書いていましたが、企業の経営は
自然現象ではなく、人間や人間の集団が行うものですよね。

仮定に基づいた統計分析でどこまで本質に迫れるのか、
各章で紹介された世界の経営学のフロンティアをみると、
まだまだ発展途上の分野であることもわかりました。

2.「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です」

副題は「コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」。

職業柄ドキドキするタイトルですが、単なるコンサル批判ではなく、
従来の経営コンサルティングの問題点を指摘したうえで、
コンサルティング業務の望ましいあり方や、クライアントと
コンサルタントの正しい付き合い方を提唱したものです。

本書にも様々な経営理論が出てくるのですが、
著者のカレン・フェラン氏は自身の長年の経験等から、
過去を懺悔しつつ、これらを一刀両断しています。

本書には、

「コンサルティングが役に立つとき、役に立たないとき」
「危険なコンサルタントの見抜き方」

なんて表も付いていて、これだけでも参考になりそうです。

3.「アクチュアリー・桑山啓介の転職」

このところ専門職として人気が高まりつつあるアクチュアリー。
本書は「損害保険アクチュアリー」の世界を描いた珍しい本です
(初版は2008年)。

「筆者のこれまでの経験や見聞を踏まえたフィクション」とはいえ、
私も20年以上、保険業界とお付き合いしていますので、
本書で描かれた中堅損保や外資系損保の社内の状況は
ものすごくリアルに感じました。

中堅損保から外資に移った本書の主人公は、
再び日本社に転職するところで終わっています。
その後どうなったのか、続編が気になるところですね。

なお、筆者のHPがあり、そこで補足情報が得られます。
鷹巣怜のホームページ

<番外編> 「親台論-日本と台湾の心の絆」

台湾に行く前に勉強しようと思い、関連書籍を探してみると、
圧倒的に多いのは「グルメ関連」でした^^

次に目立つのは、台湾を題材にしつつ、日本のありかた
(特に対中、対韓関係)を論じているものでしょうか。

本書もタイトルからして後者のジャンルに入るとはいえ、
イデオロギー色が薄く、日台関係について勉強するには
いい本だと思います。

確かに私の経験からしても、台湾の皆さんは日本や日本人に
好意的だという印象がありますし、台湾の町を歩いていると
あちこちに「日本」が見つかります。大事にしたいお隣さんですね。

※台湾といえばマンゴー氷です♪

 

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教養としての「世界史」

 

旅行中にライフネット生命・出口治明さんの近著
「仕事に効く 教養としての『世界史』」を楽しく読みました。

本書は出口さんも書いているように「歴史書」ではなく、
歴史を学ぶことの大切さや楽しさを教えてくれる本です。

ペリーが日本に来た本当の目的を考えるところから始まり、
中国の文書行政、キリスト教と仏教の誕生、ローマ教会、
東西交易、遊牧民の活躍、アヘン戦争などが取り上げられ、
最後にまた日本に戻ってきます。

あくまで私の感想ですが、本書のメッセージは、
次の記述に凝縮されているように思いました。

「世界のこと、過去のこと、今日のことなど、いろいろなことを
 知れば、一つの地域や国の歴史に引っ張られずに、
 ものの見方や考え方が多面的になります」(P328)

タイトルにある「仕事に効く」とは、「歴史を知っていると、
コミュニケーションをとりやすい」という狭い意味だけではなく、
地理的、歴史的背景を知り、いろいろと考えていくうちに、
多面的かつ論理的に物事を考えることができるようになる、
ということではないでしょうか。

それにしても、「歴史が好きなアマチュアの一市民」(はじめに)
である出口さんの博覧強記ぶりには驚かされます。

私は山川の世界史だけではなく、大学でも西洋史学科というところで
歴史を学んだはずなのですが、ローマ教皇の名前など、
すっかり忘れていました^^

 

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大学生が狙われる50の危険

 

三菱総研と大学生協・共済連による書籍です。
2011年2月に出た「大学生がダマされる50の危険」に
最新の情報を加えたパワーアップ版とのことで、
大学生の息子がいることもあり、目を通してみました。

第1章「大学生が狙われる、いまどきの危険」には、
次の9項目が取り上げられています。

 ①新入生勧誘に見せかけた罠
 ②SNSのトラブル
 ③ネット炎上
 ④ストーカー
 ⑤校則違反
 ⑥飲酒・アルコール中毒
 ⑦自転車事故
 ⑧新手のキャッチセールス
 ⑨迷惑行為

私の学生時代はいわゆるバブル期なので、
もう四半世紀も前のことですが、①の宗教勧誘や、
⑥の飲酒、⑨の迷惑行為などは、当時も同じですね。

他方、SNSのトラブルやネット炎上といった、
携帯やスマホの普及に伴う危険が挙げられています。
ストーカー被害や自転車事故(=加害者になる危険)
などもあり、時代の流れを感じます。

2011年版と比べても、「アカウント乗っ取り」
「ネットゲーム」「スマホ(のアプリ)」「ネット依存症」
といった危険が新たにリストアップされていて、
ここ数年のスマホやタブレットの普及を反映しているのでしょう。

ちなみに、本書で取り上げられた50の危険は
どのような基準で選ばれたのでしょうね。

「就職活動」「社会に出る前に」といったものもあるので、
50の危険はあくまで例示なのだとは思います。

ただ、次に改訂版が出るときは、危険を防ぐポイントに加え、
発生する頻度と、発生した時の損失をイメージできる
手掛かりがあるといいですね...なかなか難しそうですが。

※写真は御茶ノ水を代表する二つの橋です。
 電車の写真にしか見えないかもしれませんね^^

 

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森本さんの近著

 

私の所属するキャピタスコンサルティング代表の森本祐司さんが
「ゼロからわかる金融リスク管理」を出しました(KINZAIバリュー叢書)。

本書は金融リスク管理の入門書ですが、ノウハウや計測手法を
教えてくれる親切で便利な本ではありません。

「リスクとは何か」というところから始まり、
 ・リスクを「管理」するとはどういうことか
 ・リスクを計測し活用するうえで必要となる7つの心構え
など、入門書とはいえ、骨太の内容となっています。

リスク管理を「安全性の確保」、すなわち、リスクを計測し、
体力を超えたリスクを取っていないか確認すること捉えてしまうと、
リスク管理はリスク管理部門の仕事という意識になってしまうのは
ある意味当然かもしれません。

本書では、「金融商品の仕入れ値と売り値をどうとらえるか」
という視点を示し、リスク管理が決してリスク管理部門に任せておけば
いいものではないことを示唆しています。

何のためのリスク管理なのかを踏まえれば、
「リスク管理はリスク管理部門の仕事」ではないし、
まして規制対応でもないはずです。

ということで、身内の出した本ではありますが、初心者のみならず、
金融にかかわるベテランにも有益な内容だと思いますので、
ご紹介させていただきました。

※写真は大倉山梅林です。

 

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最近の読書から

 

早いもので今年も残すところあと2日。
今回は最近読んだ本の中から3冊ご紹介します。

「金融再編の深層 高橋温の証言」

1998年から2005年まで住友信託銀行(現三井住友信託銀行)の
社長を務めた高橋温さんが、日本長期信用銀行との合併交渉や
UFJ信託銀行の買収交渉など、過去20年間の金融危機・再編を
当事者として語った本です。

「自らが体験した事実をきちんと書き残し、経営者としての
 私の経験をぜひ、今後の教訓として生かしてほしいと考えた」

とあるように、本書は、長銀の合併問題やUFJ信託の争奪戦など、
高橋さんが大手信託銀行トップとして関わった事件についての
貴重なオーラルヒストリーです。

「なぜUFJは三井住友ではなく、三菱東京を選んだのか?」

という問いについても高橋氏の考察があり、興味深く読みました。

「医療保険はすぐやめなさい」

著名FPの内藤眞弓さんによる最新刊です。
タイトルや帯は刺激的(「やめた人から得をする!」とあります)
ですが、民間医療保険との付き合いかたについて
丁寧にわかりやすく書かれています。

特にいいなと思ったのは、がんの治療費の目安です。
がんになったら、実際に「いつ」「どれだけ」費用がかかるのか。
内藤さんはまずここから解説したうえで、保険に頼れる部分と
そうでない部分を示しています。

それにしても、がん保険は難しい。
死亡保険と違い、給付金が支払われる条件が様々なのですね。
例えば、2回目以降の診断給付金を受け取る条件には
4パターンもあるそうです。

「部下を持ったら必ず読む『任せ方』の教科書」

著者はライフネット生命のCEO、出口治明さんです。
私は本書がターゲットとしている読者層ではなさそうですが、
日本の会社、日本的経営ガバナンスについて考えるなかで、
たまたまこの本と出合いました。

・決定権を持つものが一人で決める
・異質な社員に権限を委譲し、任せる
・課長の決定に、部長は口を出してはいけない
・労働時間から「労働生産性」に焦点を変える  などなど

おそらく本書で出口さんが説く「あるべきマネジメント」の
裏返しが、日本の会社には多いのではないでしょうか。

もちろん、タイトルに「部下を持ったら必ず読む」とある通り、
本書には上司になったら何をすべきかを考えるヒントが満載です。

※写真は年末でにぎわう築地場外市場です。

 

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「『行動観察』入門」

「ビジネスマンのための『行動観察』入門」を読みました
(著者は松波晴人さん。講談社現代新書です)。

「行動観察」とは、観察者が様々なフィールドに入って
対象となる人間の行動をつぶさに観察したうえで分析し、
問題解決法を提案する手法のことです。

アンケートやグループインタビューでは、主として
顕在化しているニーズやリスクを収集することになります。

これに対し、行動観察では本人がそうと認識していない
課題やニーズを知ることができます。
「今どんなリスクに直面していますか」と聞かれても、
それがリスクだと気が付いていなければ、回答しませんよね。

さらに、行動観察では、アンケートやインタビューで生じがちな
バイアスを排除することもできます。
本書では「アンケートでは社会通念に反する回答は出てきにくい」
とありました。確かにそうかもしれません。

ただ、行動観察が十分な効果を上げるかどうかは、
どうも観察者の力量によるところが大きいように感じました。

本書で観察の対象となった現場は、「販売イベント会場」
「営業マンの行動」「残業だらけのオフィス」「飲食業」「書店」などで、
筆者のチームはそれぞれでかなりの成果を上げているのですが、
やはり観察経験を踏むほど、成果が上がっているようです。

著者も、観察者が学ぶべき二つのポイントとして、

・自分の価値観から自由になる
・人間についての知見を持つ

を挙げ、どちらも大変な労力と時間がかかると述べています。

とはいえ、「フィールドを観察し、よい仮説を立て、それを検証する」
という自然科学の流れをビジネスで応用するという「行動観察」は、
ERMの構築サポートでも応用できそうです。

※連日天気が悪いので、このような月がなかなか見られませんね。

 

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「10大事件」

 

金融リスク管理の第一人者である藤井健司さんの近著
「金融リスク管理を変えた10大事件」を読みました。

「金融リスク管理の歴史はさまざまな経験と教訓に対する
 不断の改善努力の賜物」(「はじめに」より引用)

ということで、本書では金融リスク管理に対して
大きな影響を与えた10の「事件」ごとに章が割かれ、
それぞれの事件の経緯と金融リスク管理に与えた影響
について述べられています。

さらに、実務家として10大事件すべてを経験している
藤井さんの「目撃者のコラム」が各章にあります。
本書のエッセンスはここに書かれているように思いました。

例えば、最もページ数の多い第9章
「リーマンショックと金融危機からバーゼルⅢへ【2008年~】」
の「目撃者のコラム」では、

「これからのリスクマネジャーには、規制対応を行いながらも
 あるべきリスク管理の実務を推し進めるという、
 これまで以上に厳しい自己規律をもった姿勢が必要」

と結ばれていて、現状の厳しさを感じます。

本書は金融業(特に銀行)のリスク管理に影響を与えた
10大事件を取り上げていますが、保険会社だったら
どんな事件が選ばれるでしょうか。

保険リスクに関しては、現在のように自然災害リスクモデルが
普及するきっかけとなったハリケーンが、1992年のアンドリュー
なのだそうです。もちろん、2005年のハリケーン・カトリーナ、
そして2011年の東日本大震災やタイの洪水も無視できません。

生保の金利リスクやALMの重要性を示す出来事としては、
日本の中堅生保の連続破綻(1997~2001年)が象徴的です。

また、NY同時多発テロ(2001年)や2008年の金融危機は
金融リスク管理とは多少違った切り口になりそうです。

EUソルベンシーⅡや国際会計基準(保険会計)の検討も
ありますね。ただし、どちらも検討期間が非常に長いので
(かつ、現在進行形です)、取り上げ方が難しいかもしれません^^

※写真は会津若松です。

 

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旧日本軍にみるリーダー論

 

「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」を読みました。
著者は半藤一利さん。文春新書です。

昭和史と太平洋戦争の「歴史探偵」である著者が、
太平洋戦争の教訓からリーダーの条件を考えたものです。
資料調査と当事者への取材に基づいた記述が多く、
読みやすい本でした。

日本型リーダーシップとは、「参謀が大事」という考えです。
その起源は戊辰戦争と西南戦争にあります。
「総大将は戦いに疎くても参謀さえしっかりしていれば勝てる」
二つの成功体験がこの考え方を決定づけました。

さらに日露戦争の勝利です。
後にリーダーの理想像とされた「海の東郷」「陸の大山」は、
実際には参謀の上にただ乗っかっていたわけではなく、
戦場では指示を出し作戦を指揮していたようです。

それにもかかわらず、「威厳と人徳」のリーダー像が
作られていきます。
日露戦争の大勝利の栄光を汚さないため、
だまって部下の作戦・行動を見守る静かにして重々しく
堂々たる総大将が日本型リーダーの理想像とされていきます。

参謀任せの「太っ腹リーダー像」が生み出され、
「威厳と仁徳」の将を支えるために参謀重視となり、
上が下に依存する習慣が通例となりました。

その結果、本当の意思決定者がわからなくなり、
権威を笠にきて権限を振り回す参謀が輩出され、
根拠なき自己過信や傲慢な無知、底知れぬ無責任が
戦場でまかり通ったとか。

著者は、エリート集団による「独善性」「硬直性」「不勉強」
「情報無視」は現在に通じていると述べていますが、
残念ながら同感です。

※写真は伊豆の代官・江川家です。
 NHK大河ドラマ「篤姫」で篤姫の実家として使われたとか。

 

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杜の都の食べ歩き・街歩き

 

週末にかけて、石巻、仙台、福島への出張がありました。
堅い話はあとで書くとして、宿泊した仙台国際ホテルでのこと。

旅先の夕食は楽しみな半面、面倒でもありますよね。
この日もどうしようかと悩んでいるとき、ふと目についたのが、
デスクにあった「杜の都の食べ歩き・街歩き」という本。

よく部屋に置いてある広告ばかりのガイドブックではなく、
グルメの総支配人によるレストランガイドだったので、びっくり。
ミシュランの星がつくような高級店からカジュアルな居酒屋まで、
すべて総支配人が自ら足を運んだおすすめの店なのです。

熟読(?)の末、これはと思った店にいくつか電話してみたところ、
週末の夜ということもあり、あいにく予約はできませんでした。

ただ、そこでふと思いつきました。
レストランガイドを書くような支配人の経営するホテルであれば、
そこで提供される食事もおいしいはず、と。

ガイドブックには館内レストランの案内もありました。
1Fに「デリカショップ」があるというので、ここリゾットと総菜、
それにワインを買い、部屋で一杯やることにしたのですが、
これが大変おいしかった。デパ地下のテイクアウトとは違いました。

翌日の朝食も大満足でした。
バイキングなのは他のホテルと同じですが、宮城のコメを
おいしく食べられるような「ご飯の友」がずらりと並んでいました。
朝から一人でニコニコしていた私は、変な人に見えたでしょうね^^

あとで調べてみると、この総支配人・野口育男さんは、
経営が傾いた当ホテルを再建するため、東武グループから
2007年に送り込まれたのだそうです。

ある記事によると「(当時は)殿様商売が染みついていた」とのこと。
食事面だけではなく、今はかなり変わったのではないでしょうか。
仙台に行く機会があれば、また泊まってみたいホテルです。

※いつものように個人的なコメントとということでお願いします。

※この本の売り上げは全額寄付されるそうです。

 

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