03. 保険市場の動向

外資系生保の市場シェア

 

最近、外資系生保について調べる機会がありました。

2013年度末の市場シェアは、保険料等収入で3割弱、
総資産で14%(かんぽ生命を除くと19%)です。

意外に小さいと見るか、あるいは、大きいと見るかは
人により違うとは思いますが、銀行や損保に比べると、
生保では外資系の存在感がかなり大きいと言えそうです。

日本の生保市場で外資系の存在感が高まったのは
2000年代前半のこと。それ以前の外資系の存在感は
非常に小さなものでした。

外資系生保の会社数(支店形態を含む)は、
1999年度末の9社から、2001年度末には17社に増加。
総資産シェアは1999年度末の4.0%から、2001年度末に
10.5%、2004年度末には14.7%となりました。

その後も外資系生保の総資産シェアは上昇基調ですが、
当時に比べると緩やかです(会社数は横ばい)。

2000年代前半に外資系生保の存在感が高まったのは、
経営不振・停滞に陥っていた既存生保の買収のほか、
国内系生保への不安感や不信感、チャネル規制の緩和
(銀行窓販の解禁など)などがありました。

現在、日本勢による海外進出の機運が高まっています。
過去の日本の例を見ると、外資(先進国)系だからといって
市場シェアを獲得できるわけではなく、環境要因も大きい
ということがわかります。

※写真は井の頭公園です。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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少額短期保険の現状

 

この年末に、普段あまりフォローしていなかった
少額短期保険業についてまとめる機会がありました。

まず会社数に驚きました。新規参入が続いた結果、
80社に達しているのですね(2014年11月現在)。
このうち7割が関東財務局の登録となっています。

「少額」「短期」なので保険料規模は約600億円ですが、
契約件数はすでに600万件を超えています。
収支の面では3分の2以上の会社が黒字化したとのこと。

もっとも、分野別には「家財・賠責」が圧倒的に大きく、
保険料の7割以上、契約件数の約9割を占めていました。

生損保の兼営が可能で、多種多様な保障(補償)を
提供できるのが少額短期保険の特長と言われるものの、
賃貸住宅入居者を対象とした家財・賠責分野のほかは
まだまだこれからのようです。

少額短期保険は事業内容がシンプルなはずなのに、
経営内容をつかむのが意外に難しいこともわかりました。

一つは再保険の活用です。

収入保険料が年50億円を超えると、保険会社の免許が
必要になります。そこで、収入の一部を再保険に出すことで
対応している会社が多いようです。
なかには保険料の半分近くを出再する会社もありました。

制度上しかたがないとはいえ、リスク移転の実態や
収支への影響、特定先への偏りなど、いろいろ気になります。

もう一つは情報開示の問題です。

会社の経営方針や財務内容を調べようとしても、
ディスクロージャー誌をウェブに掲載していなかったり、
決算公告で貸借対照表しか出していなかったりと、
情報開示の点で問題のある会社がそこそこ見られました。

規模が小さいとはいえ、不特定多数の加入者から
保険料を受け取り、保障(補償)を提供している業態なので、
これはあまりよろしくない話ですね。

・参考:日本少額短期保険協会

※いつものように個人的なコメントということでお願いします

※写真は北前船で栄えた富山港(岩瀬)の町並みです。

 

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2024年の保険ビジネス

 

先日、ある会合で金融庁幹部のかたが、
「10年後に大きく変わっている保険ビジネスは?」
という問いかけをしていました。

なんだかRINGの会のオープンセミナーみたいですが
(「2024年、進化した保険代理店が業界を変える」が
 今回のテーマですね^^ → オープンセミナーのHPへ
彼の答えは自動車保険でした。

今後10年間で自動車は大きく変わることが予想されます。

すでに「自動ブレーキ」は小型車でも普及しつつあります。
人間を障害物として見分けるのはまだ難しいようですが、
ブレーキ技術は日進月歩のようです。

「走行ビッグデータの活用」も影響が大きいと言います。
自動車の走行データに基づき保険料が決まる
「Pay As You Drive」はすでに一部で始まっていますね。

車両に関するデータをうまく収集・分析すれば、
省燃費や安全性の向上などにもつながりそうです。

さらに、「自動運転」も、もはや夢の技術ではありません。
すでに高速道路の自動運転くらいなら可能になっているとか。

そんな時代の自動車保険ビジネスはどうなっているのでしょうか。

「事故が起こりにくければ保険料率が下がる」
「ハイテク化が一段と進み、支払単価が上がる」

こういった変化にとどまらず、そもそも誰が保険に入るのか。
自動車オーナーなのか、あるいは自動車メーカーなのかも。

今の自動車保険は「ヒト(=人身傷害など)」「モノ(=車両保険など)」
「賠償責任(=対人、対物など)」の組み合わせです。

しかし、車が自動運転となった時代の保険とは、もしかしたら、
今の延長線上ではないのかもしれません。

※写真は台湾の保安駅です。日本国有鉄道の香りがしました。
 縁起切符でも有名だとか。

 

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自動車保険100周年

 

今年(2014年)は日本で自動車保険が発売されてから
100年の節目の年なのだそうです。

保険毎日新聞の特集によると、100年前(大正3年)の
国内での自動車保有台数は1000台余りだったそうで、
自動車保険は事故の際の賠償責任への備えというよりも、
自動車という当時はまだ珍しかった財産に掛ける財物保険
としての意味合いが強かったとか。

海外からの輸入品だった当時の自動車は、
今の価値で少なくとも1000万円以上したと思われます。

その後、戦後の高度成長とともにモータリゼーションが進み、
自動車が急速に普及するにつれ、自動車保険は
損保の主力商品に成長していきます。

しかし、1990年代からの20年間をみると、保険自由化や
リスク細分型保険、通販といった新たな動きの半面、
成長が止まり、各社は収支確保に苦労するようになりました。

同じ特集のなかで、損保協会の深田一政常務理事は、
インタビュー記事の中で次のようなコメントをしています。

「自動車保険自体が利益率の高い商品ではなく、
 世界中の保険マーケットを見ても各保険会社はぎりぎりの
 経営努力の中で競争に生き残っているのが現状」

「どういったマーケットにフォーカスし、どういったチャネルを活用して、
 どのような付加価値をつけて自動車保険を販売するのか」

「そもそも自動車保険を引き続き経営の柱にするのか、
 それとも新たな基幹商品を模索するのか、各社ごとに
 自動車保険に対する位置付けが大きく変わる可能性もある」

まさに、10年先、20年先を見据えたビジネスモデルの構築が
求められているように私も思います。

※写真は渋谷駅です。

 

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郵政・アフラック提携

木曜日(25日)の日経一面トップには驚きました。
その後26日に正式発表となっています。
アフラックのHPへ

Bloombergの取材を受け、私のコメントが載りました。

「TPP交渉をにらんで、日本として米国の求めに対応する姿勢を
 示しているように見え、アナウンスメント効果の方が大きい」

「郵政の販売網は魅力的だが、マーケットが急に激変するような
 ことはないだろう」

というものです。

報道ではしばしば「がん保険ではアフラックが7割のシェアを持つ」
「アフラックとメットライフアリコの米国勢が約8割のシェアを握る」
と言われていますが、これはあくまで保有契約高の話。

確かに第三分野(特約を除く)は大手生損保が取り扱えない
時代が続きましたが、2000年代初頭に完全自由化されました。

がん保険のパイオニアであるアフラックとはいえ、
さすがに新契約シェアは5割前後まで下がっています。
市場シェアを言うのであれば、こちらでしょう。

次に、市場がひっくり返るほどインパクトがある話なのかどうか。
これにはアフラックと第一生命の業務提携が参考になりそうです。

第一生命は提携後、がん保険を自社で開発せず、
アフラックの商品を営業職員チャネルで提供しています。
データを探してみると、ピーク時で年30万件くらい、
新契約年換算保険料で約100億円を販売していました
(現在はもっと小さい数字です)。

他方、第一生命の個人保険新契約件数は年120万件程度、
かんぽ生命(=販売網は主に郵便局)は年220万件程度なので、
郵便局では第一生命の約2倍の生保を売っていることになります。

がん保険の新契約件数は市場全体で150万件前後です。
仮に郵便局ネットワークでアフラックのがん保険を、
ピーク時の第一生命の2倍(60万件)売ったとすると、
アフラックの新契約シェアは単純計算で64%となります。

市場構造が変わるほどのインパクトではなさそうですし、
そもそも「60万件」は直観としてかなりハードルが高そうです。
第一生命の主力商品は各種保障を組み合わせたもの、
かんぽ生命は養老保険や学資保険など、貯蓄性の高い
商品が多いので、「2倍」にはかなり無理がありそうです。

また、市場が成長しているのであればともかく、
一般のイメージと違い、がん保険の新契約件数は
10年前とあまり変わっていません。

ということで上記のコメントとなるのですが、わからないことが一つ。
今回の件が本当に「TPPでの日米交渉に好影響」なのでしょうか。

米国は保険市場における対等な競争条件を求めています。
国有企業の日本郵政が米系生保との提携を拡大しても、
「対等な競争条件」につながる話ではありませんよね。

※いつものように個人的なコメントとということでお願いします。

※最近、黄色い銀座線に乗ることが増えました。
 車両が増えたのでしょうか?

 

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生命保険実態調査

 

生命保険文化センターが3年ごとに調査している
「生命保険に関する全国実態調査」が公表されています
(速報版です)。

「日本の生命保険の加入率は9割」などと言われますが、
出所はこの調査です。
今回調査でも全生保(簡保、JA共済、全労済などを含む)の
世帯加入率は90.5%と前回調査(90.3%)と同水準でした。

もちろん加入率だけではなく、

・世帯主の死亡保険金額の減少に歯止めがかからない
・直近加入契約の加入目的トップは「医療費や入院費のため」
・加入チャネルで「インターネット」「銀行」の増加傾向が続く
・解約返戻金の使途については、「解約返戻金はなかった」
 という回答が急増

といった様々な興味深い調査結果が出ています。
詳しくは公表資料をご覧下さい。
生命保険文化センターのHPへ

私が注目したのは、調査結果もさることながら、
回収サンプルの属性の変化です。
世帯主の平均年齢が毎回上昇し、世帯主が65歳以上の割合は、
平成12年の19.9%から平成24年には33.3%に上がっています。
世帯年収も毎回減少しているのですね。

ちなみに、調査方法は留置調査(訪問留置、訪問回収法)で、
層化二段無作為抽出法により(社)新情報センターという
専門機関が調査を行っているそうです。

※写真は夏に訪ねた中山道・奈良井宿です。

 

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地震保険加入率

 

1週間前のことですが、家計向け地震保険の加入率が
初めて5割を超えたというニュースが載っていました。

発表元の損害保険料率算出機構のHPをみると、
正確には加入率ではなく、付帯率です。

地震保険は火災保険とセットでないと加入できません。
2011年度中に新規に契約された火災保険のうち、
地震保険を付帯した割合(付帯率)が
全国平均で53.7%になったそうです。

付帯率の高い県を見ると、次のようになっています。

 宮城県  81.1%(+12.4ポイント)
 高知県  79.5%(+ 3.6ポイント)
 愛知県  68.3%(+ 3.7ポイント)
 宮崎県  68.3%(+ 4.3ポイント)
 鹿児島県 67.5%(+ 3.8ポイント)
 岐阜県  66.9%(+ 4.9ポイント)
 徳島県  66.5%(+ 4.5ポイント)

ちなみに、東日本大震災で大きな被害を受けた県では
付帯率が大幅に上昇しました。

 岩手県  56.7%(+12.1ポイント)
 福島県  58.1%(+18.0ポイント)
 茨城県  52.5%(+10.9ポイント)

他方、算出機構では地震保険の世帯加入率も公表しています。
公表資料によると、年度末の地震保険契約件数を
年度末の住民基本台帳に基づく世帯数で除した数値で、
2011年度末の全国平均は26.0%です。

世帯加入率の高い県は、次のようになっています。

 宮城県  43.5%(+9.9ポイント)
 愛知県  37.1%(+1.8ポイント)
 東京都  33.2%(+2.7ポイント)
 神奈川県 31.3%(+2.4ポイント)
 岐阜県  30.0%(+2.2ポイント)

付帯率が上位の高知県の世帯加入率は22.4%、
宮崎県は20.9%、鹿児島県は22.1%、徳島県は24.3%と
いずれも全国平均を下回っています。

両者を合わせてみると、付帯率が高い県のなかには、
宮城県や愛知県のように加入率も高い県と、
高知県や宮崎県、鹿児島県のように加入率が低い県が
あるのですね。

なお、これらのデータにはJA共済(建物更生共済)や全労済は
含まれていませんので、ご留意のほど。

 

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保険金支払いの実績

 

保険コンサルタントの後田享さんによる日経電子版の連載
「保険会社が言わないホントの保険の話」をご存じでしょうか。
2011年7月から続いていて、独自の見方が勉強になります
(「プロ」からの反発は強いような気がしますが...)

5/4は「ネット保険の保険金支払いの実績は」でした。
「当選本数が伏せられたまま販売されている宝くじ」
という表現など、なかなか刺激的ですね。
日経のHPへ

分析対象がどうしてネット生保なのかはさておき、
生保各社がディスクロ誌で公表している「死亡率」や「特約発生率」、
さらに「第三分野発生率(発生保険金額÷経過保険料)」のデータを
どうやって使ったらいいかという課題はありそうです。

死亡率は年齢が高くなるにつれて高まるので、
ネット生保のような顧客の平均年齢が若い会社と、
成熟した会社を単純に比べても意味がないでしょう。
さらに、新しい契約が多い会社ほど選択効果が働き、
死亡率が低くなると思います。
職域など顧客基盤によっても差があるかもしれません。

それでも死亡率については、責任準備金の標準死亡率の制約があり、
保有契約がそれなりにあれば、「当選」の多さ・少なさが
それほど問題にはならないように思います
(低解約返戻金商品やリスク細分商品は考慮していません)。

しかし、第三分野には責任準備金の標準率がないこともあり、
公表されている発生率をどう使ったらいいか、頭を抱えてしまいます。
特に他社比較は難しいというのが率直なところです。

「医療(疾病)保険」と言っても、入院と手術では発生率が違うでしょうし、
有期か終身か、解約返戻金の有無なども数値に影響を与えます。
もちろん、保有契約の平均年齢が違えば、発生率も違うでしょう。

「より具体的な数字をもとに、保険活用の妥当性を説いてほしい」
という筆者の主張を実現するには、どうしたらいいのでしょうね。

 

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働く女性のマネーと老後

 

コクヨグループでオフィス通販のカウネットという会社が
全国の働く女性(=同社が運営するコミュニティの会員)を対象に
「マネーと老後」に関するアンケートの結果を発表しています。
わたしみがきHPへ

有効回答数が357名という小規模な調査ではありますが、
興味深い結果が出ていました。

まず、「毎月、自分のためにいくらくらい貯金をしていますか?」
という問いに対し、「貯金していない」という回答が26.6%もありました。

「自分のための貯金は予定通りできていますか?」
という問いに対しても、「全く貯金ができていない」という回答が
33.9%でした。

「本当は毎月、自分のためにいくらくらい貯金をしたいと思いますか」
では、「貯金したいと思わない」という回答はわずか2.8%なので、
「貯金していない」という人の大半は、「貯金したいけどできない」
ということなのでしょう。

他のアンケート調査でも、
「30代女性(未婚)の5人に1人は貯蓄ゼロ」(オルビス)
「10万円未満が18.3%」(とらばーゆ総研)
といった結果が出ています。

他方、生命保険の加入動向についてのアンケートもあり、
「生命保険に加入していない」という回答は12.3%でした。
「貯金していない」という回答よりもずっと少ないのですね。

加入している生命保険の種類は、医療保険とがん保険で7割、
終身保険が4割、個人年金が24%などとなっていました。
合計が100%を超えるのは、複数の保険に入っている人が
多いためでしょう。
妊娠中でも入れる医療保険

ニッセイ基礎研究所の調査でも、独身女性の生命保険加入率は
20代が46.1%、30代が71.6%、40代が84.6%となっており、
医療保険・入院保険の加入率が最も高くなっていました
(2011年2月レポート「独身女性の生命保険加入実態」より)。

カウネットのアンケートの結果を踏まえると、
貯金をしたくても全くできていないのに、生命保険には加入している
という働く女性が結構いるということになります。
大きなお世話ですが、どうしてそのようなことになっているのでしょうね。
働いているのであれば、健康保険にも加入していると思うのですが...

※写真は甲州街道・勝沼宿です。
 

 

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日米の変額年金

東京海上日動フィナンシャル生命は28日、全保険商品の
新規取り扱いを7月から一時休止すると発表しました。
同社は変額年金保険を主力としてきた会社で、
変額年金の資産残高は1.9兆円に上ります(2011/12末)。

2008年の金融危機以降、変額年金の販売額は
大きく落ち込んでいます。
最大手だったハートフォード生命(同2.2兆円)は
2009年6月から保険商品の新規取り扱いを休止。
新規参入のアリアンツ生命が、営業開始からわずか3年半で
新契約休止を発表するといったこともありました。

これに対し、金融危機の震源地だった米国の動向は
日本とかなり異なるようです。

LIMRAによると、変額年金の販売額は2007年の1840億ドルから
2008年、2009年と大きく落ち込んだものの、その後は盛り返し、
2011年には1590億ドルと、2006年の水準に回復しました。
LIMRAのHPへ

主要プレーヤーの四半期ごとの売り上げを見ても、
MetLifeの市場シェア拡大やHartford Lifeの縮小、
あるいはAIGの回復など、それなりに動きはあるのですが、
日本のような極端な変動は見られません。

日米でどうしてこのような違いが出ているのでしょうか。
2年前にも同じテーマで書いているのですが(米国の変額年金販売)、
やはり販売チャネルの違いは大きいのでしょうね。
日本ではあまりに売り手主導になっているのだと思います。

銀行による一時払い商品の販売が、金融危機以降も
落ち込んでいないことはご存じのとおりです。
銀行が保険会社に求める商品は、投資商品というよりは、
預金代替商品なのでしょう。

日本の銀行が保険会社と長期的な関係を築こうという
意識が弱いのかどうかはわかりません。
ただ、事実として、多くの銀行が複数の保険会社の代理店となり、
結果的に売れ筋の商品が短期間で変わってきました。
米国ではどうなのでしょうね。

あと、保険会社が変額年金の最低保証を提供するに際し、
市場環境の違いも無視できません。
日本は10年国債利回りが1%前後で推移しているのに対し、
米国はだいぶ下がったとはいえ、10年債の利回りはまだ2%強です。
加えて株価動向の違いもあります。

もっとも、米国でもここまで金利水準が低くなると、
最低保証の提供はそう簡単ではないように思うのですが、
いかがでしょうか。

※写真は横浜赤レンガ倉庫です。
 商業施設としてリニューアルしてから10周年とのこと。

 

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