オバマケアの見直し

 

トランプ米大統領が就任して最初に署名した
大統領令は、オバマ前大統領が国民皆保険を
目指して実行した医療保険改革法(オバマケア)
の修正に関するものでした。

オバマケア撤廃を訴えて当選したのですから
見直しに着手するのは自然な流れだとはいえ、
代わりにどうしたいのか明らかではないですし、
就任後の動向を見ていても、やはり大変な人が
大統領になってしまったのだと思い知らされます。

ただ、そのオバマケアですが、無保険者の数は
確かに減ったものの、導入後わずか数年で
運営が不安定になっていたことを知りました。
ニッセイ基礎研究所のサイトへ

この松岡博司さんのレポートによると、
保障を提供する民間の保険会社に危険選択を
禁止したため、収益性が悪化し、最大手をはじめ
この事業からの撤退が相次いでいるそうです。
州によっては参加する保険会社が1社になって
しまったところもあるとか。

オバマケアは、国が罰則や補助金によって、
全ての国民(既往症のある人を含む)に対し
医療保険の加入を促すものです。
事業の担い手は民間の保険会社となります。

しかし、日本の自賠責保険のようなノーロス・
ノープロフィットの制度ではなく、危険選択も
できないとなると、民間ベースでの事業運営は
なかなか大変です。

実際、2014年の制度導入後、健康状態の悪い
低所得の加入者が増えてしまい、保険会社の
経営を直撃しているそうです。

そもそもの医療費が日本に比べて非常に高く、
保険料の水準も安くはないのでしょうから、
補助があるとはいえ、低所得者向けの保険料を
引き上げるにも限界があると思います
(それでも料率引き上げが続いているとか)。
提供するサービスの下限も定められているので、
民間会社としては、あとは撤退となるのでしょう。

レポートではそこまで触れていませんが、
これでは、トランプ大統領が登場しなくても、
制度が持たなかったのかもしれません。

※ソウルの北村という、古い町並みが残るエリアです。
 右の「壁」はドラマのロケ地なのでしょうか?

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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