ニッセイ基礎研究所の安井義浩さんによる
「日本の生命保険業績動向 ざっくり30年史」
という連載は、バブル期以降の日本の生保業界を
概観しようというもので、改めて勉強になります。
1日に発表された第2回では、過去30年間の
新契約や保有契約の推移を追っています。
ニッセイ基礎研のサイトへ
個人保険の保有契約高が1996年度をピークに
減少傾向となっていることはよく知られていますが、
団体保険は1997年のAグループ問題による急減の後、
概ね横ばいで推移しているのですね。
例えば、個人保険は10年前の77%水準なのに対し、
団体保険は98%とほぼ同水準なのです。
ちょっと気になったので内訳を確認してみると、
いわゆるグループ保険である団体定期保険は
10年間前の85%水準とそれなりに減っています。
他方、団体信用生命保険は10年前の105%水準です。
つまり、住宅ローンを借りる条件として加入する保険が
保有契約の下支えとなっていたというわけでして、
個人保険からグループ保険へのシフトが起きたのでは
なさそうです。
最後に、メディア登場のご案内を2つほど。
1.月刊BOSSのインタビュー記事
かつての「経営塾」だと思いますが、直近の月刊BOSSで
生保特集があり、そこで私のインタビュー記事が出ました。
テーマは生保のM&Aです。
月刊BOSSのサイトへ
日本生命の筒井社長、明治安田生命の根岸社長の
インタビュー記事も掲載されています。
2.週刊金融財政事情の書評
12月7日号に書評が載りました。
今回は「ガイトナー回顧録 金融危機の真相」です。
ティモシー・ガイトナー氏はニューヨーク連銀総裁
および財務長官として、金融危機の発生・対応から
再発防止の改革まで関わっています。
600ページ超もある大著ですが、興味深く読めました。
冬休みにいかがでしょうか。
ガイトナー回顧録(アマゾンのサイトへ)
※どちらも茨城ゆかりの鉄道です
(左は関東鉄道。右はつくばエクスプレス)。