
このところ卒論指導にゼミの報告会準備などに追われていて、学生ネタが続いて恐縮です。
前回ご紹介したRIS(全国学生保険学ゼミナール)の活動とは別に、2年生が学内でプレゼンテーションを行う機会があり、ある班が自動車保険のノンフリート等級制度に関心を持ち、その事故抑制効果についてアンケート調査を行いました。
東京の大学とは違い、地方都市では車を運転する学生が多く、私のゼミ生も大半がすでに運転免許を持っています(ただし、車での通学は自粛となっています)。免許をとる過程で自動車保険についても学ぶはずなのですが、アンケートの結果はなかなか興味深いものでした。
10代、20代を中心にアンケート調査(回答者75名のうち8割が若年層で、その多くはうちの学生)を行ったところ、次のような傾向が見られました。
・「ノンフリート等級制度」という言葉を聞いたことがないという回答が大半を占めた(若年層以外では「知っている」の回答が多かった)
・「等級が上がると翌年の保険料が安くなる」は知っていても、「等級が下がると翌年の保険料が高くなる」は知らないという回答が多かった(若年層以外では両者に大きな違いはなかった)。
・「等級制度は安全運転の意識を高めると思う」という回答が大半を占めたが、制度への印象として「初心者や若い人に不利」という声も目立った。
・全体として「わからない」という回答が目立った。
大学生は免許をとってすぐに自分の車を運転するのではなく、家族の車を使うことが多いので、保険については家族任せでほとんど知らないということのようです。教習所の座学だけでは限界があるのでしょう。
ですから、このアンケートのなかで制度の説明をされたから「安全運転の意識を高める」と回答しているものの、等級制度の認知度は低く、知らなければ事故抑制効果も期待できません。
保険について教える立場にある者としては、もう少し工夫して話をする必要があると痛感しました。
※舞浜と上智大学のクリスマスツリーです。
