生保の4-6月期決算から

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生保の4-6月期決算が概ね出そろいました。
今回のinswatchでは大手4社と損保系生保の
業績動向をレポートしましたが、こちらでは
別の視点をご紹介しましょう。

標準利率引き下げに伴う料率見直しもあり、
保険料収入がどこまで落ち込むか注目して
いたのですが、国内系生保に関して言えば、
意外に減らなかったという印象です。

国内系生保9社の保険料収入の推移は
以下のとおりでした。

 <2015年度>
  4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期
  4.5兆円  4.6兆円  4.2兆円  5.0兆円

 <2016年度>
  4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期
  4.1兆円  4.0兆円  4.0兆円  3.8兆円

 <2017年度>
  4-6月期
  3.6兆円

つまり、2016年度の収入の落ち込みに比べ、
減収はそれほどでもなかったとも言えます
(それなりに減ってはいますが…)。

おそらく、銀行チャネルの一時払終身保険の
販売がすでに収束していたため、4-6月期の
生保マネーは前期比ではあまり減らなかった
のでしょう
(ちなみに平準払の個人年金は激減した模様)。

その生保マネーがどこに行ったかといえば、
引き続き外貨建資産に向かったとみられます。
ヘッジ状況を公表している会社にかぎれば、
前期末に比べ、為替リスクをやや高めている
模様です。

他方、金利リスクや非金利の資産運用リスク
に関しては、大規模な変化はないにしても、
会社により考え方が多少は異なるようでして、
よく見ると興味深い結果となっています。

※左の写真は佐世保の防空壕を活用した商店街。
 右は佐世保バーガーです。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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「国際都市」平戸へ

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かねてから訪れたいと思っていた平戸に
ようやく足を運ぶことができました(7/30)。

平戸は16世紀から17世紀の約100年間、
国際貿易港として栄えた歴史を持っています。
特にオランダ商館が置かれた1609年からは
「西の都」と呼ばれるほどの賑わいだったとか。

しかし、島原の乱(1637~38年)を経験した
江戸幕府は鎖国政策を強めます。
1641年に平戸のオランダ商館が閉鎖され
(長崎の出島に移転)、平戸は国際港としての
役割を終えました。

猛暑のなか、当時の痕跡を探して歩いてみると、
復元されたオランダ商館近くに、当時造られた
塀が残っていました。

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また、一休みした休憩所でいただいた地元銘菓
「カスドース」はカステラを加工した南蛮菓子で、
ポルトガルから伝わったものだとか。

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他にも、オランダの石造技術を用いた石橋や、
海中から引き揚げられたオランダ船の錨(いかり)、
日本伝来の井戸とは形の違う「六角井戸」など、
あちこちに当時の痕跡を見つけました。

 

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九州でスピーチ

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先週の土曜日(7/29)のことになりますが、
福岡大学で開催された日本保険学会の
九州部会で発表する機会がありました。

テーマは「近年の日本の保険行政における
健全性規制の動向とその考察」ということで、
2000年前後に発生した生損保の経営破綻を
結果として防げなかった日本の保険行政が、
その後、健全性規制の見直しをどのように
進めてきたのか(進めようとしているのか)を、
私なりに整理して伝えました。

学会発表なので質疑の時間が30分もあって
(ちなみに発表そのものは1時間でした)、
会場の皆さんから多くの質問やコメントを
いただきました。

予想通りとはいえ、行政当局によるERM活用
に関しては、

・「自己規律の活用」とは矛盾した概念では?
・行政が「自己規律」を活用する背景は何か
・国際的な規制を受け入れたのか

といったやり取りになりました。

私からは、「過去の経験もあって、健全性を
確保するには資本要件だけを定めても不十分
と今の行政は考えている」といった説明をして
いるのですが、「保険会社にルールを守らせる」
「違反を取り締まる」といった従来型の行政とは
一線を画した手法に対しては、もしかしたら
心理的な抵抗が強いのかもしれません。

なお、行政による一連の保険ERMの活用は、

「ベスト・プラクティスの追求に向けた対話」
「持続的な健全性を確保するための動的な監督」
「形式・過去・部分から実質・未来・全体へ」

という、今の金融庁が進めようとする方向性を
ある意味先取りした取り組みとして見ることも
できそうです
(当日はそのような話もしました)。

 

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監査事務所のレポート

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公認会計士・監査審査会が昨年に続き、
監査事務所の状況等をまとめたレポートを
公表しました。
「平成29年版モニタリングレポート」

前回に比べると、分量の多さに圧倒されます
(前回:全28ページ ⇒ 今回:全83ページ)。

ざっと読むと、大手監査法人とそれ以外では
単に規模だけでなく、顧客基盤も事業構造も
全く異なると言っていいほど違うのですね。

例えば、グループ全体の業務収入のうち、
準大手では監査証明業務の収入が大半を
占めるのに対し、大手では非監査証明業務の
収入が5割を超えています。

今回のレポートでも、監査人が変わると報酬が
減る傾向が示されています(69ページ)。
監査報酬は大半がタイムチャージ方式ですが、
次のような事例紹介もありました。

「大手監査法人同士の異動のうち、初年度監査
 や会計基準の変更に伴い監査時間が増加する
 ことを反映しないで監査報酬を見積り提案して
 いる事例があった」

「当該事例では、前任監査人と比較して監査報酬
 が減少しており、その後の実際の監査時間は
 見積時間を大幅に超過していた」

高い品質を求められる一方、4社の寡占市場にも
かかわらず、報酬引き下げ圧力にさらされ続け、
非監査証明業務への依存度を強めているという
大手の姿が浮き彫りになっています。

※写真は静岡鉄道です。
 駿府城の近くにターミナル駅がありました。

 

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新設保険会社の健全性指標

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とある会合で、保険会社の健全性指標
(ソルベンシー・マージン比率などですね)
について議論をする機会があり、そのなかで

「新しい会社のソルベンシー・マージン比率は
 総じて高いけど、健全性を把握する指標として
 役に立つのか」

という話になりました。

私の結論は、「単年度の比率だけを見ても、
あまり健全性の手掛かりにはならない」です。

当然ながら、事業を始めたばかりの会社は
保有契約が少ないため、保険引受リスクや
資産運用リスクが自己資本に比べて小さく、
ソルベンシー・マージン比率(以下SMR)は
高くなります
(1年後に大きく下がることはありますが…)。

しかし、考えてみれば、そもそも新設会社は
ビジネスモデルが確立できていないため、
事業そのもののリスクが非常に大きいはず。
ただ、このリスクを数値で表すのは困難です。

ですので、SMRでは新しい会社の健全性は
うまく示されていないと考えるべきでしょう。

では、基礎利益や当期損益はどうかといえば、
これらも残念ながらあまり役に立ちません。

特に生保事業では、新しい会社のように
保有契約に対して新契約のウエートが大きい
会社の場合、基礎利益や当期損益が小さく
出る傾向があります。
これは、新契約を獲得する際、販売経費など
コストがかさむため、売れば売るほど利益が
圧迫されてしまうためです。

それでは何を見たらいいのかという話ですが、
そもそも新設会社の経営リスクは大きいという
認識をお持ちいただいたうえで、「良質な契約を
順調に獲得しているか」なのでしょう。

契約数が少なければ初期投資の回収が遅れる
ばかりでなく、死亡率や発生率が安定せず、
収支の振れが大きくなってしまいます。

とはいえ、単に契約を増やせばいいのではなく、
良質な契約でなければ、数年後の収支が著しく
悪化することもありえます。
保有契約の動向とともに、新契約EVや発生率
など、契約の質の手掛かりとなる指標を探し、
ウォッチしていくことのが現実的でしょう。

なお、歴史の浅い会社では初期投資がかさみ、
歴史の長い会社とは資金繰りの構造が異なる点
にも注意が必要です(油断できないという意味)。
再保険を積極的に活用しているのであれば、
再保険活用の目的や出再先の信用リスクなども
注目事項です。公表資料だけでは難しいですが…

※写真は東海道・薩?(さった)峠です。

 

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最近の読書から

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今回の週刊金融財政事情(2017.7.17号)に
書評「一人一冊」が掲載されたこともありまして、
久しぶりに最近読んだ本をいくつか紹介します。

1.「新版 もう一度読む山川地理」

この本を「一人一冊」で紹介しました。

「地理の基礎的な常識がないと、複雑な世界を
 理解することはできないし、間違った情報を
 信じやすくなり、独りよがりにもなりやすい」

そのようなことを書きました。

もちろん、本書だけで地理の基礎的な常識を
学べると言うには無理がありますし、とりわけ
後半の「世界をみわたす」での諸分野の紹介は
広く浅くになっています。

それでも地理と歴史の知識があると、旅行に
行っても、ニュースを見ても、見えてくるものが
違ってくるのではないでしょうか。

もし機会がありましたら、きんざいの私の記事も
ぜひご覧ください。
ちなみに本号の特集は「本格化するESG投資」で、
フィッチ森永さんの損保決算の記事もあります。
きんざいのサイトへ

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2.「誰も語らなかったアジアの見えないリスク」

編著者の越純一郎さんは日本興業銀行出身。
2000年に独立し、企業再生の実務専門家として
活躍しているほか、タイの政府系銀行のシニア・
アドバイザーを務めた経験もある多才なかたです。

本書は日刊工業新聞の連載(2012年3-5月)を
まとめたものなので、金融政策のくだりなど、
やや古くなってしまった記述も見られますが、
「痛い目に遭う前に読む本」という副題の通り、
実務書としてかなり参考になると思います。

豊富な事例(大半が失敗事例)が紹介されて
いるのもさることながら、なぜそのようなことが
起きたのか、どうやってリスクを小さくするか、
といったことも書かれているのがいいですね。

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3.「実践ガバナンス経営」

パルコの内部監査を構築した海永修司さんが
「攻めの経営監査」である「価値創造監査」の
導入とその実践について解説したものです。

まず、セゾングループが解体に向かうなかで
グループの一員だったパルコのコーポレート・
ガバナンスがどのように構築されたのかという
いわばケーススタディが描かれています。

本書の肝の部分は、取り組みが難しいとされる
「経営者に対するガバナンス監査」についての
記述だと思います。「攻めのリスクマネジメント」
に関しても記述があります。

構築した制度にいかに魂を入れるかに腐心する
会社には、考えるヒントになりそうです。

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4.「変わり続ける保険事業」

先日RINGの会オープンセミナーで共演した
栗山泰史さんの最新刊です。
副題は「保険業界の明日を考える」。

本書には、大手損保や損保協会の幹部として
栗山さんが経験された業界に関する様々な
事象がぎっしり詰まっていて、自由化後の
損保市場や業界の動きがよくわかります。

たまに、「損保業界について勉強するのに
何かいい本はありませんか?」と聞かれると、
さすがに15年以上も前に書いた自分の本を
勧めることもできず、返答に窮していましたが、
これからは、損保協会のファクトブックを手元に
置きながら本書を読むよう勧めようと思います。

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※都市対抗野球の応援に行ってきました。
 すごい熱気ですね。

 

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金融庁が提起した主な論点

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今年から金融庁のサイトで、「業界団体との
意見交換会において金融庁が提起した論点
を公表するようになり、生命保険協会および
日本損害保険協会のものが出ています
(保険は2月以来の公表です)。

事務年度の終盤に行われた会合なので、
行政の取り組みの一端がうかがえます。

例えば[生命保険協会]を見ると、
「持続可能な収益構造等に関するモニタリング」
として、各社のコスト構造や保有契約の収益構造
について、次のような分析結果を示しています。

・全体の事業費に占める固定的な経費(ランニング
 コスト)の割合が多くの社で70%前後となっている
 など、販売が伸び悩んだ場合におけるコスト構造
 の弾力性は高くないと考えられる。

・いずれの社も保有契約全体で見れば、経済的
 ショックが起こらないという前提のもとでは
 今後も健全性を確保できる見込みであった。

・内部留保が更に蓄積されていった場合、資産
 運用高度化等を通じて利益を確保し、逆ザヤ
 契約からの損失をカバーすることや、内部留保
 の蓄積により健全性を維持することに加えて、
 利益や内部留保の一部を配当などによって保険
 契約者へ還元することをより意識すべき局面が
 いずれ訪れることとなる。

市場が縮小してもビジネスモデルが成り立つかを
見るには、新契約で利益を確保し続けることが
できるかも大事だと思うのですが、そこについては
特段言及はなかったようです。

「全体の事業費」も気になりますね。ここで言う
事業費とはどのような数字なのでしょうか。

まあ、さすがに損益計算書の事業費そのものでは
ないですよね。そうだとすると、保有契約に対する
新契約が多い会社は固定的な経費の割合が低く、
「コスト構造の弾力性が高い」となってしまうので。

「保有契約全体で見れば・・・今後も健全性を確保」
という記述も気になります。ストレスシナリオ下でも
現行会計ベースの利益を持続的に確保できる
という意味でしょうか。

文中に「逆ザヤ契約からの損失をカバー」とあり、
あくまで現行会計ベースの利益や内部留保の話を
しているようですが、他方で両協会の[共通事項]
の「統合的リスク管理の高度化」を見ると、

・(前略)持続的な成長性や収益性に資する態勢が
 整備・運用されているかという観点から、統合的
 リスク管理に係るモニタリングを実施した。

・リスク対比リターン指標であるROR(リターンオン
 リスク)の管理等を通じ、全社ベースでリスクと
 リターンのバランスを取る取組みが徐々に浸透し
 てきているが、セグメント別や商品別等の詳細な
 区分での取組みは今後の課題。

とあり、こちらの「リターン」は現行会計ベースとは
考えにくいです(リスクと対比するものなので)。

片や「持続可能な収益構造」、こちらは「持続的な
成長性や収益性」ということなのですが、果たして
両者の関係はどうなっているのか、話を聞いた
生命保険会社の首脳は混乱したかもしれません。

いずれにしても、おそらく詳細は「金融レポート」に
掲載されるのではないかと予想されますので、
楽しみに待ちましょう。

※写真は「宮城の小京都」村田の町並みです。

 

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RINGのセミナーに登壇

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NHK出演に続き、この土曜日(7/1)は横浜で
RINGの会オープンセミナーに登壇しました。
今年は参加者が1600人を超えたそうでして、
確かに壇上からも盛況ぶりがうかがえました。

登壇した第1部は、「今、何が起きているか、
適者として何をすべきか」というテーマの鼎談。

大手損保の執行役員や損保協会の専務理事を
歴任した栗山泰史さん、弁護士でInsurTechの
第一人者として知られる増島雅和さんとともに
保険流通の目線に立って現在と未来について
語り合いました。

実は、打ち合わせでは、各人のスピーチの後、

①改正保険業法の狙いはどこまで進展したか
②行政の変化は代理店にどう影響するか
③保険会社の代理店政策はどう変化するか
④InsurTechの展開

といった順に話を進める予定だったのですが、
①の途中で②④が入る筋書きのない展開に。

栗山さんvs増島さん、私といった場面もあり、
会場の皆さんには楽しんでいただけたかも
しれませんが、瞬間反応が求められるため、
なかなかしびれるものがありました^^

今回、私が最も言いたかったことは、

・「適者」とは、自社の存在意義を明確に意識し、
 自らの強みを追求していく経営者ではないか

・InsurTechの時代になっても、自社の存在意義
 (=世の中に何を提供しようとしているのか)が
 問われるのではないか。

という内容でして、筋書きのない展開になっても
きちんと伝えられたのでホッとしています。

第2部、第3部は講師控室の留守番をしながら
モニター観覧でした。会場の反応はわからない
のですが、準備に時間がかかっただろうなあと
感心しました。

特に第3部は、プロが作った報道番組のようで、
もっと時間があればディスカッションを増やせた
とは思うものの、情報量が非常に多かったので、
私には大変勉強になりました。

RINGメンバーの皆さん、お疲れさまでした。

 

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クロ現+に出演しました

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NHKの番組「クローズアップ現代プラス」に
ゲスト出演しました(28日)。

生放送だったのですが、NHKのサイトを見ると、
もう放送された内容が文字になっています。
NHKのサイトへ

25分の番組で、そのうちVTRが3回入るので
キャスターとゲストのトークはほんのわずか。
それでも、先ほど改めて録画を見たところ、
結構中身が濃い番組だったように思います
(自分のトークはともかく)。

「保険アナリスト」として登場するのですから、
保険値上げの背景、保険会社を取り巻く状況
も話したかったのですが、時間の制約もあり、
消費者目線の話を優先することになりました。
まあ、かえってよかったのかもしれません。

いい意味で予想外だったのは、キャスターを
交えた当日の打合せが長かったことです。
流れをざっと確認するくらいかと思っていたら、
質問1つ1つについて何を伝えていくべきか
丁寧に検討したのですね。

そうかといって、決められた台本に沿って
話すことを求めらたわけではありません。
ただ、ゲストを含め、皆で番組を作っていく、
そんな感じでした。

「公的年金」と言うべきところを「個人年金」と
言ってしまったり、冷汗もかきましたが(苦笑)、
貴重な経験になりました。

※番組終了後の記念撮影です。

 

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JARDISの研究大会

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この週末は日本ディスクロージャー研究学会の
大会に参加してきました。
学会のサイトへ

統一論題「ディスクロージャーのコストとベネフィット」
では、進んだディスクロージャーを実施している企業
(オムロン)の事例を伺うとともに、お二人の研究者が
現状を踏まえつつ、今後の研究のあり方を模索する
といった内容でした。

ディスクロージャーのコストというと、つい規制対応の
費用などを頭に浮かべてしまいますが、会場では
情報開示によって競争上の不利益が生じるコストに
ついての発表がありました。なるほど。

また、ESG(環境、社会、ガバナンス)についても、
ESGの取り組みと経済効果(資本コストの低下や
株価上昇など)の相関関係を示す研究は増えて
いるものの、ESGがどのようなメカニズムで持続的
成長や価値に結びつくのかを検討する必要がある
という発表があり、思わずうなずいてしまいました。

パネルディスカッションでは、研究者からの質問が
オムロンのIRオフィサーである安藤聡さんに集中。
安藤さんは大変だったと思いますが、的外れの
質問はなく、これなら実務家と研究者の連携も
進むのではないかと、ちょっぴり期待が持てました。

それにしても、できるだけ異業種に目を向けようと
心掛けているつもりですが、どうしても保険ムラの
思考回路になりがちなので、このような機会は
頭の刺激になりますね。

※会場は仙台の東北大学でした。

 

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