生保の4-9月期決算から

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主要生保の4-9月期決算が出そろいました。

今回の注目ポイントは、営業面で言えば、4月からの標準利率引き下げに伴い、各社の業績がどのように変わったかということでしょう。
新聞には業績指標として保険料等収入しか掲載されませんが、ここからは、貯蓄性商品の販売休止や料率引き上げにより、大手5社(日本、第一、住友、明治安田、かんぽ)ともに減収となったことくらいしかわかりません。
ただ、もう少し中身を見ると、各社の戦略の違いが数字に表れているようです。

例えば、第一生命、住友生命、かんぽ生命は減収の傍らで、第三分野の新契約年換算保険料を前年同期よりも伸ばしました。
特に、第一生命は前年同期の1.5倍の水準です。営業職員の評価基準を調整するなど、保障性商品へのシフトを進めた効果が出ているのでしょう。
かんぽ生命は貯蓄性の強い養老保険を主力としており、料率引き上げの影響を受けやすいのですが、医療特約をセットで提供しており、この部分が第三分野の増収につながった模様です。
住友生命は、昨年9月に発売した就労不能保障「1up」が好調だったとのこと。他社よりも減収が大きく見えるのは、前年同期に個人年金保険で契約をかなり伸ばしたため、その反動でもありますね。

他方、日本生命は、銀行窓販を除けば、保険料等収入が増収でした。新契約年換算保険料も増えています(第三分野は減収)。
これは、4月に発売した経営者向け保険「プラチナフェニックス」が、営業職員および代理店チャネルで好調だったことが大きく寄与していると見られ、いわゆる保障性商品へのシフトとは異なるようです(なお、第一生命でも経営者向けの第三分野商品が好調だったとのこと)。

明治安田生命は新契約件数が前年同期に比べて2割以上も増えました。
こちらは、2016年10月から販売している小口の貯蓄性商品「じぶんの積立」がヒットしたことが挙げられます。この商品で新しい顧客層を獲得し、その後につなげていこうという戦略なのでしょう。

なお、多くの会社が外貨建ての貯蓄性商品を取り扱うようになったにもかかわらず、ごく一部の上場生保を除き、情報開示がないのは、どうしたことでしょうか。
少なくとも、外貨建て商品の保険料収入や、外貨建て保険負債の残高を開示しなければ、ALMをはじめ、生保経営の実態がますますわからなくなってしまいます。
2017年度決算の発表では、前向きな対応に期待したいですね。

※香港は坂の町なので、このエスカレーターは便利です。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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