物価2%の達成時期を削除

ご承知のとおり、日本銀行は4月27日の金融政策決定会合で、これまで「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)に記述していた2%の物価目標の達成時期の見通し(1月の展望レポートでは「2019年度頃になる可能性が高い」としていた)を削除しました。

異次元緩和政策を始めた2013年4月に「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現」と発表してから早くも5年がたち、もはや実質的には長期戦になっていました(この間、達成時期が何度も延期されてきました)。
とはいえ、この記述を削除したということは、日銀自身が「できるだけ早期に実現」の未達成を認めたということになるのでしょう。

金利上昇に賭ける

物価2%を達成していれば、さすがに10年国債利回りが0%程度とか、30年国債利回りが1%未満とかいう状態ではなくなっているはず。ですから、特に2016年以降、金利水準の低下で会社価値が圧迫されたなかでも、超長期債購入による金利リスクの削減を中断していた生命保険会社があったとしたら、今の超低金利を「政策的」「短期的」なものと判断したのだと考えられます。

言い換えれば、そのような会社はここ数年、金利上昇に賭けたリスクテイクを行っていたというわけで、期待通りに金利が上がれば、実質的な会社価値の拡大が見込めるという経営判断をしたのでしょう(そう理解しなければ説明がつきませんよね)。

ところが、日銀が物価2%の達成時期の見通しを示さなくなり、名実ともに短期決戦の旗を降ろしてしまいました。
マイナス金利政策の導入から数えても2年以上たつなかで、「政策的」はともかく、少なくとも「短期的」なものという判断は残念ながら結果的に誤りだったことになります。

リスクテイクの結果をどう総括

金利上昇に賭けた保険会社は、金利が上がらなかった(右肩上がりの金利曲線だったので、実質的には低下した)ことに対する総括が必要ではないでしょうか。

このところ日本企業に対し積極的なリスクテイクが求められています。しかし、リスクテイクした結果をきちんと評価し、失敗の原因を明らかにしたうえで、次の経営判断につなげなければ、ERMもガバナンス改革も絵に描いた餅でしかありません。「株高、円安なのでOK」というのでは総括になりません。

最近報道された生保の2018年度の資産運用計画からは、私には金利リスクテイクの総括をうかがうことはできませんでした(消去法で国債回帰という報道はありましたが…)。
今後何らかの手掛かりが外部に出てくるでしょうか。

※GW後半は台北出張なのです。写真は日本人で賑わう氷屋さん。

 

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週刊ダイヤモンドの保険特集

遅まきながら週刊ダイヤモンド毎年恒例の保険特集を読みました。

「プロが薦める【最新】保険商品ランキング」「岐路に立つ保険代理店」といった各企画は、一見すると他誌の類似企画と同じように思えます。ところが読んでみると、さすが週刊ダイヤモンドという記述が随所に見られます。とりわけ保険流通に関わるかたには必見の内容ではないでしょうか。

今年の保険特集で個人的に面白かったのは、記事のあちこちにある「掲載基準緩和型コラム」という小さな囲み記事と、特集の締めくくりに掲載された遠藤さん(金融庁監督局長・遠藤俊英さん)のインタビュー記事でした。

コラムのほうは、これを面白いと思うかどうかは個人差があるでしょうね。
例えば、決算発表の延期が続いているエヌエヌ生命について「金融庁が『あいつらナメてますね』とあきれ顔」なんて記事があるかと思えば、SOMPOホールディングスの副社長と三菱UFJ銀行の新頭取が同窓生で仲がいいとか、「このハゲぇー」の前衆院議員が少額短期保険制度の基礎を作ったとか、何というか、どうでもいいと言われればその通りなのですが、おそらく長年この業界をウォッチしていないと書けないものも多そうです。

遠藤局長のインタビュー記事は、商品ランキング、インシュアテック、保険代理店と読み進めてきた読者には、あれっ?、という印象ではないでしょうか。
大手生保をはじめとした国内系生保は、本誌が取り上げた商品比較からも、保険ショップが台頭する世界からもやや距離を置いたところにいるようですが、このインタビューでは見事にこちらに切り込んでいます。

「常識的に考えて相互会社形態のまま、無制限に企業買収を進めていくというのは、保険契約者に対して今後説明がつくんですかということになります」
「(契約者還元の透明性を高めるべきという質問に対し)本当にそうだと思いますよ。相互会社ってそういう存在ですからね」

結構重みのあるコメントかもしれませんね。

※生演奏を聴きながら美味しい料理をいただきました。一ツ木町倶楽部です。

 

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いつまで「社長が社長を選ぶ」なのか

インシュアランス生保版(2018年4月号第4週)にコラムが載りましたので、こちらでもご紹介します。
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2月22日付の本紙(生保版)に、日本生命の社長交代に関する記者会見の記事があり、そこに次の記述があった。

「昨今のコーポレートガバナンスの高まりを受けて社外取締役委員会を設け指名機能を持たせている。昨年9月から重視するトップの要件、それに照らした複数の候補者をあげて審議し、清水君を取締役会に推挙することにした」(筒井社長のコメント)。

今年度も保険会社をはじめ、多くの会社で新社長が誕生する。しかし、報道される社長交代ニュースの多くは、現社長が次期社長を選んだというトーンのものが大半を占める。引用した日本生命の事例でも、私が確認したかぎり、前述のような社長選任プロセスを報じたのは業界紙だけである。
日本企業の社長は社内からの登用が多く、現社長が候補者の情報を多く持っているのは確かであろう。しかし、社長やそのOBが社内で力を持ち続ける日本の会社の統治構造が問題視され、社長選任の透明性を求めるコーポレートガバナンス改革が進んでいるなかで、社長が社長を選ぶのを当然視したかのような報道をおかしいと感じないのだろうか。

実際のところ、社長選任プロセスの透明性向上は道半ばである。
ガバナンス改革の一環として2015年に策定されたコーポレートガバナンス・コードには、「取締役会は、経営陣幹部の選任や解任について、会社の業績等の評価を踏まえ、公正かつ透明性の高い手続に従い、適切に実行すべきである」という原則がある(補充原則4-3①)。上場企業による実施率は、すでに昨年7月時点で98%となっている。

ところが、経済産業省が16年に上場会社(東証第一部・第二部)を対象に行ったアンケート調査によると、次期社長・CEOの選定プロセスに関し、「複数の候補者を選定し、そこから絞り込む」という回答は12%のみ。他方で「特に決まっていない」「わからない」という回答が合わせて43%もあった。また、指名委員会(任意のものを含む)を設置していると回答した会社は36%に達したものの、その委員会で社長・CEOの指名を諮問対象にしていないという回答が3割弱もあった。
形式面だけを整えても意味はないが、最近ガバナンス・コードの改訂案が示され、新たに「取締役会は、CEOの選解任は、会社における最も重要な戦略的意思決定であることを踏まえ、客観性・適時性・透明性ある手続に従い、十分な時間と資源をかけて、資質を備えたCEOを選任すべきである」(補充原則4-3②)が加わったのも理解できる。

無能な社長を選んでしまえば、持続的な成長や中長期的な企業価値の向上は期待できない。元アナリストのデービッド・アトキンソン氏も近著「新・生産性立国論」のなかで、日本に求められているのは、働き方改革よりも経営者改革だと主張する。マスメディアは旧態然とした報道姿勢から脱却し、これ以上、無能な経営者を喜ばせないでほしい。
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※今年はツツジの花も咲くのが早いですね。オフィスの近所のツツジはもう見ごろが過ぎてしまいました。

 

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少短保険会社の不適切会計

公文書改ざんの次は、事務方トップのセクハラですか。一般企業に比べると、組織としての中央官庁の体質は10~20年くらい遅れているというのが私の実感でしたが、一連の対応を見ていると、まさにそうだと改めて思いました。

個人負担で保険金支払い

さて、連日大きなニュースが相次ぐなかで、「保険金支払いに個人資産充当」という冗談のようなニュースがあったのをご覧になったでしょうか。保険料ではなく保険金です。

糖尿病でも入れる保険を提供することで知られるエクセルエイド少額短期保険が、2013年秋から2014年1月にかけ、幹部の個人資産を保険金支払いに充てる不適切な会計処理を行っていたと発表しました。会社の資産減少で保険金の支払いが遅れていたため、当時の社長で大株主でもある創業者が保険金部長(当時)に個人負担を求めたとのことです。
同社のサイトへ

加入者数の伸び悩み

そんなに苦しかったのかと同社の経営情報を確認しようとしたところ、例によってディスクロージャー誌はサイトにアップされておらず、財務内容の手掛かりは決算公告だけでした。

エクセルエイドは2007年7月に営業を開始しています。2008年度の事業計画では、第5期(2011/3期)の黒字転換、第6期(2012/3期)の累損解消を見込んでいたようです。
しかし、加入者数が見込みどおりに伸びなかったと見られ、損益計算書が公表されるようになった2011/3期は黒字決算でしたが、その後は113条繰延資産(=新契約費の資産計上)の影響を除くと実質赤字が続きます。

問題の不適切会計が行われた2014/3期(過年度修正後)の決算データを見ると、確かに苦しい状況がうかがえます。
その前年度から113条が使えなくなったこともあり、2期連続の赤字決算となりました。累積損失は5億円に達し、純資産から113条繰延資産を除くとわずか0.1億円です。同社はそれまでも累計5億円以上の増資を行ってきており、さらなる増資が難しくなっていたのかもしれません。

その後はコスト削減を進めたことなどにより、2016/3期からは実質黒字となっています。しかし、保険料収入が2.3億円、加入者数が6000件程度にとどまっていることが、引き続き最大の経営課題なのでしょう。

なぜ簿外処理が可能だったのか

それにしても不思議なのは、どうしてそのような会計処理ができてしまい、かつ、なかなかバレなかったのかという点です。
保険金・給付金の支払いを社員が負担し、決算数値がよくなるということは、加入者からの請求をなかったことにするとか、会社以外のシステムから会社名で保険金支払いを行うとかの異例な処理が行われたと考えられます。

少額短期保険会社とはいえ内部監査の担当者はいたでしょうし、保険計理人もいます(外部委託かもしれませんが)。資本金3億円以上であれば外部監査も必要です。
2014/3期の保険金・給付金0.9億円に対し、保険金部長が個人負担したという112件/0.1億円は同社にとって決して小さい数字には思えないのですが。

※写真は明治神宮です。ここも外国人観光客が多いところなのですね。

 

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inswatchへの寄稿など

いくつかの媒体に執筆した記事が載りましたので、まとめてご紹介しましょう。
まずは直近のinswatch Vol.923(2018.4.9)に執筆した記事をそのまま転載します。

金融庁と業界団体の意見交換会

中央官庁の情報開示姿勢が問題になっていますが、インターネットの普及とともに、かつてに比べれば官庁から公表される情報は格段に増え、かつ、入手しやすくなっているのは確かです。
昨年から公表されるようになった「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」をもとに、保険業界に対する金融庁の問題意識を探ってみましょう。

金融庁と業界団体との意見交換会とは

この意見交換会は金融庁幹部と業界団体(実質的には業界各社のトップ)が直接会って話をするというもので、10年ほど前から行われているようです。
大蔵省不祥事の後、官と民の交流を過度に避けるような風潮が広がってしまった反省から、このような会を開くようになったと理解しています。

論点の公表が始まった昨年1月以降、「生命保険協会」「日本損害保険協会」との意見交換会はそれぞれ6回ありました。ちなみに「主要行」は12回、「全国地方銀行協会(地銀協)」「第二地方銀行協会」はそれぞれ13回だったので、銀行がほぼ毎月開催だったのに対し、保険は2月に1回という頻度でした。
開催頻度と金融庁の問題意識の関係は定かではありませんが、参考までに「日本証券業協会」は9回開かれています。

主な論点

最近公表された2月の意見交換会の主な論点は次のとおりです(保険業界出席分のみ)。

・マネロン等に関するガイドラインの公表 ※銀行業界と共通
・ERMの取組み
・金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習 ※証券業界と共通
・検査・監督の見直し
・スチュワードシップ責任 ※生保のみ
・販売時の分かりやすい情報提供等 ※生保のみ
・「遺伝」情報の取扱い ※生保のみ

このうち「ERM」では、一部の生損保で地政学リスクやパンデミックなど定性的なリスクを網羅的に把握する取り組みが遅れているという指摘がありました。

「販売時の分かりやすい情報提供等」では、生命保険商品は特に複雑で、顧客との情報の非対称性に関する課題が多いという問題意識を示したうえで、

「特に、投信と類似の貯蓄性保険商品については、『運用』という同様の機能を提供する金融商品である以上、各種のリスクや、費用を除いた後の実質的なリターンなどについて、投信と同じレベルの情報提供・説明が求められる」

と、顧客に分かりやすい情報提供の工夫を求めています。
(なお、昨年12月の意見交換会では損保や乗合代理店の話も出ています)

金融庁の改革

「監督・検査の見直し」では、「検査マニュアルに書いてあるルールよりも良いやり方があれば、それを試みやすい環境を作りたい」「社内での議論に際し、一つひとつの問題を経営全体の中で考えやすい環境を作りたい」「金融庁の側においても、金融行政の根本目的に立ち返って考えることができる力をつけるようにしたい」と、新しい時代の金融行政を感じる記述が並んでいました。
もっとも、「金融庁の組織を変えたり、検査マニュアルをなくしたり、といっても、検査官がいなくなるわけでも、検査がなくなるわけでも、監督が甘くなるわけでもない」という記述も見られます。ここ数年、かつてのような立入検査が少ないため、仮に現場の規律が緩んでしまっているとしたら、要注意でしょう。(転載終わり)

次に、先日ご紹介したAERAの記事がサイトで読めるようになったので、こちらも張り付けておきましょう。
台風、豪雨、地震…自然災害「大型化」のいま、損保は破綻しない? 専門家が解説
保険会社、どう選ぶ? 知っておきたい三つの「指標」

もう一つ、先週の週刊金融財政事情(2018.4.9)の書評「一人一冊」で、大門正克さんの「語る歴史、聞く歴史」を取り上げています。岩波新書です。「オーラル・ヒストリーの現場から」という副題がついています(こちらはご紹介のみ)。

※写真はドンラム(DUONG LAM)村というところで、伝統的な農村集落として知られています。ハノイから車で1時間ちょっとです。

 

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ベトナムから日本へ

再びベトナムの話で恐縮です。
ハノイから羽田への帰国便に乗ったら、フライトはANAだったのに、周りがベトナム人ばかりで驚きました。満席に近いエコノミークラスのお客の大半がベトナム人だったのです。
私の隣に座った女性は新宿の日本語学校に通うとのことで、食糧でも入っているのか、かなり重たい荷物を持っていました(棚に入れるのを手伝ったら、ズシッときました)。前の席の3人組は観光旅行らしく、「渋谷のどこどこに行きたい」なんて話をしていたようです(たぶん)。

在留ベトナム人が急増

それにしても、日本のキャリアでここまで日本人が少ない便に乗ったのは初めてでした。ちょっと気になったので、帰国後に関係ありそうなデータを探してみました。

法務省が3月2日に公表した外国人入国者数(確定値)によると、2017年に日本に入国したベトナム人は32万人で、前年より31%も増えたそうです(入国者全体では同18%増)。日本を訪れる外国人が5年前の3倍に増えているなかで、ベトナムからの入国者は5倍にもなりました。

これだけ増えれば日本へ向かう便がベトナム人ばかりとなっても不思議はありません。
ただし統計を見ると、中国をはじめ他国の場合には、入国者の9割以上が観光などの短期滞在者なのに対し、ベトナムの場合、短期滞在目的は入国者の57%にすぎないこともわかりました。

そこで、次に3月27日公表の在留外国人数の推移を見てみると、ベトナム出身の在留者が急激に増えたのはこの5年間のことでした。いまやベトナム人在留者(26万人)はフィリピンやブラジルよりも多く、中国(73万人)、韓国(45万人)とともにトップ3の地位を占めています。

地方の人手不足を埋め合わせ

在留資格別の統計を見ると、ここにも際立った特徴がありました。ベトナムからの在留者は「技能実習」「留学」の割合が75%(在留外国人全体では32%)を占めています。しかも「技能実習」は前年の4割も増えました。

つまり、多少の想像を交えて言うと、日本を訪れるベトナム人が急激に増えているのは、観光もさることながら、いわゆる「出稼ぎ」が多いとうかがえます。もしかしたら「留学」も、主目的はアルバイトで稼ぐことなのかもしれません。
さらに統計を見ると、外国人在留者の多くが大都市圏に集中する一方、「技能実習」の外国人(ベトナム人が5割弱を占める)はむしろ地方に多いので、地方の人手不足を来日したベトナム人で埋めている構図が浮かんできます。

私の乗った帰国便がベトナム人ばかりだったのは偶然かもしれません。しかし、最近も「技能実習生として来日したベトナム人が福島県で除染作業に従事」というニュースもあったことですし、日本とベトナムの関係を改めて考えるきっかけになりました。

 

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2度目のハノイ

娘と2人でベトナムの首都ハノイに行ってきました。

せっかくの2人旅ということで、いろいろと考えた末、旧市街のB級グルメをめぐるウォーキングツアーに申し込んだところ、これが大当たりでした。
私たちが参加したのは、料理のプロ(アイさん)が案内してくれるというもので、アイさんの解説(英語です)を聞きながら、3人で夕方から夜にかけて旧市街を食べ歩きました
(ご参考までに「安南パーラー」という日本人が経営するカフェ経由で申し込みました)。

16:00に旧市街のカフェに集合し、ツアーの始まりです。

1.揚げバナナ

 冬のおやつのようです。路上で揚げたてをいただきました。

2.串焼の豚

 焼き鳥かと思ったら豚肉でした。アイさんから作り方を教えてもらいましたが、タレに漬け込み、炭火で焼くなど、結構手間がかかっているようです。これも路上グルメです。

3.ビアホイと揚げだし豆腐

 ビアホイとはハノイの生ビールで、普通のビールよりもアルコール度数がやや低めです。大きなタンクも見せてもらいました。つまみの揚げ出し豆腐も絶品でしたね。
 店内は男性客ばかり。アイさんいわく、「ここはハノイのメンズ・オフィスと言われています」とのこと。

4.揚げパン

 正確にはパンではなく、小麦をつかった棒状のもので、小さな店で揚げていました。
 店の前には行列ができていて、皆さん一人10本くらい買っていました。そのまま食べるだけでなく、フォーやおかゆなどに入れるのだそうです。

(アイさんのレストランでトイレ休憩)

5.民家で食べるフォー

 フォーも美味しかったのですが、何よりその場所にびっくり。自宅を一定時間だけ開放し、フォーを提供しています。お客は靴を脱いで店内(?)に入ります。
 フォーを食べているその横の部屋では、そこで暮らす子どもたちが遊んでいて、なんとも生活感あふれる「食堂」でした。

6.バインミー

 バインミーはフランスパンにチャーシューやパテ、野菜をはさんだサンドウィッチ。
 訪れた店(Banh Me 25)は旧市街の有名店とのことで、何といってもパンが美味しかったです。

7.チェー(伝統的なスイーツ)

 最後は暖かいスイーツで締めくくり。ゴマあんの入ったお餅のデザートと、あずき(正確には黒豆だそうです)のおしるこの2つを選びました。一見すると路面店のようでしたが、奥にカフェスペースがあり、こちらは女子ばかりでした。

いかがでしょうか。旧市街は普通に歩いても楽しいところですが、ガイドさんと行くB級グルメの食べ歩き、おすすめです。

 

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AERAに寄稿しました

今週発売のAERA(アエラ)2018.4.9号に、生損保経営の現状と、経営を知る手掛かりとなる指標について書いた記事が掲載されています。タイトルは「気になる海外のリスク」ではありますが、そこだけ取り上げたものではありません。
生保の注目指標として、あえて「基礎利益」はスルーして、エンベディッド・バリューを載せてしまいました^ ^

この号は「保険料『値下げ』の衝撃」という保険特集です。雑誌の保険特集というと、プロがすすめる保険商品ランキングや保険ショップ関連の記事が目立つ印象がありますが、AERAの特集はちょっと毛色が違っていて面白かったです。
例えばこちらとか、こちらには破綻や再編、行政処分の歴史が出ていて、足もとの動きだけでなく、業界動向を過去からの大きな流れで捉えようとしています。

破綻前日に「明日、これが紙くずになると知っているけど、売れないよな」と語った経営幹部が旧T社(もし生保だとしたら非上場の旧K社ですね)に本当にいたのかなあとは思いましたが…

※今年は「花筏(はないかだ)」も楽しめました。先週末の江戸川公園です。

 

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海外M&A研究会報告書

経済産業省の「我が国企業による海外M&A研究会」(座長は早大の宮島英昭教授)の報告書が公表されたので、さっそく読んでみました。
報告書の概要と、重要ポイントをまとめた「9つの行動」もあわせて公表されていますが、本文のほうが具体的にいろいろと書いてあり、参考になりそうです。
経産省のサイトへ

以前私は、東洋経済の特集号で保険会社の海外M&Aについて書いた際、M&Aそのものがゴールではなく、1)そもそも海外事業で積極的なリスクテイクを行うという経営判断がいかになされたのか、2)海外大型M&Aの実行、3)買収先をグループのメンバーとしていかに経営体制に組み込むか、の3つの局面について述べました。
この報告書でもM&Aの実行局面のみならず、「前」と「後」の重要性を踏まえ、「海外M&A成功に向けた3つの要素」として次の3つに整理して説明しています。

・M&A戦略ストーリーの構想力
・海外M&Aの実行力
・グローバル経営力

日本企業による海外M&Aの特徴

日本企業による海外M&Aを扱った報告書なので、日本企業を意識した記述をいくつかご紹介しましょう。

「いきなり大きな案件や複雑な案件に取り組むのではなく、ある程度小型の案件で自社の海外M&Aの経験値を高めてから、より複雑な大規模案件に取り組むという戦略的アプローチを意識的に実行している海外企業は多い」(p.18)

「特に投資銀行等の外部からの持込案件については、戦略より案件が先行し、準備期間が短く、結果として買収前の想定と、買収後明らかになった実態との乖離が大きいケースがある」(p.27)

⇒ 日本企業は身の丈に合った海外M&Aではなく、特に外部からの持込案件などで、対応可能範囲を超えたリスクを伴う案件や、買収金額が高すぎる案件に乗り出してしまう可能性が高いということかもしれません。

「日本企業の中には、交渉の場に大勢の関係者が参加するが、結局意思決定を行える者が誰なのかよくわからないケースや、交渉の場で提起された論点についてその場で決定せず持ち帰るケースがある。こうしたケースでは、売り手からすると意思決定者が誰かわからず、疑念が増し、信頼感を損なうことが懸念される。さらに最悪のケースは、条件交渉をFAや投資銀行の担当者に全て任せてしまうことである」(p.50)

⇒ 実感としてはケースバイケースのように思いますが、このような事例も多いのかもしれませんね。

「日本企業では『飲み会』や企業をあげた地域行事への参加など、業務時間外で従業員同士が集まる機会も多いことから、企業の価値観や風土融合を重視するのは日本企業の特徴と思われがちであるかもしれない。しかし、欧米企業でもPMIにおけるチームビルディングを通じて信頼関係を構築する取組みが行われており、また日本企業が欧米企業を買収する場合にも風土融合の施策に積極的であるという事例もみられた」(p.66)

⇒ 企業の価値観や風土融合を重視するのは日本企業だけの特徴ではないという指摘は、当然と言えば当然ですが、興味深いです。

「日本企業は、欧米の買収者に比べ相手企業の既存経営陣への依存度が高く、買収後も経営陣が買収前に有していた権限を害しないように独立した会社として運営する傾向が強いという指摘がある。しかし、経営ビジョンや価値観を共有できない場合や買収先のさらなる成長を目指すうえで経営者として実力や倫理観が不足と判断される場合には、躊躇なく買収前の経営陣を交代させることも必要である」
「企業価値を創出するのは買収者であり、買収者たる企業自身で主体的に買収プレミアムの回収を可能とする業績向上策に取り組むべきものであり、買収先の経営陣にその全てを任せていても、買収プレミアムの回収は担保されない」(p.68)

⇒ 「企業価値を創出するのは買収者」というのは重要な指摘ですね。

「海外M&A は買い手にとっても変革を実現する絶好の機会でもあり、海外M&A によって自身をグローバル化していくことも海外M&A の成果の一つである」
「欧米企業は、リスクは顕在化した時点で対応すればよいという姿勢である一方で、まだまだ日本企業はリスクを過度に回避しようとする傾向が強いとされる。過度のリスク回避、慎重さは、成長阻害要因であり、可能な限りの準備をして実施し、リスクが顕在化したらそれに全力で当たるという姿勢が重要ではないだろうか」(p.87)

⇒ M&Aにかぎらず、リスクテイクを促すのであれば、失敗に寛容な企業文化や社会風土(メディアを含む)が必要ですね。

ヒアリング協力企業の顔ぶれを見ると、金融・保険業は含まれていませんでしたが、実際の体験を踏まえた記述も多く、参考になると思います。

<ヒアリング協力企業>
 旭化成、亀田製菓、関西ペイント、グローリー、小松製作所、サトーホールディングス、サントリーホールディングス、ダイキン工業、電通、ニコン、日本板硝子、日本たばこ産業、日本電産、日本電信電話、日立製作所、ボッシュ パッケージング テクノロジー、丸紅、リクルートホールディングス

※写真は浜離宮です。

 

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20回目のオープンセミナー

保険代理店の情報交流組織であるRINGの会が主催する「RINGの会オープンセミナー」が今年で20回目を迎えます。
RINGの会 オープンセミナー

第1回のセミナーが開かれたのは1999年10月で、当時日本FP協会理事長だった牧野昇氏の基調講演の後、保険ジャーナリストの中崎章夫さんと石井秀樹さんをパネリストに迎えた「これからの保険業界」、RINGメンバーによるパネルディスカッション「勝ち残る代理店営業戦略は何か?」という構成だったようです。

1999年10月といえば、三井海上と日本火災、興亜火災の3社が将来の事業統合・再編を目指した包括提携を発表し、損保業界再編の口火が切られた時でした。その後、第1次再編、第2次再編を経て、現在のような3メガ損保グループが市場シェアの大半を占める状態となりました。
他方、生保では1999年6月に東邦生命の経営が破綻し、その後も中堅生保の経営破綻が相次ぐとともに、外資系・損保系生保の存在感が高まっていくことになります。

日本最大級の保険流通セミナーに成長

オープンセミナーに話を戻しますと、毎年1回のペースでセミナーが開かれ、近年はパシフィコ横浜の国立大ホールで1000人規模の保険流通関係者が集まる大イベントに成長しました。

私がオープンセミナーに関わるようになったのは2007年の第9回からで、途中からアドバイザーに就任したこともあって、これまでに5回登壇しています。
そして20回目の今回は、午前中のパネルディスカッション「自由化後20年 保険ビジネスはどこに向かうのか」のコーディネーターを務めることになりました。

パネリストは、生損保経営の経験があり、今は日本最大級の来店型代理店トップを務める窪田泰彦さん、長年にわたり外資系保険会社(AIGですね)の経営を担ってきた横山隆美さん、日本損害保険代理業協会の専務理事として10年近く保険代理店に寄り添ってきた野元敏明さんです。
いずれも保険業界を「よく知っている」皆さんですから、コーディネーターとしては、保険流通の現場ではなかなか聞くことのできない話をお届けできるのではないかと、自分でも楽しみにしています。

予定調和ではないプログラム

それはそうと、今回のプログラム全体を見わたすと、会場の多くを占めるであろうプロ代理店の経営者は1人(ソフィアブレインの小坂学さん)しか登壇しません。
第2部は保険会社の未来戦略の本当のところを中崎ジャーナリストが引き出そうという企画ですし、第3部は「真の顧客本位とは何か」について深掘りするものです。

これまでのオープンセミナーでは、第2部または第3部にプロ代理店の経営者がずらっと登壇し、成功事例や工夫している取り組みを語っていただく。それを聴いた会場のプロ代理店の皆さんも話に納得し、安心して帰る、というパターンが多かったように思います(あくまで個人的な見解です)。
しかし、20回目の節目を迎えた今回は、いろいろと検討した結果だとは思いますが、そのような予定調和的な企画ではない、ある意味挑戦的(挑発的?)なプログラムのようです。

「代理店が主役ではないのか?」「上から目線?」そんなお叱りもあるかもしれませんが、保険流通に関わる皆さんは、6月にぜひ横浜にお越しいただき、RINGの会の挑戦を正面から受け止めていただければと思います。

↓お申し込みはこちらから↓
RINGの会 オープンセミナー

 

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