金融庁の組織再編や行政方針についてコメントすべきところですが、実は海外遠征でトルコ・イスタンブールに来ています。
こちらも最高気温は30度くらいありますが、東京や福岡に比べればかなり過ごしやすいです。
西洋史学科出身の私にとって、イスタンブールは特別なところです。ローマ帝国の新たな首都となった4世紀から、20世紀になって第一次世界大戦で敗北し、ケマル・パシャの活躍でトルコ共和国となり、首都をアンカラに譲るまでの間、2つの世界帝国(ローマ帝国・ビザンティン帝国とオスマン帝国)の都として栄えた歴史を持っています。このため、アヤソフィアのような有名な建築物だけでなく、どこを歩いても歴史的なエピソードに事欠きません。
世界帝国の都には様々な民族が住んでいて、その名残が残っています。
例えばこの写真の寺院は一見するとキリスト教会ですが、アラップ・ジャーミィ(アラブ人のモスク)です。丸いドームではなく尖塔のあるモスクは珍しく、もともとカトリック教会だったものを、15世紀にオスマン帝国になってからモスクに転用したそうです。なぜアラブ人かというと、レコンキスタの時代にイベリア半島を追われたアラブ人がこのあたりに住むようになったからとのことで、スケールの大きい話です。
ロンドンに次いで世界で2番目に古い地下鉄ができたのも、国際都市ならではの背景がありました。地下鉄といってもケーブルカーで、1875年に開業しました。歴史的建造物が数多く残る旧市街から橋を渡って新市街に行くと、建物のなかに乗り場があります。
イスタンブールの海沿いは平地が少なく、丘を登った尾根のうえに町が広がっています。この時代にはヨーロッパの列強が進出し、イスタンブールにも多くのヨーロッパ人が来るようになったのですが、港から高台に上がるのは大変です。そこで、フランス人技術者が地下鉄を発案し、イギリスの資金と技術協力で実現させました。つまり、このケーブルカーは地元住民のためではなく、海外から訪れる旅行客のために作られたものなのですね。21世紀の旅行者である私もありがたく利用させてもらいました。
ということで、今回はイスタンブールからでした。