経済価値ベースのソルベンシー規制

金融庁は7月23日、「経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する保険業法施行規則の一部改正(案)」等に対するパブリック・コメントの結果等の公表についてを示し、2026年3月末からの規制適用が確定しました。昨年10月に出した拙著『経済価値ベースのソルベンシー規制』でも述べたように、20年近い検討期間を経て、ようやく新たな規制が導入されることとなります。
なお、新たな規制の概要や主な法令等、第1の柱のQ&A、これまでの検討経緯を金融庁がこちらのサイトにまとめていて、助かります。

ところで、パブリックコメントの結果(PDF)ですが、私は昨年、第3の柱(3柱告示案(PDF))を中心にいくつかコメントを出していました。利用者目線からすると、告示案のままでは生命保険会社の金利リスクの現状やALMの考え方が把握できないという危機感を持ったためです。
同じように改善を求めたかたが複数いたこともあって、私がお願いしたとおりではないにせよ、開示の充実が図られることとなりました(別紙様式第7号の開示が当初案よりも充実しました)。
先ほどご紹介した金融庁サイトを引用すると、第3の柱(情報開示)は、保険会社と外部のステークホルダーとの間の適切な対話を促し、ひいては保険会社に対して適正な規律を働かせるためのもの。実際の開示を見てみないとわからない部分はあるにせよ、第1の柱を補完し、第2の柱をサポートするような開示情報の活用を考えてみたいと思います。

さて、ここから先は、規制を受ける保険会社の対応準備とともに、メディアをはじめ、保険会社のステークホルダーに新規制を理解してもらうための取り組みも必要になってきますね。

※念願の観光列車に乗りました。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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