15. 執筆・講演等のご案内

政策保有株式の削減

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直近のinswatch(2017.12.11)に寄稿しましたので、ご紹介します。
今回は政策保有株式について書きました。

他にも「人工知能と保険ビジネス」「1000年企業の作り方」などの記事が出ていますね。ご関心のあるかたはこちら ⇒ inswatchのサイトへ

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 政策保有株式の削減

◇自然災害の影響で業績予想を下方修正
北米ハリケーンなど国内外の自然災害の影響等により、3メガ損保は2017年度4-9月期決算発表時にいずれも2017年度の業績予想を下方修正しました。
今年度の自然災害による保険金支払額は、東日本大震災やタイ大洪水が発生した2011年度以来の規模となりそうです。

<3メガ損保の自然災害発生保険金(各社発表ベース)>
 東京海上HD 982億円(国内251億円、海外731億円)
 MS&AD HD 1122億円(国内248億円、海外874億円)
 SOMPO HD 962億円(国内256億円、海外706億円)

ただし、これほどの発生保険金にもかかわらず、下方修正後の利益水準が堅調なのは、好調な国内損保事業(自然災害を除く)に加え、政策保有株式の売却益が結果的に利益を下支えしていることも挙げられます。

◇ガバナンス改革と政策保有株式
政策保有株式の削減は損保業界固有の話ではありません。近年、取り組みが加速しているコーポレートガバナンス改革では、日本企業の政策保有株式に厳しい視線が注がれています。
例えば、東京証券取引所は2015年にコーポレートガバナンス・コードを制定し、上場会社の行動原則を示していますが、そのなかには政策保有株式に関する原則もあり、政策保有株式を持つ会社に対し、その方針を開示し、保有の狙いや合理性を説明するよう求めています。

純粋な投資行動ではない政策保有の場合、資本効率が下がる(=ROEを押し下げる)のが一般的ですし、議決権が適切に行使されず、株主という立場からの監視機能が形骸化することにもつながります。
しかし、そのような状況にもかかわらず、事業法人では政策保有株式の縮減が必ずしも進んでいない模様です。

◇損保や大手銀行はなぜ売却を進めているのか
他方、3メガ損保や大手銀行の政策保有株式は、足元では依然として高水準とはいえ、具体的な削減計画を公表し、実際に売却が進んでいます。
例えば、東京海上ホールディングスの2017年9月末の簿価ベースで見た政策保有株式の残高は、2003年度末の41%まで減っていますし、SOMPOホールディングスでも、2001年3月末の40%の水準です。

3メガ損保が政策保有株式の売却を進めているのは、ガバナンス改革の観点からというよりは、株価変動リスクを抱えすぎているという認識に基づいたリスク管理の面から、あるいは企業価値向上を目指したERMの観点からという側面が強いのではないかと思います。

なお、大手生保も多額の株式を保有していますが、その大半は政策保有ではなく、純投資という位置付けです。一般勘定で多額の株式を保有する合理性があるとは考えにくいのですが...

※写真は地元・大倉山駅前のツリーです。

 

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顧客本位の業務運営を生かす

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うっかりしていて、8月のインシュアランス生保版に書いたコラムのご紹介を忘れていました。遅まきながらご覧ください。

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「顧客本位の業務運営」を生かす

NHK総合テレビ・クローズアップ現代+の保険特集「保険値上げで家計直撃!賢い見直し術とは」(6月28日)にゲスト出演した時のこと。
番組前の打合せで、「(保険ショップなどに対する)規制が入ったとはいえ、代理店はあくまで保険会社を代理する存在であることは押さえておきたい」というコメントをしたところ、キャスターから「それでは消費者はどこで保険の相談をしたらいいのでしょうか」と聞かれ、答えに窮した。

保険ショップをはじめ、保険会社の営業職員や代理店、銀行や郵便局の窓口など、保険について無料で相談できるところは多い。言うまでもないが、相談が無料なのは保険販売による手数料や報酬で事業が成り立っているからである。
番組のVTRでは消費者が独立系ファイナンシャルプランナー(FP)に保険の見直しを相談していた。しかし、現状は相談業務だけでFPが成り立つ環境とは言い難く、保険販売などの手数料ビジネスに依存していないFPは極めて少ないと聞く。

長い目で見れば、「適切なアドバイスをするにはコストがかかる」「情報はタダではない」という常識を消費者に浸透させる必要があるとはいえ、今の状況がすぐに変わるとは思えない。
そこで次善の策として浮上するのは、顧客本位の業務運営を掲げ、「専属」「乗合」などの自らの立ち位置や、「どのような考えのもとで保険を勧めるか」といった方針を明らかに示した販売会社への相談である。消費者の信頼を得るには、可能なかぎり具体的で納得感のある運営方針が求められる。

販売会社からすると、昨年の改正保険業法施行に続き、金融庁が打ち出した「顧客本位の業務運営に関する原則」への対応も求められ、ウンザリしているところかもしれない。
しかし、保険の相談をしたいという消費者のニーズがあり、かつ、(保険会社からの手数料に依存していないという意味で)中立的な相談窓口が少ないのであれば、消費者に顧客本位の業務運営を訴えることができる販売会社には、むしろ顧客の信頼を勝ち得るチャンスと捉えることができよう。専属チャネルでも、相談の過程で消費者にネット等を通じて他社と比べてもらえばいい。

もちろん、金融事業者等に顧客本位の業務運営を求めることで消費者利益を高めるには、販売会社をはじめとする金融事業者等の努力だけでは不十分であり、同時に消費者の金融・保険へのリテラシー向上が前提となる。行政はそのことを十分理解してほしい。

私は番組で、消費者は「自分を知ること」「社会保障を知ること」「保険の得意分野を知ること」が重要という趣旨のことを述べた。
自分を知るとは、保険であれば、自分がどのようなリスクに備えたいと考えているかを把握することであり、これは販売会社がサポートできる内容でもある。
「顧客本位の業務運営」を規制対応ではなく、ビジネスチャンスとして取り組んでみてはいかがだろうか。

※都心でもだいぶ木々が色づいてきました。

 

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教養としての社会保障

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インシュアランス生保版(11月号第2週)に寄稿したものです。
「主張」というコラムを交代で書いています。
発行元の保険研究所は統計号で有名なところですね。

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「教養としての社会保障」を読む

 衆院選は小選挙区で当選を重ねた与党の圧勝となったが、今回は(今回も?)選択に困る有権者が多かったのではなかろうか。

 NHKが選挙前に行った世論調査では、投票先を選ぶ際に最も重視する政策課題として「社会保障」を挙げた人が29%と最も多かった。共同通信による調査でも、投票で最も重視する点として回答者の約3割が「年金や少子化対策など社会保障」を挙げた。ここから先は私の解釈だが、有権者が政策課題として重視する社会保障とは、「年金をもっと増やしてほしい」「負担をこれ以上増やさないでほしい」といった刹那的要求だけではなく、「少子高齢化が進むなかで、今の社会保障制度はもつのだろうか」という将来に対する不安への回答を求めていると考えられる。

 しかし、自民党は今回、消費増税は実施するものの使途を見直し、社会保障の持続可能性という意味では後退する政策を打ち出した。対する野党は、代替財源を明確に示さずに増税凍結を打ち出し、むしろ社会保障の持続可能性を危うくしかねない政策ばかり。有権者はいったい誰に投票したらよかったのか。
 そんなことを思いながら、改めて「教養としての社会保障」(香取照幸著)を読んだ。

 本書は社会保障の仕事に長年携わってきた元厚生労働省幹部によるもので、「社会保障の全体像、社会保障と経済や政治との関わりを『市民目線』で解き明かし、社会保障をある種の『一般教養』として理解していただこう」(本書より引用)という本である。
 社会保障というと、負担と給付ばかりが語られがちだが、本書では産業としての社会保障にも言及し、「社会保障はGDPの5分の1を占める巨大市場」「社会保障は『単なる負担』ではなく、経済成長のエンジンたりうる」と論じており、目から鱗の思いがする。

 もちろん、社会保障をどう持続可能なものとするかは本書の中心テーマとなっている。「今や小手先やその場しのぎの改善改革では追いつかない、社会保障全体の組み立てを見直さないといけないというところまで事態は進んでいるように思えます」というのが制度設計の専門家としての著者の認識であり、労働力人口が減るのに高齢者は増え続ける今後20年から30年の期間を乗り切れるかどうかが一番の課題としている。

 「今後、社会保障費の負担増は避けて通れません。(中略)公平性を担保し信頼を得るには、負担も給付もできるだけ見えやすく分かりやすい簡素な仕組みに再構築しなければなりません」
 「医療、福祉、介護などの部門では効率化が求められます。(中略)効率を高めるためには、規制緩和や競争政策は有効です」
 「高齢者の経済活動を貯蓄から消費へと誘導するためには、社会の安心基盤を構築し、将来の不安を少なくして安心して暮らせる社会をつくることが王道です」

 一見して政治の役割は大きいとわかるが、果たして現政権は応えてくれるのだろうか。
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日本のインシュアテック

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直近のinswatch(2017.10.9)に寄稿しました。
私のブログにしてはやや長めですが、ご紹介します。

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日本のインシュアテック

インシュアテックをめぐるギャップ

新聞や雑誌などで「インシュアテック(保険分野のフィンテック)」として紹介される事例を見ると、新しい技術を使ってこれまでにない商品を作るとか、あるいは業務プロセスの効率化が進むとか、総じて既存プレイヤーが技術を活用するという話が中心となっているようです。最近発売された東洋経済の生保・損保特集号でもそう感じます。

他方、9月に東京で開かれたフィンテックサミットでインシュアテックのパネルディスカッションもいくつかあり、このうち一コマに参加したのですが、ディスカッションの主なテーマは「日本のインシュアテックはなぜ動きが遅いのか」でした。

こうしたギャップについて私なりに考えてみると、既存の保険会社(および、その動きを伝えるメディア)は、これまで成功してきたビジネスモデルを前提に、新しい技術を使うことで何ができるのかを考えているように見えますが、技術革新による影響はそのようなレベルの話にとどまらないということなのでしょう。

インシュアテックの破壊力

例えば、生保・損保特集の表紙に大きく載った「健康増進型保険」について、これが「健康増進活動による成果を保険料等に反映」というだけであれば、従来の新商品開発と本質的には変わりません(新しいニーズの発掘とは言えそうですが)。

しかし、健康データの蓄積が進むのと同時に、予防医療等が広く普及し、めったに病気にならないという世の中になれば、どうでしょうか。今の医療保険マーケットは相当縮むように思いますし、わざわざ保険をショップなどへ買いに行くようなことはなく、例えば健康食品を買ったり、ジムの会員になったりしたついでに保険にも入るという世界になり、このマーケットの主役は対面販売を主体とする保険流通ではなくなるかもしれません。

「金融育成庁」はどう動くのか

技術革新が進むなかで、顧客本位のサービスを今後も既存プレイヤーが提供し続ける世界が可能と考えるのであれば話は別ですが、もし、消費者が新技術の恩恵をフルに享受するには新しいプレイヤーが必要と考えるのであれば、商品認可をはじめ参入障壁となっているであろう各種制約を見直さないと、今後も「なぜ動きが遅いのか」という状態が続きそうです。

インシュアテックを研究している保険会社は、おそらくこうした破壊力をわかっているのだと思います。となると、やはり注目は「金融育成庁」を標榜する当局の姿勢ということになりますね。
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inswatchは保険流通業界向けのメールマガジンで、
私は2か月に1度のペースで寄稿しています。

※写真は大津の石山寺です。
 紫式部が源氏物語の着想を得たところだそうです。

 

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生保・損保特集号2017

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今年も週刊東洋経済の「生保・損保特集」に
寄稿させていただきました。

「保険会社による『適切なリスクテイク』とは」
というタイトルで、日本の保険会社の経営が
顧客本位の業務運営と適切なリスクテイクの
両立を求められていることを書きました。

さらに、大手生保によるリスクテイクの現状を
公表資料から探っています。
本当は4社合算ではなく、それぞれの会社の
分析を行うべきところですが、ご容赦ください。
それでも四半期ごとの推移を載せましたので、
見えてくるものもあると思います。

機会がありましたらぜひご覧ください。

今回の特集号では、アクチュアリーの野口さん
(チューリッヒ生命)が、来年4月の標準生命表
改定を受けた業界動向について解説していて、
興味深く拝読しました。

注目の第三分野(終身タイプ)については、

「標準利率引き下げに伴う保険料引き上げを
 見合わせた会社が多いため、今回は多くの
 会社で対応(引き上げ)せざるを得ないだろう」

という見方を示されています
(私も8/18のブログで近いことを書いています)。

野口さんいわく、各社ともに業界内における
自社のポジションを向上させる絶好の機会が
訪れることに間違いはない、とのことです。

3メガ損保グループの海外M&Aを分析した
「損保『海外戦略』に異変あり」という記事も、

・新たな買収を進めるも、既存の大型買収先の
 業績が必ずしも良好ではないMS&AD
・買収後、減益基調となっていた会社を売却し、
 新たな買収先を海外戦略の柱としたSOMPO
・買収後も利益成長を続ける東京海上
 (ただし人材面などで課題あり)

というように、3グループの海外事業の現状を
うまくまとめていました。

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※写真はべーリック・ホールという洋館で、
 横浜市の認定歴史的建造物です。

 

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講演のご案内です

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今回は損保総研セミナーのご案内です。
9月になったらご案内しようと思っていたところ、
いろいろあって、もう6日になってしまいました。

連休明けの9月19日(火)に損保総研の講座で
講師を務める予定です。18:00から。

演題は「今だからこそ問われる保険会社のERM」。

今回は「ERMのガバナンス」「リスクアペタイト」
「ERMカルチャー」など、ソフト面に焦点を当てて
お話しする予定です。

会社のERMの取り組みを、自分とは直接関係ない、
本社の特定部門がやっている「他人事」の世界だと
(心の中で)考えている方にぜひ聞いていただきたい
と思います。

詳しくはこちらをご覧ください。

※電車2題。都電荒川線と箱根登山鉄道です。

 

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業界紙に登場

 

「保険毎日新聞」「週刊インシュアランス」という
2つの保険業界紙に相次いで登場しました。
少し長めにご紹介します。

保険毎日新聞(4月28日付)はインタビュー記事で、
金融庁が公表した「経済価値ベースの評価・監督手法
の検討に関するフィールドテストの結果について」への
感想や注目点などについて話しました。
保険毎日新聞のサイトへ

例えば次のようなコメントが載っています。

「今回の結果概要を読んでみて、『情報量が少ない』 というのが私の第一印象だった。(中略)前回までは金融庁独自の手法を使っていたが、今回は基本的にIAISの手法なので、計算方法の詳細な説明は不要という判断が考えられるほか、3回目のテストであり、対応状況や技術的な課題の把握よりも、規制導入に伴う定量的な影響をつかむことに力点が置かれたのかもしれない」

「情報量が少ないとはいえ、2016年3月末における経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)と分母のリスク量(所要資本)の内訳、分子の自己資本(適格資本)の内訳と変動要因が、保険会社全体の数値として示されている」

「損保会社、生保会社の16年3月末のESRはそれぞれ194%と104%だった。この数値は、損保会社は適格資本が所要資本の約2倍、生保会社は経済価値ベースでみると資本とリスクがほぼ同じ水準であることを表している」

「もちろん、あくまで16年3月末の経済前提において、IAISや金融庁の示した評価手法に基づいて出た結果なので、数字が独り歩きするのはよくないと思うが、現在のようにイールドカーブが低位かつフラット化した状況下では、生保会社の健全性には全体として余裕がある状態ではないとわかる。このところ、ソルベンシーマージン比率が高いにもかかわらず、多くの保険会社が劣後債務などの資本調達を行っているのも理解できよう」

「経済価値ベースでのソルベンシー規制導入に向けたフィールドテストはこれで3回実施された。しかも大手だけでなく全社ベースでの取り組みだ。ここまでコストをかけ(業界負担を含む)、慎重に準備を進めてきた政策を、常識的に考えて、もはや導入しないという選択肢はないだろう。そろそろスケジュールを提示し、具体的に導入を進める段階にきているのではないか」

もう一つの「週刊インシュアランス」(5月4日 生保版)は
「保険に対する理解の低さ」という題で寄稿しました。
週刊インシュアランスのサイトへ

多少要約していますが、次のとおりです。

「自民党小委員会が発表した『こども保険』の資料に、『年金も、支給開始前にお亡くなりになると、給付は受けられない。また、医療や介護も、健康だと給付は受けられない。あくまで保険なので、完全に給付と負担が一致するわけではない』とあり、これを読んで、保険への理解が低いと感じた」

「保険は個々の加入者が必ず給付を受けるというものではないが、結果的に給付がなかった加入者が損をしたわけではなく、加入期間中はリスクが発現したら給付を受けられるというメリットを享受していた。このような理解が欠けていると、単純に『掛け捨ては損』という発想になり、『年金も』『医療や介護も』という説明をしなければならなくなるのだろう」

「長生きリスクに対する保険についても、『平均寿命で死ぬと契約者が損する保険』『保険というよりはサバイバル・ゲーム』という異論が出た。一般に老後の備えとしては『支払った保険料を取り戻せなければ損』という考えが支配的なのだろう」

「しかし、長生きリスクに対して貯蓄だけで備えるとなると、自分が何歳まで生きるかわからないので、多め多めにお金を貯めておく必要があり、多額の貯金を残して亡くなる結果となってしまう。そう考えると、いわば掛け捨ての保険で想定外に長生きするリスクに備えようという発想は合理的だ」

「『掛け捨ては損』『払い込んだ保険料よりも給付額が少ないと損』という考えが根強いのは、想像するに、生保が安定的な長期資金の担い手として、個人の資金を企業部門に供給する役割を期待されていた時代(当時は商品もほぼ横並びだった)の名残なのかもしれない」

ということで、今回は両編集部のご厚意もあり、
掲載記事のご紹介としました。
皆さま、よい連休をお過ごしください。

※パシフィコ横浜の下見(?)に行きました。
 こちらもよろしくお願いいします↓
RINGの会 オープンセミナー

 

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年次大会報告集

 

日本アクチュアリー会の年次大会(昨年11月開催)の
報告集が公表されました。
年次大会報告集のサイトへ

以前お伝えしたとおり、私は3年ぶりに登壇し、
「マイナス金利と保険会社経営」パネルのMCと、
ERM委員会「模擬経営会議」のナビゲーターを
務めました。

「マイナス金利と保険会社経営」パネルでは、

・辻野菜摘さん(JPモルガン証券、証券アナリスト)
・松山直樹さん(明治大学教授、アクチュアリー)
・渡辺有史さん(スイス再保険、アクチュアリー)

の3名にご登場いただき、超低金利環境のなかで
経済価値ベースの指標をどう捉えたらいいのか、
経営者やアクチュアリーは何をすべきなのか、
といったテーマで話していただきました。

個人的に印象深かったコメントは、渡辺さんの、

「終身であることが足かせになって、いろいろな
 商品が出せなくなっているということを感じている」

というもので、なるほどと思いました。

「模擬経営会議~CROの役割と葛藤~」のほうは、
生命保険会社の経営会議での場面を3名の方に
演じていただき、それを受けて私が解説したり、
会場からコメントをいただいたり、というもの。

出演者の皆さんには本当に頑張っていただきました。
活字の報告集ではなく、動画で観たいですね^^

ところで、解説の場面では双方向ツールを使い、
会場の皆さんに質問を出し、投票してもらいました。
当日はその結果を見て、さらに展開したのですが、
投票結果を記録するのを失念してしまいまして、
今回の報告集でようやく確認できました。

いくつか質問したなかで、

「当時ERMがあれば破綻を回避できたか?」

という質問をしたのですね。
当時とは、生保破綻が続いた2000年前後です。
回答は、

 回避できた    :31%
 回避できなかった:69%

ちょっと残念な結果でした。

なお、主演の市川さんも語っていますが、
「模擬経営会議」というのは一つの経験になる
ということを私も再確認しました。

実戦とは違いますが、演技とはいえ「やってみる」
というのは、暗黙知を習得するうえで、いい方法
だと思います。

※横浜でシウマイと言えば崎陽軒。
 その崎陽軒本店のレストランでクラス会がありました。

 

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損保総研のERM講座

 

12月から損保総研で「保険会社のERM経営」の
Web配信が始まりました。

ERMの基礎をわかりやすく解説したもので、
専門家向けではなく、一般の役職員のための
講座です。
ご関心のあるかたは、ぜひお越し(?)ください。
損保総研のサイトへ

左の写真はその収録の様子です。
普段の講演と違い、カメラに向かって話すのは
慣れないと難しいですね。
さすがに今回は原稿を作って収録に臨みました。

講座のテーマである保険会社のERM経営ですが、
直近に開かれた各社の投資家向け説明会でも
ERMの推進が引き続き経営の重要な関心事項と
なっていることがうかがえました。

例えば11/25に開かれたMS&ADグループの
「インフォメーションミーティング」の資料では
「ERM経営の推進」を4スライドで説明しており、
定量および定性的な情報を提供しています。
MS&ADHDのサイトへ

他の損保でも同様な情報提供が見られます。

東京海上グループでは「強固なERMの推進」
として、リスクと資本のコントロールやESR
(経済価値ベースのソルベンシー比率)の
現状や考え方などを説明していますし、
SOMPOグループも、ERM(戦略的リスク経営)の
現状について触れています。

東京海上HDのサイトへ
SOMPO HDのサイトへ

生保で印象的だったのはT&Dグループです。
IR説明会のなかで喜田社長は、

「当社は業界内でいち早くERMのフレームワークを
 取り入れ推進してきた。このことが、上期のような
 低金利環境でも、相対的に高い資本十分性を
 確保できたことにつながっている」

と語っていました。⇒ T&D HDのサイトへ

富国生命の決算説明資料もご紹介しましょう。
相互会社なので株主向け説明会はありませんが、
富国生命では2年ほど前から決算報告に加え、
独自の説明資料を公表しています。

今回はその説明資料のなかに、
「マイナス金利下における収益管理とリスク管理」
というスライドがあり、ERMのPDCAサイクルが
示されていました。⇒ 富国生命のサイトへ

 

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2016年版の生保・損保特集

 

2016年版の週刊東洋経済臨時増刊
「生保・損保特集」に寄稿しました。

タイトルは「未曽有の利回り曲線平坦化に
生保経営はどう対応するのか」です。

ご参考までに見出しを引用すると、

・イールドカーブ平坦化で生保の健全性は
 実質悪化

・保障性商品を提供すれば低金利の影響は
 軽微だが…

・販社として品ぞろえ重視か、引受会社として
 規律重視か

ということで、だいたいの中身は推察して
いただけるのではないかと思います。

「保険は相続の際に受取人を指定できるので
 預貯金とは違う役目があるのに、売り止めって
 ありえない! 頭にきています」
 (41ページの覆面座談会から引用)

といった声があるなかで、引受会社としての
規律を維持できるかどうか注目しています。

今回の特集号は、第一特集がマイナス金利、
第二特集が保険デジタル革命でした。

確かに保険デジタル革命は、保険業の
ビジネスモデル自体を変えてしまうほどの
強烈なパワーを秘めているのかもしれません。

ただ、今のプレーヤーにとっては、現在の
逆境を乗り越えなければ、未来はありません。

「数年はマイナス金利が続き、それが終わっても
 低金利が続くシナリオは考えておくべきです。
 商品、資産運用、財務基盤の三つで構造を
 変える必要があります」
 (26ページの日本生命・筒井社長)

「貯蓄性分野では利率保証型は縮小し投資型が
 大きくなります。さらに貯蓄性から保障性商品に
 ポートフォリオを大幅にシフトします」
 (34ページの明治安田生命・根岸社長)

「マイナス金利が長期化するほど業界の破壊は
 進みます。(中略)業界にとってはよくないこと
 ですが、当社にはむしろ成長のチャンスです」
 (101ページのメットライフ生命・シャー社長)

トップがここまで発言するのですから、経営を
過去とは違う形に大きく変えていこうとしている
のでしょう。
「資産運用の高度化」「商品開発力の強化」
といった次元の取り組みではなさそうです。

会社ごとの戦略の違いが、来年の特集号が
出るころには見えてくるのかもしれませんね。

※写真左は「新田橋」、右は「平久橋」です。
 どちらも橋の近くに波除碑がありました。

 

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