3月のブログでご案内したとおり、20回目を迎えたRINGの会オープンセミナー・第1部に登壇し、コーディネーターを務めました。
パネリストの窪田泰彦さん(ほけんの窓口グループの会長兼社長)、横山隆美さん(AIGグループ損保の元経営者)、野元敏明さん(日本損害保険代理業協会の専務理事)には、それぞれのご経験を踏まえ、プロ代理店や保険会社に対して踏み込んだコメントをしていただき、ありがたかったです。
論客ぞろい
パネルディスカッションのコーディネーターにもいろいろなスタイルがあり、司会に徹することもあれば、パネリストと同じくらい話をすることもあります。
ただ、私がコーディネーターをお引き受けする場合、なぜか論客ぞろいのことが多いので、場をつなぐなんてことを考えなくてもいい半面、いかにパネリストから会場の皆さんが聴きたいことを引き出すかに腐心することになります
(そうでないと時間がいくらあっても足りないでしょうね^^)。
ということで、今回のセミナーでは「顧客」「保険会社」「行政」「代理店経営」について議論を行いましたが、パネリストの皆さんそれぞれに持ち味があり、事前の打合せでも、代理店経営者や保険会社に伝えたい内容がいくつも出てきました。
私も時間があれば、保険会社の経営姿勢や保険行政の考え方などを伝えたかったところですが、やはりというか、当日は時間があっという間にたってしまい、なんとか数分遅れで終了ということになりました。
とはいえ、このディスカッションが参加者の皆さんにとって、いろいろと考えるきっかけになれば幸いです。
保険ビジネスはどこに向かうのか
セミナー全般から感じたのは、保険流通の変化はむしろこれから本格化するということです。
確かにこの20年間にはいろいろなことがありましたが、第1部で申し上げたとおり、マクロ的に見れば、保険会社ほど保険代理店は変わっていないように見えますし、かつ、それでもやってこれたということなのでしょう。いわば「オオカミ少年」のような状況でしょうか。
午後2番目のパネルディスカッションで、コーディネーターがパネリスト3名に現状認識(キーワード)を問いかけたところ、ぜんち共済(障がい者向け保険)の榎本社長が「多様性」、ジャストインケース(スマホ完結の保険)の畑社長が「デジタル化」と答えたのに対し、プロ代理店のソフィアブレイン小坂社長の回答は「消耗戦」でした。
おそらく小坂さんが消耗戦で疲弊しているというのではなく、むしろ「保険の枠を超える」と話しているくらいですから、10年後に向けて着実に進んでいる代理店なのだと思いますが、この対比は何とも印象的でした。