15. 執筆・講演等のご案内

パネリストを務めます

少し先の話ですが、6/15(土)に横浜で開催される
「RINGの会オープンセミナー」に登場することになりました。
オープンセミナーのHPへ

このオープンセミナーはいわば保険業界の文化祭です。
パネルディスカッションが午前に1つ、午後に2つ。
ホールの外では各種展示ブースがずらりと並びます。

私のブログをご愛読されている皆さんのなかには
保険会社でも企画や財務、経理、リスク管理など
本社の仕事しか経験していないかたも多いと思います。
(私もその一人ですね)。

専門性を考えると無理なローテーション人事には疑問ですが、
他方で本社と現場の距離が大きいと感じることもしばしば。

土曜日の横浜ではありますが、本社系の皆さんにとって
このセミナーは保険流通の世界に触れるいい機会ですので、
ご関心のあるかたはぜひお越し下さい。

ちなみに私が登場するのは午前の部でして、
「募集規制で保険流通はどう変わる」
「これからの保険代理店に求められるものとは」
といったテーマについてディスカッションをします。

パネリストは私のほか、昨年まで金融庁で同僚だった
増島雅和弁護士(当時は保険課の法務担当課長補佐)、
日本損害保険代理業協会の岡部繁樹会長、
保険代理店協議会の堀井計理事長という強力メンバー。

私はともかく、この顔ぶれには期待できそうですね。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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週刊ダイヤの保険特集

3/4発売の週刊ダイヤモンドは保険特集でした。
タイトルは「もう騙されない保険選び」。

私は今回、「注目が集まるERM経営」を寄稿しました。

保険ショップの分析や保険商品ランキングなど、
保険選びに関する記事が大半を占めるなかで、
やや異色の記事に思われたかもしれません
(確かに健全度ランキングの次のほうがよかったかも...^^)。

しかし、保険選びには商品やサービスだけではなく、
保険会社の経営内容も重要な要素です。

本誌の読者であるビジネスパーソン、あるいは、
保険特集を読むであろう保険流通の現場の皆さんに
近年の保険経営のトレンドを知ってもらいたいと思い、
この原稿を書きました。

読者として興味深かったというか、
「主要生保16社の契約者の実態調査」には
つい目が向いてしまいました。

この2月に、死亡保障商品の契約者800人を対象に
インターネットによるアンケート調査を行ったそうです。

例えば「現在加入の保険会社に決めるまでの比較会社数」
をみると、ネット系やネットに強い生保の比較会社数が多く、
営業職員チャネルの生保の比較会社数が少ないという、
イメージ通りの結果が出ていました。

ただし、2社を超えたのはネクスティア生命だけ
(同じくネット系のライフネット生命は1.83社で2位)。
ネット系を除けば、ショップでの販売ウエートが多いと
比較会社数がやや多いかなといった程度ですね。

保険を比べて買うという文化が根付いたとは
まだまだ言えないように感じました。

記事では、比べる会社数が少ない生保について
「下位に沈んだ」と表現しています。
「保険商品選びの鉄則は、複数の会社、そして商品を
比較検討することに尽きる」というのがコンセプトなので、
このような書きぶりも理解できます。

とはいえ、どうなのでしょう。
専属チャネルで保険を提供する会社のビジネスモデルは、
無知で比較もしない顧客に対し、営業トークとブランド力で
割高な保険を提供するというものなのでしょうか。

今の大手生保の現状をどう見るかはさておき、
遺族保障という最も売りにくい「商品」に関しては、
顧客を十分満足させられる専属チャネルモデルが
あるのではないかと思ったりもします。

もっとも、別のアンケートで、加入後の保険会社に対する
イメージについて、「悪くなった」という回答が多かったのは、
やはり比較会社数が少ないほうの会社でした。
不払い問題などが影響しているのかもしれませんが...

 

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TRMAセミナーでスピーチ

 

前回とは違い、今回は事前のご報告です。

東京リスクマネジャー懇談会(TRMA)のセミナー
「保険ERMの現状と課題」で講師を務めます。

日時は2/18(月)18:30から。
場所は六本木ヒルズ11FのSAS社だったと思いますが、
まだTRMAのHPにアップされていないようですね。
とりあえず申し込み画面はこちらです。

→ アップされていました^^ TRMAのHPへ

副題をつけるとするならば、
「金融庁での保険行政経験を踏まえて」でしょうか。

せっかくの機会ですので、
霞が関で勤務していた約2年半に何があって、
どのようなことをしてきたのかなどについて、
可能な範囲でお伝えしたいと考えています。

本当は私のような感じで行ったり来たりする人が
もっと増えたほうがいいのでしょうね。

ということで、ご関心のあるかたはぜひお越し下さい。

※写真左は東横線の渋谷駅です。
 あと1ヵ月でこの風景も見納めですね。

 

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RMSセミナーでスピーチ

 

都合により事後報告ですみません。
リスクモデリング会社のRMS Japanが開催したセミナーで
スピーチをしました(7日)。

RMSのモデルはこのブログでも何回か取り上げています。
同社はAIR、EQECATとともに自然災害リスクのモデルを
提供する世界有数のモデリング会社です。

セミナーには創業者の一人である Hemant Shahさん
(President and CEO)も登場しました。

Hemantさんたちは1988年に米スタンフォード大学でRMSを設立。
最初はわずか5人でスタートしたそうです。
今や1000人以上の専門家を抱え、400以上の保険会社等が
RMSのモデルを活用しているとか。すごいですね。

Hemantさんには初めてお会いしましたが、
気さくでいい感じのかたでした。

私のスピーチですが、

「日本の損害保険業界におけるERMの現状と
 モデル活用状況、行政当局の動向」

というタイトルではあるものの、持ち時間(30分)を考えて、

・保険会社ERMの現状
・保険行政の動向
・自然災害リスクと保険業界

に絞って話をしました。それでも「30分は短いですね」
と数名のかたから言われてしまいました…^^;
もっとテーマを絞ったほうがよかったのかもしれません。

ご参考までに、スピーチで紹介した金融庁委託調査の
報告書はこちらです(2012年7月に公表)。

この報告書は先に挙げた3大モデリング会社の提供する
モデル構造の分析が中心となっています。
実際にモデルを使った分析を行い、モデルごとの特色を
つかもうという試みも行っています。

同じくスピーカーを務めた三井住友海上の伊東さん
(執行役員・商品本部火災新種保険部長)もご指摘のとおり、
近年はモデルの利用範囲が拡大する一方で、
モデルがブラックボックスではだめで、利用者がモデルの
構造を理解することが求められるようになっています。

金融庁が自然災害モデルの委託調査を行ったのも、
まさに同じ流れにあると言えるでしょう。

プレーヤーの皆さんにはこの報告書の情報は
もしかしたら当然のことなのかもしれませんが、
私には大変参考になりました。

ただし、あくまで委託調査であり、再保険ブローカー
(エーオン ベンフィールド ジャパン)による分析という点には
留意が必要ですね。

※写真は横浜です。日揮の本社はこちらにあります。

 

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基調講演を務めました

 

バンクオブニューヨークメロン証券が14日に開催した
「インシュアランス・フォーラム」で基調講演を務めました。

「最近の投資環境の変化とリスク・マネジメント」
というのがフォーラム全体のテーマだったので、
専門分野である保険会社のERMについてスピーチ。

特にリクエストがなかったのでパワポ・レジュメなしで
臨んだものの、会場には大きなスクリーンがあったので、
使ったほうがよかったかもしれませんね。

ということで、少しだけ中身についてご紹介しますと、
30分間で次のような話をしました。

・保険会社のERM・リスク管理態勢に対する
 保険行政や格付会社の関心は年々高まっている
 (これは両方の経験者として実感しているところです)

・ERMと従来型リスク管理の違い

・保険会社ERMの現状について
 進んだ会社とそうでない会社では違いが生じている?

30分のスピーチは、聞き手のときはそれなりに長いですが、
話し手としては非常に短く感じます。
内容を盛り込み過ぎて失敗することが多いので、
今回はかなり絞って話をしてみました。

フォーラムは私のスピーチの後、講演、プレゼンテーション、
パネルディスカッション(=私もパネリストとして再登場)と続き、
最後にワインテイスティングがありました。

※会場は東京駅(写真)に隣接したホテルでした。

 

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「経営なき破綻」の英訳版

 

1990年代後半から2000年代初頭にかけて起きた
中堅生保の相次ぐ経営破綻を扱った拙著
「経営なき破綻 平成生保危機の真実」
の英訳版が誕生しました。

海外で自分の研究内容について紹介した際などに、
しばしば「論文の英語版はないの?」という問い合わせを
いただいていたこともあり、大変ありがたく思っています。

中堅生保の相次ぐ経営破綻には、バブル崩壊後の
日本の厳しい経済環境が影響したことは否定できません。

しかし、個別事例を詳細に検証した結果、破綻に至るには
ビジネスモデルや経営者、経営組織といった会社固有の
内的要因が重要な意味を持っていたことが浮き彫りになりました。

おそらくこれは日本の生保業界に特有の話ではなく、
海外でも参考になる普遍的なものを含んでいると思います。

ご関心のあるかたは、公益財団法人アジア生命保険振興センター
までお問い合わせ下さい。

※写真の水上マーケットはAmphawa(アムパワー)です。
 運河に面して発達した町で、いまは地元で人気の観光地とか。
 バンコクから車で2時間くらいでした。

 

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保険経済価値規制の是非

 

週刊金融財政事情の4/18号の特集は
「保険経済価値規制の是非を問う」です。
自分が登場しているので、ご紹介だけさせていただきます。

「市場整合的な保険負債の評価は規制、開示になじむか」
というタイトルがついた座談会では、経済価値評価に基づく
保険会社のソルベンシー規制やリスク管理、開示について、
様々な論点が挙げられています。

出席者は日本生命のアクチュアリー、ソニー生命と東京海上の
リスクマネジャー、および監督当局という顔ぶれ。

ちなみに、他の媒体では、それぞれにインタビューを行い、
それを座談会形式に構成して掲載することもあると聞きますが、
実際にきんざいの会議室で座談会を行い、そのエッセンスが
掲載されています。

座談会のほかには、

「経済価値ベース規制の流れを理解するために」
(キャピタスコンサルティングの森本祐司さん)

「生保経営におけるMCEV開示の意義」
(ソニー生命の花津谷徹さん)

「保険会社に対する健全性規制の最近の動向」
(後半に保険会社のERMについて私も書いています)

といった論文が載っています。

なお、今ならきんざいのHPで全文が確認できます
(21日まで。大震災に伴うサービスです)。ご参考まで。
きんざいHPへ

※地元・大倉山ではここの桜が一番気に入っています
 (写真は10日です)。

 

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卒業

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卒業シーズンですね。
わが家でも息子が中学を卒業し、高校に入ります。
第一志望ではないとはいえ、めげずに頑張ってほしいです。

実は私も13年近く勤めた会社を卒業することになりました。
保険の世界から足を洗うわけではありませんが、
4月からはこれまでとやや違ったところから
保険業界や保険会社を見ていくことになります。

感無量と言いたいところですが、ぎりぎりまで業務をこなし、
ようやく今週になってバタバタと引き継ぎを行っています。
あと1日で片付くのか、かなり怪しくなってきました...

とはいえ、これまで多くのかたにお世話になり、
感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。m(_ _)m

なお、今のところブログは続けるつもりでいます
(あくまで個人的な「趣味」ということになるのでしょうか)。

 

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インタビュー記事のご紹介

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2月に私のインタビュー記事が2紙で掲載されました。

一つめは2/18(木)の保険毎日新聞です。
新春特別企画「『保険自由化』を振り返る」の第13回でした。

インタビューの骨子は次の通りです。

・自由化で変わったことは、①健全性を確保する枠組み、
 ②経営の多様化が進んだこと

・消費者にとって商品や購入ルートの選択肢が広がったが、
 多様化した商品をどうやって比較検討して購入したらいいか、
 その情報が欠けている

・保険会社は自らの財務基盤を将来にわたって安定させるために、
 リスク管理の実効性をどう高めるかが求められている

・生損保とも戦後中核としてきたマーケットが日本社会の変容とともに
 行き詰まりを見せており、保険市場の変化に対応したビジネスモデルの
 再構築が課題になっている

実のところ他のかたのインタビューを読んでいないので、
企画の全体像はよくわかっていません。

もう一つは2/22(月)のフジサンケイ・ビジネスアイです。
「生保陣取り合戦 第2幕」という特集記事のなかで、
私のインタビュー記事が載っています。

こちらも簡単にご紹介しましょう。

・金融危機で国内生保が有利になったというより、
 やっと同じ土俵での勝負が始まった

・差別化を図るために、外資は新たな販売チャネルの開拓や
 独自のビジネスモデルを作り上げた。結果的に、
 既存のやり方に固執する国内生保は外資にシェア拡大を許した

・新規契約が取れないからといって、ただちに経営危機に陥る会社が
 あるわけではないが、だからといって、このままでいいわけではない。
 外資にしても、いつまでもあぐらをかいていられるわけではない

・国内、外資にかかわらず、いかにニーズをとらえるかが
 本当の意味で問われる時代がきている

2月は他にもいくつか取材を受けているのですが、
一番多かったのは第一生命の株式会社化・上場に関するものでした。
ただ、残念ながら私は株式アナリストではないので、
あまりお役に立てなかったかもしれません。

※広島風お好み焼きは出前もできるのですね。
 ちょっとびっくりしました。

 

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「不良債権と金融危機」

またまた本の紹介です。今回は私が関わっているものです。

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内閣府・経済社会総合研究所が企画した研究会
(私たちは「バブル・デフレ研」と呼んでいました)
の成果を書籍にまとめたものが、年末に出版されました。

慶応大学出版会HPからそのまま引用すると、

「バブルの発生から崩壊、その後のデフレとその克服への対応。
 1980年代からの四半世紀日本経済の経済動向と経済政策を、
 様々な視点から点検・評価する。わが国を代表する研究者、
 官民エコノミストの総力を結集し貴重な反省・教訓を後世に伝える
 画期的研究シリーズ全7巻」

ということで、

本書「不良債権と金融危機」はその第4巻となります。

私は第6章「生命保険会社の経営悪化」を執筆しました。

この本だけでも13人が執筆し、488ページのボリュームです。
全部で7巻あり、それぞれに名だたる学者やエコノミストなどが
バブル・デフレ期の日本経済についての論文を寄せています。

しかも、各々の論文を単にまとめただけではなく、
分科会ごとに発表&議論の機会があり、それを反映させています
(当たり前かもしれませんが、念のため)。

それにしてもこの出版不況の折に、よく本になったなあと思います。
このあたりの事情は全くわかりません。
でも、研究の成果が本になるのとならないのとでは
やはり違いますよね。

多くのかたに読んでもらうといった性格の本ではありませんが
(アマゾンで買っても5040円です)、バブル・デフレ期の金融について
研究者等の視点から論じた貴重な書籍となっていますので、
機会がありましたらぜひご覧下さい。

 

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