経済同友会の櫻田代表幹事(SOMPOホールディングス社長)の「10万円給付を電子マネーで」が格好の炎上ネタとなってしまいました。
今回の施策の緊急性と電子マネーの普及度合いを踏まえると、さすがに今の日本では無理でしょう。ただ、世間の反応を見ると、まだまだ電子マネーは「お金」とはみなされていないのですね。
「条件付きで30万円給付」は困っている方々への生活支援という目的が明確でしたが、「一律に10万円給付」となるとどうでしょう。もちろん生活に苦しい方々への助けにもなりますし、総額も増えるのですが、今のところ1回限りの10万円ですよね。本当に困っている方々への生活支援としては不十分ですし、むしろ「10万円渡すから政府に協力してくださいね」というお見舞金の性格が強まったように思います。
米国金利の低下
さて、このところ米国の長期金利がかなり低くなっています。10年国債利回りは0.6%程度、30年が1.2%程度と、見たこともないような低水準です。
(ちなみに日本の10年国債利回りはほぼ0%、30年は0.5%程度です)。
ここまで金利が下がると、米国の生保経営にも影響がありそうです。
格付会社ムーディーズは4月1日に、米国生保業界のアウトルックをネガティブに変更しました。低金利と新型コロナウイルスによる影響を懸念しているためです。
ムーディーズのサイトへ
厳しい経営環境
米国生保といってもビジネスモデルは多種多様ですが、伝統的な利率保証型の商品を中心に提供している会社では、公社債によるマッチング型ALMを行い、金利リスクをヘッジするのが一般的です。一般勘定での株式保有は少なく、市場リスクではなく、主に信用リスクで運用収益の確保を目指します。
しかし、景気低迷で公社債のデフォルトが相次ぐようになれば話は別ですし、そもそも超低金利下でマッチングや最低保証のヘッジが有効に機能しているかという心配もあります(GMWBなど大丈夫なのでしょうか)。
もちろん商品開発での制約も大きいですし、新型コロナで対面販売もままならないでしょう。
日本の生保を取り巻く経営環境も非常に厳しいですが、超低金利は今に始まった事象ではありませんし、危険差益を獲得しやすい保障性商品を主力にしているため、新たな時代に合ったビジネスモデルの見直しに力を注げるのではないでしょうか。
※近くの公園で春を感じてきました。
※いつものように個人的なコメントということでお願いします。
ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。