国内系生保の4-9月期決算が出そろったので、資産運用の動向をざっと確認してみました。
経済価値ベースのソルベンシー規制導入が見えてきたなかで、何か変化が見られるでしょうか。
金利リスク
ソルベンシーマージン比率が経済価値ベースになると、これまでほとんど反映されていなかった金利リスク(資産および負債)が反映されるようになります。
10年超の国内公社債や責任準備金対応債券の残高などを確認したところ、次のように分類できました。
増加が続く:日本、太陽、大同、ソニー
増加に転じた:第一、明治安田
減少が続く:住友、朝日、富国
概ね横ばい:大樹
リスクの現状も支払余力の状況も会社によって違うということを踏まえたうえで、金利リスクへの対応状況にはバラつきがあるとわかります。
金利以外の市場リスク
一方、この半年の国内株式(取得原価)の動きを確認したところ、次のとおりでした。
増加傾向:住友、朝日、太陽、富国
減少傾向:日本、第一、明治安田、大樹、大同
その他:ソニー(ほぼ保有せず)
外国公社債についても同じように取得原価を確認してみました。
増加傾向:第一、住友、富国、ソニー(外貨建て負債見合いとみられる)
減少傾向:日本、明治安田、朝日、大同
ほぼ横ばい:大樹、太陽
こうしてみると、全般的にリスク抑制を強めている会社もあれば、リスクをとる方向で動いている会社、金利リスクを抑制し、他の市場リスクを増やしている会社など、現時点ではリスクテイクの姿勢に個別性が強まっているようです。
なお、信用リスクなど、他の資産運用リスクについても確認したいのですが、上場会社のような追加的な開示がないと、分析が難しそうです。
※写真は筑前の小京都・秋月です。