損保大手、「直販」で攻勢

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3/5(木)日経にコメントが出ました。
「直販保険」市場が急拡大しているという記事の中で、
「数年後には同比率が二ケタ台に乗るだろう」というものです。

同比率とは、個人向け自動車保険に占める直販比率で、
08年度に8%を超える見通しとのこと。

記事では、大手参入や景気悪化に伴う消費者の節約志向
が挙げられていますが、加えて不払い問題などの影響で、
商品のシンプル化が進んでいくことも通販には追い風でしょう。

ただ、通販会社といっても経営戦略はかなり異なるようですね。
ダイレクトマーケティングの自動車保険で伸びている会社は
ごく一部なのではないでしょうか。

 

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AIGへの追加支援

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この件で数社から取材を受けました。
このうち表に出たのは次の二つです。

3日の産経新聞にアリコの売却について、
「じっくりと交渉することになるのでは」との見方が多い
というコメントが出ました。

投げ売りするよりいいという米政府の判断ですが、
会社価値をどう維持するかが課題となります。

もう一つはテレビです。
夜11時からのテレビ東京・ワールドビジネスサテライトで
アリコの契約者がどうなるかについてのコメントをしました。

記憶が定かではありませんが、
「破綻ではないので保険金が削減されたりはしない」
「政府がずっと経営するのではなく、将来は株主が変わる」
などとコメントしたように思います。

NY連銀からの借入をアリコとAIAの優先株で返済する
というスキームには驚きですが、同時に今回の支援策では、
損保事業についても手をつけることになりました。

契約者にとって破綻リスクは小さくなりましたが、
グループは解体に向かっていると言えそうです。

※写真は鶴見川河口近くの「貝殻浜」です。

 

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週末の日経新聞にびっくり

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この週末だけなのかどうかわかりませんが、
びっくりしたことが二つ。

まず、土曜日の夕刊が8ページしかなかった。
大きな紙が2枚だけです。これにはびっくり。
広告が集まらないということなんでしょうか。

日曜日の朝刊にも驚きました。
求人広告(=中途採用)が極端に少ないのです。
ご存じの通り、いつもなら1、2ページあって、
私は景気のバロメーターとしても使ってきました。
ところが、今日は独立した紙面ではなく、
俳句欄やスポーツ面の下にちょっとだけ。

それぞれ特別な事情があるのかもしれませんが、
10年前の不況時には見られなかった現象です。

 

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日米欧保険会社の決算

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日米欧の保険会社の決算が概ね出揃いました(日本は4-12月期)。
米国ではハートフォードとプルデンシャルが2四半期連続で赤字、
メットライフやアフラックは黒字ですが、多額の含み損を抱えています。
欧州勢も、アクサは下半期が赤字。アリアンツやINGは通期で赤字でした。

10年前の日本の「生保危機」は国内生保の一人負けだったため、
外資系や損保系には追い風でした。
今回は欧米勢の厳しさが目立つので、外資系には逆風となっています。

経営悪化の中身は日本勢と欧米勢ではかなり違うようです。
日本勢では保有株式の価格が下落した影響が大きいのに対し、
欧米勢では不動産関連投融資の悪化や企業等の信用スプレッド拡大、
あるいは変額年金事業(主に米国)の赤字が業績を圧迫しています。

確かに、高格付け債券の価格がここまで下がってしまうとは、
おそらく誰も想像できなかったでしょう。
他方、日本勢の株式保有リスクはある意味わかっていた話なので、
非常に残念です。

あとはAIGの決算ですね。
政府の対応を含め、来週の発表(たぶん)に注目です。

 

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損保総研でスピーチします

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3/5(木)18:00から損保総研でスピーチします。
タイトルは「金融危機と今後の保険業界」です。

損害保険特別講座へのリンク

参考テキストとして拙著「経営なき破綻」があがっていますが、
話の中心は先に発表された12月決算を踏まえた経営分析です。
生保だけではなく、損保の決算分析も予定しています。

しかし、ここまで株価が下がると、12月の水準が高く見えてしまいますね。

 

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期末テスト

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息子(中2)のテスト勉強に付き合いました。
課目は保健体育です。

今回のテスト範囲に「傷害の現状と原因」というのがありました。
「傷害は人的要因と環境要因がかかわり合って起こります」
「人的要因の対策は、①危険への知識、②状況の判断です」
「環境要因の対策は、危険な物や場所の点検・整備・改善です」
などと教科書に書いてあります。

これって、大学の保険論で学ぶ「リスクマネジメント」ですよね。
大学では「リスクの認識、回避、軽減、移転」などと
もう少し体系的に話をしますが、中学の保健体育でも
似たようなことを勉強するのですね。
さすがに保険は出てきませんでしたが…

 

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生保12月期決算の記事

ある保険評論家のかたが、朝日新聞の生保12月期決算(業績報告)記事を
酷評したという噂を耳にしたので、私も14日の新聞6紙を比べてみました。

各紙が取り上げた指標は次の通りです。

 日経=最終損益、有価証券評価損、有価証券含み損益、SMR
 朝日=最終損益、金融危機関連費用、準備金取り崩し額、実質純資産
 毎日=最終損益、有価証券含み損益、SMR
 読売=最終損益、有価証券評価損、保険料等収入
 東京=基礎利益、経常利益、SMR、保険料等収入、新契約ANP
 産経=最終損益、SMR

※SMRはソルベンシー・マージン比率、ANPは年換算保険料、
 金融危機関連費用はキャピタル損益+変額年金の最低保証費用

今回の注目点は、当然ながら金融危機の影響です。
株安や円高、信用スプレッド拡大は「実現損」と「含み損益の悪化」
として表れるので、私は「最終損益」と「SMRまたは実質純資産」
という組み合わせが妥当かと思います。

SMRなのか実質純資産なのかは、大きな問題ではありません。
私だったらSMRを採用しますが、SMR=550%の大和生命が
半年後に破綻したことを考えると、実質純資産を選ぶ気持ちもわかります。
ただ、実質純資産は絶対額なので、相対評価ができないのが弱点です
(大手しか開示していないという弱点もあります)。

この組み合わせ以外だったのは読売と東京ですが、
読売は図表では「実現損」だけとはいえ、記事ではSMRに触れています。
他方、東京は基礎利益と経常利益なので、損益については「実現損」ではなく
金融危機の影響とは別のことを示したかったのでしょう
(経常利益を示した理由はわかりませんが…)。

あとは各紙の個性だと思うので、朝日新聞がなぜ酷評されたのか
私にはわかりません。
「わかりにくい」「凝りすぎ」という意見もあるでしょうけど、
「読者に何とか実態を伝えよう」という気持ちが私には感じられました
(成功しているかどうかはともかく)。

そういう自分だったら何を選ぶか、ですが、
最終損益、SMR、有価証券含み損益に加え、加工した指標を出そうと思います。

例えば、「純資産の部」「危険準備金&価格変動準備金」が
どれだけ減ったのかを見ると、金融危機の影響がよくわかります。
注として増資についてコメントが必要かもしれませんね。
絶対額だけではなく、SMRのリスク合計額で相対化するのが
いいかもしれません。

なんてことを一般紙ですると、酷評されそうですね…

 

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財務・金融担当相が辞意を表明

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「ろれつ」問題で中川昭一財務・金融担当相が辞意を表明しましたね。
政策の中身ではなく、こんなことで海外から低くみられるなんて、
本当に罪な大臣です。

もっとも、こちらは日経新聞ですが、
「(鳩山)総務相は『不透明にやってきたことを、なんとか認めてくれと
 言っているようにしか読めない』『これは入札ではない」と酷評したが、
 中身については『膨大すぎてまだ何も見ていない』とも話し(後略)」
という記事もありますね。がっかり。

ところで、けさの朝日新聞(1面)を見ていて気になったのが、
「ただ、中川氏はこの昼食会後(中略)ホテル内で財務省幹部や
 一部記者と会食をしている」
というところです。

当初は「アルコールを飲んでいない」と否定した後に、一転して
この席での飲酒を認めた、いわば「疑惑の会食」なのですが、
記事が正しいとすれば、この会食に同席していた「記者」は、
自分のメディアでこの会食について報道したのでしょうか。

アナリストもそうですが、取材(調査)対象との距離をどうとるかは
非常に悩ましい問題です。
ただ、「誰のために情報を発信しているのか」というところが
やはり基本なのでしょうね。

※写真は大倉山公園の梅林です。今が見ごろです。

 

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テレビ東京「NEWS FINE」に登場します

明日(16日)15:35からのニュース番組に登場予定です。
テーマは「損害保険業界」。
先週末に発表された4-12月期決算と3社統合計画が
話の中心になると思います。

NEWS FINEのHPへ

その4-12月期決算ですが、情報が限られているので
分析するのが結構大変です。
おまけに発表が13日午後に集中した(生損保とも)ので、
しばらくパニック状態でした。

今回の開示内容には不満が残りました。
例えば、9月以降の金融危機で保険会社の健全性に
関心が集まっているにもかかわらず、損保各社は
ソルベンシー・マージン比率やその内訳を公表していません
(この点、生保では一部の会社を除き、公表しています)。

有価証券の含み損益も連結ベースだけですし、
外貨建資産の残高もヘッジポジションもわかりません。

販売面では、自賠責保険の大幅値下げの影響を除いて
分析したいのですが、どうしても推計に頼らざるを得ません。
もっとも、生保は「前年同期比」がなく、単に当期の数字を
出しただけという会社が大半でした。これはひどい。

どうせ公表するのであれば、単にルールに従うだけではなく、
もう少し利用者のことを考えて出してほしいです。

 

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秒読み

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いよいよ生損保の4-12月期決算が2/12、13に発表となります。
他の業界と違い、この二日間に集中しているのはなぜでしょうね。

10日の日経にコメントが載りました。
「三井生命、朝日生命、1000億円規模の最終赤字、株などで評価損」
という記事のなかで、

「(2001-03年)当時と比べて逆ざや負担も減り、契約者の解約も少ない。
 生保危機のような状況ではない」

というコメントです。

もちろん、資産価格下落の影響は決して小さくないとは思いますので、
「生保危機」ではないにせよ、今回の決算内容や期末に向けた対応を
注意してみていくつもりです。

※写真は旧奈良駅舎です。

 

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