inswatch Vol.1028(2020.4.13)に寄稿した記事のご紹介です。
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4月から東京を離れ、福岡市にある福岡大学商学部で研究および教育活動を行うことになりました。主に「保険論」「リスクマネジメント論」の講義を受け持ちます。キャピタスコンサルティングにも非常勤として残るので、福岡と東京の二重生活となる予定です。
とはいえ、福岡にも非常事態宣言が出され、東京に戻るどころか、大学への立ち入りも原則として禁止です。新生活のスタートがこのようなものになるとは全く予想していませんでしたが、ネット環境が快適とは言えないまでも、何とかこちら(福岡の自宅)で仕事をできるようにはなりました。IT技術の進展はありがたいです。
昨年度決算はそれほど深刻なものではなさそう
さて、本年度もしばらく生保経営に関する話を続けることにしましょう。
4月となり、保険会社では昨年度決算の取りまとめが行われているところです。非常事態宣言が出るようななかで、作業は例年よりも大変だと思いますが、おそらく保険引受面での影響はほとんどありません(インフルエンザの発生が少なかったというプラス要因もあります)。
2月下旬からの株価急落には肝を冷やしましたが、通期で見れば、株価指数は10%程度の下落にとどまりました。主要通貨も豪ドルを除き、総じてやや円高といった程度なので、ソルベンシーマージン比率などの健全性指標がひどく悪化するようなことはなさそうです。
景気低迷による保険需要の減退
もちろん、今後の金融市場の動きは予断を許しませんし、日本銀行がマイナス金利の深掘りをしてしまい、超長期金利の水準が一段と下がるという悪夢のシナリオも否定はできません。
とはいえ、金融市場の急激な変動はリーマンショックで経験済みですし、海外事例を見ても、新型コロナの死亡者数が日本全体で数十万人に達するとは考えにくく(保険会社はその程度のシナリオまで想定して経営しています)、今のところ財務面の心配はそれほどしなくても大丈夫かと思います。
これに対し、営業面には深刻な影響が出るかもしれません。
パンデミックの発生が特定地域ではないため、ほぼ全国で営業活動に支障があります。会社専属の営業職員チャネルを主力とする会社でも、独立チャネルを中心に展開する会社でも、対面販売ができないのは非常に厳しく、事態がいかに早く収束に向かうかにかかっています。
新型コロナが人々の行動を変える
もし事態が収束に向かったとしても、単にそれ以前の状態に戻るということはないと思います。
2011年に発生した東日本大震災の後、対面販売チャネル、とりわけ顧客のもとに足を運ぶ訪問販売が再評価されました。ネット生保の苦戦もそのようななかで起きました。
今回はどうでしょうか。新型コロナの感染者数が頭打ちになっても、顧客が来訪者を気軽に受け入れるには、よほど親しくないかぎり、相当な時間を要するかもしれません。
ネット環境も一段と身近なものとなります。半ば強制的にとはいえ、テレワークやオンライン会議が日常となった顧客が、保障を得たいと思ったときに、どのようなチャネルを選ぶでしょうか(単純にネット生保に移行するということではないかもしれませんが)。
東日本大震災の後で人々の行動が変化したように、ポスト新型コロナの世界でも、人々の行動が変わることは間違いなさそうですし、それに応じたビジネスモデルの見直しが求められることでしょう。
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※週末にミートソースを作りました。
30分以上も煮込んだ力作(?)です。
※いつものように個人的なコメントということでお願いします。
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