この週末(10月30日)、RIS(全国学生保険学ゼミナール)の中間報告にあたる「九州ブロックリスクマネジメントゼミ報告会」があり、九州にある3大学の学生(8グループ)が研究成果を報告しました。
中間段階ではありますが、研究の方向性が見えているグループもあれば、まだ着地点が見えないグループもあり、あと1か月でどこまでたどり着けるかですね。参加した学生にとって今回の報告会がいい刺激になればいいのですが。
「生保・損保特集」
先週発売の臨時増刊『生保・損保特集』を読みました。今年の特集は「保険会社のSDGs」ということで、大手生損保がSDGsにこのように向き合っていますというレポートと、保険会社のトップインタビュー(22社のうち10社は2ページ、12社は1ページ)が中心です。私のような業界人ではない一般読者には正直あまり面白くないのですが、トップが出ると雑誌が売れるのかもしれません。
それでも今回は読んで面白い記事があるほうだったと思います(個人の感想です)。
・「金融サービス仲介業」期待と不安の船出
・乱立する「就業不能保険」 難解な商品を徹底解剖
・自動運転社会の到来と損保ビジネスの変化
いずれも外部の専門家によるもので、旬のテーマを取り扱っています。
私にとって読んで面白い記事とは、旬のテーマだから、読んで新しい知識が得られるからではありません。そのテーマに関する筆者の考察が示されていて、いわば筆者と対話ができるような記事です。「A社は○○を新設し、××を行った」「B社は○○を設定し、××に取り組んでいる」という紹介だけでは対話のしようがありません。
例えば「乱立する『就業不能保険』」では、開発ラッシュ状態にある就業不能保険の全体像を詳細に示した労作で、働けないリスクへの関心が高まっていることが伝わってくる一方、これだけバリエーションが多いと消費者は選びようがないという状態に陥っていることがよくわかりました。筆者の森田さんは「これほどまでに商品を複雑化することが、はたして『顧客本位』と言えるのだろうか」と疑問を呈していて、確かに何らかの環境整備が必要ではないかと思えます。
「自動運転社会の到来と損保ビジネスの変化」では、自動運転が普及すると自動車保険市場が縮小するという通説に反し、筆者の八幡さん(東京海上日動)は、マーケットの縮小は緩やかなものとなるだろうし、新たな移動サービスに関する補償や自動運転に伴う新たなリスクへの対応など、これまでになかった役割もあると主張しています。新たな役割がビジネスとしてどの程度有望なのかによるとはいえ、保険会社が自動運転をはじめとした移動サービスに積極的に関わろうとしているのは確かで、将来に向けた経営の意思を感じます。
売れなければ特集号を出し続けることができないという事情を理解したうえで、来年以降も読んで面白い記事が多く掲載されることを期待したいです。
※大宰府を守る水城の跡にコスモス畑がありました。
※いつものように個人的なコメントということでお願いします。
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