今年は日本とポーランドが国交を樹立してからちょうど100年ということで(?)、首都ワルシャワや古都クラクフなどを訪れました。
ポーランドの歴史
ポーランドはあまりなじみがない国かもしれませんが、壮絶な歴史を持っています。
15~17世紀は東欧の大国でした。しかし、国力が弱まった18世紀には領地拡大を目指すロシア、オーストリア、プロイセンの3国により分割されてしまい(いわゆる「ポーランド分割」です)、1795年から第一次世界大戦が終わるまでポーランドという国はありませんでした。
その後、独立を果たしてからわずか20年ほどで、1939年にドイツによるポーランド侵攻で第二次世界大戦がはじまり、ポーランドはドイツとソ連に分割・占領されてしまいます。
終戦後、ポーランドという国は復活しますが、スターリンが率いるソ連の衛星国家としてであって、民主化の達成は1989年になってからです
(ちょうど30年前ですね)。
ワルシャワ蜂起
首都ワルシャワの旧市街は世界遺産として登録され、大勢の観光客でにぎわっています。ここは、第二次世界大戦でナチスドイツにより徹底的に破壊された町並みを、戦後ポーランド人が以前の姿を忠実に復元したものです。
町が徹底的に破壊されたのは、1944年のワルシャワ蜂起の失敗によります。ドイツの敗色が強まったとみたポーランドの抵抗勢力が1944年8月に蜂起したものの、ワルシャワの対岸まで来ていたソ連軍は動かず、西側勢力による支援も得られませんでした。蜂起勢力は2か月後にドイツ軍に鎮圧され、ワルシャワの町は報復として徹底的に破壊されてしまったのです。
このワルシャワ蜂起をテーマにした博物館に行ったのですが、現実の厳しさ、冷酷さに圧倒されました。
ワルシャワ蜂起を「無謀な試み」「指導者による情勢の読み間違い」と言うのは簡単です。ただ、独裁者スターリンの率いるソ連はナチスドイツから単にポーランドを解放するのではなく、支配下に置くことを念頭においていたので、ポーランドの独立勢力が、このままでは支配者がナチスドイツからスターリンに変わるだけだと考えて蜂起に動いたのも理解できます。
その後、廃墟となったワルシャワに進軍したソ連は、ワルシャワ蜂起で活躍したポーランド人を逮捕し、処分しています。
博物館には若いポーランド人がたくさん訪れていました。
※いつものように個人的なコメントということでお願いします。
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