前回に続いてミャンマーの話です。
保険市場は黎明期
新聞報道によると、年明け早々にミャンマー政府が保険分野への外資企業の参入を認めると発表したそうです。
ミャンマーでは2012年まで国営の保険事業が市場を独占し、その後民間にも開放されたものの、外資の参入は例外(日系3社がティラワ経済特区限定の免許を取得)を除き、認められてきませんでした。
しかし、ミャンマーの人口(5000万人超)に比して保険市場の規模は非常に小さく、1人あたりGDPが同じような水準にあるカンボジアやラオスよりも普及率が低いようなので、外資導入によりテコ入れを図ろうとしているのだと考えられます。
ちなみに、スイス再保険の統計でミャンマーは調査対象外となっていますが、2017年から2018年にかけてミャンマー政府の保険アドバイザーを務めていたJICA齊藤氏(金融庁から派遣)のレポート(PDF)を読むと、これは規模の問題というよりは、統計が整備されていないためだと思いました。
レポートによると、保険監督に従事する職員は少なく、生保の責任準備金は直近年度の純保険料収入の10%といったもので、ソルベンシー規制は存在せず、保険会社には保険数理人が存在しないといった状況のようです。
※中央郵便局で見かけました
慢性的な交通渋滞
自動車保険もまだまだ普及していない状況ではありますが、ヤンゴンの市内はすでに自動車であふれていました。渋滞は東南アジアでも有数とのことで、ガイドブックにも「日中~夜は渋滞がひどい」なんて書いてあります(渋滞しないのは早朝と深夜だけという意味なのでしょう)。
人口が700万人を超える都市で、東京や大阪のような鉄道網がほとんど整備されておらず、南北を結ぶ幹線道路も見たところ2つしかないのですから、モータリゼーションが進めば慢性的な渋滞となるのは必然かもしれません。
町で見かける車の大半は日本車でした。
ミャンマーは右側通行の国なのに、走っているのは右ハンドルの日本の中古車ばかり。日本の中古車といえばロシアのウラジオストクを思い浮かべますが、2012年ころからミャンマーに向かったのですね。結果として、日本の中古車が渋滞を引き起こしているということになります。
ただし、昨年から右ハンドル輸入規制が入り、数年後には左ハンドルの車が優勢になっているかもしれません。バスについては、日本の中古バスが活躍していたのは昔の話で、ヤンゴンではすでに左ハンドルのバスに切り替わっていました。
なお、東南アジアの他の都市と違い、ヤンゴンではバイクが走っていません。バイクの走行が禁止されているとのことで、地方に行けばバイク天国なのかもしれません(未確認です)。
※環状線はリニューアル工事中でした
中国とインド
ミャンマーを地図で見ると、北東は中国と接し、北西はインドと接していることがわかります。これが端的に現れているのが食文化です。
ミャンマーの典型的な料理といえば、いわゆる「カレー」なのですね。私も滞在中、何回かカレー料理を食べました。
同時に麺料理も豊富です。朝食の定番はモヒンガーというスープ麺ですし、シャン族の料理店で食べた麺はあっさりしていて、日本にもありそうな味わいでした。
この地理的条件は、おそらく今後の経済発展にも影響してくるのでしょう。
※ホテルで食べたモヒンガーです