05. 金融・経済全般

海南島の不動産バブル

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テレビでニュースを観ていたら、中国・海南島の
不動産バブルについて報じていました。

中国最南端で「中国のハワイ」と言われる(?)海南島の
リゾート開発に投資資金が殺到し、不動産価格が急騰。
マンションの販売価格が1か月で2倍になったそうです。

2年前にたまたま国際会議で海南島を訪れた際、
何とも不思議なところだなあと感じました。

冬でも暖かい(ただし、泳ぐのは厳しいかも)ので
各種の会議が開かれるところのようですが、
日本の高度成長期のようなインフラ整備が進む姿と
道路を牛車が横切るのんびりした姿が同居していたうえ、
海岸沿いにはリゾートマンションが立ち並んでいました。

地元のガイドさんにく聞くと、リゾートマンションの大半は
上海などのお金持ちの中国人が買っているという話でした。

ただ、写真のようにビーチはきれいでしたが、
ハワイや沖縄というよりは、やはり中国を感じました。

ホテルの1Fにあるクラブでは夜中まで音楽がガンガンかかるし、
とてもリゾート気分を味わうような雰囲気ではありませんでした
(まあ、もともと仕事で行ったのですが)。
観光やショッピングのできる場所もほとんどなかったようです。

米国の不動産バブルの傷が癒えないなかで、
早くも今度は中国の不動産バブルが崩壊寸前とは。
背筋が寒くなります。

 

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有楽町西武の閉店

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有楽町西武の閉店が話題になっています。
有楽町マリオンの登場は当時の銀座・有楽町界隈の
雰囲気を変えたと思いますし、待ち合わせ場所としては
超有名スポットだけに、閉店が話題になるのも無理はありません。

開業から今まで一度も黒字になったことがなかったそうですが、
考えてみれば、私もマリオンで待ち合わせをしたり、
映画を観たりはしても、西武で買い物した記憶は全くありません^^

ところで、この件を扱った日経流通新聞のコラム
「マーケティングの『非・常識』」(2/5)はなかなか面白かったです。

「百貨店はリスクを背負わない。売れ残ったら、
 問屋さんに返品すればいい業態」
「百貨店の人は百貨店以外にいいビジネスはないと思い込んでいる」
「(これらがネックとなり)脱百貨店をはかることができない」

このような説得力のある見立てをしているのが、
かつてグループを率いた堤清二氏(筆名は辻井喬氏)
というのを興味深く感じました。
つまり、有楽町西武だけの問題ではないということです。

かつて成功した業態がビジネスモデルや体質を変えるのは
そう簡単ではないということなのでしょう。

※写真は丸の内仲通りの夜景です。
 丸の内は新しい建物が次々にできていますね。

 

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今や監督当局が味方

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日経ビジネス2010年2月8日号に掲載された
野村ホールディングスの氏家純一会長インタビューから。

「悪用された部分や金融システムのほころびは規制されるべきで
 異論はない。実際、バーゼル銀行監督委員会やFSBが、
 技術的で合理的な議論を丁寧に積み重ねてきた」

「これらの成果をひっくり返すかのように、政治主導で突然、
 新たな規制が出来上がることに強い危機感を抱く」

「監督当局とは課題をしっかり議論できるが、残念ながら
 政治家に理解してもらうのは難しい。
 その意味で、今や監督当局はむしろ我々の味方だと、
 世界の金融機関トップは認識し始めている」

「規制する側とされる側が接近するということは、
 逆に言えば、それだけ状況が悪いということだ」

日本の「政治主導」はやや違う方向に向かっているようですが、
氏家さんの危機感はよくわかります。

※写真と記事の内容は特段関係ありません。念のため。

 

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大都市圏への人口流入鈍る

2009年の総務省人口移動報告によると、
大都市圏への人口集中にブレーキがかかりました。

総務省統計局HPへ

新聞では名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)が転入超過から
転出超過になったことを大きく取り上げています。
愛知県では2008年12月~09年2月、7~12月が転出超過となりました。

東京都でも2008年秋から転入超過数の減少が強まり、
2009年後半は転出超過傾向となっているようです。
リーマンショック後の景気低迷の影響を反映しているのでしょう。

ただ、全体的な移動者数が減っているとはいえ、
東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への人口集中
というトレンドに変化が起きたと言えるかどうか。

2009年に3大都市圏以外で転入超過だったのは
茨城県(実質的に東京圏?)、滋賀県、福岡県、沖縄県だけで、
地方圏での人口流出傾向は変わっていないようです。

 

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JALが更生法申請

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日本航空がついに会社更生法の適用を申請しました。
今後は企業再生支援機構をスポンサーとして再建を図ります。

支援機構の試算によると、2010/3末で8676億円の債務超過(見込み)。
金融機関の債権削減と支援機構による出資で債務超過を解消し、
路線整理や人員削減などのリストラを進め、再建を目指すとのことです。
株式は100%減資。貸付金は最大83%削減です(社債は不明)。

世界的に見れば、大手航空会社の破綻は珍しくありません。
米国では91年のパンアメリカン、02年のユナイテッド、
05年にはデルタとノースウェストなど多くの事例があります。
欧州でもスイス航空(02年)やサベナ・ベルギー航空(02年)、
アリタリア航空(08年)などの例が挙げられます。

JALの場合、破綻の直接の要因は近年の燃料価格高騰と
国際競争の激化、そして金融危機後の景気低迷なのでしょう。

しかし、国際線の競争は激しいとはいえ、国内線は実質2社独占です。
国内航空需要は緩やかながら増加傾向が続いてきました
(国際線も増加トレンドですが変動が激しいです)。
しかも、ビジネス需要では日系キャリア志向は非常に強いものがあります。
それでもJALは経営危機に陥ってしまいました。

おそらく経営や政府など様々な問題があったのでしょう。
政府が全面的に関わるわけですから、再建を果たすとともに、
なぜこのような事態を招いたのか、きちんと検証してほしいです。

※写真はコピペではなく、自分で撮ったものです。

 

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大手金融機関への特別課金

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米政府が大手金融機関約50社に対し、10年間で900億ドルの
「金融危機責任手数料」を徴収するそうです。
金融システム安定のために使った公的資金の損失を
穴埋めするのが目的とのこと。

最近の米国の報道を見ていると、金融機関や、金融機関を救済した
FRBに対する風当たりが非常に強まっているようです。

例えばAIGを通じた「裏口救済」に関連し、当時NY連銀総裁だった
ガイトナー財務長官が電子メールや通話記録等の提出を
下院委員会から求められたりしています。
今回の特別課金はこうした動きに対応したものなのでしょう。

ただ、ボーナスに課税するのとは違い、課金すなわち増税の場合、
利用者に転嫁されるだけのようにも思います。

それより気になるのは、米国の金融機関が本当に復活したのか
ということです。
日本の経験を踏まえれば、不動産バブル崩壊の影響から
米国経済がそう短期間で立ち直れるとは思えないのですが。

 

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住宅ローン返済相談が急増

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けさ(1/7)の日経朝刊です。
住宅ローン返済に関する大手銀行への相談が急増しているとのこと。
記事には12月の金融円滑化法の施行と、ボーナス減額によるとあります。
もっとも、記事によると中小企業からの相談は大きく増えてはいないそうです。

同じ日経に「新春住宅特集」という全面広告記事がありました。
そこに掲載された「金利タイプ別の利用率」という図表によると、
変動金利型が45%を占めています。
加えて、固定期間選択型(31%)にも固定期間2、3年のものが
結構多いはずです。

顧客が目先の金利が低いローンを望むのか、
それとも銀行が提供したがるのかはわかりませんが、
個人所得が厳しいなかで金利水準が上がると
大変なことになるのではと心配です。

※みなとみらいの汽車道です。
 みなとみらいも高層マンションが増えましたね。

 

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金融機関の顧客サービス

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日経ヴェリタスのコラム「橘玲の『不思議の国』探検」を
いつも楽しく読んでいます。
テーマは日本の金融機関の顧客サービスについてです。

今回(11/15)は、前回に続き「ハンコ原理主義」の話でした。

・サインで口座開設をできるのはシティバンクや新生銀行くらいで、
 外国人でも基本的に銀行印が必要。

・実のところ大手都市銀行では、外国人に対しては
 サインで取引することを認めているとか。
 ただ、ハンコを捺す小さな枠にサインをさせているそうです。

日本の銀行については、私もいろいろ感じるところがあります。

一例をあげれば、取引銀行の一つ(みずほ銀行)のネットバンキング。
何と、毎週土曜日の22:00から日曜日の8:00までは利用できないのです
(加えて、第1・第4土曜日の3:00~5:00も使えません)。
外貨預金はさらに土曜、日曜、祝日等は利用できません。

宝くじもいいですが、土曜日の夜にネットバンキングが使えないなんて、
やる気があるとは思えないですよね。

また、住宅ローンを組んでいる別の銀行でも、しばしばトラブルがありました。
ローン設定時には、審査をした本店と、実行する横浜支店で言うことが違い、
追加で書類(極めて形式的なもの)を提出する羽目になりました。

繰上返済でも、最初に言われた金額と、実際に必要な金額が違うことが
2回もありました。すべて銀行の単純ミスです。
そのたびに謝ってくれるのですが、余計な手間がかかります
(粗品をもらったりしましたが…)。

たぶん、私たちがあまり知らないだけで、
このようなことはたくさんあるのかもしれません。
さか上がりができない子と同じで、力を入れるべきところが
間違っているのでしょうね。

引き続きコラムに期待したいです。

※公園へさか上がりの練習に行きました(写真はうんていですが)。
 今日は初めて何回かできるようになりました♪

 

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NIRAの研究報告書

総合研究開発機構(NIRA)が10月に、
「次の危機に備えた金融システムの構築」という研究報告書を発表しています。

NIRA研究報告書へ

副題に「現下の対症療法的対策の問題点を踏まえた提案」とあるように、
金融機関のリスク管理実務や経営問題に詳しい有識者が集まり、
国際機関や各国当局から出された対策や提言の問題点を指摘しつつ、
政策提言をまとめたものです。

金融危機の要因は次の二つに分けられます。

①個別金融機関の判断や経営による要因
②業界全体に共通するシステマティックな要因
 (個別金融機関経営が置かれた外部環境からの影響)

報告書では①②について、次のように述べています。

・今回の金融危機について出された国際機関や欧米監督当局
 による提言や対策は①と②を明確に区別していない、あるいは
 ①と仮定して議論している。

・当局は個別金融機関のリスク管理の弱点を矯正するため
 もっぱら「規制の強化」に頼ろうとしているが、②を変えないなかでの
 規制の強化は、新たな規制逃れやリスク・テイク拡大を促すおそれがある。

・今回の金融危機では①よりも②の影響が大きかった。
 仮に個別金融機関が、与えられた環境下でいかにリスク管理の
 高度化に励んだとしても、それだけでは今次金融危機を防ぐことは
 できなかっただろう。

・個別金融機関の経営に影響を与えるような制度やインセンティブ・
 メカニズムがしっかりと構築されていなければ、個別金融機関の
 自助努力だけに頼っても限界がある。

私は自著「経営なき破綻 平成生保危機の真実」で、

・生保破綻は②もさることながら、①の影響が大きかった
・②と①が相互に連関して経営危機が発生した

ことを示しています。

今回の危機では①②どちらの影響が大きかったのかはわかりませんが、
確かに①だけを議論しても(特に監督当局が)本質的な対策にはならない
というのは理解できる話です。

※写真は新川の南高橋(みなみたかばし)。
 中央区の文化財に指定されているそうです。

 

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日本郵政の社長人事

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元大蔵事務次官を日本郵政の社長に推すとはびっくりです。
「たられば」を言っても仕方がありませんが、
大臣が民主党だったら、このような選択をしたでしょうか?

本人がいくら「元官僚という意識はない」と言っても、
それで納得する人は少ないでしょう。
私ですら、いまだに「保険会社出身」と言われるのですから
(7年間ヒラ社員だっただけなのですが^^)。

大蔵省の事務次官経験者が取引所のトップとなり、
そこから政府色の強まる日本郵政の社長に就任するというのは、
外部から「天下り」に「渡り」と言われても仕方がありません
(実際はそれまでの事務次官とは違う状況だったにしても)。

民間の候補者を見つけるのが難しかったのは理解できます。
先の社会保険庁長官(損保ジャパン出身)や
今回の件を目の当たりにすれば、断る民間人が多そうです。

ただ、例えば政府が郵政改革の方向性を示したうえで
社長を公募するというアイディアもあったのでは。
今からでも遅くはないと思います。

社長人事と直接関係ありませんが、フランスの郵政民営化に関する
ニッセイ基礎研究所のレポートを見つけました。
レポートにはありませんが、現在ラ・ポストの株式会社化をめぐり、
反対運動が盛り上がっているようです。

「フランスの民営化生保CNPと郵便局ラポスト」

 

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