16. その他

公共交通への費用負担

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私は以前から都市の交通システムに関心があり
(卒論は「19世紀ロンドンの地下鉄建設について」でした)、
今でも「車本位のまちでいいのか?」という視点から
自転車や路面電車などを活用した取り組みに注目しています。

現在、日経新聞のゼミナール欄(経済教室の左横です)では、
「新時代の公共交通」を連載しており、毎回興味深く読んでいます。

8日は「官のかかわり方」についての記事でした。

公共交通(特に鉄道系)の費用負担の考え方は
日本と欧米で大きく異なります。

日本の公共交通は、事業による運賃収入で運営費を賄うだけでなく、
整備費(実際には建設時の借入金返済)も賄うのが基本です。

これに対し、欧米の公共交通の多くでは、
整備費の大半を公的資金で賄ったうえで、
事業運営も公的補助に依存しているケースがほとんどです。

欧米が日本のように独立採算制を基本としないのは、
社会インフラに対する考え方の違いがあります。
採算が取れなくても社会的に必要なものは整備するという発想です。

日本でも道路(特に地方)は社会インフラとしての役割から
公的資金により整備されてきました。
しかし、都市の公共交通は、一部の建設費への補助を除き、
整備費・運営費ともに運賃で賄う枠組みでやってきました。

ただ、地方都市を中心に、この枠組みの維持が難しくなっています。
写真の豊橋では豊橋鉄道が路面電車の運行を維持していますが、
収支は黒字だったり赤字だったりのようです。
同じ愛知県でも、岐阜では名古屋鉄道が2005年に
市内線を廃止しています。

「車本位のまち」から脱却するには、公共交通の維持・拡大が欠かせません。
それには従来の枠組みを根本的に見直す必要がありそうです。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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公務員数の国際比較

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日本は公的部門の職員数が国際的に少ないと聞いたので
ネットで調べてみました。

総務省の「人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較」では、
フランス(2008年)の86.6人、アメリカ(2009年)の77.5人、
イギリス(2008年)の77.2人、ドイツ(54.3人)に対し、
日本(2009年)はわずか31.6人です。
総務省HPへ

他にも、少し古い(2005年)ですが、野村総研のレポートがありました。
人口千人当たりの公務員数は、フランスやイギリスが100人近く、
米国74人、ドイツ70人に対し、日本は42人です。

このように日本の公務員数は相対的に少ないと言えそうですが、
なぜ公務員を見る目は非常に厳しいのでしょうか。
ほとんど「国民の敵」のような扱いは異常です。

ミクロで見れば確かにいろいろありますし、
マクロ的にもいろいろ考えられます
(批判しやすいという理由もありそうです)。

ある先生は次のようにコメントしていました。

「『所轄のために働く』が徹底していた(=所轄外からの反発)」
「統合・調整する機能が弱い(=主に政治の役割)」

確かに納得感があります。

※いつもの通り、個人的なコメントということでご理解下さいね。

※写真は小石川にある「こんにゃくえんま」源覚寺。
 目の病気にご利益のあるえんまさまだそうです。

 

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ホテルのサービス

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写真を見ていたら、金沢のホテルに泊まった時のことを思い出しました。

近江町市場で黄桃を買い、部屋で食べようとしたところ、
部屋にはナイフもフォークもありませんでした。

そこでルームサービスにナイフを借りようとしたら、
「防犯上の関係でお貸しできません」という返事。
ナイフがだめなのは飛行機の中だけではなく、
今やホテルでもナイフを貸してくれない時代なのですね。

ただ、「代わりにカットしてお持ちしましょうか」という
ありがたい申し出があったので、お願いすることにしました。

数分後にホテルマンが持ってきてくれたのが右の写真です。
これには感動しました。ここまできれいに盛り付けてくれるなんて。
しかも、彼は何も受け取らず帰っていきました
(想定外のサービスだったので、チップを渡そうとしたのです)。

マニュアル通りだったとしても、料金にサービス料が含まれているとしても
(割安宿泊プランでしたが...)、ちょっとうれしい話でした。
日本のサービス業はすごいですね。

 

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白川郷に行ってきました

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合掌家屋で有名な白川郷に初めて行きました。
息子との二人旅です。

白川郷は陸の孤島というイメージがあり、
実際、昭和初期まではまさにその通りでした。
今は高速道路(東海北陸自動車道)が全通し、
金沢から1時間、名古屋からでもたった2時間です。
こんなに気軽に行けるとは調べてみるまで知りませんでした。

交通が便利になったうえ、世界遺産への登録(1995年)もあり、
白川郷の観光客はこの10年で急増しています。
近年の訪問客数は1990年代前半の2倍です。

大半が日帰り客で、ピークは11時から3時とのこと。
この時間帯の白川郷は大賑わいです。
今回はそうでもありませんでしたが、
休日などは銀座や原宿のようになってしまうとか。

観光化が進んだことについて、村内でも賛否両論あるようです。
特に、観光業に関わっていない(=経済的な恩恵がない)住民には
近年の変化はありがたくないかもしれません。

私たちが泊った民宿のご主人(屋根の葺き替え名人でした)は、

「合掌集落を守っていなければ、人口が減り、若い人が減り、
 あとは衰退していくばかりだったんでしょうね。
 屋根の葺き替えもあるし、合掌集落を維持するのは大変だけど、
 守ると決めて、よかったんだと思いますよ」

と語っていました。

※右の写真が泊った民宿です。夕方以降は観光客がほとんどいなくなり、
 水や虫の音しか聞こえませんでした。

 

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「スマイル」アンケート

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生損保の四半期決算については後日触れるとして、
休みモードの今回は別の話を。

生保各社は時々独自のアンケート調査を発表しています。
有名なのが明治安田生命の「名前ランキング」。
2009年は男の子が「大翔」、女の子が「陽菜」でした
(どちらも読み方がよくわかりません...)。

第一生命の「サラリーマン川柳」もよく取り上げられますね。
最新サラ川トップは「仕分け人 妻に比べりゃ まだ甘い」、
僅差の2位が「『先を読め!』 言った先輩 リストラに」でした。

さて、この12日に発表された住友生命の「スマイル」アンケート。
笑顔をテーマにアンケートを行ったとのことです。

「あなたを笑顔にしてくれる人は誰ですか?」
→ 「子ども」が3割以上

「あなたを笑顔にしてくれるモノ(コト)は何ですか?」
→ トップ3は「食事」「お金」「スイーツ」

「あなたを笑顔にしてくれる言葉は何ですか?」
→ 「ありがとう」が5割で断トツ

このようなアンケート結果のなかで、

「1日のうちで笑顔になっている時間は、男性が女性の半分」

という結果あり、目を引きました。
女性のほうが笑顔で過ごしている時間が多いという結果です
(男性が75分、女性が161分)。

ただ、「1日のうちで笑顔になっている時間は何分ですか」
と聞かれたら、いったいどう答えるでしょうか?
常に笑顔でいると答える人から、数秒という人まで
おそらく回答には相当な幅があるでしょうから、
平均値をとったこの回答にはほとんど意味はないでしょう。

とはいえ、「元気で前向きなのは女性」というイメージからすると
何となくそうかなあとも思ってしまいますね。

※写真は「東京キャラクターストリート」です。
 東京駅の地下にあります。なかなか楽しいところですよ。
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東京タワー

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家族で東京タワーに行ってきました。
前に登ったのは、たぶん30年前くらいです。
夏休みの日曜日とあって、かなり混んでいました。

当時と比べて変わったなあと思ったのは、
展望台からの景色です。

子どものころ見た東京タワーからの景色は
低層の建物が密集していました。
超高層ビルは新宿のビル群と霞が関ビルくらいでした。

ところが、いまや超高層ビルが東京のあちこちにあります。
ビルにさえぎられ、丸の内や銀座は全く見えませんし、
新宿もよくわかりませんでした。
この30年間で東京の景色はずいぶん変わったのですね。

外国人観光客の多さにも少し驚きました。
やはり中国人観光客が目立ちます。
当時の東京も外国人は珍しくありませんでしたが
タワーは日本人ばかりだったように思います。

それでも東京タワーは以前と同じく
昭和の雰囲気が色濃く残る観光スポットでした。

 

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一票の軽さ

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週末の参議院選挙は与党・民主党の敗北となりました。
就任したばかりの管直人首相には厳しい結果です。

それにしても、毎回選挙になると一票の格差を見せつけられます。

参院選(選挙区)では、私が住む神奈川の有権者数729万人に対し、
定数は3。つまり、243万人に1人の割合です。

これに対し、鳥取は48万人に1人、島根は59万人に1人が当選します。
神奈川の一票は鳥取の5分の1の価値しかないのです。

鳥取、島根、岡山(157万人)を合わせて265万人なので、
これで1人だったら概ね公平となる計算です(1.1倍ですが)。

神奈川ほどではないにしても、大阪(236万人に1人)、
東京(212万人)、埼玉(193万人)、千葉(168万人)と、
大都市圏は一票が軽いですね。

一票の格差は選挙結果にも影響しています。
自民党は1人区(=概ね一票が重い地域)で大勝したため、
選挙区の得票率が33%と民主党(38%)を下回ったにもかかわらず、
当選者は39人と民主党(28人)を大きく上回りました。

都道府県の数が47あって、選挙区での改選数が73議席
(比例区を含めた参院全体の改選数は121議席)。
一票の格差を小さくするには、都道府県単位という制約を
取り外す法改正が避けられそうにありません。

このような不公平がまかり通るのはおかしい話です。
機会があるたびに訴えていきたいと思います。

※最近の電車はなんとなく似てますね。
 左が東横線、右が中央線です。

 

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「白紙で検討」にびっくり

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反社会勢力とのつながりが表面化し、かつ、
数十人による違法行為が判明。
しかも、2007年の暴行死事件、2008年の大麻所持事件など、
相次ぐ不祥事の発覚。

このような公益法人の存続が果たして許されるのかどうか。

興業を続けるかどうかといったレベルの話ではなく、
これが今の日本相撲協会の置かれた状況だと思うのですが、
どうも当事者は理解していないように見えます。

報道によると、21日の理事会は名古屋場所の開催について、
「現時点では見送らざるを得ない可能性もある」
と述べ、4日に再度理事会を開いて判断することにしたとか。

この期に及んで、まだ興業を続ける可能性があるというのでしょうか。
ガバナンスの問題はかなり深刻です。

※写真は大倉山七不思議の1つ、「大倉山の泉」です。
 排水溝から水が出ているようにしか見えないのですが...

 

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NHKニュースでやることか?

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今回も金融・保険ネタではなくてすみません。

4月からNHKニュース「おはよう日本」で、朝7時半すぎから
「まちかど情報室」というコーナーをやるようになりました。

「世の中の新しい動きをとらえ、生活に役立つ情報をお伝えしています」

(番組HPから引用)とのことですが、これがひどい。
NHKがニュースでこんなことをやっていいのかと憤りを感じます。

例えば、「トースターをもっと活用しよう」の回(15日)では、
「フレンチトーストを焼ける袋」や「ホットケーキを焼くプレート」
などの実演紹介があり、商品名こそ表に出ないとはいえ、
いわゆる便利グッズの紹介コーナーとなっています
(HPには商品名と連絡先が掲載されています)。

民放で同じことをやる場合には、グッズを紹介される会社がお金を払い、
さらに広告代理店が、「○○カフェで紹介されました」という情報を
流通業者に流します。

簡単に言えば、CMを番組の合間に流すのではなく、
番組そのものに組み込んでしまうやり方なのです。

先日、近所のホームセンターの園芸コーナーで
「NHKおはよう日本で紹介されました!」という商品をみかけたので、
おそらく同じパターンなのでしょう。

NHKがグッズの会社からお金をとっているかどうかは
証拠がないので断言はできません。
ただ、番組での扱い(100%肯定的に紹介しています)や、
HPへの掲載からすると、限りなくクロに近いでしょう。

民放は広告を見せるために番組をやるといったビジネスモデルなので、
許容範囲と言えなくもありません(テレビ離れの一因だとは思いますが)。

しかし、公共放送であるNHKでこんなことをやっていいのでしょうか。
このコーナーを見るたびに、腹立たしく思います。

※先週、娘の通う小学校で田植えがありました。
 例年はバケツで稲作なのですが、今年は荒れ地を開墾し、
 本格的にやっているようです。

 

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深刻な球団格差

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サッカーではなく野球の話題です。

10(木)日経のスポーツ面に、野球評論家の豊田泰光さん
(西鉄出身だそうですが、さすがに現役時代は知りません)の
「セ・リーグ 深刻な球団格差」というコラムが載りました。

キモの部分を引用すると、

「セ・パ交流戦はみんなうすうす感じてはいるけど
 口にしてこなかった懐疑を、明るみのもとにさらした。
 巨人、阪神、中日が、ひごろ下位相手に積み重ねている
 勝ち星の価値はいかほどのものか、という懐疑を。」

「セの上位は『ルールにのっとって補強している』というだろうが、
 興業として成り立たなければ元も子もない。
 オーナーたちで緊急ミーティングを開いてはいかがか。
 それくらい事態は切迫している。」

横浜市民ということもあり、何となく昔から横浜ベイスターズ
(私が小学生のころは横浜大洋ホエールズでした)に親しみが
あるとはいえ、さすがに毎年これだけ弱いとげんなりです。
5月にはもう、上位と大差がついてしまうのですから。
しかも、ちょっと活躍した選手はすぐ他球団に移ってしまいます。

今年は横浜だけではなく、下位3球団が沈んでいます。
交流戦の結果(10日まで)は、横浜が5勝16敗、
ヤクルトが6勝13敗、広島が8勝12敗です。
横浜は今日(12日)も負けたので、これで何と8連敗!

豊田さんはヤクルトと広島の試合をみて、
「とても日本プロ野球の“メジャー”同士の戦いにはみえなかった」
と率直に書いています。

米メジャーリーグという手強い相手がいるなかで、
日本プロ野球としての戦略を持たないまま運営してきた
(少なくとも私にはそう見えます)のですから、
今日の事態は起こるべくして起きたと言えそうです。

 

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