大相撲の八百長問題が連日ニュースを賑わせています。
「裏切られた!」と怒っている人もいるとは思いますが、
むしろ、「やっぱりね」という人が多いのかもしれません。
八百長が道義的に見ておかしいのは間違いありません。
ただ、警察も認めているように、法令違反ではなさそうです。
それでも警察が捜査情報の一部を文部科学省に提供したのは、
「日本相撲協会の事業に関する公益性が高い事項と判断」
(警察庁長官)したとのこと。
八百長問題で暴力団との関係を立証したのなら別ですが、
法的に問題がないと見ている段階で、公益性をたてに
捜査情報を他省庁に出していいものかどうか。
確かに八百長問題を調べることができるのは警察だけでしょう。
文部科学省の要請で警察が動いていたのかもしれません。
しかし、報道によれば、あくまで野球賭博問題の捜査のなかで
法的には問題ないが、公益性の観点から問題のある
「八百長」の証拠が見つかったので、情報提供したという話です。
この件で暴力団との関係は、今のところ見えていません。
「公益性」というのは、かなり曖昧な概念ですよね。
ちょっと引っかかってしまいます。
参考までに、2/3の読売新聞によると、情報提供は、
「国の行政機関が一体となって業務遂行することを義務付けた
国家行政組織法2条などに基づいて行われた。 同庁は、
暴力団関連企業を公共事業から排除するため国土交通省に
情報提供したり、国際テロ関連の情報を外務省などと交換したりしている」
とのこと。また、同日の時事通信には、
「刑事訴訟法は、捜査上の証拠書類を裁判の開始前に公にしてはならない
としているが、公益上の必要性がある場合などは、例外的に認めている」
と別の話がありました。