01. 保険経営全般

大雨による被害

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昨年に続き、この7月も大雨による被害が各地で相次ぎました。

消防庁によると、今年の梅雨期の大雨による被害状況は
ほぼ全国に及んでいます。
住宅への被害も広がっており、床上浸水が2000棟近く、
床下浸水は4000棟を超えました。

詳しくは消防庁のHPをご覧下さい。 消防庁HPへ
自然災害が起きるとこのページで確認するようにしています。

保険アナリストをやっていると、つい損害額の大きさに目が向かい、
損害がかさむと「保険会社の経営は大丈夫?」という発想に
なりがちです。
「地球温暖化で自然災害が大規模化」といったニュースにも
敏感に反応してしまいます。

しかし、考えてみれば、こうした災害への備えとして
保険があるのですよね。
裏を返せば、保険の必要性を多くの人に感じてもらう
絶好の機会でもあるわけです。
もちろん、危機をあおるのは問題ですが...

※いつものようにコメントは個人的なものです。

※写真は地元のケーキ屋さん。
 今日(21日)は娘の誕生日なのです。

 

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生保の社員総代会

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2日に相互会社形態の生保の社員総代会がありました。
しばらくしたら、議事録が各社のHPに掲載されると思います。
この点は以前に比べオープンになりました。

かつては主要生保の大半が相互会社でしたが、
いまや相互会社形態の生保は5社だけ。損保は0社です。

報道によると、第一生命の株式会社化を受けた質問が相次いだとか。
第一生命の株式会社化では約9割の契約者が何らかの
「たなぼた益」を得られたのですから、当然の質問といえるでしょう。

当の第一生命は先月末の株主総会で株主から厳しい指摘が
相次いだようですが、株主であれば誰でも総会に出席し、
質問できるというオープンさを改めて感じました。

相互会社のメリットも確かにあるとは思います。
ただ、単に「相互会社のほうが契約者にメリットがある」と言われても、
理屈ではともかく、なかなか説得力を持ちません。

例えば、協同組織形態である大手共済は、大手生保と違い、
金融危機の影響をそれほど受けていません。
その差はどこにあるのでしょうか。
都道府県民共済のように、加入者への還元率を
アピールしているところもあります。

相互会社形態のメリットを語るのであれば、
何が具体的なメリットなのかをもっと主張してほしいですね。

※意見には個人差がありますので、念のため。

 

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サムスン生命の上場

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日本ではあまり大きく報じられていないようですが、
韓国生保最大手のサムスン生命が上場しました。
第一生命とは違い、もともと非上場の株式会社だったものが、
2007年に韓国政府がIPOを認めたことを受けたものです。

時価総額は約1.8兆円と、第一生命(1.6兆円)を上回りました。
気になるEVとの関係ですが、報道によるとEVの1.4倍程度だそうです。
会計や計算の前提が異なるので単純比較はできませんが、
第一生命(0.6倍程度)とはずいぶん違いますね。

ロイターの記事に載っていた投資家のコメントには、

「韓国の生保市場は日本ほど成熟しておらず、中国ほど成長性はないため、
 この程度のEV倍率は理解できる」

とありました。

それが正しいかどうかはともかく、外国人投資家は当然のように
第一生命とサムスン生命を比べて評価しているのでしょうね。

 

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新型インフルエンザの影響

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1年前の今ごろは新型インフルエンザ騒動で大変でした。
昨年の4/28に政府が発生宣言を出し(当時の厚労相は舛添さん!)、
国内初の感染者が確認されたのが5/9です。
結果的に弱毒性ということで死者は200人弱にとどまったものの、
不安な日々を強いられました。

ところで、生命保険経営学会の機関誌「生命保険経営」最新号(5月号)に
「新型インフルエンザの生保事業への影響」という論文が
掲載されています。

論文の試算によると、重度の新型インフルエンザが発生した場合、
保険金や給付金の支払いは全社合計で6.5兆円に及ぶとのことです。
2008年度末の危険準備金が5.7兆円、ソルベンシー・マージン総額では
23.4兆円あるため、業界全体で見れば健全性が危機的な状況に
なることは考えにくいという結論でした。

前提としている日本政府の被害予測が甘い(想定感染率が低い)
という意見もあるようで、今後の新たな試算に注目したいところですが、
一つの目安として踏まえておきたいと思います。

※休日の井の頭公園にはいろいろな店が出ていて楽しいですね。

 

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生保の株価は何で決まる?

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第一生命の株式会社化・上場から2週間ほどたちました。
とりあえず売り出し価格の14万円を上回って推移しています。
まずは順調な滑り出しと言えるのでしょう。

それにしても、日経ヴェリタス(4/11)の見出しではありませんが、
生保の株価は何で決まるのでしょう。

EEVは株主価値を一定の前提で算出したものです。
第一生命のEEVは2009年9月末時点で2.5兆円。
このうち修正純資産だけでも1.8兆円あります。
しかも、平均株価は9月末に比べ1割くらい上昇しているので、
修正純資産は3000億円ほど増えている計算になります。

長期国債利回りは概ね横ばいで推移していますし、
金融・証券市場のボラティリティも落ち着いているようですので、
EEVを大きく減らす要因にはなっていないように思います。

今後獲得する新契約も価値を生み出します。
2008年度の新契約価値は通期で835億円、
2009/9期は半期で333億円です。

しかし、第一生命の時価総額は1.6兆円程度で推移しています。

第一生命に限らず、日本の上場生保の株価(時価総額)が
EEVを大きく下回っているのはなぜなのでしょうか。

EEVが前提によって大きく動くため、市場はEEVを必ずしも
信頼していないのかもしれません。
ただ、前提によって大きく振れるといっても、第一生命の場合、
修正純資産だけで時価総額を上回っています。

修正純資産に最も大きな影響を与えるのは株価なので、
もしかしたら市場は将来の株安を織り込んでいるのでしょうか。
あるいは、市場は「健全性規制の強化」→「大規模増資」
を予想しているのでしょうか。

もちろん、株価は需給で決まる面もあるでしょうから、
単に売りたい人が多いという話なのかもしれません。
それでも株式市場は日本の金融セクターや生保業界に対し、
かなり保守的に見ていると言えそうです。

※コメントはあくまで個人的なもので、仕事とは一切関係ありません。

 

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メットライフのアリコ買収

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サーバー移転作業のため、更新が滞っていました。
事前にお伝えできず、すみませんでした。

ついでに日付のところに西暦を加えていただきました。
これまでは○年○日としかでなかったので、
過去の記事を検索するときに不便に感じていたのです。

さて、掲題の米メットライフによるアリコ買収ですが、
いくつかのメディアから電話取材を受けて困ったのが、
「メットライフのアリコ買収で日本の生保市場がどう変わるのか」
という質問です。

アリコはAIGが経営危機に陥り、信用不安にさらされたうえ、
カード情報流出問題は必ずしも解決していません。
ですから、今回の件はアリコにとっての信用補完という意味が
一番大きいかと思います
(アリコの信用や信頼が期待通り回復するかはわかりませんが...)。

ただ、メディアの皆さんはどうもそれでは満足していただけないようで、
「メットライフが来ると、商品やサービスが変わる」
「これをきっかけに業界再編が進む」
といったコメントを期待されます。

とはいえ、すでにこれだけ外資系生保が存在するなかで、
メットライフが他社にない革新的な商品やサービスを持ち込む
というシナリオは考えにくいですし
(というか、すでに日本でJVをやっていますよね)、
むしろ日本で成功してきたアリコのノウハウをメットライフが買った
という話でしょう。

日本の生保市場が金融危機を経て、健全性を確保している
国内系・外資系の競争時代に入ったとは言えそうです。
バブル崩壊後はずっと外資に追い風が吹いていましたが、
ようやく国内系・外資系が同じ土俵に立ちました。

しかし、業界再編が進むかどうかは、現時点では何とも言えません。
確かにメットライフは米国内では大型M&Aにより大きくなりましたが、
日本では未知数です。
まずは日本市場への本格参入を果たしたということでしょう。

ということで、今回私のコメントはどのメディアにも掲載されませんでした^^

※写真は沖縄のスーパーです。
 うどんや焼きそばではなく沖縄そばがずらっと並び、
 お酒売り場には泡盛がたくさん置いてありました。

 

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SBIがネット生保から撤退

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SBIホールディングスはSBIアクサ生命の株式をアクサに譲渡し、
ネット生保事業から撤退すると発表しました。
アクサグループが株式の95%を保有することになります
(残り5%はソフトバンクが保有)。

SBIホールディングスのトップは有名な北尾吉孝さんです。
ご記憶のかたは少ないかもしれませんが、
北尾氏が生保事業に出資し、短期間のうちに引き上げるのは
おそらくこれが2回目です。前回は大和生命でした。

相互会社だった大和生命は、2001年にソフトバンク・ファイナンス
と合弁であざみ生命を設立し、実質的な株式会社化を果たすとともに、
破綻した大正生命の受け皿会社となりました。

しかし、ソフトバンク・ファイナンスは2002年の時点では
すでにあざみ生命(2002年に大和生命に改称)の大株主では
なくなっていました。

このソフトバンク・ファイナンスの代表が北尾氏でした。

※写真は鶴見線の浅野駅と安善駅です(ローカルですみません)。
 明治時代の実業家である浅野総一郎、安田善次郎にちなんで
 名付けられたそうです。

 

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欧米への本格進出

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本日(12日)の日経新聞5面、明治安田生命・松尾憲治社長が
インタビュー記事のなかで、次のように語っています。

「即効性を考えれば巨大市場の欧米だ。本格的に進出することを検討し、
 一部は10年度中にメドをつけたい」

確かに日本の大手保険会社の場合、日本の事業が大きいので、
少しくらい海外に出ても、ほとんど補完になりません。

海外展開を本格化し、事業の柱にするというのであれば、
欧米市場への進出は不可欠でしょう。
損保では東京海上がそのように動いていますね。

やや引っかかるのが、相互会社という点です。
もちろん、相互会社もM&Aによる海外展開は可能です。
ただ、社員(=契約者)は会社が海外事業でリスクをとることを
望むのでしょうか。株式会社であれば理解できるのですが。

※横浜シリーズ。今回は赤レンガ倉庫です。
 スケートリンクがありました。

 

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統合損保の臨時株主総会

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損保各社は12/22に、統合の承認を求める臨時株主総会を開催しました
(日本興亜損保は12/30の予定ですが、どうなるでしょう?)。

関連する記事が各紙に載っていますが、このうち朝日(22日)に
私のコメントが出ています。

「『代理店の統廃合ペースは鈍る可能性がある』と指摘する。
1社専属でなくライバル社の商品を扱う代理店も増え、
締めつけが厳しいと、他社商品に流れる恐れがあるからだ。」
(私のコメントは『 』部分です)

より正確に言えば、統合で乗合代理店が増えるというよりは、
そもそも乗合代理店も多いので、統合を成功させるには
無理な統廃合や手数料の見直しはできないだろうという趣旨です。
あいおい損保誕生の際、トヨタ系以外の一部ディーラー等が反発し、
他社に流れてしまったのは記憶に新しい話です。

販売網の生産性や効率性を高め、いわゆる二重構造問題を
解消するのは国内損保の重要な経営課題となっています。
例えば、東京海上の抜本改革や損保ジャパンのPT-Rは
二重構造解消を意識した取り組みです。

3社統合、2社統合で二重構造解消の取り組みが
足踏みしないかどうか、注目していきたいと思います。

ところで、21日の日経の見出しは「保険料下げ競争激化へ」。
統合が保険料やサービス面の本格競争を促すとしています。

しかし、寡占が一段と進むなかでは、教科書的に言えば、
むしろ競争が緩和されるはずです。
投資家向け説明会でも「保険料が下がる」とは聞いていません。
特に競争相手が少ない企業向け分野では、足元はともかく、
寡占による弊害がでないかどうか注意が必要です。

最後に、以下のようなHP(ブログ?)を見つけました。
コメントはあえて避けておきます。

日本興亜損保の真の発展を願う株主有志

※このかわいいサンタさんは晴海のトリトンで見つけました。
 サンタさんはわが家にも来るのでしょうか?

 

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生保の上半期報告

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こちらも正確には「平成21年度第2四半期(上半期)報告」だそうです。

報道は概ね「増収だが、実質的に減益」といったものが多く、
それはその通りかと思います。

他方、3月末に比べて株価が2割近く上がり、健全性については
あまり注目されなかったようですが、私は今回の生保決算では、
失った体力をどれだけ回復したかという点に注目していました。

主要生保9社は2008年度に内部留保を約2兆円取り崩しています
(これとは別に、大手4社は追加責任準備金を5000億円積んでいます)。

ざっと計算したところ、この上半期では内部留保は3000億円しか
増えていませんでした。
議論が分かれるところですが、追加責任準備金を入れると
5000億円強なので、結構いいペースと言うこともできます。
しかし、失った2兆円を取り戻すには、だいぶ時間がかかりそうです。

個社別に見ると状況はかなりまちまちです。
大手3社(日本、第一、住友)が、昨年度に取り崩した
危険準備金や価格変動準備金などの回復を図っているのに対し、
内部留保があまり増えていない会社も散見されます。

もちろん、この上半期報告だけでは判断できませんし、
すでに十分な体力があれば、あえて積み増しを加速しなくても
問題はないわけです。内部留保を増やすのではなく、
会社の経営リスクを抑えるという方向もあります。

ただ、2000年代前半よりも収益面は厳しいようですので、
今後の回復ペースは、個社によって相当違ってくるのではないでしょうか。

※イチョウ並木の第3弾は丸の内です。
  なお、前回は慶大日吉キャンパスでした。

 

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