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さて、楽天による朝日火災の買収や、米GEの保険事業による多額損失の発生、三井住友銀行による外貨建てトンチン年金の販売など、このところ興味深い保険関連ニュースが相次いでいます。
私が関心を持ったのは、アマゾンなど3社が社員とその家族向けに米国でヘルスケア会社を立ち上げるというニュースです。
ネットの巨人アマゾン、バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイ、そして大手金融グループのJPモルガンという、いずれも米国を代表するような3社が立ち上げる新会社は、米国内の従業員とその家族向けに、シンプルで高品質、かつ、透明性の高いヘルスケアを合理的な価格で提供することを目指すとのことです。
まだ計画の初期段階とのことで、具体的な事業内容は公表されていません。しかし、この顔ぶれ(特にアマゾン)ですから、AIの活用をはじめ、新しいことを手掛けてくるのでしょう。
事業が軌道に乗れば、3社内だけの話でなく、事業の広がりも考えているのかもしれません。
ただし、米国でヘルスケア事業というと、民間の保険会社が大きな存在感を持っていることを踏まえておく必要があります。
というのも、以前のブログでご紹介したように、米国の健康保険は主に民間が担っているからです。国民皆保険を目指したオバマケアも、民間保険会社の力を借りて成り立っています。
保険会社は単に医療保険を提供するだけの存在ではなく、病院や薬局を組織化するなどして、医療サービス全般に大きな影響力を持っています。
しかも、相次ぐ再編で寡占化・巨大化しており、これ以上の再編には連邦当局が待ったをかけるような状況です。
また、米国では医療費がものすごく高いというのも、よく知られた話だと思います。多くのアメリカ人は企業を通じて医療保険に加入しており、企業がその一部または全部を負担しているため、医療費の高騰は企業経営の負担となっています。
こうした背景のなかで、加入した保険によって受けられる医療サービスの中身が大きく異なるというのが米国の健康保険の現状です。日本のような、全国どこの病院でも保険が使え、誰でも給付内容が同じといったものではありません。
ですから、3社が立ち上げるヘルスケア事業が、単純に既存の保険会社を脅かす存在になると見るのは時期尚早かもしれません。
※沖縄の勝連(かつれん)城跡です。海外貿易で栄えていたそうですが、15世紀に琉球王国に滅ぼされました。
※いつものように個人的なコメントということでお願いします。
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