一票の軽さ

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週末の参議院選挙は与党・民主党の敗北となりました。
就任したばかりの管直人首相には厳しい結果です。

それにしても、毎回選挙になると一票の格差を見せつけられます。

参院選(選挙区)では、私が住む神奈川の有権者数729万人に対し、
定数は3。つまり、243万人に1人の割合です。

これに対し、鳥取は48万人に1人、島根は59万人に1人が当選します。
神奈川の一票は鳥取の5分の1の価値しかないのです。

鳥取、島根、岡山(157万人)を合わせて265万人なので、
これで1人だったら概ね公平となる計算です(1.1倍ですが)。

神奈川ほどではないにしても、大阪(236万人に1人)、
東京(212万人)、埼玉(193万人)、千葉(168万人)と、
大都市圏は一票が軽いですね。

一票の格差は選挙結果にも影響しています。
自民党は1人区(=概ね一票が重い地域)で大勝したため、
選挙区の得票率が33%と民主党(38%)を下回ったにもかかわらず、
当選者は39人と民主党(28人)を大きく上回りました。

都道府県の数が47あって、選挙区での改選数が73議席
(比例区を含めた参院全体の改選数は121議席)。
一票の格差を小さくするには、都道府県単位という制約を
取り外す法改正が避けられそうにありません。

このような不公平がまかり通るのはおかしい話です。
機会があるたびに訴えていきたいと思います。

※最近の電車はなんとなく似てますね。
 左が東横線、右が中央線です。

 

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inswatch10周年セミナー

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保険代理店向けメールマガジン「inswatch(インスウオッチ)」が
創刊から10周年を迎えます。

ご存じの方も多いと思いますが、inswatchは保険代理店
(特にプロ代理店)をターゲットとした週刊誌です。

保険会社の発信する情報や既存の業界誌との最大の違いは、
共同編集人が中崎章夫さん、石井秀樹さんという
「現場系」保険ジャーナリストだということに尽きます。

中立性ということに加え、毎週送られてくるinswatchからは
お二人の保険販売業への愛情やメッセージが伝わってきます
(ちなみに私は有料購読者です。念のため)。

そんなお二人に共感した、というと大げさですが、
私も2001年4月からこの3月まで「保険アナリストの視点」を
隔月で寄稿させていただきました。
足かけ9年間にもなるのですね。ちょっとびっくりです。

保険販売業をめぐる経営環境は、おおむね創刊時(2000年8月)に
言われていた通りになっているようです。
代理店の数は2001年の34万店から、20万店強まで減りました。
販売チャネルの多様化が進み、ネットの活用も当たり前になっています。

ここからの10年を考えると、inswatchのような情報が
ますます価値を持ってくるように思います
(ベテランジャーナリストの健康が心配という別の問題もありますが...)

そのinswathchが10周年を記念して、セミナーを開催するそうです。
テーマは「保険代理店の昨日、今日、明日」。
RINGのオープンセミナーとはまた違った話が聞けるのではないでしょうか
(有料なので、そうじゃなかったら参加者に怒られますよね^^)。

10周年セミナー案内HPへ

※写真の自転車道は三鷹の先から多摩湖まで、ほぼまっすぐに続いています。
 都合により途中で引き返しましたが、次回は湖まで行きたいです。

 

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変動金利ローンが9割超

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年金払い保険への二重課税を違法とする最高裁判決
(保険会社の事務・システム負担はどうなるでしょうか?)や、
大相撲名古屋場所のNHK生中継中止など、
ブログのテーマには事欠かない毎日ですが、
週末の新聞を見て驚いたので、こちらにしました。

3日(土)の朝日新聞によると、メガバンクの住宅ローンは
今年に入り、変動金利型が全体の9割を超えたそうです。

一般的な変動型の提携金利は1%を下回っています。
この水準では銀行もあまり儲かってはいないでしょう。

長期固定金利の住宅ローンの代表である「フラット35」の金利は
年2.5%程度と決して高くはないのですが、目先の負担が
月数万円違うとなると、顧客は変動金利型を選んでしまうのでしょうか。

確かに10年以上も低金利が続いており、しばらく上がりそうにも見えません。
仮に上がったら固定型に切り替えればいい、という判断
(あるいはセールストーク)なのかもしれません。

しかし、新聞に載っていたFP深田晶恵さんの
「上がったら固定型に切り替えるという考え方は非現実的」
というコメントに私も同感です。

35年返済の住宅ローン5000万円(元利均等払い)では、
毎月の返済額は金利1%で14.1万円、
2%では16.5万円、3%では19.2万円です。
変動型は固定型より月々3万円は返済額が少なくてすみます。

ただ、この14.1万円という返済額を前提に家計を固めてしまうと、
残高があまり減らないうちに少しでも金利が上がると
たちまち家計は苦しくなります
(返済期間が長いと残高はなかなか減りません)。

しかも、その時点で固定金利型に変えようとしても、
当然ながら金利は今の水準よりも上がっています。
もし返済額が月5万円も増えたら、家計は回るのでしょうか。

多額の借金を抱える日本政府は、長期固定金利の国債を中心に
資金を調達しています。それでも、金利が上がると利払い負担がかさみ、
苦しくなるのは必至です。

政府の財政も心配ですが、銀行のリテールビジネスの柱である
住宅ローンがこれでは心許ないですね。

※写真は地元・熊野神社の「星祭り」です。
 和楽器クラブの小学生が演奏を披露しました。

 

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生保の社員総代会

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2日に相互会社形態の生保の社員総代会がありました。
しばらくしたら、議事録が各社のHPに掲載されると思います。
この点は以前に比べオープンになりました。

かつては主要生保の大半が相互会社でしたが、
いまや相互会社形態の生保は5社だけ。損保は0社です。

報道によると、第一生命の株式会社化を受けた質問が相次いだとか。
第一生命の株式会社化では約9割の契約者が何らかの
「たなぼた益」を得られたのですから、当然の質問といえるでしょう。

当の第一生命は先月末の株主総会で株主から厳しい指摘が
相次いだようですが、株主であれば誰でも総会に出席し、
質問できるというオープンさを改めて感じました。

相互会社のメリットも確かにあるとは思います。
ただ、単に「相互会社のほうが契約者にメリットがある」と言われても、
理屈ではともかく、なかなか説得力を持ちません。

例えば、協同組織形態である大手共済は、大手生保と違い、
金融危機の影響をそれほど受けていません。
その差はどこにあるのでしょうか。
都道府県民共済のように、加入者への還元率を
アピールしているところもあります。

相互会社形態のメリットを語るのであれば、
何が具体的なメリットなのかをもっと主張してほしいですね。

※意見には個人差がありますので、念のため。

 

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長期金利の低下

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サッカー日本代表の活躍に気を取られているうちに
金融市場が大変なことになっています。

とりわけ10年国債利回りは1.08%と7年ぶりの低水準です。
20年債も1.8%、30年債も1.9%割れという水準に下がっています。

資産・負債のフル・マッチングをしていない生保にとって、
長期金利の低下は深刻です。
単年度の決算では運用利回りの低下としか表れませんが、
会社の価値には大きなダメージとなります。

会社価値の参考としてEV(エンベディッド・バリュー)を
開示している第一生命や大同生命の金利感応度を見ると、
リスクフリーレートが50bp下がると、第一生命のEVは2.8→2.4兆円、
大同生命は0.8→0.7兆円と、いずれも大きく減ることがわかります
(2010/3末時点の分析結果による)。
両社とも株式・不動産価値の10%下落よりも、影響が大きいのです。

どうしてもEVを開示している会社が目立ってしまいがちですが、
開示していない国内系生保も状況は概ね似たようなものと思われます。
日本の生保にとって厳しい経営環境です。

※毎度のことながら、コメントは個人的なものです
 (そのように書かない時も含めて)。ご理解下さい。

※写真は箱根です。アジサイを見に行ったところ、
 今年は天候不順でいまいちでした。
 代わりに(?)温泉に入ってきました^^

 

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RINGオープンセミナー

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毎年恒例になっている「保険代理店の文化祭」、
RINGの会オープンセミナーが26日に横浜で開催されました。

このセミナーは今回が12回目。
毎年1000人弱が集まる一大イベントになっています。
全てRINGの会メンバー(主に代理店経営者)によるボランティア運営です。
運営に当たった皆さん、お疲れさまでした。

今回は転職直後ということもあり、私は企画やパネリスト依頼のみで、
当日は朝から晩までじっくりとセミナーを拝聴しました。

「プロ代理店は死滅の道を辿るのか?」というテーマは
ちょっと刺激的だったかもしれません
(ちなみに原案は「プロ代理店は死んだのか?」でした)。

この会に参加して下さる代理店や保険会社の皆さんは
ここでしか得られない刺激や気づきを求めているのでしょう。

結果的に今回は第1部~第3部とも、いずれも突き詰めれば
「専業代理店の存在意義」を考えさせられるような話になりました
(第1部の米山先生は光ってましたね...)ので、
このような刺激的なテーマを掲げてよかったのではないかと思います。

特に第2部と第3部は、いずれも「プロ代理店」を掲げたパネルでしたが、
コーディネーターの違い(あるいは個性)が、うまく作用したように感じました。

ただ、わかっていたことですが、このような刺激的なテーマを掲げてしまうと
次回が大変なんですよね。
とはいえ、来年も開催するのであれば、無い知恵を絞り、
参加者に刺激を与えられるような文化祭にしたいですね。

 

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「白紙で検討」にびっくり

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反社会勢力とのつながりが表面化し、かつ、
数十人による違法行為が判明。
しかも、2007年の暴行死事件、2008年の大麻所持事件など、
相次ぐ不祥事の発覚。

このような公益法人の存続が果たして許されるのかどうか。

興業を続けるかどうかといったレベルの話ではなく、
これが今の日本相撲協会の置かれた状況だと思うのですが、
どうも当事者は理解していないように見えます。

報道によると、21日の理事会は名古屋場所の開催について、
「現時点では見送らざるを得ない可能性もある」
と述べ、4日に再度理事会を開いて判断することにしたとか。

この期に及んで、まだ興業を続ける可能性があるというのでしょうか。
ガバナンスの問題はかなり深刻です。

※写真は大倉山七不思議の1つ、「大倉山の泉」です。
 排水溝から水が出ているようにしか見えないのですが...

 

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新基準で影響度調査

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17日(木)の日経新聞に、
「保険会社の財務健全性 新基準で影響度調査」
という記事が載りました。

これは16日に金融庁が発表した
経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係る
 フィールドテストの実施について

を取り上げたものです。
わかりにくいのでちょっとだけ解説を。

保険会社の健全性規制(ソルベンシー・マージン規制)
の見直しは2段階に分けて行われています。

「新基準」というと、今年度末から試行(正式導入は来年度末)される
ソルベンシー・マージン比率の見直し(金融庁HPへ
と紛らわしいですが、こちらが1段階めの見直しです。
今回のフィールドテストは2段階めの見直しに向けたステップと言えるでしょう。

記事には、

「現在はこの比率(ソルベンシー・マージン比率=植村注)を
 算出する際の分子に当たる純資産は時価評価しているが、
 分母に当たる負債は固定されている」

とありますが、正確には資産(金融商品)は時価評価、
負債(責任準備金)は取得原価というミスマッチです。
これでは保険会社の財務状況の実態をうまく把握できないので、
経済価値ベースで資産・負債を一体的に評価しようという話になっています。

なお、「損保は基本的に1年契約だからあまり関係ない」
という声も聞こえてきそうですが、日本の損保は積立型の保険や、
超長期の火災保険(住宅ローンにかかるもの)を扱っているので、
生保だけに影響する話ではないと私自身は思っています。

※「河口から0.0キロメートル」なのですが、
 この先にも埋立地が広がっているので、海はもう少し先です。

 

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NHKニュースでやることか?

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今回も金融・保険ネタではなくてすみません。

4月からNHKニュース「おはよう日本」で、朝7時半すぎから
「まちかど情報室」というコーナーをやるようになりました。

「世の中の新しい動きをとらえ、生活に役立つ情報をお伝えしています」

(番組HPから引用)とのことですが、これがひどい。
NHKがニュースでこんなことをやっていいのかと憤りを感じます。

例えば、「トースターをもっと活用しよう」の回(15日)では、
「フレンチトーストを焼ける袋」や「ホットケーキを焼くプレート」
などの実演紹介があり、商品名こそ表に出ないとはいえ、
いわゆる便利グッズの紹介コーナーとなっています
(HPには商品名と連絡先が掲載されています)。

民放で同じことをやる場合には、グッズを紹介される会社がお金を払い、
さらに広告代理店が、「○○カフェで紹介されました」という情報を
流通業者に流します。

簡単に言えば、CMを番組の合間に流すのではなく、
番組そのものに組み込んでしまうやり方なのです。

先日、近所のホームセンターの園芸コーナーで
「NHKおはよう日本で紹介されました!」という商品をみかけたので、
おそらく同じパターンなのでしょう。

NHKがグッズの会社からお金をとっているかどうかは
証拠がないので断言はできません。
ただ、番組での扱い(100%肯定的に紹介しています)や、
HPへの掲載からすると、限りなくクロに近いでしょう。

民放は広告を見せるために番組をやるといったビジネスモデルなので、
許容範囲と言えなくもありません(テレビ離れの一因だとは思いますが)。

しかし、公共放送であるNHKでこんなことをやっていいのでしょうか。
このコーナーを見るたびに、腹立たしく思います。

※先週、娘の通う小学校で田植えがありました。
 例年はバケツで稲作なのですが、今年は荒れ地を開墾し、
 本格的にやっているようです。

 

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深刻な球団格差

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サッカーではなく野球の話題です。

10(木)日経のスポーツ面に、野球評論家の豊田泰光さん
(西鉄出身だそうですが、さすがに現役時代は知りません)の
「セ・リーグ 深刻な球団格差」というコラムが載りました。

キモの部分を引用すると、

「セ・パ交流戦はみんなうすうす感じてはいるけど
 口にしてこなかった懐疑を、明るみのもとにさらした。
 巨人、阪神、中日が、ひごろ下位相手に積み重ねている
 勝ち星の価値はいかほどのものか、という懐疑を。」

「セの上位は『ルールにのっとって補強している』というだろうが、
 興業として成り立たなければ元も子もない。
 オーナーたちで緊急ミーティングを開いてはいかがか。
 それくらい事態は切迫している。」

横浜市民ということもあり、何となく昔から横浜ベイスターズ
(私が小学生のころは横浜大洋ホエールズでした)に親しみが
あるとはいえ、さすがに毎年これだけ弱いとげんなりです。
5月にはもう、上位と大差がついてしまうのですから。
しかも、ちょっと活躍した選手はすぐ他球団に移ってしまいます。

今年は横浜だけではなく、下位3球団が沈んでいます。
交流戦の結果(10日まで)は、横浜が5勝16敗、
ヤクルトが6勝13敗、広島が8勝12敗です。
横浜は今日(12日)も負けたので、これで何と8連敗!

豊田さんはヤクルトと広島の試合をみて、
「とても日本プロ野球の“メジャー”同士の戦いにはみえなかった」
と率直に書いています。

米メジャーリーグという手強い相手がいるなかで、
日本プロ野球としての戦略を持たないまま運営してきた
(少なくとも私にはそう見えます)のですから、
今日の事態は起こるべくして起きたと言えそうです。

 

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