15日(木)の日経新聞「大手銀、保険の品目拡大」について。
「投資性商品に加え『医療』『介護』」
「手数料収入の安定狙う」
「『1ヵ所で相談』顧客に利便性」
という見出しが並んでいます。
銀行であらゆる金融商品の相談をしたいと考える人が
世の中にどれだけいるかどうかはさておき、
せっかく「銀行の保険販売」というテーマを取り上げたのに、
大手銀行の取り組みを並べただけの残念な記事でした。
そもそも、銀行の保険販売の現状がほとんど書いてありません。
2007年12月の全面解禁から2年半たったわけですが、
どの程度売れているのか、何が売れているのか、
どの銀行が売れているのか、といった何らかの現状分析
(ちょっとだけでもいいのです)を踏まえたうえで、
各銀行の取り組みを紹介するのが普通でしょう。
もし解禁後も全般的に低調というのであれば、
どこかに問題があるのでしょう。記事にあるような、
「休日や夜間でも相談や契約に応じる体制づくりが次の課題」
という次元の話ではないことは明らかです。
もしMS銀行が好調で、MF銀行がそうでないとしたら、
どこに違いがあるのかが知りたいですよね
(「保険コンサルタント」が力を発揮しているから?
経営が保険販売をリテール戦略の柱に据えているから?)。
例えば、2009年度は大手生保の一時払い終身保険が売れました
(足元の動向は公表データがないのでわかりませんが…)。
銀行の顧客はこの保険を「保障」として買ったのか、
「貯蓄」あるいは他の目的で買ったのかがわかれば、
また別の切り口で大手銀行の取り組みを紹介できるでしょう。
いずれにしても、日経にはもう少し突っ込んだ記事を期待したいですね。
※写真はわが家のアイドル、白クマとグッピーです。