11. コメント裏話など

RINGのセミナーに登壇

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NHK出演に続き、この土曜日(7/1)は横浜で
RINGの会オープンセミナーに登壇しました。
今年は参加者が1600人を超えたそうでして、
確かに壇上からも盛況ぶりがうかがえました。

登壇した第1部は、「今、何が起きているか、
適者として何をすべきか」というテーマの鼎談。

大手損保の執行役員や損保協会の専務理事を
歴任した栗山泰史さん、弁護士でInsurTechの
第一人者として知られる増島雅和さんとともに
保険流通の目線に立って現在と未来について
語り合いました。

実は、打ち合わせでは、各人のスピーチの後、

①改正保険業法の狙いはどこまで進展したか
②行政の変化は代理店にどう影響するか
③保険会社の代理店政策はどう変化するか
④InsurTechの展開

といった順に話を進める予定だったのですが、
①の途中で②④が入る筋書きのない展開に。

栗山さんvs増島さん、私といった場面もあり、
会場の皆さんには楽しんでいただけたかも
しれませんが、瞬間反応が求められるため、
なかなかしびれるものがありました^^

今回、私が最も言いたかったことは、

・「適者」とは、自社の存在意義を明確に意識し、
 自らの強みを追求していく経営者ではないか

・InsurTechの時代になっても、自社の存在意義
 (=世の中に何を提供しようとしているのか)が
 問われるのではないか。

という内容でして、筋書きのない展開になっても
きちんと伝えられたのでホッとしています。

第2部、第3部は講師控室の留守番をしながら
モニター観覧でした。会場の反応はわからない
のですが、準備に時間がかかっただろうなあと
感心しました。

特に第3部は、プロが作った報道番組のようで、
もっと時間があればディスカッションを増やせた
とは思うものの、情報量が非常に多かったので、
私には大変勉強になりました。

RINGメンバーの皆さん、お疲れさまでした。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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クロ現+に出演しました

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NHKの番組「クローズアップ現代プラス」に
ゲスト出演しました(28日)。

生放送だったのですが、NHKのサイトを見ると、
もう放送された内容が文字になっています。
NHKのサイトへ

25分の番組で、そのうちVTRが3回入るので
キャスターとゲストのトークはほんのわずか。
それでも、先ほど改めて録画を見たところ、
結構中身が濃い番組だったように思います
(自分のトークはともかく)。

「保険アナリスト」として登場するのですから、
保険値上げの背景、保険会社を取り巻く状況
も話したかったのですが、時間の制約もあり、
消費者目線の話を優先することになりました。
まあ、かえってよかったのかもしれません。

いい意味で予想外だったのは、キャスターを
交えた当日の打合せが長かったことです。
流れをざっと確認するくらいかと思っていたら、
質問1つ1つについて何を伝えていくべきか
丁寧に検討したのですね。

そうかといって、決められた台本に沿って
話すことを求めらたわけではありません。
ただ、ゲストを含め、皆で番組を作っていく、
そんな感じでした。

「公的年金」と言うべきところを「個人年金」と
言ってしまったり、冷汗もかきましたが(苦笑)、
貴重な経験になりました。

※番組終了後の記念撮影です。

 

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産経新聞のコメント

 

8月に起きた福知山市の花火大会での爆発事故
(露店が爆発し、多数の死傷者が出ました)
の関係で取材を受け、コメントが掲載されました。
産経新聞のHPへ

念のためコメント部分だけ引用します。

 「損保業界に詳しい保険アナリストの植村信保さんは
  『大規模なイベントなどでは、万が一の事態に備えるため
  積極的に保険を活用するべきだ』と指摘。保険会社に対しても
  『リスクの見積もりが難しいかもしれないが、こうしたケースでこそ
  力を発揮することが求められている』としている」

本件に関しては、直接の加害者である露天商や同業組合に
賠償金を支払う資力がなく、イベントの主催者である実行委員会が
どこまで責任を負うべきかによって補償額も変わってくるとみられ、
決着まで時間がかかるかもしれません。

また、自然災害リスクとは違い、こうした賠償責任のリスクには
確立されたモデルがないとのことで、損害保険会社が引き受けに
慎重となるのも十分理解できます。

それでも、保険が実力を最も発揮する局面は、個人や企業では
備えることのできない低頻度・高損害のリスクだと思うのですね。

ですから、このようなコメントを出させていただきました。

※普通の地方鉄道だと思っていたら、路面電車になってびっくり。
 京福電鉄(嵐電)です。

 

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書評が業界紙に載りました

6日の保険毎日新聞に書評が載ったので、お知らせ。

「図説 損害保険代理店ビジネスの新潮流」
(株式会社トムソンネット編 金融財政事情研究会)
です。

「日本の損保市場を拡大するには、開拓が遅れている
 中堅・中小企業市場に力を入れる必要がある」

「その担い手として、リスク対処のプロである
 『日本版独立代理店』が誕生しており、この強みを
 活かすべきである」

というのが本書のメッセージです。

企業向け市場を中心に、大規模経営で事業意欲が高く、
リスクマネジメントのプロである日本版独立代理店が
育ち始めていると本書では指摘しており、この新たな潮流には
私も注目したいと思います。

書評では字数の関係もあり、ほとんど触れませんでしたが、
本書のもう一つの特色は、米国の損害保険市場についての
記述が豊富なことです。

米国の保険情報であれば、Best ReviewやNational Underwriter
といった業界紙誌を読むのが一般的だと思います。

しかし、これらはある程度米国の保険市場をわかっていることが
読者の前提となっているので、同じ保険業界といっても、
日本にいる私たちにはピンとこないこともしばしばです。

これに対し、本書は日本の保険業界に通じた筆者が
米国の保険事情について取材したうえで解説しています。
「日本の損害保険会社であれば・・・」といった説明もあって、
参考になりました。

※「専門家による苦痛のない内視鏡検査」というのにひかれて
 桜木町まで行ってきました。確かに苦痛はなく、助かりました。

 

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「数字で会社を読む」

週刊ダイヤモンドには掲題の会社分析レポートがあり、
今週号(4/27・5/4合併号)は「東京海上ホールディング」でした。
このなかで私のコメントが使われているのでご紹介します。

海外保険事業に関する記述のところで、

「自然災害や自動車事故など多種多様なリスクを引き受ける
 国内損保にとって、『地域や保険商品の分散を図れる点は強み』」

というものです(『 』の部分が私のコメント)。

少し補足しますと、次のようなコメントをしました。

メガ損保の国内損保事業は日本の地震、台風という、
世界でも有数の巨大災害リスクを2つも抱えているため、
グローバルに見ればポートフォリオが偏っています。

中小規模の国内損保であれば、日本の自然災害リスクを
再保険等でフルヘッジしてしまうことも可能でしょうけれど、
規模が大きいメガ損保の場合にはそうもいきません。

ということで、メガ損保が海外保険事業を拡大する背景には、
当然ながら国内損保市場の低迷もあるのですが、
偏ったポートフォリオを是正する効果があるのですね
(リスクが消えるわけではありません。念のため)。

同じことは国内生保事業を拡大する戦略にも言えます。
パンデミックと巨大地震・台風の発生は無関係なので、
こちらも分散効果が期待できそうです。

ただし、ポートフォリオの偏りを是正することができたとしても、
新たに拡大した事業のリスクについて理解が不十分であれば、
そちらで火傷することにもなりかねません。
改めてコメントするまでもありませんが...

※いつもの通り個人的なコメントということでお願いします。

※写真は米国から送られたハナミズキだそうです
 (正確には送られた原木より育成したものです)。

 

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ようこそ先輩2013

 

母校の横浜翠嵐高校で3年ぶりにスピーチしました。
キャリア教育の一環として、様々な分野で活躍中の
卒業生が在校生に仕事について語るという企画です。

今回スピーチした卒業生は15名でした。
弁護士、大学教授、医師といった専門職や、
日本航空、日産自動車、朝日新聞など
高校生にもイメージしやすい名前が並ぶなかで、
私の仕事を説明するのはなかなか大変です。

「保険会社向けの経営コンサルティング」と言っても
高校生には(&大人にも)わかりませんよね。

そこで、こんな説明をしました。

「昨日WBCの試合がありましたよね。
 日本代表チームの東尾コーチ、わかりますか?
 東尾さんは野球のコーチだけど、
 私は保険会社のコーチをやっているんです」

「それから昨日の解説者は工藤さんでしたよね。
 私は解説の仕事もしているんですよ。
 野球ではなく、保険会社についてですけどね」

こんなふうに話をしたら、彼らとの距離が少しだけ
縮まったように感じました(=反応があったので)。

それにしても、自分の仕事について話すということは、
これまでの職業経験を振り返るということなのですね。

どうして今の仕事をしているのか、過去の経験は今、
どのように生きているのか、などなど。

いつものスピーチとは違う、新鮮な体験ができました。

 

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監督・検査は変わったか?

前々回に告知させていただいたTRMAセミナー(2/18)には、
100人を超える皆さまにお越しいただき、ありがとうございました。
当時の同僚も出席していたなかで、私としてはそれなりに
踏み込んでお話ししたつもりです。いかがでしたでしょうか。

講演やセミナーに出席すると、せっかくの質疑応答の時間に
ほとんど質問が出ないということも多いようです。
でも、TRMAセミナーではいつも質問がたくさん出るので、
出席者としては、スピーチよりも面白かったりします。

今回も、面白かったかどうかはともかく、質問が途切れず、
冷や汗をかきながら(?)お答えしました。

大きく分けると、ERMやリスク管理の中身に関する質問と、
保険ERMに対する金融庁の取り組みに関する質問が
半々といったところでしょうか。

「あなたの著書『経営なき破綻』で、当時の当局の監督・検査が
 十分機能しなかったとあるが、実際勤務してみて今はどうなのか」

という質問にはちょっとドキッとしました。

自分で書いていてドキッとするもなにもないですが、
あとから拙著を読み返すと、確かにいろいろ書いてあります(笑)。

個別事例の検証のところでは、

「負債の問題についてどこまで把握していたのかは疑問」
(東邦生命)

「監督官庁の影は薄い」(千代田生命)

「経営指導・チェックのようなものはほとんどなく(後略)」
(協栄生命)

などなど。そして終章では、

「大蔵省による立ち入り検査は銀行検査の延長線上で行われ、
 資産運用リスク(とくに信用リスク)と業務運営の確認が中心」

「行政が生保固有の収益やリスク構造を重視していなかった」

と書いてあります。
こう書いた私が、その後保険行政の現場に行ったわけですね。
質問したくなるのもわかります。

会場でお答えしたとおり、今の保険行政が過去の経験を
生かそうとしているのは確かです。

なかなかコメントが難しいですが、例えば私の在任中に、
金融庁は「保険財務基準・リスク分析室」を立ち上げ、
ソルベンシー規制の検討とモニタリングの態勢を強化しました。
また、保険会社の検査班も今は6チームに増えています
(少し前は4チームでした)。

ただ、慣れたころに担当者が代わってしまうという現状もあります。
ここはもう少し何とかならないものかと思います。
銀行や証券に比べると、保険は外部人材も少ないようです。

なお、しばらくすると、TRMAのHPに質疑応答がアップされるので
(ただし会員専用メニュー)、詳細はこちらをご覧下さい。
会員登録はこちらへ

※写真はライトアップされた歌舞伎座です。

 

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「共済 中高年の味方に」

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2/28(日)の日経17面は共済の特集でした。
制度共済が中高年世代の保険見直しの切り札になる可能性がある、
という主旨の記事です。

記事の最後に私のコメントも載っています。
全労済、全国生協連、コープ共済連の大手3共済の経営に関して、
「資産の大半が現預金や公社債などで、金融危機でも痛手を受けていない」
というものです。

ただ、共済の経営内容に関する情報は非常に少ないです。
ディスクロージャーは徐々に進んでいるものの、
一般の人がみても経営内容をつかむのは難しいでしょう。
格付けを取得し、公表しているところもありません。

記事にはありませんが、3共済への一番の誤解は、
「こくみん共済や県民共済は国や県が運営している」というものでしょう。
名前や非営利性から公的なものと勘違いしてしまうのですね。

それから、万一経営が厳しくなった場合には、
更新時の掛け金を引き上げる、あるいは、保障を縮小することはありえます
(組合員が同意すれば)。
共済に入るということは、協同組合に参加するということなので、
むしろそれが自然なのかもしれません。

 

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保険学セミナー懇談会

先月のことですが、保険学会の先生たちの会合で
2008年度の生保決算について話をする機会がありました。
例年は業界関係者が解説していたようですが、
今年は「中立的なアナリストの立場から話してほしい」と
私にお鉢が回ってきました。

同じ生保決算の話でも、相手によって関心事項や知識の水準が違うので、
できるだけ中身を変えてスピーチするようにしています。
ただ、一口に大学の先生といっても専門はバラバラでしょうし、
今回は目線をどこに合わせればいいか悩みました。

幸い大阪でも東京でもそこそこ質問があったので、
とりあえずホッとしました。

主な質問は「株式保有をどう考えるか」「相互会社と株式会社」
「生保は支払い余力をどうやって回復するのか」などなど。
覚悟していた(?)「答えに困る」質問もほとんどなく、
熱心に聞いていただけたように感じました。

反対に東京では私から、

「相互会社と株式会社の優劣にしても、健全性規制にしても
 米国のように実証分析などを通じてアカデミズムが果たせる役割は
 もっと多いのではないか」

といった話もさせていただきました。

また、大阪では若手の先生がたと二次会、三次会とお付き合いいただき、
交流を深めることもできました。
保険業界と同様に、学会も岐路に立っているのは間違いなさそうです。
このあたりの話は別の機会にでも。

なお、スピーチの内容と全く同じではありませんが、
8/17の週刊金融財政事情に08年度生保決算の分析記事が
掲載される予定です。機会があればご覧いただければと思います。

※写真は名古屋の味噌煮込みうどんです。

 

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NKSJホールディングス

昨日(7/29)、損保ジャパンと日本興亜損保が「経営統合に向けての契約書」
を締結し、経営統合計画の概要を発表しました。

この件で、30日の日経に私のコメントが載っています。

「損保ジャパンの株主から統合を評価されるには、新会社が
 どう将来利益を生み出していくかの明確な事業計画が必要」

というものです。

コメントの内容はおかしくないと思うのですが、そもそも、
株主でも株式アナリストでもない私がコメントするのは変な話です。
ただ、大株主はこのタイミングでコメントするわけにはいかないでしょうし、
株式アナリストはレポートを出す前に見解を話せないのでしょう。
そのような背景があるということでご理解下さい。

7/27号の日経ビジネス「統合比率は1対0.9 !?」という記事にも
コメントが出ています。同じような事情があるのだと思います。

ちなみにコメントは、

「サブプライムローン関連の証券化商品を含む金融商品の保証をする
 金融保証保険で2009年3月期に1479億円もの損失を出した」

というものです。ただ、そのあとに
「このため、統合比率は日本興亜側に有利になる可能性もある」
と続いています。私自身は統合比率についてコメントしていません。
このあたりは対応がなかなか難しいところです。

発表当日は記者会見のほか、機関投資家・アナリスト向けカンファレンス
(≒電話&ネット会議)が開催されました。
私は投資家向けカンファレンスにアクセスしましたが、統合比率に関しては、

「確かに1株当たり純資産のような指標で見ると差があるかもしれないが、
 統合によるシナジーが見込めるので、損保ジャパンの株主にも
 十分メリットがあるはず」

というコメント(質問に対する回答)がありました。
株主の理解を得られるかどうか、年末の臨時株主総会に注目です。

機関投資家・アナリスト向けネットカンファレンスへ

他方、記者会見では「統合効果は消費者にも還元されるのか」といった
カンファレンスとはかなり違うやり取りがなされたようです。

MSN産経ニュース・社長会見ライブへ

※いつものことですが、写真と本文は関係ありません。念のため。

 

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