11. コメント裏話など

「保険の賢い見直し術!」

8月7日の夜、BS11(イレブン)の「報道ライブ インサイドOUT」という番組に、FPの内藤眞弓さんとともに生出演してきました
(21日までこちらで視聴できます)。

今回お声掛けいただくまで知らなかったのですが、この番組は「キャスターがゲストに話を聞く」に徹した番組でした。ニュースや天気予報といった保険以外の時間はほとんどなく、VTRも入らず(CMは何回かありました)、ひたすらキャスターの問いかけにゲストが応じるというものでした。
ついでに言うと、進行表があるとはいえ、覚悟していたとおりキャスターからアドリブの質問もバンバン来ました^^

そもそもテーマが「保険の賢い見直し術」なので、こちらを専門分野としている内藤さんとは違い、私の立ち位置は微妙ですよね。
しかも、「保険業界にとって低金利の影響は?」という最初の質問で、いきなりつまづきました。私が生保経営の大変さについて「二つあります!」といって説明しようとしたところ、一つを説明しただけでキャスターが次に進めてしまうというハプニング。まあ、誰も気にしていないとは思いますが…

とはいえ、岩田キャスターは長年テレビ報道の世界でやってきたかたですし、世間の空気を知るうえでも、このような番組出演は参考になります。
視聴者は「低金利で保険料が上がった」「長寿化で保険料が下がった」「健康増進型保険とか認知症保険とか、最近は新しい保険が出ているらしい」といった情報を、意外なほど知っている(聞いたことがある)のですね。でも、あくまで断片的でバラバラな情報にすぎず、全体として何が起きているかという視点はないし、それが自分とどうつながっているかも、なかなか想像してもらえないようです。
ですから「健康増進型保険や認知症保険に入れば、老後は大丈夫なのか?」という質問があって、思わずゲスト2人とも固まってしまいましたが、視聴者目線に立つと、これはいい質問だったのだと思います。

番組では損害保険にも話題が及びました。西日本豪雨(7月豪雨)による損害保険会社への影響を聞かれ、「おそらくワースト5に入るくらいの支払額になるのでは」「でも、この規模の保険金支払いであれば経営が揺らぐなんてことはない」と言い切ってしまいました。
3メガ損保が10日に発表した7月豪雨による支払見込額の合計は約1500億円とのことで、かなり大きな金額になるようです。火災保険の支払いが多いのは当然として、自動車保険の支払いが多いのが今回の特徴かもしれません。

※BS11オンデマンドの写真も張り付けておきましょう。

 

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人口増加の恩恵がなくなる

7/17付の保険毎日新聞に、先日開催されたRINGの会オープンセミナーの全面記事が掲載され、私がコーディネーターを務めた第1部パネルディスカッション「自由化後20年 保険ビジネスはどこに向かうのか」の詳細な紹介もありました。
コーディネーターではありましたが、パネルの最初のほうで話をしたので、記事には次のようなコメントが載っています。

<以下引用です>
植村氏は、日本におけるこれまでの20年と今後の人口の変化について説明し、「少子高齢化は進行しつつあるが、会社を引退しても社会生活を送ることから、保険の顧客が増えてきたことが、代理店がこれまで生き残ってきた最も大きな背景にあるのではないか。今後は確実に総人口数が減少することから、こうした状況を理解したほうがいい」と訴えた。
<引用おわり>

読んでもいまひとつピンとこないと思いますので、グラフを見ながら解説しましょう。
下のグラフは高齢社会白書(平成29年版)の「図表1-1-6 高齢世代人口の比率」で、よく見るグラフとは反対に、高齢層から順番に積み上げてあります。

過去20年間の動きをみると、15~64歳のいわゆる生産年齢人口は減っていますが、65歳以上の人口が増えたので、保険加入の対象となる人口は微増から横ばいといったところでしょうか。
さすがに80歳以上になると自動車にもあまり乗らなくなり、保険加入の対象というには厳しいかもしれませんが、65歳で仕事を引退しても普通は家に引きこもるのではなく、自動車にも乗り続けるでしょうから、保険加入の対象であり続けます。つまり、過去20年間は、少なくとも人口面にかぎればマイナス成長ではなかったということです。

しかし、これからの20年は違います。生産年齢人口が本格的に減っていくので、高齢者が増えても追いつきません。
「自由化で大変と言われていても何とかやってこれたので、これからも大丈夫だろう」という考えは、特に都市部の場合、人口増加に支えられていた面もあるので、さすがに甘いのではないか、会場ではそのようなことを申し上げました。

それにしても、出生率の低下は世界的な現象とはいえ、ここまで人口減が見込まれる先進国は日本だけ。政治の役割は大きいはずなのですが、ため息が出てしまいます。

 

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ネット損保 淘汰の波

3月20日の日経新聞にコメントが載りました。
「ネット損保 淘汰の波」「解禁20年 シェア1割届かず」という記事のなかで、ダイレクト自動車保険市場が伸び悩んだ背景について、

「価格競争に陥ることなくサービス競争を展開した大手損保の戦略が奏功した」

とコメントしています。
日経記事のサイトへ(有料版)

実は半年前の産経新聞の記事に載った私のコメントは、

「(今後の市場動向について)ゆるやかに増加する傾向は今後も続くだろう。ただ、インシュアテックの技術が進めば、ビッグデータなどを活用し、個人に合わせた個別性の高いサービスや保険が生まれることも考えられる」

「(インシュアテックの進展とともに)通販型保険の市場は今後、大化けする可能性がある」

というものでした。

どちらも取材では同じような話をしているのですが、20年もたったのに未だシェアが1割弱というところに注目すると今回のような記事になり、技術革新や技術革新に伴う社会の変化が従来の保険ビジネスを大きく変える可能性があると考えれば、産経記事のような話になるのでしょう。

※築地には戦前の町家建築が残っています。下の写真は築地本願寺です。

 

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コメントと書評

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週刊金融財政事情(2017.12.4)の生保決算の記事のなかで、コメントが載りました。
「円安・株高の影響で各社軒並み増益」という見出しではありますが、私のコメントは次のとおりです。

「基礎利益の増加は総じて運用リスクテイクの結果であり、基礎的な収益力とは言いがたい」
「むしろ、各社が進める保障性シフトなどが一定の成果を上げていることに注目したい」

先日のブログ(生保の4-9月期決算から)では、保険料等収入だけではなく、他の指標をあわせて見ましょうという話をしましたが、基礎利益については言及しなかったので、ちょうどよかったかもしれません。
ただし、字数の制約から「外債投資など資産運用リスクを積極的に取った結果」と言うべきところを「運用リスクテイクの結果」、「保障性商品に重点を置いた営業戦略へのシフト」を単に「保障性シフト」としてしまいましたが、きんざいの読者ということで、こちらでお許し願います。

たまたま同じ号に、数か月ぶりに執筆した「一人一冊」(=書評です)も載っています。
今回取り上げた「社会心理学講義」(著者は小坂井敏晶さん)は、さらっと読めるような本ではありませんでしたが、じっくり読み進めると、何というか心をしばしば揺さぶられました。機会がありましたら、ぜひご覧ください。

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※左の写真が山野楽器のツリー、右が和光のショーウィンドーです。

 

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通販型自動車保険20年

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通販型自動車保険が登場して20年という
産経新聞の記事にコメントが載りました。
記事のサイトへ

「(今後の市場動向について)ゆるやかに
 増加する傾向は今後も続くだろう。ただ、
 インシュアテックの技術が進めば、ビッグ
 データなどを活用し、個人に合わせた
 個別性の高いサービスや保険が生まれる
 ことも考えられる」

「(インシュアテックの進展とともに)通販型
 保険の市場は今後、大化けする可能性が
 ある」

というものです。

通販型自動車保険の象徴的な存在だった
アメリカンホーム保険は撤退したとはいえ、
8%弱のシェアということは、全体の25%を
企業向けとすると、個人向け自動車保険の
約1割が通販型ということになりますね。

コメント最後の「大化けする」という表現を
私は使っていないのですが、それはともかく、
例えば、シェアリングエコノミーの進展により
自動車が所有するものから利用するものに
変わっていった場合、保険は利用するつど
加入するのであれば、利用手続きとセットで
手当てするのが便利だと思います。

この例だけ見ても、インシュアテックというか
技術革新と、技術革新に伴う社会の変化が
従来の保険ビジネスを大きく変える可能性は
あると言えるでしょう。

また、9月29日の日経が取り上げた衆安保険
(中国のインシュアテック企業として知られる)
は、株主であるアリババのネット通販を通じ、
商品返送費用を補償する保険などを提供し、
急成長しています。

中国の、しかも自動車保険以外の動きでは
ありますが、こちらも興味深い事例です。

※地元・大倉山のお祭りでした。

 

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RINGのセミナーに登壇

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NHK出演に続き、この土曜日(7/1)は横浜で
RINGの会オープンセミナーに登壇しました。
今年は参加者が1600人を超えたそうでして、
確かに壇上からも盛況ぶりがうかがえました。

登壇した第1部は、「今、何が起きているか、
適者として何をすべきか」というテーマの鼎談。

大手損保の執行役員や損保協会の専務理事を
歴任した栗山泰史さん、弁護士でInsurTechの
第一人者として知られる増島雅和さんとともに
保険流通の目線に立って現在と未来について
語り合いました。

実は、打ち合わせでは、各人のスピーチの後、

①改正保険業法の狙いはどこまで進展したか
②行政の変化は代理店にどう影響するか
③保険会社の代理店政策はどう変化するか
④InsurTechの展開

といった順に話を進める予定だったのですが、
①の途中で②④が入る筋書きのない展開に。

栗山さんvs増島さん、私といった場面もあり、
会場の皆さんには楽しんでいただけたかも
しれませんが、瞬間反応が求められるため、
なかなかしびれるものがありました^^

今回、私が最も言いたかったことは、

・「適者」とは、自社の存在意義を明確に意識し、
 自らの強みを追求していく経営者ではないか

・InsurTechの時代になっても、自社の存在意義
 (=世の中に何を提供しようとしているのか)が
 問われるのではないか。

という内容でして、筋書きのない展開になっても
きちんと伝えられたのでホッとしています。

第2部、第3部は講師控室の留守番をしながら
モニター観覧でした。会場の反応はわからない
のですが、準備に時間がかかっただろうなあと
感心しました。

特に第3部は、プロが作った報道番組のようで、
もっと時間があればディスカッションを増やせた
とは思うものの、情報量が非常に多かったので、
私には大変勉強になりました。

RINGメンバーの皆さん、お疲れさまでした。

 

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クロ現+に出演しました

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NHKの番組「クローズアップ現代プラス」に
ゲスト出演しました(28日)。

生放送だったのですが、NHKのサイトを見ると、
もう放送された内容が文字になっています。
NHKのサイトへ

25分の番組で、そのうちVTRが3回入るので
キャスターとゲストのトークはほんのわずか。
それでも、先ほど改めて録画を見たところ、
結構中身が濃い番組だったように思います
(自分のトークはともかく)。

「保険アナリスト」として登場するのですから、
保険値上げの背景、保険会社を取り巻く状況
も話したかったのですが、時間の制約もあり、
消費者目線の話を優先することになりました。
まあ、かえってよかったのかもしれません。

いい意味で予想外だったのは、キャスターを
交えた当日の打合せが長かったことです。
流れをざっと確認するくらいかと思っていたら、
質問1つ1つについて何を伝えていくべきか
丁寧に検討したのですね。

そうかといって、決められた台本に沿って
話すことを求めらたわけではありません。
ただ、ゲストを含め、皆で番組を作っていく、
そんな感じでした。

「公的年金」と言うべきところを「個人年金」と
言ってしまったり、冷汗もかきましたが(苦笑)、
貴重な経験になりました。

※番組終了後の記念撮影です。

 

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産経新聞のコメント

 

8月に起きた福知山市の花火大会での爆発事故
(露店が爆発し、多数の死傷者が出ました)
の関係で取材を受け、コメントが掲載されました。
産経新聞のHPへ

念のためコメント部分だけ引用します。

 「損保業界に詳しい保険アナリストの植村信保さんは
  『大規模なイベントなどでは、万が一の事態に備えるため
  積極的に保険を活用するべきだ』と指摘。保険会社に対しても
  『リスクの見積もりが難しいかもしれないが、こうしたケースでこそ
  力を発揮することが求められている』としている」

本件に関しては、直接の加害者である露天商や同業組合に
賠償金を支払う資力がなく、イベントの主催者である実行委員会が
どこまで責任を負うべきかによって補償額も変わってくるとみられ、
決着まで時間がかかるかもしれません。

また、自然災害リスクとは違い、こうした賠償責任のリスクには
確立されたモデルがないとのことで、損害保険会社が引き受けに
慎重となるのも十分理解できます。

それでも、保険が実力を最も発揮する局面は、個人や企業では
備えることのできない低頻度・高損害のリスクだと思うのですね。

ですから、このようなコメントを出させていただきました。

※普通の地方鉄道だと思っていたら、路面電車になってびっくり。
 京福電鉄(嵐電)です。

 

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書評が業界紙に載りました

6日の保険毎日新聞に書評が載ったので、お知らせ。

「図説 損害保険代理店ビジネスの新潮流」
(株式会社トムソンネット編 金融財政事情研究会)
です。

「日本の損保市場を拡大するには、開拓が遅れている
 中堅・中小企業市場に力を入れる必要がある」

「その担い手として、リスク対処のプロである
 『日本版独立代理店』が誕生しており、この強みを
 活かすべきである」

というのが本書のメッセージです。

企業向け市場を中心に、大規模経営で事業意欲が高く、
リスクマネジメントのプロである日本版独立代理店が
育ち始めていると本書では指摘しており、この新たな潮流には
私も注目したいと思います。

書評では字数の関係もあり、ほとんど触れませんでしたが、
本書のもう一つの特色は、米国の損害保険市場についての
記述が豊富なことです。

米国の保険情報であれば、Best ReviewやNational Underwriter
といった業界紙誌を読むのが一般的だと思います。

しかし、これらはある程度米国の保険市場をわかっていることが
読者の前提となっているので、同じ保険業界といっても、
日本にいる私たちにはピンとこないこともしばしばです。

これに対し、本書は日本の保険業界に通じた筆者が
米国の保険事情について取材したうえで解説しています。
「日本の損害保険会社であれば・・・」といった説明もあって、
参考になりました。

※「専門家による苦痛のない内視鏡検査」というのにひかれて
 桜木町まで行ってきました。確かに苦痛はなく、助かりました。

 

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「数字で会社を読む」

週刊ダイヤモンドには掲題の会社分析レポートがあり、
今週号(4/27・5/4合併号)は「東京海上ホールディング」でした。
このなかで私のコメントが使われているのでご紹介します。

海外保険事業に関する記述のところで、

「自然災害や自動車事故など多種多様なリスクを引き受ける
 国内損保にとって、『地域や保険商品の分散を図れる点は強み』」

というものです(『 』の部分が私のコメント)。

少し補足しますと、次のようなコメントをしました。

メガ損保の国内損保事業は日本の地震、台風という、
世界でも有数の巨大災害リスクを2つも抱えているため、
グローバルに見ればポートフォリオが偏っています。

中小規模の国内損保であれば、日本の自然災害リスクを
再保険等でフルヘッジしてしまうことも可能でしょうけれど、
規模が大きいメガ損保の場合にはそうもいきません。

ということで、メガ損保が海外保険事業を拡大する背景には、
当然ながら国内損保市場の低迷もあるのですが、
偏ったポートフォリオを是正する効果があるのですね
(リスクが消えるわけではありません。念のため)。

同じことは国内生保事業を拡大する戦略にも言えます。
パンデミックと巨大地震・台風の発生は無関係なので、
こちらも分散効果が期待できそうです。

ただし、ポートフォリオの偏りを是正することができたとしても、
新たに拡大した事業のリスクについて理解が不十分であれば、
そちらで火傷することにもなりかねません。
改めてコメントするまでもありませんが...

※いつもの通り個人的なコメントということでお願いします。

※写真は米国から送られたハナミズキだそうです
 (正確には送られた原木より育成したものです)。

 

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