11. コメント裏話など

オープンセミナーで登壇

6月22日(土)に横浜でRINGの会オープンセミナーが開催され、1000人を超える参加者の前で、無事(?)MC兼コメンテイターを務めました。
今回は週刊ダイヤモンドの藤田章夫記者、週刊東洋経済の中村正毅記者という、一連の損保問題について地道に報道してきたお二人に登壇していただけることになった時点で、私の仕事の半分以上は終わっていたのかもしれません。とはいえ、せっかくお招きしたゲストから貴重なコメントを引き出そうと、私なりに取り組んだつもりですが、いかがでしたでしょうか。

今回の問題発覚をきっかけに損害保険会社は本当に変わるのか。ここに至ってもなお、保険会社が旧来の取引慣行や企業文化を引きずっている事例を報じているお二人からは、悲観的なコメントが相次ぎました。
これに対し、楽観的と言うべきかどうかは微妙ですが、私は昨今のガバナンス改革の流れからしても、このままでいられるはずがないと考えていまして、お二人とは異なるコメントになりました。

セミナーを主催するRINGの会のメンバー(正会員)は、総じて情報感度も経営意識も高い損保プロ代理店です。そこでセミナー前に、今回の一連の問題による代理店経営への影響としてどのようなことを心配しているかをたずねてみたところ、「プロ代理店には影響がない」「むしろ追い風」という見解が多くみられました。
保険会社がほとんど変わらないという前提であれば、その通りかもしれませんし、「追い風」論も間違いではないと思います。しかし、保険会社が求められているのは「有力代理店ではなく顧客を向いた経営への転換」だけではなく、「経済合理性に基づいた企業価値向上を目指した経営への転換」です。
前者だけであれば、RINGメンバーのような顧客と真摯に向き合ってきた代理店には追い風と言えるでしょう。しかし、後者はどうでしょうか。例えば、これまでよりも引受規律を重視するようになった保険会社と代理店はどう付き合っていくのか。あるいは、保険会社が長年の懸案だった「二重構造」を一掃するため、代理店の選別を一段と進めるかもしれません。
そこで、セミナーの後半に、あえて強い口調で「大間違い」というコメントをしました。参加した皆さんにうまく伝わっていればいいのですが…

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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損保4社の業務改善計画

企業向け保険料の事前調整問題で金融庁が昨年末に出した業務改善命令に基づき、大手損保4社が2月29日に業務改善計画を金融庁に提出し、その概要を公表しました。いくつかのメディアから取材を受けたので、備忘録としてコメントが載った部分をご紹介します。

時事通信

政策株6.5兆円、すべて売却へ 不正の温床、迫られた清算―損保4社」という記事の最後のほうに、

「政策株の全売却について、保険業界の動向に詳しい福岡大学の植村信保教授は『いびつな保険の取引慣行の是正のきっかけになる』と指摘」

というコメントが載りました。記事はその後、「金融庁は『政策株がゼロとなるよう売却状況を監視していく』(監督局幹部)方針だ」で締めくくられています。

読売新聞

損保4社 改善計画 政策保有株ゼロ 目指す 過度な営業支援も是正(読売会員限定)」という記事の最後に、

「福岡大の植村信保教授(保険論)は『長年続いてきた慣行を変えるのは容易ではない。損保各社の取り組みは当然として、顧客企業の意識改革も重要だ』と指摘する」

というコメントが載りました。
ちなみに同紙は政策保有株式の削減について、「純投資に切り替わるだけに終われば改善策は骨抜きとなりかねない(中略)各社が売却を加速していけるかが問われそうだ」という冷静な視点を示しています。

参考までに、4社の業務改善計画はこちらになります。
東京海上グループ
三井住友海上
あいおいニッセイ同和
SOMPOグループ

「取引慣行」に関する改善策として政策保有株式の売却のほか、

・本業支援の見直し(出向を含む)
・企業代理店のあり方

が挙がっています。「トップライン重視・シェア重視」に関しては、

・営業目標や個人評価制度の見直し
・保険引受管理態勢の見直し

が挙がっています。
いずれも方向性として全く違和感はないとはいえ、個社の取り組みだけでどこまで実現できるか。政策保有株式のように、外部からでも取り組み状況がわかるといいのですが、透明性について工夫が必要ではないかと思います。

※三越本店のライオンに会ってきました。

 

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生命保険会社の異業種買収

日本生命によるニチイ学館グループの買収、第一生命によるベネフィット・ワン買収と、大手生命保険グループによる異業種の買収発表が相次ぎました。これをどう考えるべきか。
このようなお題を「日経モーニングプラス(BSテレ東・2月26日放送)」からいただいたので、次のようにまとめてみました。

背景として「人口減少によって国内の保険市場の縮小が見込まれる」(2023年12月8日のNHKニュース「生命保険大手 異業種の企業買収の方針を発表 収益基盤を強化へ」)と言ってしまえばそれまでですが、自分がコメントするとしたら次の2点を挙げたいです。

1つは、大手生保グループが金融市場に影響を受けやすい現在の経営構造を見直そうとしていることが挙げられます。
伝統的な生命保険では将来にわたり予定利率を保証しており、ヘッジが不十分であれば金利リスクを抱えます。しかも、大手生保は多額の株式を保有していますし、最近まで外貨建資産を増やしてきました。その結果、経営リスクの多くが金融市場関連という状況にあるとみられ、例えば第一生命グループはこうしたリスク構造の見直しを図るとしています。

もう1つは、人口動態の変化を受け、死亡保障ニーズが急速に縮小するなかで、保険会社が長生きリスクへの備えに活路を見出そうとしていることです。
この30年間に、かつて多数派だった「夫婦&未婚の子ども」世帯の割合は大きく下がり、単身世帯と夫婦のみ世帯の割合が増えました。しかも、かつて多かった「専業主婦」は今や少数派です。こうした変化を受けて、すでに各社は長生きリスクへの備えとして医療保険や長寿対応の保険を提供しており、「異業種」とはいえ、介護サービスや福利厚生サービスもその延長線上にあると考えられます。買収によって介護サービスや健康関連のデータにアクセスできるのであれば、その価値は大きいでしょう。

人口減少と言ってしまえば何でも説明できるとはいえ、もう少し踏み込んで考えてみました。

※福岡からのリモート出演でした。

 

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最近のインタビュー記事

2023年もあっという間に過ぎつつあります。
個人的にはこれだけメディアに登場したのは、2000年代前半の生保危機以来かもしれません。
長年の保険業界ウォッチャーとしては、物事の表面をなぞるのではなく、より本質に迫る解説やコメントを心がけていく所存です(機会があれば)。

年末にインタビュー記事がいくつか出ていますので、こちらでご紹介します。

1.産経新聞「損保大手4社の事前価格調整、水面下で横行 信頼回復に道険しく」(12月26日)

金融庁が26日に大手損害保険会社に対する行政処分と保険料調整行為等に係る調査結果を公表したのを受けたものです。
この調査結果は予想通りの結果とはいえ、組織的かつ法令違反の自覚がないまま不適切な取引が継続的に行われていたことが示されています。

2.日経フィナンシャル「経営理解する社外取締役を 金融庁も体制強化必要」(12月28日)

有料媒体なので購読者限定ですが、先日寄稿した日経新聞・経済教室「曲がり角の損保経営 収入・シェア偏重体質改めよ」をさらに深掘りしたようなインタビュー記事になっています。
経済教室では「社内で当然視される取引慣行に疑問を投げかけるのは執行への過剰干渉ではなく、社外取締役の重要な役割だ」と書きました。こちらのインタビュー記事では最近のガバナンス研究を踏まえ、社外の目を機能させるには人選が重要になるとも述べています。

3.日刊自動車新聞「指針 流通・アフター業界 ビッグモーター問題をみる」(12月20日)

こちらも有料記事です。「損保の営業支援 政府で議論を」という副題が付いています。

以上になります。それでは皆さま、来年もよろしくお願いいたします。

※今年も家族みんなで栗きんとんを作りました

 

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損保の価格調整問題

大手損害保険会社が企業向け保険で保険料の事前調整を行っていたという問題について、9月29日のBloomberg記事「損保4社が報告書提出、調整行為の範囲など金融庁が実態解明へ」に私のコメントが載りました。

<以下引用>
福岡大学の植村信保教授は、報告書の提出を受けて調査が進めば「個社の問題ではなく、業界の問題ということが明らかになるだろう」と期待する。損保の担当者に「法令違反をしているという意識はなく、取引慣行として長年行われていた可能性がある」とみており、「経営陣が何も知らなかったということはないのではないか」と指摘。保険市場を「より透明性の高い環境に変えていくべきだ」と話す。
<引用終わり>

実のところ、取材では損害保険業界の問題だけではなく、顧客である大企業についても辛口のコメントを出しています。
というのも、ビッグモーター問題とは違い、こちらの保険契約者は企業のリスクマネジメントの一環として保険を活用してきた、いわばプロであるべき契約者だからです。なかでも、より高いガバナンス水準が求められる東証プライム市場に上場するような会社であれば、保険のことは企業内の系列代理店(実質的には特定の保険会社とその出向者?)に任せっきりというのは本来許されることではありませんし、特定の保険会社と優先的に取引してきたのであれば、その理由を株主などに合理的に説明できなければなりません。

価格調整が取引慣行として長年行われてきたのは保険会社の都合だけなのでしょうか。企業代理店が価格調整の存在をある程度知っていたケースも多いのではないかと思いますし、そうだとすると、企業サイドも好都合と考えていたのではないでしょうか。
あるいは、企業サイドが価格調整の存在を全く知らなかったとしても、料率の本格的な引き上げ局面になるまで問題が発覚しなかったのは、保険をリスクマネジメントの手段というよりは、単なるコストの一項目くらいにとらえてきたということなのでしょう。

例えば再保険市場で料率が大きく上がっても、大手損保は長年の取引関係を考慮し、元受保険料に全面的に転嫁するような対応をしてきませんでした。寡占市場といっても、例えばブローカーを使って外資系などこれまで取引のない保険会社から保険を手配することは可能でしたが、そのような動きは一部を除き、聞いたことがありません(おそらく外資系のほうが総じて料率が高いのではないかと思いますが…)。

もっとも、保険を手配するコストを抑えることができていたとしても、その代償として、企業に保険に通じた人材が育たず、総務部や人事部を窓口にして、工場や建物に財物保険をかけておしまい、といったことになっている企業が多いのではないでしょうか(統計などがないので断定はできませんが)。

保険会社の事前価格調整は許されるものではありませんが、大企業のリスクマネジメント意識の低さが、今回の問題の背景にあると私は考えています。

※日本金融学会の秋季大会が九州大学で開催されました。

 

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ソニーが金融事業を分離

ソニーグループは18日、完全子会社であるソニーフィナンシャルグループを2、3年後に分離独立させるという構想を発表しました。
Bloombergの記事
NHKの記事

18日の経営方針説明会で、十時COO兼CFOは次のようにコメントしています。

「金融事業には成長投資とともに、財務の健全性も強く求められ、多くの資本を必要とします。ソニーグループ全体のキャピタルアロケーションという観点では、拡大していくエンタテインメント、イメージセンサー事業などへの投資との両立は容易ではありません」

「(パーシャル・スピンオフにより)金融各社の社名、ブランド、グループ内での位置付けなどを変えることなく、金融事業を上場し、独自の資金調達能力を備えて、中長期でのさらなる成長を指向することができると考えています」

ソニー生命の手掛ける生命保険事業が多くの資本を必要とするのは、2020年に約4000億円かけて完全子会社とした際にもわかっていたことだと思います。財務の健全性が強く求められるというのもそうです。

そう考えると、あくまで推測ですが、グループとして株主が期待する高い資本効率を達成するにはソニー生命の資本対比リターンをより高める必要があるものの、それにはソニー生命のビジネスモデルを見直さなければならず、それは困難だと判断したのではないでしょうか。
過去には「(金融事業が)リーマンショック以降のソニーが最も苦しかった時期にグループを支えた」(吉田CEOのコメント)ということはあったにせよ、それはあくまで経営陣の目線であって、株主からするとそのような「保険」はいらないということなのかもしれません。

ところで、私は本件で読売新聞の電話取材を受けまして、19日の朝刊に次のコメントが載りました。

「福岡大の植村信保教授(保険論)は『上場にあたっては経営の透明性が一段と求められる。遠藤氏(元金融庁長官の遠藤俊英氏)を起用する理由をステークホルダー(利害関係者)に、より丁寧に説明する必要がある』と指摘している」

スピンオフを中心にいろいろとコメントしているのですが、使われたのはこの部分でした。
とはいえ、スピンオフの結果、遠藤さんが上場会社のCEOとして株主と対峙し、自社の成長戦略や資本効率について説明することになるかもしれないのですね。
保険アナリストとしては、上場生保グループが増え、かつ、IFRSで決算を行うというところにも注目したいです。

※今年もきれいに咲きました!

 

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少短保険監督指針の改正案

先週末は社会人向け集中講義だったので、ブログの更新が遅れてしまいました。
2時間×3回×2日を1人で担当するというのは初体験で、講師も受講生も体力勝負でした。

ところで、金融庁が少額短期保険事業者向けの監督指針の改正案を公表しています(3/3までパブコメ受付中)。
金融庁は「財務の健全性及び業務の適切性に懸念のある少短業者を早期に把握し適切な対応を促すことがこれまでより必要となっており、モニタリング体制等を整備する観点から所要の改正を行う」としており、昨年、ペッツベスト少額短期保険とユアサイド少額短期保険の経営が破綻し、ジャストインケースがコロナ保険金の減額払いに追い込まれたことなどを受けた措置です。

改正案をみると、資金繰りに懸念がある少短業者などを対象に早期警戒制度を新設したり、流動性リスク管理態勢の着眼点に資金繰り管理を加えたりと、流動性リスク管理の監督を強化する内容となっています。

また、少短業者として登録する際の審査に当たっては、「登録希望者の事業意欲や創意工夫を阻害することが無いよう、登録制度の趣旨を踏まえた迅速かつ的確な審査を進めるものとする」としつつも、本部機能に「企業の経営管理業務に3年以上携わった経験を有する者」の配置を求め(現在は「保険業務を3年以上経験した者」を求めている)、さらに、「業務継続のための資金を確保するため、必要な時に親会社や個人オーナーなどの少額短期保険主要株主等から概ね6ヵ月間の事業費相当額程度の確実な資金調達が見込めるか」を確認するとしています。

保険事業は事前にお金(保険料)を受け取るので、一定の契約を確保できていれば、資金繰りに窮するような事態にはなりにくい業態です。しかし、確固とした事業基盤を持たずに新規参入した少額短期保険事業者の場合には、そうもいかないことがわかったのでしょう。

※先週末(1/27)の京都・銀閣寺です。

 

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入院給付金の見直し

前々回のブログでご紹介した8月20日前後のメディア対応に続き、9月1日から4日にかけて、NHK(夜9時のニュースなど)をはじめ、掲題のテーマでいくつかのメディアに登場しました。共同通信の取材にも応じたので、静岡新聞などいくつかの地方紙にコメントが出たそうです(知人に教えてもらいました)。

その共同発のコメントですが、前半部分に訂正があります(申しわけありません)。

「みなし入院給付金の特例は、新型コロナウイルス感染症が未知の病気で社会的に深刻だったタイミングで、医療機関の逼迫(ひっぱく)を回避するために保険業界が社会貢献のような形で導入した」

ではなく、

「みなし入院給付金の特例は、新型コロナウイルス感染症が未知の病気で社会的に深刻だったタイミングで、医療機関が逼迫(ひっぱく)して自宅療養者が出るなかで、保険業界が社会貢献のような形で導入した」

というコメントをしたつもりでした。これは記者さんのせいではなく、私の確認ミスです。

ちなみに後半部分はこうなっています。

「最近は軽症や無症状の感染者も多く、本来は給付金を受け取る対象か疑わしい人も受け取っていることが問題になっている。保険は加入者がお金を出し合って、いざという事態に備える仕組みだ。みなし入院の感染者全てに支払いを続けると、新規で医療保険に加入する人の保険料が値上がりしたり、販売停止につながったりして、加入者が不利益を被る恐れがある」

NHKのコメントは動画のほか、こちらで確認できます。

NEWS WEB「コロナ自宅療養で“入院保険”これからどうなる?」(9月1日更新)
サクサク経済Q&A「【詳しく】新型コロナ 入院給付金見直しって?」(9月1日公表)

コメントの中核部分はこちらになります。

「保険会社が『みなし入院』でも給付金を払うと決めたときはまだ、コロナがどんな病気で、どれくらい深刻なのかが分からなかったため、こうした対応が社会にとって役立つと考えていたのだと思う。しかし、今は症状が重くなくても、陽性と判定されればそれだけで給付金がもらえてしまう状況で、給付金をもらうためにあえて保険に加入する人も出てきている。入院給付金の原資は契約者が払う保険料で、保険料を払っている人と給付金を受け取っている人のバランスが崩れ不公平な状況になっており、正常な状態に戻すという話だと捉えるべきだ」

後段の「保険料を払っている人と給付金を受け取っている人のバランスが崩れ不公平」というのはちょっと変ですが、「保険料と給付金のバランスが崩れているうえ、保険料を負担している人たちのなかで不公平が生じている」と捉えていただければ幸いです。

ちなみに同じNHKでもNEWS WEBとサクサク経済Q&Aは別の取材でして、これは本人でないとわからないかもしれません。

念のため、今回の見直しに関する資料を挙げておきましょう。

1.金融庁「入院給付金の取扱い等に係る要請」(9月2日公表)

生命保険協会、日本損害保険協会、外国損害保険協会、日本少額短期保険協会にあてたもので、「貴協会におかれては、会員各社において、医療機関や保健所の負担軽減に十分配慮しつつ、政府による検討の方向性を踏まえた上で、いわゆる『みなし入院』による入院給付金の取扱い等について、支払対象も含め、可及的速やかに検討が行われるよう周知していただきたい」とあります。

2.生命保険協会「新型コロナウイルス感染症による宿泊施設・自宅等療養者に係る療養証明書の取扱い等について

上記の金融庁要請を受けて、「生命保険各社においては、医療機関や保健所の負担軽減に十分配慮しつつ、いわゆる『みなし入院』による入院給付金の支払対象も含めた取扱い等について、 検討が行われるよう周知しています」とあります。日本損害保険協会のリリース文も、この部分に関してはほぼ同じです(「周知」ではなく「依頼」となっていますが)。

各社の対応はおそらく検討中で、まだサイトでは確認できませんでした(5日現在)。

※熊本城の修復もだいぶ進みましたね。

 

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損保の安定経営とは

NHKニュースでコメント

19日に大手損保グループの4-9月期決算発表があり、これに合わせてNHKニュースの電話取材を受け、その日の夜9時のニュースに出演(?)しました。
火災保険の保険料がテーマでして、先ほど確認したところ、「保険料が上がるというのは、消費者としてはうれしくないが、保険会社としては妥当」「(料率を上げるのであれば)効率化が求められる」といったコメントが使われていました。

来年の自然災害がどうなるかはわかりませんが、少なくとも昨年、今年と大型の災害が続いたので、考えてみればかなりのニーズ喚起になっているはず。そのような話もしたのですが、使われなかったようです。

損保の安定経営とは

翌日の日経は「損保の災害準備金、半減」「安定経営にきしみ」という見出しで損保決算を大きく報じていました。
大手3グループの異常危険準備金が2年前に比べて半減する見通しとなり、「損保経営の安定がきしみ始めた」というものです。

確かに異常危険準備金は毎期の期間損益を安定させる効果があります。ただ、損保の「安定経営」とは、こうした見かけ上の損益が安定して推移することではなく、毎期の損益は自然災害の発生などで振れるとしても、リスクに対する支払余力に常に一定の余裕があることではないでしょうか。
自然災害リスクを事業として引き受けているのですから、損益が振れるのはむしろ当然とも言えます。それに、異常危険準備金は支払余力の一部にすぎませんので、そこだけ取り出してもあまり意味がないように思います。

再保険のハード化が進むか

NHKの取材では、「損保はリスクを再保険に出しているのに、なぜ値上げとなるのか?」という質問もありました。
「翌年の再保険料が上がるから」というのが1つの回答だと思いますが、実のところ、再保険市場が今後も料率上昇トレンドで推移するとまで言い切る自信はありません。
世界的な金融緩和のなかで再保険市場への資金流入はまだまだ続きそうなので、このところ多額の保険金支払い発生が続いたとはいえ、局地的にはともかく、全体としては思ったほどマーケットがハード化しないことも考えられます。

※写真は多摩川です。

 

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FPジャーナルに登場

日本FP協会の会報『FPジャーナル』10月号に登場しました。特集記事の「保険業界の最新動向と今後の見通しを探る(生命保険)」で私のコメントがいくつか使われています。
ただ、いま読み返してみると、やや舌足らずなところもあるので(すみません)、若干補足してみましょう。

生保市場は縮小?

冒頭に「ここ数年、生保市場は縮小しているイメージがありますが、実際はそうではありません」とあり、保有契約年換算保険料が右肩上がりで推移していることを紹介しました。
ここで言いたかったのは、生保に集まるお金が増えている(伸びたのは主に貯蓄性商品なので)ということですが、同時にこの図表からは、一般に成長市場とみられている第三分野の年換算保険料が意外に伸びていないこともわかります(記事ではそこまでコメントしていません)。

本格的な人口減少はこれから

「これまでは人口構成の変化に対応してきましたが、人口の総数が減っていく中で今後、生保業界にとって厳しい経営環境となると考えられます」というコメントにも補足が必要かもしれません。
人口構成の推移を見ると、これまでの10年、20年は、確かに生保がターゲットとしてきた保障中核層(30~40代)は縮小したものの、その上の世代はむしろ増えていましたので、ターゲットをシニア層に広げることで事業を展開することができました。しかし、これからの10年、20年は、高齢シニア層を除けばどの層も人口が減っていくという未体験の世界に突入するので、「厳しい経営環境となる」とコメントしました。
高齢化の推移と将来推計(PDF)

他の金融商品とのちがい

「株主はともかく、契約者にとって生保会社の成長は絶対ではありません」「経営リスクを抑え、経営の健全性を保ってくれればよく、契約者やFPの方々としては安全性を監督(監視…植村注)することが重要です」というコメントも、やや極端に見えたかもしれません。
これは読者がFPなので、他の金融商品とはちがい、保険では契約者が保険会社の信用リスクを負っているということを伝えようとしたものです。加入先の生保会社が破綻すると、契約者は何らかの不利益を被ります。

※お地蔵さまが縄でしばられていました。

 

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