10. 出張報告

今でも建設ラッシュ

 

2008年の金融危機で英国の金融機関は大きな打撃を受け、
ロンドンの金融街シティーでは大リストラが実施されました。
シティーで活躍する金融機関は英国勢だけではないので、
欧州債務危機の影響も無視できません。

例えばBloombergの記事をみると、英国の金融サービス業界では
昨年だけで約5.8万人の人員削減があった(=世界最多とのこと)とか、
スクエアマイル(=シティー)の雇用が8.5%減少したとか出ています。

しかし、金融街を歩くと、意外にもクレーンがあちこちで見られ、
建設ラッシュが続いているような印象でした。

一つには、オフィスから高級マンションへの改築があるようです。
シティーのオフィス需要は低迷しており、貸すにも売るにも
このままではどうしようもないということなのでしょう。
加えて税金対策という面もあるとか。

ただ、もう一つは、好況時の開発計画を止められない、
ということかもしれません。1990年代後半の東京がそうだったように。

それにしても、ロンドンを歩くと新しいビルが目につきますね。

 

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ワークショップの「作法」

 

海外でワークショップなどに参加すると、
報告者が率先して説明中に質問を受け付け、
実際に参加者から多くの質問が出ます。
今回のスイスでの会合もそうでした。

日本では、報告者の話をすべて聞いてから、
最後にまとめて質疑応答を受け付けるというのが
一般的なワークショップや研究会の「作法」だと思います。

この「作法」の悪いところは、議論が深まりにくいことでしょう。
単なる発表会になってしまいがちです。

それでは海外の「作法」が優れているのかといえば、
これもケースバイケースだと思います。

例えば発表内容について一定の知識があり、
発表の全体像を踏まえたうえでの質問があれば、
質疑応答を通じて議論が深まるかもしれません。

ただ、これまでの経験からすると、
途中で「どうしてそれを今聞くの?」という質問が入り、
その結果、時間が足りなくなり、最後は駆け足で終わる、
というパターンも結構多いような気がします。

最後に質問しようとのんびり構えていると、
下手をすると時間切れです。それでは困るので、
仕方なく質疑応答に参戦することになりますが、
このタイミングが結構難しいんですよね。

こうなってくると、議論が深まるというよりは、
むしろ議論が拡散してしまうかもしれません。
表面的に「活発な質疑応答が交わされた」というだけでは、
そのワークショップは成功したとは言えないでしょう。

ということで、どこで質疑応答をするかが本質ではなく、
議論を深めるために報告者がどのような工夫をするか、
なのでしょうね。

※7年ぶりのロンドンです。

 

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スイスの多言語文化

 

週末にムルテンという小さな町を訪れました(写真)。
ベルンから電車で1時間弱のところです。
たまたま月1回のフリーマーケット(?)をやっていて、
多くの人で賑わっていました。

このムルテンは中世の姿が残っているというだけでなく、
ちょうどドイツ語圏とフランス語圏の境目に位置しており、
町の名前がムルテン(独)/モラ(仏)と二つあります。
住民はどちらの言葉も不自由なく使えるのでしょうか?
どんな生活をしているのか気になりますね。

スイスが多言語文化の国ということは昨年も紹介しました。
「スイスの存在感」
ドイツ語が約6割と最大で、フランス語が2割、
イタリア語とロマンシュ語はさらに少数派のようです。

ところが近年、ドイツ語圏ではフランス語などの国語より、
英語を優先して教える傾向が強まっているとか。
確かに仕事の世界では英語が共通語となっているので、
そうなってしまうのも理解できる話です。
ただ、フランス語圏など少数派には面白くないでしょうね。

スイスという国は自治権をもつカントンの集合体として
歴史的に形成されてきました。
ドイツ語を使うカントンやフランス語を使うカントンがあり、
カントンどうしがおたがいを尊重してやってきたため、
今の多言語状況があるようです。

言葉の問題でこじれると、カントンどうしの結びつきが
弱まってしまうおそれもあるのでしょうね。
一介の旅行者の感想にすぎませんが。

 

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再びベルンへ

 

1年ぶりにベルンにやってきました。
世界遺産の町並みは相変わらず美しいです。

欧州ソブリン危機が深刻化しているとはいえ、
ちょっと町を歩いただけでは全くわかりません。
そりゃそうですよね。

それにしても、ホテルでも町なかでも、
中国人と思われる集団が目立ちますね。年々そう感じます。
他方、日本人とはまだ出会えておらず、さびしい限りです。

今回初めてスイスがワインの生産地ということを知りました。
生産量が少ないので、ほとんど国内で消費してしまうとか。
さっそく赤ワインを調達し、部屋で味わいました。

 

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マレーシアの国際性

 

2010年のマレーシア保険市場の規模は約118億ドルで、
日本のわずか2%にすぎません(スイス再保険「シグマ」より)。
生命保険の普及率も4割程度と聞きます。

そのマレーシアにMII(Malaysia Insurance Institute)という
非営利組織があり、ここの活動が国際的で驚きました。

MIIは保険会社や代理店等のトレーニングを担う組織で、
いわば日本の生保協会と損保協会から教育・研修・研究機能を
取りだして集約したところのようです。
マレーシアの保険当局とも連携して活動を行っているとのこと。
セールス関連だけではなく、各種コンファレンスの開催や
リスクマネジメント資格などにも力を入れている模様です。

本来、MIIはマレーシアの保険産業のための組織だと思うのですが、
それだけではなく、国際的なプレゼンス向上にも注力しています。
なかでもアジア・アフリカの新興国へのサポートに力を入れており、
各国から研修生を受け入れてもいます。

もちろん、熱意がなければできない活動ではあるものの、
考えてみればマレーシアには様々な条件が整っているのですね。

例えばマレーシアは旧英領だったこともあり、英語が普通に通じます。
高等教育も英語で行うのが一般的だそうです。
つまり、欧米に留学するよりもずっと安く、英語で高等教育を
受けることができるというわけです。

イスラム教が国教なので、イスラム圏の人々には安心です。
とりわけ食事の問題は簡単に解決できます。
さりとて中華系やインド系も多く、他宗教に寛容な雰囲気を感じます。

そして何より治安がよく、かつ、清潔です。
近年になってインフラ整備が進んだからかもしれませんが、
「快適さ」という点で日本に通じるものがあります。

今回の出張で、同じ東南アジアだからといって一くくりにしては
いけないと痛感しました。

 

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クアラルンプール

 

出張でマレーシアの首都クアラルンプールにいます。
赤道直下ということで覚悟してやってきたところ、
意外に暑くないです。

まだ車で動きまわっただけですが、近代的な町ですね。
写真左のペトロナスタワーをはじめ、高層ビルが立ち並び、
あちこちに右の写真のようなショッピングセンターがあります。
緑が多いのもクアラルンプールの特徴でしょうか。

国民の半分を占めるマレー人の多くはイスラム教徒なので、
女性の多くはトゥドゥンというスカーフのようなもので髪を隠し、
長袖・長いスカートで肌を見せないスタイルが目につきます。

ただ、これが結構おしゃれなんですね。
イスラムのイメージとは違い、非常にカラフルですし、
皆さんファッションを楽しんでる感じがします。
できれば写真で紹介したいのですが、機会があるかどうか...

 

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バンコクの観光地

 

帰国便が夜だったので、有名な寺院や郊外の水上マーケットまで
足を伸ばすことができました。

涅槃仏のワット・ポー(写真)、エメラルド仏のワット・プラ・ケーオ、
三島由紀夫「暁の寺」のワット・アルン、この3大寺院を訪れるのが
バンコク観光の定番なのだそうです。

定番観光地の近くには、観光客をだまして儲けようという輩が
たくさんいます。

私たちが地図で現在地などを確認していると、
いつの間にか現地風の男の人がいて、

「いまはここですよ。王宮?それならこう行けばいいんですよ」

なんて親切に教えてくれます。
お礼を言って出発しようとすると、

「ただ、王宮は王室の行事があるので、今はタダだけど、
 ほとんどの建物が見学できません。
 午後1時以降ならば全ての建物を見学できますよ」

とのこと。せっかく来たのになあ、と残念がっていると、
彼はさらに、

「王宮は午後からにして、それまでは○○を見学しませんか?
 ここからそんなに遠くないですよ」

と別の観光スポットを勧めてきます。

ここでようやく気が付きました。
彼は私たちをどこかに案内してガイド料をとる、
あるいは何かの店に私たちを連れて行き、
店から紹介料をもらうつもりだったのでしょう。

王宮に行くと(もちろん彼とは別れて)、
果たして普段どおりにオープンしていました。

 

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タイの保険事情

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前回に続き、バンコクから。

9月のバンコクは1年で最も雨が多い季節だそうです。
日本の梅雨とは違い、一日中しとしと降るのではなく、
雷とともに激しく降ったかと思えば、あとは真夏の日差しが
照りつける、といった感じです。

ただ、今年は異常気象のようで、タイの各地では7月から、
大規模な洪水に見舞われているようです。
連日こちらのテレビで報道しています。

左の写真はOIC(Office of Insurance Commission)です。
タイの保険監督は政府ではなく、独立機関であるOICが担っています。
UK-FSAのように、運営費用を保険会社が負担しているとのこと。

OICは今年から新しい最低資本規制(RBC)を導入しました。
分子の支払余力は「Fair Asset」から「Fair Liability」を引いたもの、
つまり、経済価値ベースのソルベンシー規制なのだそうです。

タイの生保も資産と負債のミスマッチを抱えているためか、
あるいは他の理由なのかもしれませんが、
新基準の導入で比率は大幅に下がる模様です。

 

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バンコクにいます

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出張でタイのバンコクにいます。
9月は1年で最も雨が多い時期とのことですが、
今のところ日中はそこそこ大丈夫です。

ある保険会社に行き、資料を見せてもらったら、
「30/6/54」と書いてありました。
日本に年号があるように、タイにも西暦とは違う暦
(仏暦でしょうか?)があり、普通に使われています。

「30/6/54」は「2554年6月30日」で、
「2554年」は西暦では2011年とのこと。
何の予備知識もなかったので、びっくりしました。

 

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海外旅行傷害保険

 

6月7日のブログでスーツケースの破損について書いたところ、
知り合いの保険代理店の皆さんから、
「海外旅行傷害保険に入っていれば、保険が使えるかも」
というアドバイスをいただきました。

さっそく手続きしてみたところ、電話と書類提出だけで
保険金を受け取ることができました。

事故発生が6月5日、事故の相談をしたのが15日、
書類を送ったのが20日、そして保険金の支払いが24日でした。
予想外に対応が早くて、うれしかったですね。

私が普段使っているクレジットカードには保険サービスがあり、
海外旅行傷害保険に加入しているという認識はありました。

ただ、携行品損害、つまり、身の回り品が偶然な事故により
盗まれたり壊れたりした場合の補償までは、
皆さんにご指摘されるまで全く気がつきませんでした。
そういうユーザーは多いのではないでしょうか。

「電話と書類提出だけで」とさらっと書きましたが、
実は電話がなかなかつながらず、これには参りました。

まずカード会社(=保険代理店)に電話しろとあるので
さんざん待たされた挙句、やっとつながったと思ったら、
「保険会社に直接連絡して下さい」という案内です。

少々イラっとしながら教えられた保険会社の番号にかけると
やはりつながりません。しかも、やっと出てきた相手は、
「こちらから電話するのでお待ちいただけますか」とのこと。
30分後か1時間後かわからないと言われてしまいました。

しかし、さすがに職場でいつかかってくるかわからない
電話を待ち、保険金の請求をするわけにもいきません。
夜なら比較的すいている、夜中でもOKとの情報を聞き出し、
ようやくその日の夜にこちらの状況を伝えることができました。

保険金の請求って、結構大変なものなのですね。
勉強になりました。
海外旅行保険の比較サイトとか見てもなかなかわかりえない事ですね。

ちなみに携行品損害保険金は買い替え費用ではなく、
壊れたスーツケースの時価(=償却後の価格)から
免責金額3000円を引いた金額が支払われました。
新しいスーツケースの半額くらいにはなったので、助かりました。

※写真はフランス・プロヴァンの商店街で見つけた保険代理店です。

 

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