福島に行ったのは日本ディスクロージャー研究学会の
研究大会に出席するためです。
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大会の目玉である統一論題報告・討論は、「東日本大震災後の
リスク管理と情報のディスクロージャーのあり方」。
4人の先生による報告の後、ゲストの野村修也教授も加わって
パネルディスカッションがありました。
吉川先生(心理学)の「リスク・コミュニケーションの現代的意義」や、
柴先生の「リスクのディスクロージャーに関する研究の必要性」など、
報告はなかなか示唆に富むものでした。
例えば、こんな話が出てきましたので、ご紹介します。
「リスクについて多くの情報をもっている科学者や行政などの
専門家だけが情報や意思決定を独占するのではなく、
非専門家である市民を含めた社会全体として意思決定して
いこうとする、新しい考え方の浸透が目指されている」(吉川先生)
「大災害が実際に発生した後では、リスク管理そのものがリスクに
変わりうる。このリスクは大災害後の人間行動と言ってもよい。
(中略)我々が知りたいことは、自然災害の発生の可能性と、
災害発生後のすべての人間行動である。」(柴先生)
普段私が使っているリスクの概念とはやや異なる感はありますし、
実は当日私は質問をしているのですが、それはさておき、
リスク・コミュニケーションといい、人間行動といい、保険会社の
ERMやリスク管理を考えるうえでも重要なポイントだと思います。
※いつもの通り個人的なコメントということでお願いします。
※飯坂温泉で開かれた懇親会では福島の少女たち
(福島里の子会)が日本舞踊を披露してくれました。