なぜ記録を残すのか

 

年末の片付けをしていたら、御厨貴先生の新聞記事
「公文書管理 記録残さぬ風土 戦後から」が出てきました
(4/30の読売)。

日本には議事録や記録を公文書として残す伝統が
存在しなかったのではなく、敗戦後、大量の公文書を
焼却したうえ、その後の占領統治のなかで、議事録や
記録をなるべく残さぬことが普通になっていったのだそうです。

民間でもリスクマネジメントを構築するとなると、
やれ文書化だ、やれ記録だと、いろいろ面倒なこと(?)
を求められますよね。

なぜ記録を残さなければならないのか。
御厨先生は記事のなかでこう語っています。

 後世に残すためのアーカイブ化と言うと、ずっと後の
 歴史家のために、なぜ今の決済に忙しい我々がという
 官僚諸氏の不平不満が聞こえてくる。そうではないのだ。

 今の決済や決定を明快に行うためにも、記録や議事録という
 同時並行的によりそうブツの存在が必要なのだ。
 そう、今やっている自分を、もう一人の自分がじっと眺めている
 とでも言おうか。

 そしてそうした記録や議事録は、そう遠くない将来、
 同様のコトが起きた場合、まさにすぐさま応用が利く
 成果をもたらすはずだ。

政府でも民間でも同じことだと思います。

※写真はダイコン畑と直売所。三崎まぐろ祭りの帰りに立ち寄りました。
 皆さん、来年もよろしくお願いいたします。

 

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米国生保の資産運用

ニッセイ基礎研究所の松岡博司さんが、
「米国生保の経営は日本化するか」
というレポートを発表しています。よくまとまっていて参考になります。
ニッセイ基礎研HPへ

「(規制強化で)株を買えない生保」と、事あるごとに
日本の生保は株を買うべしと言わんばかりのキャンペーンをする
どこかの経済紙がありますね。
このレポートによると、米国生保の株式保有はわずか2.3%です
(一般勘定)。しかも、以前から株式保有は多くありません。

「生保は公社債投信になりさがっている」といった声も
時々銀行系のかたから耳にします。米国生保も同じです。
一般勘定資産の7割が内外公社債なのだそうです。

どうも日本では生保を長信銀などと同じ目線で見る向きが
いまだに多いようです。
生保が株式市場などに長期資金を供給するのは
あくまで副次的な役割であって、保障の提供こそが
生保が社会に存在する意義だと思います。

そして、予定利率が固定された長期の保障を提供するのは
日本でも米国でもそう簡単ではないということなのでしょう。

ところで、レポートに次のような記述がありました。

「保有公社債の平均残存期間は 9 年~10 年程度と長い。
 残存期間 20 年超という、たいへん期間の長い公社債が
 約 20%を占める」

気になったのは、米国生保の負債構造がどうなっているかです。

実は日本の大手生保の公社債残存期間も同程度なのです。
しかし、負債が長いので、金利リスクを相殺しきれていません。

米国生保は金利リスクをとらず、信用リスクでリターンをえる戦略
(金利リスクを本当にとっていないかどうかは別として)
と言われますが、日本の生保より一般勘定の負債が短いのでしょうか。

保有契約ベースであれば、依然、終身保険も大きいように思います。
期間の短い団体年金などで打ち消されているということなのか、
終身保険とはいえ、解約してしまうのが一般的なのか...

ご存じのかたがいらっしゃれば、ご教示いただきたいです。

※写真は錦糸町駅です。

 

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横須賀線の会話

 

帰宅途中の横須賀線。運よく座っていた私の前で
同じ会社の先輩・後輩と思われる二人の男性が
なぜかリスク管理の話を始めたので、思わず聞き耳...^^

後輩 「リスク管理って、わかっていることだけやってたんじゃ、
    リスク管理にならないんですよね。震災の時もそうだったし...」

先輩 「いや、そういうこと言うヤツいるけど、俺は同意しないね。
    キリがないじゃないか。例えば東京で震度9の地震が起きるとか、
    隕石が落ちてくるとか。そんなこと考えても意味がないね」

後輩 「そういう話じゃないんです。地震よりも津波のほうが深刻だなんて、
    今回の震災が発生するまで考えてもいなかったですよね。
    わかっているリスクを管理しているだけだと...」

先輩 「いやいや、もし東日本大震災並みのことが東京で起きたら、
    被害はあんなもんじゃすまないだろう?それに備えておくの?
    みんな高台に住むの?そんな馬鹿な話はないだろう」

後輩 「そうじゃなくて...(続く)」

30代とおぼしき後輩くんは「エマージング(新興)リスク」、つまり、
現在はリスクとして認識されていないリスクについて話しているのに、
40代と思われる先輩は全く理解してくれません。

思わず会話に割り込み後輩くんをサポートしたい衝動にかられましたが、
何とか自制しました(笑)

システム関連の会社の方々だったようです。

※ミッドタウンのイルミネーション(写真左)は見事でした。

 

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保険とシステミックリスク

 

19日の保険毎日新聞に、システミックリスクに関する
ジュネーブ協会による調査結果が紹介されていました。

この調査は、ジュネーブ協会がシステミックリスクに関する
銀行と保険会社を比べたものです。
日本勢は日本生命、第一生命、東京海上が入っていました。
調査結果(PDFファイル)

ジュネーブ協会は世界の主要保険会社をメンバーとする
非営利のシンクタンクです。
世界の保険関係者が意見交換を行う場にもなっています。
ジュネーブ協会のHPへ

リーマンショックを受けて、銀行についてはG-SIBs
(グローバルにシステム上重要な銀行)が選定され、
自己資本の上乗せが求められることになりました。

保険会社についてもG-SIIs、すなわちグローバルにシステム上
重要な保険会社への規制が検討されています。

これに対し、「保険会社が破綻してもシステミックリスクを
もたらさない」というのが保険業界の主張です。

確かに今回のジュネーブ協会の調査結果を見ても、
保険会社がシステミックリスクを引き起こす可能性は
銀行に比べるとかなり小さいことがわかります
(Level3資産の割合は意外に大きいのですね)。

ただし、システミックリスクがないのかと言われると、
そのような主張が受け入れられるのは難しい情勢です。

例えば日本銀行の白川総裁は昨年のIAIS総会で、

「保険会社の経営不安や破綻は、貯蓄性保険商品の解約や
 市場の心理的動揺などを通じて、金融システム全体の
 不安定化につながる可能性は否定できません」

という講演を行っています。

金融審議会WGでも、

「伝統的なシステミック・リスクはなくとも、マーケット型の
 システミック・リスクにより、連鎖的に金融市場の混乱を
 もたらすことはありうる。特に、金融商品を大量に保有している
 金融機関は、市場における金融資産の価格の変動を通じて、
 市場において新しいシステミック・リスクを引き起こす可能性がある」

といった議論が行われているようです。

 

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CERA研修

 

ERM(エンタープライズ・リスクマネジメント)の国際資格である
CERA資格の認定要件としてCERA研修が週末に開催され、
一コマ講師を務めました。

「日本の状況を踏まえたERM実務に関連する知識・技術の習得等」
がCERA研修の目的なので、講義では中堅生保の破綻研究や
これまでの業務経験を踏まえ、事例紹介を中心に話したのですが、
いかがでしたでしょうか。

もっとも、研修の中心は講義ではなく、グループワークでした。

出された課題についてまず自分で答案を作成します。
次にそれをグループ全員で討議したうえで意見をまとめ、
全員の前で代表者が発表し、講師がコメントします。
このようなグループワークが1日半で4つもありました。

いずれの課題も高度かつ実際にありそうなものばかり。
かなり付加価値の高い研修だったのではないかと思います。
受講者の皆さんも熱心に参加していたようですね
(というか、かなり大変だったのでは...お疲れさまでした)。

※くまもんも受講していました(うそです)

 

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保険最新ランキング

「プロ100人が選んだ!! 保険最新ランキング」というムックを
近所のファミマで見つけました。

「保険選びのポイントは『誰から、どこから』入るか」
という記事に販売チャネルごとの特徴がありました。

確かにいまは生保レディだけでなく、保険ショップから
ネットまで販売チャネルが多様化しています。
保険のプロに相談しながら選ぶことも、専門家に頼らず
全てを自分で決めて契約することも可能です。

記事をみると、銀行・証券会社のデメリットは
「保険のプロではないので、商品知識が乏しい」
訪問型代理店は
「担当者のレベルの差が大きい」
生保レディとライフプランナーは
「1社専属のため他社との比較提案ができない」

それでは保険ショップはどうかというと、
「立ち位置はあくまで保険会社寄り」

チャネルが多様化したとはいえ、相談できる保険のプロは
今でも保険会社の職員または代理店なのですね。

なお、メインコンテンツの「ランキング」をどう見るかですが、
保険ジャーナリスト森田直子さんの記事によると、
「最新の売れ筋を知る手掛かりとなる」とのことでした。

※写真は西銀座チャンスセンター1番窓口の行列です。
 日本でいちばん高額当選が出る窓口だとか。
 いちばん外れも多く出るということなんでしょうね^^

 

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Open Discussion Forum

 

日本アクチュアリー会(国際関係委員会)主催の
Open Discussion Forumでスピーチをしました(7日)。

このフォーラムは、
「日本で活動する外国人アクチュアリーと日本人アクチュアリーとが
 英語でのディスカッションを行なう公開討論会」
 (日本アクチュアリー会のHPより)ということで、
昨年に続き今回が2回目なのだそうです。

確かに日本と海外ではアクチュアリーの業務とされている内容に
なぜか違いがあるように思えますので、このような試みは
プロフェッシャルの団体として大変いいことだと思います。

しかし、いざ自分が登場するとなると冷や汗ものでした。

スピーチそのものは事前準備で何とかなりますが、
問題は質疑応答です。英語そのものは何とかわかったとしても、
相手が何を聞きたいのか、わからないことが結構あるのですね。
皆さんはそのような経験ありませんか。

さて、私はERM Sessionに登場し、「ERM and Regulation」という
テーマで20分ほど話をしました。そして質疑応答タイム...
...私への質問はなく、無事お役御免となりました^^;

同じERM Sessionで大手再保険グループRGAのERMについて
スピーチがあり、米国拠点のグループでも再保険会社は
やはり進んでいるんだなあと興味深く拝聴しました。

米国の投資家は一般にUS-GAAPベースの利益と株主還元に
関心があり、実際、RGAの投資家向け説明会資料をみても
ERMやリスクベースの話はあまり出てこないようです。

それでもRGAでは10年以上前からERMの構築を進め、
経済資本も計算し、さらに進化を続けているとか。
会場からの質問もRGAのかたに集中していました

私も「pricing actuary」「valuation actuary」という言葉に反応し、
つい横から質問してしまいました。

先日ある外資系保険会社のトップと話をしていた際に
「valuation actuaryが厳しいのでダンピングなどできない」
という話を聞いたところだったので、おっ、と思ったのです。
日本の会社に「valuation actuary」はいるでしょうか?
(スペルミスを修正しました)

まあ、受け身で質問を待つよりも、自分から出て行ったほうが、
つまり「守り」より「攻め」のほうがいいのではないかという
作戦でもありました^^

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※写真は会場のトリトンスクエアと、勝鬨橋から見た築地市場です。

 

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逆ざやと株式保有

 

10月28日のブログで日銀「金融システムレポート」の
生保に関するコラムについて、次のようにコメントしました。

 筆者の意図がどうであれ、このコラムの読者が、
 「生保の金利(上昇)リスクは銀行よりも大変」
 といった誤った印象を持たないことを祈ります。
 業態別の金利リスク量

しかし、案の定、今回の生保決算報道のなかで、こんな記事が。

 生保各社の9月中間決算では株式の運用リスクが鮮明に
 なった半面、歴史的な低金利が続く国債の含み益が
 財務基盤の健全性維持に貢献した。

 ただ衆院選後に発足する新政権の政策で、財政赤字に対する
 市場の懸念が高まれば国債価格が下落(金利上昇)し、
 一転して含み損が膨らむ危うさも抱え込んでいる。

 (中略)

 日銀の試算によると、国債の金利が1%上昇した場合に
 発生する評価損は、国内銀行・信用金庫の計5.3兆円に対し、
 生保は8兆円で、国債の保有リスクは国内金融機関の中で最大。
 金利が上昇に転じれば財務状態は急激に悪化する可能性がある。
 (SankeiBiz 11/28)

金利低下で逆ざやが拡大し、生保経営を苦しめているという見方が
一般的ななかで、この記事はむしろ金利は下がったほうがいい、
金利が上昇に転じれば財務状態が急激に悪化する可能性がある、
日銀もそのような試算をしている...

少し考えれば変だということがわかりそうなものですが...

その「逆ざや」ですが、一部で
「株式から公社債へのシフトが逆ざやを拡大させている」
という論調を耳にしました。

おそらく、日本生命と明治安田生命が「順ざや」なので、
そのように考えたのでしょう。

公表される「逆ざや」は、利息配当金収入を中心とする基礎利回りと
平均予定利率から計算しますので、確かに株式配当金が減れば、
逆ざやが拡大する要因となります。

でも、利息配当金収入に占める株式配当金のウエートは
大手4社で最も大きい日本生命で11%、明治安田生命が10%
(2011年度)と、そもそもあまり大きくありません

それではなぜ両社が「順ざや」なのでしょうか。
中間期のデータはないので、2011年度のデータを見てみましょう。

    基礎利回り 平均予定利率
 日本  2.69%    2.61% 
 第一  2.38%    2.73%
 住友  2.51%    2.89%
 明安  2.33%    2.25%

日本生命が順ざやなのは、4社のなかで基礎利回りが高く、
平均予定利率もやや低めであること。
明治安田生命は平均予定利率が低いことが主因です。

日本生命の基礎利回りが高いのは、外貨建資産のウエートが
高いことが効いているようです。ヘッジポジションも大きいのですが、
ヘッジコストは基礎利回りに反映されません。
あと、公社債に占める国債のウエートが第一と明治安田よりも
日本、住友は低いので、この影響もあるのかもしれません。

明治安田生命の平均予定利率が低いのは、
一つは団体年金一般勘定のウエートが大きいことがあります。
ただ、その分を考慮しても他社より40~50bpほど低いようです。
追加責任準備金の集中的な積み立てによる効果のほか、
そもそもの負債構造が違うのかもしれません。

参考までに、公表されたEEVをみると(日本生命は非公表)、
明治安田生命の保有契約価値が小さいので疑問に思ったところ、
第一と住友のリスクフリーレートが国債利回りなのに対し、
明治安田は金利スワップレートを使っているためとわかりました。

ということで、少なくとも「株式が多いから順ざや」といった
単純な話ではないということですね。

※写真は横浜市資源循環局(=ごみ処理を担当)のマスコット
 左が「イーオ」、右が「ふや星人ゴミーヨ」だそうです。
 ほかにも「へら星人ミーオ」「ふや星人ゴミーナ」がいました。

 

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アジア保険関係者との対話

 

生保の中間決算(上半期報告)が発表されています(28日)。

大手で注目は明治安田生命でしょうか。
株式評価損に目が行きがちですが、米国RMBSの増加、
「その他有価証券」から責任準備金対応債券へのシフトなど、
いろいろと動きがみられました。

とはいえ、まだ全体を見ていないので、
週末にでももう少しコメントしようと思います。

ところで、最近、アジア各国の保険関係者に対し、
日本の保険市場や保険行政の動向について
話をする機会が何回かありました。

私が先月まで保険行政でソルベンシー規制の検討や
ERMの推進にわっていたこともあり、これらに関連する質問が
多かったのですが、それでも質疑応答を通じ、
彼らの関心事項が浮かんできました。

最もよく聞かれた質問は、低金利に関するものです。

「歴史的低金利が続く日本で、生保はどうやって経営しているのか」
「長期にわたる低金利が保険市場にどのような影響を与えているか」
「低金利で生保経営が厳しくなるなかで、行政は何か支援をしたのか」

などなど。
いまや欧米だけではなく、アジア各国でも金利水準が低下し、
保険会社の経営が厳しくなっていることが伺えます。

もうひとつ、興味深いというか、回答が難しい質問として、
「財務の健全性と消費者保護のいずれに軸足が置かれているのか」
というものがありました。

保井俊之さんの著書「保険金不払い問題と日本の保険行政」では
日本の保険行政について、

 ・戦前、戦中、高度成長期と続いたコントロール(統制)指向の行政
 ・1999年からのコンティンジェンシー(危機管理)指向の行政
 ・2005年からのコンプライアンス(法令遵守)指向の行政
 ・2008年からのコンバージェンス(目標集束)指向の行政

という整理がなされており、実感できるところです。

しかし、財務の健全性か消費者保護かと二択で問われると、
「どちらも重視している」としか答えようがありません。
いろいろと説明しましたが、納得してもらえたかどうか。

日本では中堅生損保の相次ぐ破綻(=契約者負担あり)を経て、
かつ、銀行預金のペイオフも解禁されています。

これに対し、アジア各国の保険市場では、
多くがコントロール指向の強い行政の下にあるため、
契約者保護と言うと財務の健全性確保ではなく、
消費者目線の政策のことがイメージされるようです。

※写真は築地市場で活躍する運搬車「ターレー」です。
 大きなハンドルの後ろに立って運転します。

 

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損保の2012年4-9月期決算

 

大手損保の4-9月期決算が公表されました(19日)。

いつもながら、期間損益を重視する見方では、
損保の経営内容をつかむことはできないと感じます。

MS&ADとNKSJが赤字となった最大の原因は、
株価下落に伴い多額の有価証券評価損を計上したためです。

ただし、損保各社の減損基準は一般よりも厳しい(=3割基準)うえ、
経営統合により保有株式の取得価額が上がっているため、
評価損が発生しやすくなっていることを忘れてはなりません。

ここ数年、「本業不振」が決まり文句のようになっています。
しかし、火災保険のように自然災害の有無によって
収支が大きく振れる種目の場合、短期の損益を見て
黒字だ赤字だと言っても意味がないでしょう。

ちなみに、このところ自然災害が相次いでいるとはいえ、
過去10年間で大手損保の火災保険のコンバインドレシオが
100%を上回ったのは、2005/3と2012/3の2回だけです。
リスクベースで見たリターンはどうなっているのでしょうね。

自動車保険では、料率改善効果が表れているようです。
大手5社のうち、東京海上日動を除く4社でE/I損害率が
改善しています。さすがに流れが変わってきたのでしょうか。

とはいえ、収益性の改善が道半ばなのは間違いありません。
2、3兆円もの資本を使っておきながら、修正利益やコア利益が
500~800億円レベルというわけにはいかないはずですよね。

※11/10にJARIPの年次大会が東大駒場キャンパスでありました。
 キーワードは「見知らぬ明日」。リスク管理は奥が深いです。
 JARIPのHPへ

 

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