生保は以前から「有価証券残存期間別残高」という
データを公表しています
(大手中堅9社以外はディスクロージャー資料のみ)。
このデータを見ると、各社が保有する公社債の
残存期間を年々長期化してきたことがうかがえます。
例えば、1年以下=0.5年、1~3年=2年、3~5年=4年、
5~7年=6年、7~10年=8.5年、10年超=15年として
残存期間を推定してみましょう。
2003/3期と2013/3期の推定残存期間を比べると、
日本生命 6.6年 → 11.7年
第一生命 5.7年 → 12.3年
住友生命 5.0年 → 12.2年
明治安田 5.8年 → 12.0年
こんな感じになっています。
ただ、このところ困ったことが生じてきました。
いまや生保が保有する公社債の7、8割が「10年超」なのです。
ところが、10年超の債券がひとくくりで公表されているので、
20年債でも40年債でも同じ区分に入ってしまうのですね。
上記の推定では「10年超」を「15年」として計算しましたが、
もし「20年」で計算すると、残存期間は15年程度となります。
20年国債を中心に買っている会社と、40年国債もそこそこ
買っている会社では、残存期間はかなり異なるはず。
今の開示ではこのあたりは全くわかりません。
せっかく「有価証券残存期間別残高」を公表しているのに、
公社債の7、8割が同じ「10年超」の区分となっている。
このような現状を踏まえ、次回の決算発表までには
ぜひ「10年超」の細分化をお願いしたいです。
※左の写真は先週の父の日のプレゼントです♪